在日クルド人(ざいにちクルドじん、クルド語: Kurdên Japonyayê)は、日本に居住または滞在するクルド人。クルド人は固有の風習文化歴史、独自の言語を持つ推定3000万人ほどの人口民族だが、これまでの歴史で独立した民族国家を形成したことがなく、主に中東南コーカサストルコ南東部、シリア北東部、イラン北西部、イラク北部などにまたがった地域(通称「クルディスタン」)に居住する[6]。国家を持たない最大の民族といわれるクルド人は、母国において抑圧された生活を強いられてきた。そのため世界各地に離散したクルド人がおり、在日クルド人についても同様の経緯がある[7]。日本では法律上 過半数以上が不法滞在者として扱われている[8]

クルド人
Kurdên Japonyayê
クルディスタン地域の旗日本の旗
総人口
2016年時点で約2,000人[1]
2023年時点で「2,000~3,000人」以上[2]。推定4000人とも[3][4]。難民申請中の仮放免は住民票をもたず、また、本人が希望しない場合は居住する自治体に通知がされなかったために、在日クルド人が多く居住する自治体が人数を把握できず、正確な人数は把握されていない[5]
居住地域
埼玉県(大部分は川口市蕨市東京都千葉県愛知県など
言語
トルコ語クルド語
宗教
イスラム教スンナ派シーア派アレヴィー派)、ヤズィーディー教ゾロアスター教

在日クルド人はトルコ南東部(北クルディスタン)出身のトルコ系クルド人英語版が中心になっている[9]。トルコ系のクルド人が多く生活する背景として、トルコ政府によるクルド人への抑圧、トルコ政府とクルド人の対立、査証免除協定による日本への入国のしやすさなどの事情がある[10][11]

日本では外国人による大規模な暴動事件は稀であるが、2023年頃にクルド人が関与したとされるいくつかの事件が報じられたことから、地域住民の一部で不安が広がった。これに伴い、SNSなどでクルド人に関する議論が活発化し、川口クルド人問題が知られるようになった[12][13]。2024年2月、蕨市で極右団体「日本第一党」によって、在日クルド人に対する排斥を訴えるデモが行われた[14]。このデモに反対する日本人やクルド人によるカウンター行動の際に、日本クルド文化協会所属のクルド人が発した言葉が「日本人に対する攻撃的な発言」として報じられたことが物議を醸した。その後インターネット番組でフリーアナウンサーが「外国人との共生が不可だとなると、日本人は引っ越しできるので人口が流出するだけ」などと発言したことに起因する騒動が発端となり、一般市民から、クルド人問題に関する報道について、「テレビは事実を報道しない」「ヘイトと言われる日本は本当におかしい」などの声があがった[15]。2024年6月のTBS「報道特集」では、クルド人が関与した事件の映像がSNS上で拡散したことにより一部でネガティブな印象が広がったことを受けて、川口市で外国人問題に関するデモが行われたことが報じられた。このデモでは、一部の参加者がヘイトスピーチ的な発言を行い、それに反対する人々との間で対立が発生。警察官が言い合いやもみ合いを阻止しようとする場面が見られ、地域住民の一部は戸惑いを示していた。同番組は、ヘイトスピーチや外国人に対する差別行動が問題視されていることが報じた[16]。一方、川口市では、市内で行われている「外国人問題に起因するデモ」に関して、当事者の外国人住民から相談を受けているわけではなく、また市内で開催されたデモにおいて、公式にはヘイトスピーチと認定される発言は確認されていないとしている[17]。その後にさいたま地裁は、日本クルド文化協会の請求を受け、川口市におけるクルド人の排斥を主張するデモの差し止めを求める仮処分を決定した[18]

歴史

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クルディスタンと呼ばれる地域はトルコ、イラク、イラン、シリアの国境を越えて存在する[19]。トルコでは共和国の建国時からトルコ・クルド紛争が続いている[10]。トルコのクルド人は、トルコ政府によってクルド語の出版・放送の禁止、法廷や役所など公的な場所でのクルド語の使用禁止、クルド語の地名のトルコ語への変更、「山岳トルコ人」という名称などの抑圧を受けてきた歴史がある[注釈 1][11]。1990年代以降、JR蕨駅を中心とした地域に定住し始め、その多くが、在留許可を持たない非正規滞在の状態で、地方自治体により実態の把握がなされないまま暮らしていた[21]。当時、1980年代から日本に暮らしていたイラン国籍のクルド人クルド語版を頼って渡日し[22]、東京に近く生活費が比較的安価な埼玉県川口市蕨市に住むようになった。また、トルコ南東部では1993年から1995年にかけてトルコ政府の治安部隊によるクルド人への弾圧が強まり、日本との間にビザ免除協定が存在していたため、この協定を利用して入国する例も多かった[23]

1997年には日本でクルド難民弁護団が設立される。1999年には難民不認定のクルド人が入国管理局によって強制退去となり、イスタンブル空港でトルコの警察に逮捕・暴行を加えられた。2005年には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がマンデイト難民と認定をしたクルド人男性について、法務省は、クルド人が迫害を受けていたと主張した時期にイギリスで難民申請のために出国していたり(難民申請は却下)、裁判で難民申請の内容に虚偽があったことをクルド人男性本人が認めていることなどから「迫害の事実はなかった」という判決が出ていることなどを理由に、難民と認定せずに強制送還している(#法的背景も参照)[注釈 2][25][26]

2003年にはトルコ国籍のクルド人有志による「クルディスタン&日本友好協会」が設立された[27]。トルコ政府はクルディスタン&日本友好協会をクルディスタン労働者党(PKK)の事務所と見なし、2005年にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領より当時の小泉純一郎総理大臣に直接閉鎖の要望が伝えられた[28]。難民支援者らは、これら一連の動きにより協会や難民申請者に対するトルコ政府の圧力が強まり、難民認定申請が認められなかったケースもあったと捉えている(#法的背景も参照)[29][30]。その後、イラク北部のクルド人自治区との経済的つながりを重視した別の組織による活動が主導的となり、クルディスタン&日本友好協会は2008年に解体された[31]

民主党政権時代の2010(平成22)年に、難民申請から6カ月経過した申請者に対して一律に就労を許可する制度が導入された。この制度により、就労を目的とした難民申請者が増加し、2010年には約1200人だった申請者数が、2017年には約16倍の約2万人に急増した。しかし、翌2018年1月12日に安倍政権が一律就労許可制度を廃止し、難民として認定される可能性が低い申請者の在留や就労条件を厳格化した結果、申請者数は半減した[22][32][33]

2015年(平成27年)のトルコ国籍者の難民申請者数は926人と、全体では3番目に多くなっている[34]。2016年には、川口市や蕨市周辺トルコ国籍のクルド人は、800人を超えているとか[35]、約1300人にまで増加していると言われていた[注釈 3][36]

2022年のトルコ国籍の難民申請者が445人ほどであったが、2023年には過去最多数の2,406人に大幅に増加する[37]。この頃から、川口市に在住する地域住民が、クルド人へ不安や恐怖を感じるような犯罪や事件・事故が多発するようになり、川口クルド人問題が大きな社会問題として認識され始めるようになる[13]。2023年、日本クルド友好協会の会長であった頭山興助平沼赳夫藤井厳喜杉田水脈とともに同会および日本クルド友好議員連盟を脱退した[38]

2024年時点の在日クルド人の人口は、2000人、3000人以上など報道によりまちまちである。2024年4月時点では、不法滞在状態の「仮放免者」が、川口市内に約700人、「特定活動(難民認定手続中の「難民ビザ」)と呼ばれる一時的な滞在資格をもつ仮放免者が約1,300人いるとされている。これまでは仮放免者の情報は自治体へ通知されておらず、実態把握が困難だったが、入管難民法の運用が見直され実数の把握が進んだ。なお、改正法施行後は、難民認定申請中の強制送還停止が原則2回までに制限され、仮放免者の数も減ることが想定されていると報じられている[39]

法的背景

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日本政府とトルコ政府は90日間の査証免除協定を締結しており、これによりクルド人を含むトルコ国籍者の日本への渡航が比較的容易である。この制度を利用して観光ビザで入国後、トルコ政府からの迫害を理由に難民申請を行うケースが報告されているが、その中には生活困難や就労を目的とした申請も含まれていると指摘されている。入管は、出稼ぎや日本への定住を目的とした「難民としての認識が薄い」難民申請者の存在を指摘している[22]。法務省はUNHCRがマンデイト難民と認定したクルド人男性を2005年に強制送還している。UNHCRが難民と認めた人物を、強制送還した例はそれまでなかった。強制送還の理由について法務省は、クルド人が迫害を受けていたと主張した時期にイギリスで難民申請のために出国しており(難民申請は却下)、クルド人男性本人自身も、裁判でトルコで迫害されていたなどの主張が虚偽であることを認めていることを指摘している[26]。そうした事情により、平成15年5月22日東京高等裁判所判決において「迫害の事実はなかった」という判決が確定しており、平成16年11月4日に退去強制令書発布処分取り消し請求訴訟事件に関する東京高等裁判所判決においても、難民と認定しないという判決が示されていることから、強制送還したことを法務省はUNHCRに反論している[26]。これについて難民支援協会は、入国管理局は難民申請者のクルド人の個人情報を平成14年と16年にトルコ政府に伝え、難民申請者の家族がトルコの警察や軍関係者の調査を受けているため守秘義務違反にあたると批判している[注釈 4][40]

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表、東洋英和女学院大名誉教授の滝澤三郎は「トルコ国内でクルド人に対する政策的な差別は全くない」と断言し、クルド人がトルコで「迫害を受ける恐れ」の存在を否定している[22]。ただし、クルド労働者党(PKK)支持者のクルド人が、「迫害を受ける恐れ」を理由として、日本で難民認定申請をしているケースがある[41]。2022年の札幌高裁判決では、トルコ国籍のクルド人男性一名についてクルド人独立を目指す組織の構成員への食糧提供が原因による拷問の事実が認められ、迫害を受ける可能性があるとして、クルド人としてはじめて、難民に該当すると判断された[42][43]​​[44][45][注釈 5]。この判決では、トルコで、「クルド人である」という民族性のみを理由に迫害されるということはない、とも認定されている[43]。トルコ政府は、クルド人には選挙権や人権が保障されているとして難民性を否定している[50]。一方、シリア国籍クルド人にも、2011年から続くシリア内戦による迫害を主張する者もわずかに存在している[51][52][53](シリア人と表記されることが多い[54])。

クルド人は親族を呼んで親族ともども難民申請をしたり、経済難民による難民申請であったり、一部でクルド人を装って難民申請を行うトルコ人がいることも報告されている[55]。2023年には、トルコ・シリア地震後に難民申請者が被災者の家族を呼び寄せたり、被災者が親戚を頼って来日し、地震被災者がそのまま日本への定住を目的として難民認定を申請している事例もある[56]。難民申請が5回却下されたクルド人不法滞在者は、本音としては難民ではなく移民として認めてほしいと述べている[57]

2023年4月13日に、衆議院本会議で立憲民主党の山田勝彦は、トルコへの強制送還後にクルド人男性1名が命を失った事例を国会で述べていた[58]。これについて、同月19日の衆議院法務委員会にて入管は、このクルド人の死因は日本での出稼ぎ収入の使用用途をめぐる親族間の争いに端を発した息子による殺害と報道されており、難民条約上の迫害等の難民性の問題とは無関係であると述べている[59]

難民申請制度を巡る課題に対応するため、2024年6月10日に改正入管法が施行され、3回目以降の申請者については、適切な理由がない限り強制送還が可能となった[60]。2024年3月時点で、複数回の申請者は全国に1,661人おり、その約4分の1はトルコ国籍であった[60]

生活・文化

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埼玉県川口市や蕨市周辺に、在日クルド人の多くが居住しており、彼らの中にはこの地域を、クルディスタン(Kurdistan=クルド人の土地)にちなんで「ワラビスタン」と呼称する者もいるという[注釈 6][62][63]

言語

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在日クルド人の多くはトルコ出身であり、クルド語トルコ語を使用して生活している。クルド語は地域の方言差が大きく、在日クルド人はクルマンジーの話者が多い[注釈 7][65]。お互いにコミュニケーションをする時は、多くの場合はクルマンジーよりもトルコ語を使う。出身地がトルコ語圏の都市に隣接しているため、トルコ語が主な言語になっている事情が影響している[66]

一部の家庭では日本語教育を優先するため、子供にクルド語を教えない場合もある​​[67]。トルコにおけるクルド人の多くは、羊飼いや農業、都市部の労働に従事していたとされるが、来日後は解体業などに就く人も多い。また、日本での生活においては日本語を学ぶ機会の差異が見られ、日本語習得の状況は家庭によって異なる[68]

2016年には川口市にクルド日本語教室が設立され、主に埼玉在住のクルド人に日本語教育を行うことを目的に活動している。公民館やブックカフェ、貸しスペースなどの場所で定期的に開催されており、小中学生向けの教室と親世代の教室に分かれている[69]

宗教

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一般的に、クルド人の宗教は、イスラム教スンナ派がほとんどだが、シーア派ヤズィーディーアレヴィー派もいる[70]。日本クルド文化協会は、クルド人は「自然崇拝・多神教のゾロアスター教の文化を継承する民族で、一部にイスラム教徒も居るが多神教が基本」であり世俗的である[71]としているが、一般的にはスンナ派がクルド人の多数派を占めると認知されている[72]

PKK指導者であるアブドゥッラー・オジャランはスンナ派を基本とするトルコ人との対立構造を強調するため、しばしばクルド民族主義の拠り所としてゾロアスター教を利用しており(クルド人にはゾロアスターがクルド人であったと信じる者が多い)、それに同調するヤズィーディー教徒やアレヴィー派が多く存在する[73]

なお、イランやインドで現在も信仰されているゾロアスター教と、政治的背景から「復活」したトルコの新ゾロアスター教には多くの相違点がある[73]

ネウロズ

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埼玉県で、クルドの新年祭として「ネウロズ[1](ネブロス、ノウルーズとも)」を開催している。ただし、ネウロズは多民族による共通の祭であり、とくにクルド人の祭として発祥したわけではなく、クルド人のためだけの祭というわけでもない。世界的にはイラン人の祭であるとみなされているが、トルコにおいては(イラン系民族である)クルド人のアイデンティティと密接にかかわっており、クルド人の鍛冶屋カワがアッシリアの悪王に勝利した日とされる[74]

出身

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日本、埼玉県に在住しているクルド人の多くが、トルコ・シリア地震の被災地であるトルコ南東部[75]、特にガジアンテップカフラマンマラシュアドゥヤマンシャンルウルファなどの都市やその近郊の村の出身である[9][76][77]

クルド人ジャーナリストであるイルファン・アクタンによると、2022年時点で80%がマヒカン族[注釈 8]と呼ばれる部族で構成されるという[79]。もともとデルスィム周辺に居住していたマヒカン族は、1937年に戦争を逃れアドゥヤマンのギョルバシュ郡にマヒカン(Mahkânlı)村をつくったが、この村が多くの在日クルド人の故地である[80]。現在はアドゥヤマン県には存在せず[80]、ヒュリエット(Hürriyet)という名前でカフラマンマラシュ県に移動している[注釈 9][9]

彼らが被災した戦争とはデルスィム虐殺英語版を指すと考えられるが、弾圧の対象となったのはアレヴィー教徒で主にザザキ語話者であり、クルマンジー語話者でありスンナ派が多数を占めるマヒカン族とは異なる集団である[81][要検証]。また、カフラマンマラシュ県テティルリク村(Tetirlik、アレヴィー教徒の村)からも相当数が流入しているとされる[76]

山岳地帯に散在するクルド人は、元来地縁的性格の強い部族(アシーラ)をつくる。一族の長にあたるアーガー英語版は、儀式・裁判の執行、成員からの罰金、アハティーという税金の徴収、外来者の接待を行い、その地位を長子が相続する。アクタンによる在日クルド人コミュニティ調査によれば、在日クルド人社会ではアーガーは不在である[79]

教育

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難民申請を繰り返して在留資格がないまま滞在し続けた世代の2世が、2023年の時点で200人ほど誕生しており、日本の公立学校に通っている[68]

一部のクルド人家庭では、中学生の女子を学校に通わせないケースが報告されているが、この問題に関しては、家庭や個々の状況によりさまざまである[82]。日本の法制度において、外国籍の子どもに対する就学義務は課されていないが、教育を受ける権利は保障されており、多くの自治体で外国籍の子どもも公立学校への通学が奨励されている[82]。2016年に、2世から初めての大学進学者が誕生している[83]

収容所生活や送還

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祖国に帰国した後、再度渡日を試みたクルド人が、入管当局により上陸拒否を受けたものの、空港での抗議行動やハンガーストライキを行うケースが報じられている。また、一部の収容者は、送還時に抵抗するための行動として、空港で暴れたり、施設で抗議活動を行うことがある​​[60][84][85]。これらの行動については、入管当局と収容者の間での緊張が背景にあり、問題の複雑さを示している[86]

一方、クルド人支援団体「在日クルド人と共に」は、在留資格をもたず、入国者収容所から仮放免されているクルド人が直面する生活の困難について指摘している[87]。これらの仮放免者は就労が禁止されており、国民健康保険への加入もできないため、日常生活に支障をきたしている[88]。また、収容所内での処遇について、一部のクルド人からは、収容所での環境が劣悪であるとの訴えがなされている[86][88]

親族間対立

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在日クルド人コミュニティは、複数の親族グループに分かれていることが多く、互いの交流が少ない場合もあるとされる​[4]。特に、出身地や背景の違いにより、特定の親族間で緊張が生じることがあり、トラブルが発生した際には、事態が大規模化するケースも報告されている[4]。クルド人の文化的背景には、遊牧民の歴史があり、親族内の絆が強い一方、異なる親族や背景を持つ人々と打ち解けるのが難しいとされている​[4]

2023年7月には、クルド人同士の親族間のトラブルが発端となり、川口市内で約100人が集まる騒動が発生したと報じられた[89][4]。このトラブルの背景には、金銭問題や人間関係の対立が含まれており、結果として医療機関での混乱に発展したとされている​。また、この親族間については以前にも対立が起き、コンビニで複数の家族が関与するトラブルに発展したことがあったと報じられている(#川口市立医療センター内乱闘も参照)[4]

また一部のクルド人家庭からは、親族間の対立に配慮したクラス編成を求める声があったと報じられている​。例えば、「あの親族の子と同じクラスにしないでほしい」といった要求が学校側に対して行われることがあるとされ、こうした要望が教育現場に影響を与える場合がある[4]。授業参観の際にも、「クルド人の他の親族の子供ばかり指して発言させた」と親族間の緊張が表面化し、親同士が衝突することがあったとされる​[4]

政治

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クルド人はトルコ、イラク、イランなど出身地によって政治的な立場が異なり、文化的な違いよりも政治的な志向によって分化している。在日クルド人は大半がトルコ系であるため、そうした分化は希薄である[90]。在日クルド人の支持を得ているクルド系の政党は国民民主主義党(HDP)で、在日クルド人が多数参加している。HDPはトルコにおける選挙で日本から票を獲得した最初の政党となった[注釈 10]。在日クルド人は、表向きはトルコ政府に反対するトルコの集団とみなされる傾向にある。在日トルコ人の中にもトルコ政府に反対する者がおり、そのような立場の在日トルコ人は在日クルド人と政治的な目的を共有する。しかしトルコ政府を支持する在日トルコ人とは緊張が高まる可能性がある[91]

トルコ政府との関係

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2015年6月のトルコ総選挙でクルド人政党の国民民主主義党(HDP)が躍進[92]して以降、クルディスタン労働者党(PKK)を武装集団叛徒だとするトルコ政府がクルド人地域を空爆して多数の死者が出るなど、トルコ政府とクルド人との対立は激化した。そのような情勢のなか、2015年10月25日には、11月1日のトルコ総選挙の在外事前投票を行なっていた、在日トルコ大使館の周辺において、トルコ政府を支持する在日トルコ人と在日クルド人が乱闘となるなど、日本国内においても両者の対立が表面化した[93]。この事件について、在日クルド人団体の日本クルド文化協会は2015年10月28日に会見を開いた。騒動が起こったことを謝罪したうえで、トルコ人たちと対立する意思はないことを表明。また騒動の原因がクルド人とトルコ人双方が支持する政党や組織の旗を掲げたことが原因と報じられていることについてが、クルド側の旗について否定した[94][95]

2023年のトルコ総選挙において、在日トルコ国籍者からの最も票を集めたのは、HDPなどが統一名簿に加わった緑の左派党[96](選挙後に人民平等民主党に改称)で、投票総数の30.99%を占めた[注釈 11]。在外投票のなかで緑の左派党(当時)が第一位となったのは日本だけだが、得票率が20%を超えた国はほかに英国、フィンランド、スウェーデン、スイスがあった[98]

人民平等民主党は、2023年8月時点でトルコ政府などからテロ組織とされるPKKと実質的に一体化しているとして、トルコ最高裁検察より解散を要求されているHDPの分派(事実上の後継組織[99])である。PKKの賛美を行ったことなどから収監中のHDP元党首、セラハッティン・デミルタシュは、HDPの議会候補者が2023年の総選挙で当時の緑の左派党のリストに加わることを表明した。2023年時点で600席中61席と、トルコ議会では第5党にあたる。[要出典]

PKK/YPG関連活動

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PKKに関する歴史、クルドコミュニティとPKKの関わり、日本政府とPKKとの関わりや住民とのトラブル、日本のPKK組織の活動がトルコにもたらす影響などについて、詳細な研究結果が発表されている[100]。トルコで迫害を受けたとし日本に渡航し難民認定を申請するPKKシンパのクルド人は、日本で在留許可を得ようとするPKKの過激派の活動家を「自由の戦士」と呼ぶ[100]

トルコ政府がPKKへの支援を認定した団体・人物

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トルコからPKK支援団体と認定され、トルコ国内の資産凍結を受けている在日団体は、日本クルド文化協会とクルディスタン赤月の2団体である[101][102]。トルコから個人でPKK支援者と認定されトルコ国内の資産凍結を受けている個人は、日本クルド文化協会関係者のVAKKAS COLAK(ワッカス・チョーラク)、MAHMUT SAGLAM(メメット・サグラム)、VAKKAS CIKAN(ワッカス・チカン、ワッカス・シカン)ら6名である[注釈 12][101][102]

PKK/YPG関連の歴史

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2003年にはトルコ国籍のクルド人有志による「クルディスタン&日本友好協会」が設立されたが、トルコ政府からは「テロ組織PKKの事務所」とみなされ、日・土首脳レベルの外交問題へと発展した。その後、イラク北部のクルド人自治区との経済的つながりを重視した組織による活動が主導的となり、クルディスタン&日本友好協会は2008年に突如解体された[31]

2015年10月25日在外投票が行われた在日本トルコ大使館で、トルコ人とクルド人の間で午前中だけで4度の騒乱が起き、機動隊が出動して警察官を含む12名の負傷者を出す乱闘事件が勃発した[104]金高雅仁警察庁長官は「機動隊を緊急に配備し事態の沈静化に努めたが、ほかの国の紛争や対立を背景とした外国人どうしの大規模な集団暴行事件は、これまでに見られなかった」と語り大使館等との連携強化を図ると述べた[105]。この騒動の原因は、大使館でクルド人の政党旗が掲げられた後、トルコ人がクルド人を襲撃したことから衝突が始まったとされている[106]。一方、日本クルド文化協会のワッカス・チョーラクは「旗は掲げていない」と述べている[107]

2016年に「クルディスタン赤月(クルド赤新月社)」が日本での活動を開始し、PKK/KCKの国際支部を通じて、対トルコ軍に対する武装活動の資金の提供をはじめる。クルディスタン赤月は1993年3月4日にドイツのボーフムで設立されたがPKKとの関連性が判明したために、2016年にドイツで活動禁止となり、活動の拠点を日本に移したものである[108][要検証]

2017年に初めて、トルコ政府が、日本に住むクルド人とPKKとのつながりを確認し、ヴァッカス・デュンダルをイスタンブールの空港で逮捕している[100]。ヴァッカスは逮捕時に千ドル近い外貨とを保有しており、日本で稼いだ現金の一部をテロ組織に送金していた[100]

2023年12月、トルコ政府が、在日組織である「日本クルド文化協会」や「クルディスタン赤月」ら2団体と、日本クルド文化協会事務局長ワッカス・チョーラクら幹部6人を、PKKへの支援を理由に資産凍結している[101][109]。日本クルド文化協会の事務所に、PKKの創設者の男性の顔が書かれた旗や、PKKの旗を掲げて募金活動を行い、集まった約4000万円の資金をPKKへ送金したことが、テロ資金の調達であるとみなされた[110]。トルコ政府は、日本クルド文化協会やクルディスタン赤月らの組織をテロ活動の一環と認定している[100]。トルコ政府は、これらPKKに関与している組織は、常に援助金を募っており、その内訳を決して公表しないことから疑念を招いているとしている[100]

経済

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就労・収入

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解体業の仕事が主流である[55]。故郷の主食であるケバブ屋も開業されており、川口市、十条、上野アメ横などに店舗がある[111][112]。難民申請が不許可となった後に送還を拒否した仮放免の就労は禁止されている[57]。川口市の奥ノ木信夫市長は、仮放免者の生活のために就労を可能とする制度を国に要望している[113]

飲食業

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出身によってトルコ料理やアラブ料理などの傾向があり、店舗によってメニューが異なる[114]。多くの在日クルド人の故郷であるガジアンテップの料理として、ラフマジュン、ケバブ、豆のスープ、イチリキョフテ、ヨーグルト飲料のアイランなどを出す店舗がある[115]。資材置き場が多い地区で営業するケバブ屋の中には、早朝から作業をするクルド人向けに朝5時から開店する店舗もある[116]

2024年に能登半島地震発生後、ケバブ料理店がキッチンカーで被災者に食事を提供した[112]。雪が降る季節を考慮して、ケバブの他にチョルバというスープを仕込み、防寒具も用意した。2023年2月に起きたトルコ・シリア地震で日本から寄せられた支援に感謝するという意図もあった[117]

解体業

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解体業は、肉体労働や粉塵被害などの理由で日本人が敬遠する仕事であり、人手不足が深刻化している。働き手として在留外国人が急増しており、特に川口市のクルド人の主な生業となっている[注釈 13][118]。川口市や蕨市付近では、2016年の時点でクルド人による解体業者が20社ほど存在する[1]。2024年10月末時点で、川口市内の解体工事業者が255社に増加し、その約7割の170社が中東系であり、その大半はクルド人であるとしている[119]。不法滞在者のクルド人が、事実上、解体業者の経営をしていることがあるが、仮放免はもちろん、「特定活動」の在留資格を有していても、会社役員のような雇用者側の就労は原則禁止である[57]。クルド人男性の多くは解体工事現場の現場作業員として働いている。

クルド人の解体業者は、職人を雇用することなく、一人親方のクルド人に外注費で実質従業員のように雇うことが多く、所得税を源泉徴収したり、社会保険や労災に入る必要をなくすことで、相場より安い価格で工事を請け負うことが可能となっている[118]。この場合本来は、外注された一人親方が確定申告し、国民健康保険への加入義務が存在するが、ほとんどが現金手渡しのため、クルド人の一人親方は確定申告していないと言われている[118]。解体業の関係者は、「難民認定申請中で仮放免者のような不法就労の場合はなおさら納税はしていないのでは」と述べている[118]。2023年6月の川口市議会で、川口市側は、クルド人の一人親方に発注する事業主から税務資料の提出がないことが多く、クルド人の解体業者(一人親方)などに課税できていない状況を認めている[118]。クルド人解体工による危険工事が問題となっており、住民が作業員に威嚇され怖がるなどの事態も発生している[118]デイリー新潮は、ある日本の解体業者経営者の話として、悪さをするクルド人もいるが、日本人の若手作業員と円滑なコミュニケーションで仕事ができる温和なクルド人も存在すると報じている[120]

工事

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2018年頃から、川口市周辺で、難民認定を求めて来日したクルド人が経営する産廃業者などによるトラックの危険な道路交通法違反走行や違法建築物の被害が地元住民によって訴えられていることが報じられた。問題となっている地域は、宅地開発などが規制され建築物をつくることが禁止されている市街化調整区域にあり、田畑であった土地を買い上げて資材置き場とされるケースが多いが、その場所で屋根付きの違法建築物が確認されたり、また業者が朝から激しい騒音を立て、トラックは交差点でも減速をしない、ウインカーを出さないなどの違反行為の被害が発生し、隣接する市街地の地元住民は「うるさい」「砂埃で洗濯物が外に干せない」「怖くて轢かれるかもしれない」「通学路を変えてもらったほうがいいかもしれない」(騒音と振動で)「地震かと思った」と取材にこたえて証言している。これらの資材置き場は複数の事業者が分割して利用しており、行政指導をしても業者の入れ替わりが激しく収束が不可能な状態になっている。テレビ朝日の取材に対し、業者側は返答せず「市役所に聞いてくれ」と繰り返すのみだった。越谷市の男性市議は「住民からは、半ば不法占拠のような形で資材置き場ができている状況もあると聞いている。今後、川口市のような状況になるのではないかと多くの市民が危惧しており、近隣都市の条例を研究しているところだ」と話している[121][122]

2023年9月初旬に、クルド人の解体業者による品川区でのビジネスホテルの解体工事をめぐり、住民から苦情が相次いで区が請負業者に工事停止を指示している[注釈 14][118]。この件は日本企業が中国系業者に発注し、さらにトルコ系業者に下請けされ、最終的にクルド人が現場作業をしたという経緯があった。クルド人解体工は、危険工事の原因について、「競争の激しさが低価格化を招き、元請から工期を急かされて危険な工事となった」と主張しているが、仕事を依頼した中国系解体業者は「危険な工事をするとは思わず、甚大な損害を受けた」と話している[118]。日本の解体業者が工事の仕事を適正価格で取ろうとすると、クルド人ならもっと安値でやってくれると断られる事態も発生している[118]

資材置き場

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川口市によると、市内約800カ所の資材置き場(ヤード)のうち、市東北部の地区の約40ヘクタールに約80カ所が密集しているとされる[123]。ヤードは私有地であるため、警察による法的な取り締まりも難しい面がある[124]。川口市開発審査課に、2022年4月から2024年7月末までの2年4カ月の間に、資材置き場(ヤード)の騒音や振動被害21件、野焼き13件、粉じん被害6件、交通関連5件などで計71件の苦情や要望が寄せられている[124]

クルド人解体業者は、地元住民から農地を借り受けてヤードとして使用しているが、賃料をほとんど払わない、畳の野焼きなどが原因とみられる火災が複数回発生する、それに関する警察の事情聴取にも「暖をとっていただけ」などと拒否するなどの問題が発生している[125]。住民が農地の明け渡しを求めて、さいたま地裁支部に仮処分を申し立てたが返還はなされず、訴訟提起したところ、クルド人は法廷に現れることなく姿を消し、農地にはトラックが放置され、廃材などが無断で埋められていたことが発覚するなどの被害が生じている[125]

地元住民との関係

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イベント

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支援者によると、埼玉県では2004年頃から毎年3月に新年の祭りであるネウロズを開催している[77]。2020-2022年は、コロナ禍のため中断している[77]。日本クルド文化協会主催、クルド人支援団体「在日クルド人と共に」が運営に協力している[126]

埼玉県南部で例年行われているネウロズでは、トルコ政府が国際テロリスト組織と認定するPKK(クルド労働者党)の旗やPKK創立者・指導者でトルコで無期懲役による服役中である活動家アブドゥッラー・オジャランの写真が掲げられ、「トルコ兵殺害を讃える歌」の楽曲が流されているとの主張がある[108][要検証][127]。歌詞のテロ賛美指摘に対して、日本クルド文化協会は、「日本で言えば軍歌のようなもので、戦いの歌だ。愛国者の歌がテロリストの歌と誤解されている。祭りの音楽も日本で言えば盆踊りのようなものだ」と述べている[127]

2023年3月21日、さいたま市秋ケ瀬公園で開催し、クルド料理や書籍販売のブースも設けられた[77]。7月4日のクルド人約100人の乱闘や殺人未遂事件が起こって以降、「県の施設を貸すな」といった苦情電話やメールが多く寄せられるようになる[127]

2024年1月、公園利用の申請時に、公益財団法人県公園緑地協会が、安全上の理由により、日本クルド文化協会に公園の使用を認めない旨を通知したが、クルド人側は反発[128]。この件が報道されると、主催団体の日本クルド文化協会やその幹部らが、トルコから、PKK支援者とされトルコ内の資産凍結の制裁を受けていることから[127]、県公園緑地協会に「テロリストに加担するのか」などの抗議の電話が多数寄せられるようになった[129]。その後音楽を流すのみで楽器演奏をしないことを条件に、利用を許可した[128]。これら一連の話し合いについて、公園側は「当初の対応はよく調べずに行った」と謝罪した[130][131]。3月20日、埼玉県警による厳戒態勢がしかれ、ものものしい雰囲気のなかでの開催となった[132][133]。開催となったネウロズでは、クルド人支援者の日本人も踊りの輪に加わった[113]

軋轢

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クルド人が家族や親族を日本に呼び寄せて人口が増加したことで、地元住民とのあつれきが生じている[89]。川口市や蕨市周辺に住む地元住民によると、クルド人の行動や素行をとても恐怖に感じているという[134]。地域住民からは「怖くて夜は出歩けない」という声が出ている[3]。クルド人に何らかの被害を受けた地元住民が、SNSでクルド人の迷惑行為を告発するケースが増えている[89]。違法行為に迷惑をかけられている地元住民は「法律を守らないクルド人は日本から即刻出ていってもらいたい。これはヘイトでも差別でもなく、日本人として当たり前の感情だし、当たり前の前提」であるとか、「普通に暮らしたいだけである」などと訴えている[134]

クルドカーや大きな犯罪や事故をのぞく、地元住民とのトラブルの種類としては、女性に対する強引・執拗なナンパ行為[3][89]、殴り合いの騒動や喧嘩[21]、駅周辺で多人数でたむろす[21]、夜間にコンビニ周辺にたむろす[3][135]、公園で集まる[135]、路上や公園で集まって飲食[21]、ゴミの不法投棄[136]、公園や路上などでの排泄[21]、タバコのポイ捨て[21]、ゴミのポイ捨て[21][137]、警察による職質に罵倒[125]、警察への在留カード提示の要請を拒否[125]、警察の事情聴取の拒否[125]、裁判沙汰になったり都合が悪くなると姿を消すが移転先をつきとめられず泣き寝入り[125]、クルド人経営の店で深夜でも騒音[89]、アパートで毎日深夜も騒音[89][12]、頻繁な家賃滞納[125][89]、部屋を汚したまま退去[89]、賃貸物件の又貸し[134]、未成年喫煙[12]、全体的にマナーが悪い[21]、ローティーンの男女が自転車で爆音ホーンを鳴らすなどがあげられている[89]。 クルド人が居住する集合住宅の周囲は汚くなり、狭いアパートに5-6人の男性が住むなどの劣悪な住宅環境となっていることがある[12]

2024年3月9日、産経ニュースが、在日クルド人問題について読者の声をメールで募集したところ、多数の意見が寄せられたと報じられた[134]。全体の約4割が埼玉県民からで、うち約7割が川口市民であり「政府も自治体も何もしてくれない」「このまま川口で暮らしていけるか不安」とクルド人とみられる集団の行為を具体的事例を上げて批判する意見が多かったという[134]

トラブルの原因としては、クルド人の遵法意識の低さ、安全への配慮の希薄さなどが指摘されている[138]。また、クルド人親族同士の対立が100人単位の大混乱につながるケースがある[4]

警察や警備員との関係

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クルド人は、警察を恐れることなく取締りに従わず、法律も無視し、集団で行動しているという点で、他の外国人と異なっているとされる[134]職質をする警官に対し「バカか。在留カードなんか見せないよ。持ってるけど、見せないって決めてるよ。知るか!」と罵倒し、飲酒運転やコカインやマリファナをやっていると自供している動画を、自らSNSにアップしているクルド人も存在する[125]

地元住民は、「もともと外国人の多い川口は、日本のどこの住民よりも外国人に慣れている」にもかかわらず、クルド人は法律も関係ない、警察も怖くない、集団で行動するという異質な特徴があるため、不良なクルド人をこのまま放置することで、川口市周辺が無法地帯になってしまうということを危惧しており、助けてほしいと訴えている[134]。また、不良クルド人は「一部だ」という主張についても、地元住民は「全体の問題と考えてもおかしくない」とし、一刻も早く、不良クルド人による問題を解決することで安心して暮らせる社会になることを願うと述べている[134]

クルド人経営の水たばこ屋の周辺に住む地元住民は、深夜に店のドアを開けっ放しで音が漏れており、また店先で路駐するクルドカーが窓全開で音楽やアクセル空吹かしの音がうるさいために、警察に20回以上通報しても、店のドアを閉めることさえせず全く改善しないために騒音で眠れないと訴えている[89]。アパートの騒音などで困っている地元住民が通報しても、警察はすぐ来てくれるが、民事のためか翻訳機で注意するくらいで、クルド人の騒音はまったく改善しないという[134]

2023年8月、川口市居住でトルコ国籍の14歳のクルド人男子中学生が、脅迫威力業務妨害の疑いで埼玉県警川口署に逮捕された。被疑者の少年は、前月12日に川口市内の商業施設に、複数人と施設内で大音量で音楽を流したり、たばこを吸うなどの迷惑行為を繰り返したとして、男性警備員から出入り禁止を告げられた。これに憤慨し「外国人を差別するのか」「爆破してやる」と警備員を脅迫し、一度立ち去り、煙幕花火を持って施設に戻り、火を付けた煙幕花火を投げ付けて業務を妨害した。逮捕された少年は、「僕が外国人で店で悪いことをすると自分だけが怒られ差別されたことに腹が立った」と供述し、容疑を認めているという[139][140]

2024年4月、川口市の特別養護老人ホームや小中学校が近くにあるヤードにクルド人100人以上が結集して20台以上の車両が路上駐車し、中東系の音楽を1キロ先にも聞こえるほどの大音量で長時間流し続ける迷惑行為があり、住民が通報し、警察や川口市議も駆けつけて注意をしたが、クルド人リーダーは、「大金をかけて音響施設を用意したので、音は絶対に下げない。音で取り締まりをしてみろ」と言い放ち、「いまは日本人の理解が足りないけど、10年後はわれわれを理解する日がくる」と主張して、迷惑行為をやめなかった[124]

川口市立医療センター内乱闘の際に、公務執行妨害等で逮捕されたクルド人7人は釈放され、今も川口市周辺で暮らしている(|#川口市立医療センター内乱闘を参照)[89]

30年クルド人支援を続けている松澤秀延は「特に悪さをするのは、中学校を卒業するか高校に入るかぐらいの子。そういった子の親は日本語がカタコトしかできない。でも子どもは親よりもできるようになるから自分はもう親と同等とかと勘違いしちゃって、親の注意に対しても聞かなくなったりする」「男の子は中学校を出ると働き手になってしまう傾向が強い。現場社会での経験が学校教育の意義を上回ってしまう。そういう子が暴走行為に走ってしまうんです」と述べている[136]。。

威嚇行動

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地元住民の民家にクルド人の車が突っ込んできたあと、15人ほどのクルド人が猛烈な勢いでやってきて、大きな声で『むしろ悪いのはそっちだ』と意味不明の主張をするなどの被害が発生している[89]

また、アパートでクルド人の連日深夜までの騒音に悩まされた住民が警察を呼んだところ、「ババア出てけ。あなたが出てけば、私が入る。もっと騒いでやる」と威嚇され、怖くて引っ越すなどの被害が発生している[125]

2024年7月中旬に、埼玉県議会議員の高木功介が、越谷市議や越谷市役所職員とともに越谷市の不法就労クルド人のヤードを視察した成果を発表したところ、クルド人から脅迫ともいえる激しい電話がかかってきたことを公表している[141]

ナンパ行為

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地元住民の女性を、コンビニ前や自転車置き場、ショッピングモール前等でクルド人の男が待ち構え、突然クルドカーのドアがあいて無理やり車内に連れ込まれそうになったり、毎日のようにしつこく声をかけられるなどの、執拗なナンパ被害が発生している[89]。「ねえねえご飯食べに行こうよ」「LINE交換しようよ」「かわいいかわいいかわいい」などと声をかけてくるという[89]。川口市議の松浦は、蕨駅前の自転車置き場で毎日のようにしつこく声をかけられたナンパ被害女性については、「引っ越した」と述べている[89]

賃貸物件やアパート等での行為

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クルド人が引っ越してくると、毎日大人数で騒ぎ、昼から深夜まで一日中騒がしいという騒音トラブルが頻発している[134][89]

地元の不動産業者によると、多くのクルド人が川口市や蕨市周辺の古く安い物件に居住し、騒音を出し続けることを注意されてもやめないなどのトラブルが多いため、生活保護受給者など日本人の弱者が追い詰められていると述べている[125]。クルド人による連日深夜までの騒音のせいで、もともと障害がある住民が追い詰められ、ますます精神的にも不安定になるなどの被害が発生している[125]

事前に予告や許可等もないまま、突然、アパートの駐車場に100人ぐらいのクルド人が集合して結婚式を始めるなどの騒音トラブルも起こっている[89]

メディアとの関係

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2024年2月18日にJR蕨駅周辺で行われたデモで、日本クルド文化協会の事務局長が「日本人死ね」とも聞こえる発言をしたことや、同月22日のインターネット番組でフリーアナウンサーが「外国人との共生が不可だとなると、日本人は引っ越しできるので人口が流出するだけ」などと発言したことが、物議を呼んだ[15]。産経新聞はこれらの騒動が発端となり、クルド人問題に関する偏向報道について、一般市民から、「テレビは事実を報道しない」「ヘイトと言われる日本は本当におかしい」などの不満が述べられるようになったとしている[15]

地元住民は、クルド人犯罪で治安が悪化しているなどの住民被害に対処せずに、「外国人と共生を」「外国人を差別するな」などと政府やメディアがクルド人を擁護することに対し、「憤りしかない」と主張している[134]。「多様性」で一括りにして政治がこの問題を放置することで、社会の分断がかえって進む恐れすらあるとしている[134]

産経新聞がメールでクルド人問題に関する意見募集をしたところ、「テレビのマスコミは何らかの恩恵や力が働くのかわかりませんが、ほとんど事実を報道しません」「実際に子育てして住んでみると、治安の悪さに驚きました」、「何かを発言すればヘイトだとか人種差別だと、圧力や嫌がらせがありそうで、怖くて発言できません」、「迷惑行為を繰り返すクルド人の取り締まりを強化して、もともと住んでいた方が平穏に暮らせる生活を取り戻すことの、どこがヘイトや差別なのでしょうか? クルド人問題を提起しただけで「ヘイトだ!」と言われてしまう日本、本当におかしいです」「大きな問題であるにもかかわらず、大手メディアで取り上げられることがほとんどなく、取り上げられたとしても過度に配慮した扱いに大きな不安を感じていた」「国の形を変えるような問題が差別や目先の労働力確保といった問題にすりかえられ、オープンな議論ができない状況で、影響力のある大手メディアが問題提起しない姿勢に疑問を感じていた」といった声が多数集まった[15]

2023年9月26日、川口市在住の30代クルド人男性が川口警察署を訪れ、ジャーナリストがクルド人の悪口を言っているとして、発言をやめさせられなければ殺すなどと話し、脅迫容疑で逮捕された[142]。被害者のジャーナリストである石井孝明は、殺害予告に関する被害届を提出したが[143]被疑者は2日後には釈放され、10月には不起訴処分となった[144]

治安

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集団乱闘事件

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トルコ大使館前乱闘

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2015年10月25日在外投票が行われた在日本トルコ大使館前でトルコ人とクルド人600人の間で午前中だけで4回の騒乱事件が勃発し、機動隊が出動して鎮定したが警察官2名を含む12名の負傷者を出した[145][146][147]

川口市立医療センター内乱闘

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2023年7月4日午後9時ころから5日未明にかけて、クルド人約100人が埼玉県川口市立医療センターに殺到し県警機動隊が出動する騒ぎとなり、約5時間半にわたって病院の救急受け入れが停止する事件があった[148]

4日午後8時半ごろ、20代のクルド人の男が、川口市内の路上でクルド人グループから追いかけ回されて刃物で襲われ、頭部・顔部・首などに全治不詳の重傷を負ったため川口市立医療センターに救急搬送された[149]。犯人グループからも1名が同病院に救急搬送され、軽傷の1名は自力で同病院の治療を受けた[150]。その夜、事件を聞きつけた双方の親族・知人らとされる約100人のクルド人が病院へ集まり、救急外来の入り口扉を開けようとしたり、大声を出したりなどの騒ぎとなったため、駆けつけた機動隊により、2人のクルド人が公務執行妨害で現行犯逮捕された[148]。この件で、クルド人7人が殺人未遂や凶器準備集合の容疑で逮捕されたが、9月25日までに全員が不起訴となった(不起訴の理由は明らかにされていない)[151]。当事者のクルド人は、この騒乱に関して、「喧嘩が行き過ぎないよう集まった人々が多かった」などと釈明している[152]。事件の原因は女性をめぐるトラブルとされる[148]

殺人未遂事件で逮捕されたクルド人男性のうち一人は強制送還された。しかし、2024年5月に、飛行機で再度渡日し、入管が上陸拒否したにもかかわらず空港で暴れるなどの行為に及んだためやむをえず収容所に収容したところ、ハンガーストライキをし、また事件時の指の治療などを理由に病院での治療を求め、仮放免を認められた。その後、全く治療の必要がない虚偽が判明したため、再度、強制送還された。送還時には、約20名のクルド人が入管施設に集まって騒いだり、家族が「すぐに再来日させてやる。弁護士やマスコミを連れてくる」と述べるなどの迷惑行為による混乱が生じている[84]

強姦事件

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強姦事件

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2015年12月27日に、東京都北区のJR赤羽駅構内で、30代女性に声をかけて公衆トイレに連れ込み、集団で強姦し9000円を奪って逃げた疑いにより、難民申請中の埼玉県川口市在住の自称解体作業員(22)と同市の無職少年(16)の2人が、集団強姦容疑で逮捕された[153]。そのうち22歳男性は無罪となった[154][155]

未成年強姦事件

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2024年3月7日、 女子中学生に性的暴行をしたとして、トルコ国籍の20歳の男性が、不同意性交等の容疑で埼玉県川口警察署に逮捕された。被疑者は「日本人女性と遊んだが暴行はしていません」と容疑を否認していると報じられた[156]。翌日、産経新聞は被疑者の男がトルコ生まれ日本育ちの在日クルド人で、事実上の「移民2世」であり、難民認定申請中で仮放免中だったことを報じた[157]。同年4月5日、この事件の続報が報じられ、3月7日に逮捕されたのは、さいたま市に住むトルコ国籍の20歳、解体工であるとされた。容疑者は都内の女子中学生とSNSで知り合い、2024年1月13日に被害者を含めた複数人でドライブし、二人きりになった後、川口市内のコンビニの駐車場に停車し、車内で犯行に及んだと報じられた。川口市議の奥富精一はこれらの事件に触れ「不安に思う市民が増えていると感じます」「これまでも一部のクルド人が改造車で危険運転や違法駐車をしたり、あるいはけんかをしたりという事例が見られてきました」「そこにきて今回の事件ですから、市民の不安がますます増したとしても不思議ではありません」「今回の事件もそうですが、2世の中には学校に行かず、いわゆる“グレて”しまうケースも少なくない。この問題を指摘するとすぐ差別と言われますが、まずは実態を正しく直視することが重要だと思います」と述べた[158]

不法投棄

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川口市内の中東系解体業者の大半は、クルド人とみられている[119]

2020年6月に、トルコ国籍クルド人の解体業者「ウルジャポン」が、畳の不法投棄による廃棄物処理法違反容疑で逮捕されている[159]。同社代表は威力業務妨害罪で起訴中の逮捕であり、このクルド系解体業者は、就労不可の不法滞在者を不法に就労させていた[159]

2023年に、群馬県桐生市で、トルコ国籍の解体業者などが運転する川口や大宮ナンバーなどの産業廃棄物を積んだトラックによる産廃の不法投棄が問題となっていた[160]。「市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬」が公文書を開示したところ、川口市在住のトルコ籍とみられる解体業者ら5社による不法投棄であったことが判明している[161]

2024年6月に、川口市に在住するトルコ国籍の男(28)が廃棄物処理法違反容疑で逮捕されている[162]。同年11月に、埼玉県の解体業者「H産業」(川口市から越谷市へ移転)勤務の川口市在住のトルコ国籍の男4人が、6.2トンの産廃を廃棄した疑いで逮捕されている[119][163]

パトロール

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2023年から、警察による川口・蕨のクルド人居住地域周辺でのパトロールが行われている[12]埼玉県警警視庁などが、クルド人犯罪を積極的に取り締まらない現状があり、地元住民が警察への不信感を強めている[12]。犯罪を犯したクルド人が何らかの理由で釈放されることもあり、地元住民からは、「野放しにするのか」という不安の声もあげられている[89]。住民や市議らが警察に取り締まり強化を求めても「適切に対処している」と返事があるのみで強化がなされなかったとしている[134]。道路にあふれるゴミの問題や公園の使い方、夜のコンビニでのたむろなどについて、警察に連絡しても、改善はなくパトロールもしないなどの事態が発生している[134]。川口市も週に2回のパトロールをする他、市民の安全を脅かす問題が存在するヤードなどについて、騒音や振動などが確認でき次第、指導を行っている[124]

一方クルド人側も自主的に夜の巡回や清掃活動を行い、地域社会との共生を目指している[164]。2023年11月には埼玉県警と日本クルド文化協会による、犯罪抑止のための合同パトロールが実施されている[165]

交通

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クルドカー

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クルドカーとは、主に川口市で暮らす在日クルド人を批判する文脈で使われる、廃材を過積載したトラックや改造車両などに対する俗称である[166]。深夜に川口市を走っていたという車の映像がソーシャルメディア上でシェアされ、「クルドカー」として揶揄されることがあるが、車両ナンバーなどを確認すると必ずしも川口市の車ではないこともあるという[137]。クルド系解体業者の過積載トラック[134]、無免許運転[134]、あおり運転[21][134]、飲酒運転[12]一方通行での逆走[134]改造車[4][134]、路上駐車違反[21]、閑静な住宅街での騒音を伴う走行などが問題としてとりあげられることがある[137]

過積載

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クルド系の住民が運営する解体業者が重い荷物を載せたトラックを住宅街で運転し、住宅や道路、水道管などの故障を引き起こしているという苦情が地域住民から出ている[124]。トラックが大型化しており、地元住民は「地響きを立てて通るたびに震度4の地震くらいに揺れる。資材置き場のはずなのに、コンクリート殻を破砕する騒音や振動が絶えず、本当に困っている」などと述べている[124]

事故

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2021年10月13日、父親が所有するトラックを無免許で運転していた19歳のトルコ国籍のクルド系少年が、10月8日に起こした自動車運転処罰法違反過失致死)と道交法違反ひき逃げ)の疑いで埼玉県警察に逮捕されている。被害者は死亡している。事件後に容疑者は出国しようとしたが、入管が県警に通報し逮捕された[167][168]

無免許運転で保険にも加入していないクルド系住民が交通事故を起こすこともあり、捜査が困難な場合もあるという[12]。名義のわからない車が起こした事故については警察の介入が難しくなっており、検挙ができなかったケースもある[125]

川口市・蕨市における自治体の対応と県外団体による抗議デモ

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2022年

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2022年7月、川口市は、「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例」を制定した[169]。これにより、一定の広さ以上の資材置き場(ヤード)の新設が許可制となった(業務以外の騒音などは制定されず)[124]

2023年

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2023年6月、川口市議会は、市内で「一部の外国人」と地域住民との間に軋轢が生じているとして[注釈 15]、国や県などに「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」を求める意見書を可決した[171]

9月1日、川口市市長の奥ノ木信夫が法務省を訪れ、入管施設への収容を一時的に解かれた「仮放免」のクルド人が市内に相当数存在し、トラブルも起こっていることから、「不法行為を行う外国人について厳格に強制送還すること」、「仮放免者が最低限の生活維持ができるように、就労可能とする制度の構築」、「生活維持が困難な仮放免者に対する健康保険その他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任による適否の判断」を国に求める要望書を提出した[174][175]

2024年

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2024年2月18日、「日本第一党」元幹部で「日の丸街宣倶楽部」主宰者[176]による「クルド人犯罪や不法滞在者クルド人への抗議デモ[113]」がJR蕨駅周辺で行われた。朝日新聞は「排外主義的な主張を繰り返すデモ」と報じた[177]。現場にはデモ開催に反対・抗議する人々が、デモ参加者(10人未満[129])を大きく上回って集まった。SNS上では、それら抗議側の一人が「日本人死ね」と言っているように聞こえるとの指摘とともに、デモ現場を撮影した一つの動画が拡散された[178][注釈 16]。翌19日、日本クルド文化協会は、拡散された動画に写っているデモ隊への発言は「日本人死ね」ではなく、「病院へ行け、病院へ行け、レイシストは精神科へ行け」であったと説明した[181][注釈 17]。同月25日には同協会事務局長のワッカス・チョーラクが会見を行い、自身が動画に写っていた発言者であり、「病院に行け」と発言したものであって「日本人死ね」との発言は「一切していない。(発信者の)空耳だ」と説明したうえで、その発言について謝罪した[182]。また会見翌日、同協会は「いかなる理由があるとも『病院に行け』との発言も事務局長の立場にあり、かつまた、教鞭をとるものの発言としては不適切であり、日本の皆様に不快な思いをさせたことに対し深くお詫び申し上げます」との謝罪声明をネット上に公開した[183]。また、前年7月の川口市立医療センターでの騒動についても「病院の皆様、近隣の皆様、警察の皆様にご迷惑をおかけし、大変不愉快な思いをさせてしまいました」と改めて謝罪し、「クルド民族の問題ではなく、全て埼玉在住のクルド人の不徳の致すところであり、日本の皆様、特に地域の皆様に、大変御迷惑をおかけしましたこと、協会メンバー、役員一同、深くお詫び申し上げます」と発信した[184][183]

3月20日に、PKKの関与の疑いから地元住民による強い反対により公園の使用をいったん不許可としていたにもかかわらず何らかの理由で県が許可し、日本クルド文化協会主催でネウロズ開催。

4月28日、川口市で、クルド人犯罪と不法滞在者クルド人への抗議デモが開催[113]

6月18日の川口市議会で、市長の奥ノ木信夫は、相次ぐ住民の苦情や要望を受け、「資材置き場で市民の安全を脅かす問題が起きており、市は週2回のパトロールのほか、騒音や振動が確認されたら指導をしている」と答弁している[124]。川口市では、市内で行われている「外国人問題に起因するデモ」に関して、「当事者である外国人住民からの相談も受けておらず、また、その発言がヘイトスピーチ規制法で規定されるヘイトスピーチの定義に該当するかの判断は難しい」と判断している[17]。川口市議会議員の中川峻一は、差別的・侮蔑的ではない表現を行おうとする人に対して「ヘイトスピーチではないつもりでもヘイトスピーチ規制に該当して処罰されてしまうかもしれない」という恐怖感を抱かせることの弊害や、表現の自由を過度に制限するおそれを指摘している[17]

7月中旬に、地元住民らが川口市などへ、ヤードに関する「規制の強化や立ち入り調査などを求める陳情書」を提出[124]。これに対し、市は8月1日付で「現在、問題点を確認しており、陳情書の意見も参考にさせていただく」などと回答している[124]。市は「迷惑行為を含めて規制する新条例の制定」に関する検討をはじめているとしている[124]

9月18日、埼玉県知事の大野元裕は定例記者会見で、川口市内の警察活動の強化を図るべく、「(仮称)川口北警察署庁舎」の新築工事の請負契約を、22億1,100万円(税込)の予算で締結したことを発表している[185]。履行期限は2027年1月31日、同年3月開設予定[185]

9月23日、トルコ国籍18歳解体アルバイトの少年が、17歳建設作業員と16歳高校生の日本人男性をひき逃げし、17歳死亡により、自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕される[186][187]。9月29日に中国籍18歳が、飲酒運転による逆走運転で乗用車と衝突事故を起こし、運転していた会社役員51歳が死亡し、自動車運転処罰法違反(過失運転傷害)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕され、容疑を危険運転致死に切り替え捜査が行われている[186][188]。これら一部外国人による交通死亡事故が連発したことにより、川口市長奥ノ木信夫や地方議員らが埼玉県県警に対し、クルド人の危険運転も念頭にした取り締まり強化等を実施する要望書を、相次いで提出する事態となっている[186]

10月1日、埼玉県議会の会派・民主フォーラムと無所属県民会議が、埼玉県警察本部に対し、「安心して安全に生活できるための緊急要望」を提出している[186][189]。これは、一部外国人による目に余る行為が多発しているために、地域住民の安心な暮らしが阻害されているとし、警察の取締強化や国と連携した不法滞在者の取締強化を求める要望となっている[189]

10月8日からの3ヶ月間、埼玉県は川口市を、「交通事故防止特別対策地域(人口50万人以上の市で3カ月以内に6人以上の交通死亡事故があった場合に指定される特別対策地域)」に指定する[186]

10月17日、川口市長の奥ノ木信夫は、川口警察署並びに武南警察署に対し、「交通違反の取り締まり強化を求める要望書」を提出している[186][190]。川口市の交通事故死者数は、2023年の1年間で8人だが、2024年9月末時点ですでに9人に達しており、直近5年の同時期比で最多死者数を記録している[190]。要望書では、クルド系解体業者の資材置き場周辺で発生している、過積載や速度超過の危険運転などが念頭におかれており、「市民からは生活上の安全が脅かされるのではないかと今後を危惧する声が数多く寄せられている」としている[186]。頻発している一部外国人による死亡事故については、「法令違反と運転技術の過信や順法意識の欠如が要因」としている[186]

11月8日には、自民党川口市議会議員団が、川口警察署並びに武南警察署に対し、市民の安全を脅かす行為が続き不安の声が後を絶たないとして、「川口市内における違法運転等交通違反の取り締まり強化を求める要望書」を提出している[186][191]

主張

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在日クルド人

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2024年2月18日、サウジアラビアの英語ニュースメディアであるアラブ・ニュース・ジャパン英語版に、ワッカス・チョーラクの「我々は日本の過激派の攻撃を受けており、支援が必要だ」という内容の発言が掲載された。ワッカス・チョーラクは、アラブニュース・ジャパンのインタビューに対して「昨年のトルコ大統領選挙中、日本の極右グループがオンラインで私たちを攻撃しましたが、これは私たちにとって驚きでした。彼らは誤った保守派、人種差別主義者、あるいはどのように呼べばよいのでしょうか」「私たちはクルド人を支援しなければならず、私たちに対する差別やヘイトスピーチを止めなければなりません」「日本政府は国内の労働力不足を理由に、より多くの移民や外国人労働者を受け入れる政策をとっていますが、日本のヘイトグループは移民、外国人、難民に反対しています。それらのグループは私たちを標的にしてこの政府の政策を攻撃しています」「彼らは外国人を礼儀を知らずで、日本の習慣や社会ルールに従わない悪い人として情報を捏造しています。彼らはそのような間違った認識を広めました。多少の問題が発生しており、誤解も産んでいることは否定しませんが、私たちは地元コミュニティと良好な関係を築き、相互に尊重しています。」「ヘイトグループは、政府からの怒りの反応を恐れて、ここにいる中国人、韓国人、ベトナム人の巨大なコミュニティを攻撃する勇気はありません。しかし、私たちのクルド人コミュニティの人口は僅かに2000人前後なので、迫害を行う集団は私たちが格好の標的であると考えています」と語った[192][193]

在日トルコ人

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2023年以降、トルコ人又はトルコ国籍による犯罪報道が急激に増加しており、そのほとんどがクルド人による犯行ではないかとされている[12]。これに対し、日本で暮らすトルコ人から怒りや不満の声がSNSで投稿されている[12]。 地元住民とクルド人のトラブルに対して、日本に滞在して10年近いトルコ人男は、一部のクルド人の行動で、日本・トルコ両国の関係が悪化することを非常に懸念しているとし「一部のクルド人のために多くの善良なクルド人もトルコ人も迷惑している。日本とトルコのよい関係を続けるためにも日本政府は入国管理をより厳しくしてほしい」と訴えた。また、マスコミはトラブルの当事者を「トルコ国籍」としか報じないケースが多いため、在日トルコ社会では「わが国のイメージが悪くなる」という困惑が広がっているという。また難民認定を申請をするクルド人に対して、ビザ免除の観光名目で来日して難民申請を行うが、実際は日本での就労目的であるケースが多いとして「彼らの多くは本当は就労目的だと思う。なぜなら彼らはパスポートも持っているし、来日する航空機代もある。大統領選にも投票できる。国会にはクルド系議員がおり、クルド系のビジネスマンもいる。何より、日本にいる彼らは何か問題を起こすとトルコ大使館へ保護を求める」と指摘している。SNS等で、労働目的での来日の情報交換が頻発していることにも触れ「きちんと就労ビザで来日すべきだと思うが、毎日のように同じような質問が書き込まれていて、うんざりすることもある」「一部のクルド人のためにわれわれ全体が迷惑している。日本政府は入国管理を厳しくしてほしいし、日本のメディアは、『かわいそうなクルド人』という視点だけでなく、『トルコ国籍者』の背景をもっと報道してほしい」と訴えた[194]

トルコ政府

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駐日トルコ大使コルクット・ギュンゲンは、クルド人の人権は保証されており、トルコの選挙で投票する権利もあると述べている[100]。ギュンゲンは、住民とクルド人とのトラブルの表面化について「治安上の問題を大いに懸念している」「治安に関わる事件が起きたことを大いに懸念している。それがごくわずかの人数であっても、わが国民全体のイメージが形成されることを大いに懸念している」と述べ、クルド人による暴動や暴走行為に対し「大使館として日本の法令に逆らうような行為は容認しない。常に日本の警察当局と連携し、市や政府関係者、国会議員らとも話をしている」、埼玉県警の治安対策については「大使館としても協力できる部分があれば喜んで協力したいと、警察当局などへ伝えている。日本側もわれわれの立場や姿勢を承知してくれていると思う」、「日本の法令にのっとって、どんな具体的措置を取れるか対話している。情報共有や情勢評価についての対話もあり得るだろう」、「2021年に大使として赴任後、川口、蕨両市を訪問した。両自治体とも連絡を取り合って協力態勢にある。両自治体と接触する中で、常に協力の用意があると伝えている」と述べている[195]

日本人

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埼玉県知事の大野元裕は、2024年3月28日の定例記者会見で「クルド人に限らず、ヘイトスピーチというのは、地域社会から、徹底して排除されなければならない」と述べ、また県南地域の治安については「良くない」というのは誤解だと述べた[196][197]。川口市市長の奥ノ木信夫は、不正行為の厳格な対処を国に求めるとともに、仮放免者が最低限の生活を維持できるように就労を可能とする制度を要望している[113]

  • 池田信夫は、川口に在住しているクルド人は、観光で入国して難民申請を提出しそのままオーバーステイで送還逃れをしている不法滞在者であると述べている[8]。また、不法滞在者の一掃が必要であり、不法滞在の大きな要因であるトルコとのビザ免除はやめるべきであると主張している[8]
  • 西牟田靖は、「クルド人の人口が多くなり、なおかつ日本になじめない子どもたちが増えたらどうなるのか。中国残留孤児の一族の2世が結成した怒羅権のような集団となって、地域の治安を乱すのではないか。さらに騒動が大きくなり、フランスのようになってしまわないか。日本政府は今後、移民を増やそうとしているが、本当に大丈夫なのか」と述べている[136]
  • 三枝玄太郎は、川口市での在日クルド人と地元住民との軋轢について、産経新聞グループや読売新聞以外のメディアは負の側面を取り上げず、クルド人が如何にトルコ政府から抑圧され、虐げられたかという側面からしか取り上げないとして、フリージャーナリストの石井孝明が在日クルド側から損害賠償訴訟を提起された事例を挙げて、朝日新聞や毎日新聞、東京新聞などの左派系は、軋轢問題に極力目を瞑り、問題提起する報道を「ヘイト」扱いするのは事実に立脚した報道からかけ離れるものだと指摘している[198]

川口市立医療センター内乱闘事件についての論評

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  • 2022年から在日クルド人について取材をしてきた読売新聞記者によれば、この騒動以降に在日クルド人についての「ごみ出しのルールを守らない、騒音を出す、危険な車の運転をする……」といった「一面的な情報が急激に増え」たという。ほかにも「クルド人とみられる外国人の様子がSNSで拡散され」たり、「「突撃取材」と称し、むやみにクルド人にカメラを向ける配信動画もあった」と述べている[199]
  • 共同通信は、この事件が2023年夏からSNS上あふれた在日クルド人への「ヘイトスピーチ」や中傷のきっかけだと報じた[200]
  • 英誌「エコノミスト」は、この騒動をきっかけにして「保守系メディア」による在日クルド人を標的としてキャンペーンが行われ、排外主義団体のデモなど(後述)につながったとした[201]
  • 藤崎剛人はニューズウィーク日本版への寄稿のなかで、「ある右派ジャーナリスト」らが「この事件を誇張して広め、「クルド人は怖い」というイメージを形成した」と分析している[202]

在日クルド団体と関連人物

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日本クルド文化協会

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川口市を中心に2013年から活動をしている団体で、日本に住むクルド人の結集と、クルド人の文化や遺産を日本人に紹介することを目標としている。2003年に設立されたクルディスタン&日本友好協会がもとになっている。文化活動が中心で、言語コース、フォークロア活動、子供向け社会的イベントなどの企画がある。クルド人コミュニティの活動の大半で主催または協力をしている[203]2023年12月、トルコ政府より、同団体と事務局長ワッカス・チョーラクら幹部6人が、PKK支持者に認定され、PKKへの支援を理由に資産凍結されている[101][109]

  • ワッカス・チョーラク(Vakkas Çolak, Colak Vakkas)
日本クルド文化協会事務局長、日本クルド友好協会幹事[204]東京外国語大学大学院総合国際学研究院, 研究員(2021-2022年, 2024年)[205]、TUFSオープンアカデミー講師(2024年)[206]。在留資格を持っている[207]
2017年にクルド料理店を開店しオーナーとなる[208]。2023年11月にトルコ政府から、国際テロリスト「PKK/KCKの関係者」であるとして、トルコ国内の資産を凍結する制裁を受けた[102]。所属する日本クルド文化協会が、クルド労働党(PKK)の創設者の男性の顔が書かれた旗や、クルド労働党の旗を掲げて募金活動を行い、集まった約4000万円の資金をPKKへ送金したことが、テロ資金の調達であるとみなされた[110]。しかし本人はPKKとの関わりを否定しており、またトルコ国内に資産を持っていない旨を述べている[209]。2024年、海外メディアに対して「日本のヘイトグループは、移民、外国人、難民に反対しています。」、「私たち(在日クルド人)に対する(ヘイトグループからの)差別やヘイトスピーチを止めなければならない。」、「自分たち在日クルド人はヘイトグループから攻撃されている。差別やヘイトスピーチを止めなくてはいけない。」などと在日クルド人の置かれた状況や、「日本クルド交流連絡会」設立の目的等を説明した[192][193]。2024年2月18日、蕨市駅前のデモの最中に、「日本人は精神病院に行け」と発言し謝罪している[210]

支援団体と関連人物

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日本共産党

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2024年6月5日に、日本共産党の本村伸子仁比聡平は、人民平等民主党(DEM)のメラル・ダニス・ベスタス、バジール・コシュクン・パラルクと「クルド人の難民人権問題」についての懇談をしている[211]。日本共産党の委員会「外国人の人権・労働・共生に関する委員会」(責任者仁比聡平)は、支援団体やクルド人らとの懇親会を開催している[212][213]。2023年7月26日に、日本共産党議員の仁比聡平、本村伸子、塩川鉄也、元衆院議員の梅村さえこは、支援団体である「在日クルド人と共に」の温井立央、埼玉県内に居住する不法滞在のクルド人らと懇談している[212]。2024年8月22日に、日本共産党の塩川鉄也、本村伸子、伊藤岳、仁比聡平、日本共産党から出馬予定の梅村さえこ、党川口市議とクルドの子らによる懇談会を開催している[213]

日本クルド友好議員連盟

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日本クルド友好協会公式サイト内に開設された日本クルド友好議員連盟(会長は中谷元、副会長は新藤義孝、幹事長は和田政宗[108][要検証]、事務局は「日本クルド友好協会」代表理事の木下顕伸)のページ上で、トルコ系クルド人難民問題に関し「(略)5、労働力の不足に乗じて、親族が親族を呼び難民申請する構図が増えている。政治難民なのか経済難民なのか区別する必要がある。6、経済難民と政治難民との判断が難しい状況では、特定技能活動ビザの援用も一つの方法でもある。7、若いクルド人難民による薬物使用が増加している。8、クルド人難民を偽装しトルコ人が難民申請している案件が増加している。9、クルド人のみならず外国人犯罪抑止のための各省の連携が必要である」などの課題を提言している(文責は、同団体事務局兼日本クルド友好協会代表理事の木下顕伸)[55]

クルディスタン&日本友好協会

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クルド人の文化を日本人に伝えることを目的とし、日本の団体や市民の協力のもとで2003年に設立された[214]。開設記念パーティには、UNHCR、難民支援協会、クルドを知る会、クルド難民弁護団など日本の支援者が集まり、クルド料理やダンスも披露された[27]

クルドを知る会

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日本において、クルドの文化や歴史を知り、伝えるために2003年に結成。ジェミニ(日本語教室団体)代表の磯部加代子も所属。

在日クルド人と共に(HEVAL)

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2022年から、クルドを知る会より地域活動団体として独立した[126]。HEVALはクルド語で「友達」を指す[215]。代表理事は温井立央。温井立央は、日本クルド文化協会主催のネウロズの運営に協力している[126]

日本クルド交流連絡会

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「日本クルド交流連絡会[216]」、代表世話人は「クルド文化教室」主催の中島直美、顧問は一水会代表木村三浩[217]、事務局長は坪内隆彦。

日本クルド友好協会

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「日本クルド友好協会」の代表理事は木下顕伸[108][要検証] 木下は、日本クルド友好議員連盟の事務局も兼務している。

おんな組いのち

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「おんな組いのち」世話人の辛淑玉は、不法滞在の送還忌避者のクルド人2家族を「難民」と認めさせることを目的とし、2万程人の「日本国政府にクルド人の難民認定を求める署名」を集めている[注釈 18][218]。政治活動家の辛淑玉は、2011年4月16日「移民と国境」のセッションで、クルド難民を助けてもらうよう政治家に交渉したが動いてくれなかったために政治家のパーティー券二百万円を購入することでクルド難民を2名救えたという主旨の発言をし、その自身の行為について「自分のクルドの友達を金で買うと思った」と述べている[219]

その他支援団体と人物

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  • クルド難民弁護団:事務局長は弁護士の大橋毅。
  • クルド難民デニスさんとあゆむ会:共同代表は福島尚文(元共同通信記者、2024-03-04):国内外の支局での勤務を経て、2009~2015年に国際局で日本がニュースのハングル翻訳・発信に携わった。革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)系列団体の集会「改憲・戦争阻止!大行進」の呼びかけ人もつとめた[220]
  • クルド難民Mさんを支援する会・事務局:代表は周香織。
  • しばき隊(対レイシスト行動集団、略称C.R.A.C.)、会長は野間易通
  • 「つくろい東京ファンド」、代表は大澤優真、通訳者の武石昌子も所属。
  • 「埼玉から差別をなくす会」、世話人は中島麻由子と折茂あい。
  • 「STOP・HATE 川口・蕨」、メンバーは中島麻由子と折茂あい。

関連書籍

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日本において在日クルド人について述べた初期の資料として、中島由佳利『新月の夜が明けるとき』(2003年)があり、近年の研究として山口昭彦編著『クルド人を知るための55章』(2019年)がある。日本での先駆的なクルド人研究としては中川喜与志『クルド人とクルディスタン』(2001年)があり、その他にFujibayashi, Hirotaka「日本におけるトルコ系クルド人の庇護不認定処分に対する批判的検討」(2017年)、髙橋誠一「クルド問題をめぐる公共圏とその変容」(宮島喬、吉村真子編著『移民・マイノリティと変容する世界』収録、2021年)などがある[221]

関連する映画

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  • バックドロップ・クルディスタン』(2007年):在日クルド人家族を扱ったドキュメンタリー映画。
  • 『東京クルド』(2021年):難民申請を求める2人の在日クルド人を追ったドキュメンタリー映画。
  • マイスモールランド』(2022年):川口市を舞台に、クルドと日本のアイデンティティーをもつ女子高生を主人公とした劇映画。
    • 小説版(川和田恵真]著、2022年、講談社

脚注

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注釈

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  1. ^ トルコ政府は1934年の入植法をはじめとする政策によってクルド人の強制移住やトルコ語教育などのトルコ化も進めた[20]
  2. ^ その後、UNHCRが難民認定したクルド人は第3国に出国して、スウェーデン等で難民認定された[24]
  3. ^ トルコ系クルド人を含む在日トルコ人の人数は、入管庁によれば、2015年末時点で4157人(短期滞在および「非正規滞在者」は含まない:入管庁『在留外国人統計』)。
  4. ^ UNHCRは、難民申請者とその家族についての情報を出身国に伝えてはならないとしている。これは申請者と家族の安全確保と申請者が提供した情報の保護のためである[40]
  5. ^ それ以前にもクルド人への難民不認定処分の取り消しを命じる判決はあったが、[46]判決確定後に再び難民不認定処分となった[47][48][49]
  6. ^ 「スタン」はクルド語やペルシア語における接尾辞で、多数の対象が存在する場所などを指す[61]
  7. ^ クルマンジーは北部の方言でトルコ東部、シリア北東部、イラク北部を中心に使われている。中央方言のソラニーはイラク北東部から小ザブ川周辺とイランのコルデスターン州が中心で、南部方言はイランのケルマーンシャー州を中心に使われている[64]
  8. ^ Mahkânlı, Atma族の支族で、テュルク系民族トルクメン人がクルド化したという言説がある[78]
  9. ^ Hürriyetはトルコ語で『自由』の意味[9]
  10. ^ HDPは日本語で人民民主党とも表記される[91]
  11. ^ 全体の選挙結果では、緑の左派党は56議席(9.3%)を獲得し、第5党の座についた[97]
  12. ^ 英国内務省は、トルコのテロに関する法律について「国際基準に則っている」と評価している[103]。また、HDPを支持する者、あるいは家族がPKKのメンバーである者は、PKKの支持者である可能性が疑われるとしている[103]。英国内務省は、HDPは多数のPKKからの支援を受けており、PKKと関連する政党であると断言している[103]
  13. ^ 国土交通省によれば2018年から2023年に解体業者は1.5倍に増えており、令和4年の有効求人倍率の全国平均1.31倍に対して解体業は13倍を超えている[118]
  14. ^ 区の調査によると、コンクリ片などの廃材が現場付近の歩道をふさいでおり、隣接マンションとの境のフェンスは廃材の重みでゆがんでいたという[118]。山積みになった廃材の上では重機が傾きながら動くという有様であり道路側へ倒れそうな状態であった[118]。目撃者によると、作業員がTシャツに短パン姿でヘルメットもかぶらず、高所で命綱も付けないまま解体作業をしていたため注意したところ、「ニホンゴワカラナイ」「シャシン、トルナ」と威嚇されるということがあり、周りの住民も怖がっていたという[118]
  15. ^ この意見書は冒頭で 「現在、川口市には40,000人を超える外国籍の住民がおり、加えて、住民票をもたない外国人の中には仮放免中の方も相当数いるものと推定されている。多くの外国人は善良に暮らしている」と前置きしたうえで、「一部の外国人は生活圏内である資材置き場周辺や住宅密集地域などで暴走行為、あおり運転を繰り返し、人身、物損事故を多く発生させ」ていると述べられており、「クルド人」というような特定の国籍・民族名は明記されてはいない[170][171][172]。 ただし、市議からは「彼ら(在日クルド人)を念頭に置いた議論だった」と説明がされている[171]。 意見書を取りまとめた若谷正巳市議(自民党市議団幹事長)は埼玉新聞の取材に「意見書は外国人排除を目的としたものではない」としている。 意見書が採択された僅か2ヶ月前の4月の市議選のなかで、有権者から市議候補者への相談として「川口の治安が良くない」などの声が各市議候補に寄せられたことも意見書採択の背景にあった[170]。ただし川口市の2024年の認知犯罪件数は3815件(うち1205件は自転車盗)であり、ピークだった2008年の1万6,314件と比べて4分の1にまで減少している[173]
  16. ^ デモ翌日の2月19日に、クルド人が「日本人死ね」と発言しているように聞こえるデモの動画について、参議院議員の若林洋平が、「我が物顔で日本人に迷惑をかけ、挙げ句日本人死ねというならどうぞお帰りください。日本人の国なので、日本の文化・しきたりを理解出来ない外国の方は母国にお帰り下さい」と投稿し、三崎優太は「いやいや、日本にいる以上、日本の文化やルールを守れ。日本をリスペクトできない外人は入ってくんなよ」と投稿している[179][180]
  17. ^ この発言について、川口在住のクルド人のユージェル・マヒルジャンは「1人のクルド人が“国に帰れ。変な外人”と言われた時に、“病院に行きなさい、精神科に行きなさい”と参加者に言い返した」と主張している[178]
  18. ^ 呼びかけた団体は日本労働組合総連合会東京都連合会情報労連東京都協議会東京交通労働組合、東京地下鉄労働組合、自治労東京都本部、東京都公立学校教職員組合東急観光労働組合、全水道東京水道労働組合などがある[218]

出典

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  2. ^ https://www.tokyo-np.co.jp/article/291460[名無しリンク]
  3. ^ a b c d 「荷崩れが怖くて近くを走れない」 埼玉で問題の「恐怖のクルドカー」 女性への強引なナンパやクルド人同士の殺傷沙汰も【衝撃の証拠写真】」”. デイリー新潮 (2023年9月16日). 2024年8月6日閲覧。
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  12. ^ a b c d e f g h i j Japonya'daki Kürtler Dosyası: Japonlar Yaşananları TamgaTürk'e Anlattı” (トルコ語). TAMGATURK] (2024年8月31日). 2024年8月31日閲覧。
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  17. ^ a b c 令和6年6月定例会 ー 06月19日 一般質問” (2024年6月19日). 2024年9月30日閲覧。
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参考文献

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    • 穐山祐子『トルコ共和国初期の「国民」創出――人口センサスにおける「クルド人」の捕捉』。 
    • 粕谷元『トルコ独立戦争とクルド人――「ムスリム同胞の兄弟民族」が戦った戦争』。 
    • 中島由佳利『在日クルド人コミュニティ―黎明期の『ワラビスタン』と第1世代―』。 
    • 吉枝聡子『クルド語はどんな言葉か――クルド語のいま』。 

関連文献

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関連項目

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外部リンク

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