塩野宏
鹽野 宏(しおの ひろし、1931年6月13日 - )は、日本の法学者(行政法)。勲等は文化勲章。東京大学名誉教授、日本学士院会員、文化功労者。姓の「鹽」は「塩」の旧字体のため、新字体で塩野 宏(しおの ひろし)とも表記される。
しおの ひろし 鹽野 宏 | |
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日本学士院により 公表された肖像写真 | |
生誕 |
鹽野 宏 (しおの ひろし) 1931年6月13日(93歳) 東京府 |
居住 | 日本 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 法学 |
研究機関 |
東京大学 成蹊大学 東亜大学 |
出身校 | 東京大学法学部卒業 |
指導教員 | 田中二郎 |
主な指導学生 |
宇賀克也 橋本博之 櫻井敬子 大橋洋一 斎藤誠 山本隆司 高木光 中川丈久 |
主な業績 |
日本の行政法の 基礎理論を構築 行政法の個別領域について 行政と社会の 実体に関する研究 体系化された 行政法解釈論を構築 |
プロジェクト:人物伝 |
東京大学法学部教授、成蹊大学法学部教授、東亜大学大学院教授、公益財団法人放送文化基金理事長、日本学士院院長などを歴任した。
概要
編集行政法を専攻する東京府出身の法学者である。東京大学法学部を卒業し、東京大学、成蹊大学、東亜大学で教鞭を執った。東京大学より名誉教授の称号を授与された。そのほか、放送文化基金では理事長に就任した。日本学士院会員に選任され、のちに院長に就任した[1]。
来歴
編集生い立ち
編集父は算術・珠算教育で著名な塩野直道。東京府生まれ。一時金沢市に在住。東京大学法学部卒業。
法学者として
編集東京大学法学部助手、助教授を経て教授。定年退官後、成蹊大学法学部教授を経て、東亜大学通信制大学院教授。
1994年、衆議院議員選挙区画定審議会の委員として、「小選挙区300・比例代表200」の具体的な区割り案の策定に関わった[2]。1998年郵政省電波監理審議会会長、紫綬褒章受章。1999年日本学士院会員。2009年文化功労者。2011年より放送文化基金理事長。2015年文化勲章受章[3]。2016年より第26代日本学士院長[4]。
研究
編集東京大学名誉教授で最高裁判所判事を務めた田中二郎に師事。『オットー・マイヤー行政法学の構造』(有斐閣、1962年)をはじめとして多数の論文、判例評釈を執筆している。多くの立法過程に携わり、近年は行政訴訟検討会の座長として2004年の行政事件訴訟法の改正に深く関与した。また、2001年に人権擁護法案の必要性を答申した「人権擁護推進審議会」(法務、文科など3相の諮問機関)元会長でもある。
栄典
編集主な著書
編集- 単著
- 『行政法I 行政法総論』(有斐閣、初版1991年・第6版補訂版2024年)
- 『行政法II 行政救済法』(有斐閣、初版1991年・第6版2019年)
- 『行政法III 行政組織法』(有斐閣、初版1995年・第5版2021年)
- 『オットー・マイヤー行政法学の構造』有斐閣、1962年。
- 『公法と私法』(有斐閣、1989年)
- 『放送法制の課題』(有斐閣、1989年)
- 『行政過程とその統制』(有斐閣、1989年)
- 『国と地方公共団体』(有斐閣、1990年)
- 『行政組織法の諸相』(有斐閣、1991年)
- 『法治主義の諸相』(有斐閣、2001年)
- 『行政法概念の諸相』(有斐閣、2011年)
- 『行政法論議の諸相』(有斐閣、2022年)
- 共著
記念論文集
編集論文
編集- 「制度論――電気通信法制の展開過程」『新聞学評論』第33号(1984年)
- 「行政法学における法人論の変遷」『日本學士院紀要』第56号第2号(2002年)
- 「行政委員会制度について――日本における定着度」『日本學士院紀要』第59号第1号(2004年)
- 「国立大学法人について」『日本學士院紀要』第60号第2号(2006年)
- 「基本法について」『日本學士院紀要』第63号第1号(2008年)
社会的活動
編集- 多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会座長代理
- 行政訴訟検討会座長
- 法学検定試験委員会委員
- 放送政策研究会座長
- 財団法人行政管理研究センター評議員
- 財団法人放送文化基金理事長
門下生
編集脚注
編集- ^ “日本学士院長に塩野氏 :日本経済新聞”. www.nikkei.com. 2019年2月3日閲覧。
- ^ 佐々木毅編著 『政治改革1800日の真実』講談社、1999年9月30日、204-205頁。
- ^ a b “平成27年度 文化勲章受章者” (PDF). 内閣府 (2015年11月3日). 2023年3月25日閲覧。
- ^ “日本学士院長の選定について”. 日本学士院 (2016年10月12日). 2016年10月14日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
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