国鉄タム3250形貨車
国鉄タム3250形貨車(こくてつタム3250がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
国鉄タム3250形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 田中屋商店、日本鋼管、タール製品取扱業協同組合、安宅産業、東洋レーヨン、第一通商、森岡興業、富士製鉄化学、入丸産業、日本化成工業、八幡製鐵、三井化学工業→三井東圧化学、由良精工、日本曹達、北海道炭礦汽船、北一産業、関東タール製品、北新化成 |
製造所 | 新潟鐵工所、川崎車輛、市川重工業、東洋レーヨン、カテツ交通、三菱重工業、若松車輌、日本車輌製造 |
製造年 | 1949年(昭和24年) - 1960年(昭和35年) |
製造数 | 83両 |
消滅 | 1989年(平成元年) |
常備駅 | 扇町駅、大牟田駅、浅野駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | ベンゾール |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 8,800 mm |
全幅 | 2,408 mm |
全高 | 3,637 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 16.5 m3- 19.0 m3 |
自重 | 10.4 t - 11.4 t |
換算両数 積車 | 2.6 |
換算両数 空車 | 1.2 |
走り装置 | 一段リンク式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,800 mm - 4,100 mm |
最高速度 | 65 km/h→75 km/h |
本形式より改造され別形式となったタム23250形についても本項目で解説する。
タム3250形
編集タム3250形は、ベンゾール専用の15t積タンク車として1949年(昭和24年)10月29日から1960年(昭和35年)9月14日にかけて83両(タム3250 - タム3286、タム3290 - タム3335)が新潟鐵工所、川崎車輛、市川重工業、東洋レーヨン、カテツ交通、三菱重工業、若松車輌、日本車輌製造にて製造または改造編入された。この際なぜかタム3287 - タム3289は空番であった。
本形式の他にベンゾール専用種別とする形式は、タ1000形(48両)、タム3200形(5両)、タム23250形(15両、後述)、タサ1000形(13両)、タサ1050形(2両)、タサ1100形(6両)、タサ4400形(1両)、タキ200形(初代)(1両)、タキ850形(1両)、タキ900形(2両)、タキ950形(2両)、タキ1800形(65両)、タキ4150形(1両)、タキ6450形(3両)、タキ14400形(11両)の15形式が存在した。
落成時の所有者は、田中屋商店、日本鋼管、タール製品取扱業協同組合、安宅産業、東洋レーヨン、第一通商、森岡興業、富士製鉄化学、入丸産業、日本化成工業、八幡製鐵、三井化学工業(その後三井東圧化学へ社名変更)、由良精工、日本曹達、北海道炭礦汽船、北一産業、関東タール製品、北新化成の18社であった。
貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車輌の軸ばね支持方式が二段リンク式に改造され、最高運転速度は65km/hから75km/hへ引き上げられた。
塗色は、黒であり、全長は8,800mm、全幅は2,408mm、全高は3,637mm、軸距は3,800mm - 4,100mm、実容積は16.5m3 - 19.0m3、自重は10.4t - 11.4t、換算両数は積車2.6、空車1.2、車軸は12t長軸であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には8両(タム3251、タム3252、タム3313、タム3314、タム3326 - タム3328、タム3331)の車籍がJR貨物に継承されたが、1989年(平成元年)3月に最後まで在籍した5両(タム3313、タム3314、タム3326 - タム3328)が廃車となり同時に形式消滅となった。
タム23250形
編集国鉄タム23250形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 共立産業商事、日商化学工業、北一産業運輸、富士製鐵→新日本製鐵、北海道炭礦汽船 |
種車 | タム3250形 |
改造年 | 1968年(昭和43年) |
改造数 | 15両 |
消滅 | 1985年(昭和60年) |
常備駅 | 東室蘭駅、鹿ノ谷駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒+黄1号の帯 |
専用種別 | ベンゾール |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,850 mm - 8,800 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 19.0 m3 |
自重 | 11.2 t - 11.4 t |
換算両数 積車 | 2.6 |
換算両数 空車 | 1.2 |
走り装置 | 一段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 4,100 mm |
最高速度 | 65 km/h |
タム23250形はベンゾール専用の15t積み私有貨車(タンク車)である。
当初タム3250形の軸ばね支持装置は一段リンク式であったが、貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車は二段リンク式に改造したが、北海道地区ではスピードアップが見送られたため、二段リンク化の対象外となった車両が15両(ロタム23253、ロタム23257、ロタム23266、ロタム23268 - ロタム23271、ロタム23293、ロタム23297 - ロタム23298、ロタム23310 - ロタム23311、ロタム23318 - ロタム23319、ロタム23323)残り、区別のため別形式(タム23250形)とした。車番は現番号に「20000」を加える形となった。改造内容は標記類の書き換え以外何もなく、むしろ本形式の方が本来のタム3250形ともいえる。
識別のため記号に「ロ」を丸で囲んだ通称マルロが追加され「ロタム」となり黄色(黄1号)の帯を巻いている。タンク体には同色で「道外禁止」と標記された。
所有者は共立産業商事、日商化学工業、北一産業運輸、富士製鐵(その後社名は新日本製鐵に変更)、北海道炭礦汽船の5社であった。
塗色は、黒であり黄色(黄1号)の帯を巻いている。全長は7,850mm - 8,800mm、実容積は19.0m3、自重は11.2t - 11.4t、換算両数は積車2.6、空車1.2、最高運転速度は65km/h、車軸は12t長軸であった。
1985年(昭和60年)7月8日に最後まで在籍した車4両(ロタム23268 - ロタム23271)が廃車となり、同時に形式消滅となった。
参考文献
編集- 『レイルマガジン』通巻140号(1995年5月・ネコ・パブリッシング)
- 吉岡心平「私有貨車セミナー」 pp. 74-77
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)