多 忠昭(おおの ただあき、1928年 - 1995年[1])は日本ヴァイオリニスト宮内庁雅楽部出身。父はヴァイオリン奏者作曲家多忠亮[2]

多 忠昭
出身地 日本の旗 日本
ジャンル 歌謡曲
ポップス
J-POP
職業 演奏家
担当楽器 ヴァイオリン

人物・活動

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日本最強のスタジオ・ストリングス・セクションと言われた[3]″多(おおの)グループ″のリーダーとして活躍する。1970~80年代にかけて、ニューミュージックからアイドルポップスまで、歌ものに特化した数多の楽曲のレコーディングに参加した。ちなみにグループ名については、LPレコードのライナーノーツなどに記載されたクレジットによって、大野グループ、多グループ、Ohno Group、多弦楽グループ、多忠昭ストリングス、多忠昭アンサンブルなど、複数の異なる呼称が見られる[4]

1970~80年代における日本の歌謡曲、ポップス全盛期には多忙を極め、一日5か所ほどのスタジオを回り、朝から深夜に及ぶレコーディングを続けるという日々がほぼ毎日続いたという。演奏に携わるメンバー達は高いプライドを持ち、強い結束力の下、洗練された旋律を奏でた[5]

多に対する作・編曲家からの評判は、押し並べて温厚な人物であったとするものばかりだが[6]、時にはアレンジャーの書いた譜面の出来が不十分な場合、「これ書き直していらっしゃい。日を改めてやりましょう。今日はレコーディングは無し。帰りましょう。」と言って楽器を片付けて引上げてしまうこともあったといい[5]、演奏に関しては妥協を許さない厳しい一面もあった。

1995年、66歳で死去[5]

音楽家による人物評

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「多先生のストリングス・セクションは正確なリズム感と洗練されたビブラートで、多くの一流アレンジャーから圧倒的な支持を得ていました。[7]
「すごく紳士的な人でした。優しい人。[5]
「すごく優しい人です。支持も端的で的確。いいメンバーを集めていました。若く有能な人を連れてくる人でもありました。[5]
「最初は『こんなスコア弾けないから』なんて突き返されたりしたけれど、丁寧に書き続けて粘り強く指名していたら、ようやく認めてもらえました。レコーディングの後、ミキシング・ルームに来た多さんが『そうだね、こうした方がいいね』って最高に分かり合えるようになりました。[8]
「優しかったです。いろいろなことを教えてもらいました。[5]
「素晴らしい弦書くね。二回褒めたのは初めてだよ。」と言われ嬉しかったと話す[5]

多グループの主要メンバー

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  • ヴァイオリン:多忠昭、平尾真伸、加藤高志、落合孝男、加納佑春、服部千秋、友田啓明、佐藤良彦、秋山修、佐藤野百合、野沢勝正
  • ヴィオラ:菅沼準二、小野耕之輔
  • チェロ:高橋忠男、藤田隆雄
  • コントラバス:松本武全

多グループから派生したストリングス・グループ

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小林陽一郎を中心に篠崎正嗣や加藤高志らが在籍した小林陽一郎グループ(巨匠グループ)、チェロ奏者の前田昌利と阿部雅士が立ち上げたTOMATOグループなどがある[5]。1980年代初頭から中期にかけて、多グループのメンバーであった加藤高志、友田啓明、佐藤野百合らがそれぞれ独立し、加藤JOEグループ、友田啓明グループ、佐藤野百合グループを立ち上げる。ほか、玉野喜久グループ、篠崎正嗣グループ、演歌を専門とした堀口博雄グループなど数々のセクションが生まれた[5]

演奏に携わった主なアーティスト

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脚注

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出典

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  1. ^ 多忠昭アンサンブル - Relationships”. MusicBrainz. 2024年9月29日閲覧。
  2. ^ 浪商校歌”. 大体大浪商高校同窓会 オフィシャルホームページ. 2024年9月29日閲覧。
  3. ^ JZ Brat”. JZ Brat Sound of Tokyo|ライブスケジュール. 2024年9月29日閲覧。
  4. ^ Ohno Group”. Discogs. 2024年9月29日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i 梶田 2017, p. 224-227
  6. ^ 日本のポップス黄金時代を支えた“裏方”たちーー『ニッポンの編曲家』が伝える制作現場の熱気”. Real Sound. 2024年10月12日閲覧。
  7. ^ @Yusuke_Hoguchi. "(1)穂口雄右 on X". X(旧Twitter)より2024年9月29日閲覧
  8. ^ 矢野誠8時間ロングインタビュー『音楽の中へ』:第一章:青年・探求の候《その参》”. 富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ. 公益財団法人キラリ財団. 2024年10月12日閲覧。

参考文献

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  • 梶田昌史『ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち(川瀬康雄・吉田格・梶田昌史・田渕浩久:共著)』DU BOOKS〈イースト新書〉、2017年5月1日。ISBN 978-4-907583-79-8。C0073。 

外部リンク

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