国鉄タサ5700形貨車
国鉄タサ5700形貨車(こくてつタサ5700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
国鉄タサ5700形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 鈴与、出光興産、日本石油輸送、三角石油瓦斯、セントラル石油瓦斯、ゼネラル瓦斯、三愛石油、大洋プロパン瓦斯、三井化学工業、丸紅飯田、亜細亜石油、三菱液化瓦斯、日本酸素、日本石油瓦斯、東邦アセチレン、宇部サイコン、日商、北海酸素、帝国石油、昭和石油瓦斯、伊藤忠燃料、シェル石油、岩谷産業、大成物産、熊本石油、丸善海運、石油荷役、伊丹産業、丸善石油化学、菱三商事、共同石油 |
製造所 | 日本車輌製造、三菱重工業、富士重工業、飯野重工業、日立製作所、川崎車輛、富士車輌 |
製造年 | 1963年(昭和38年) - 1967年(昭和42年) |
製造数 | 348両 |
消滅 | 1990年(平成2年) |
常備駅 | 南甲府駅、浮島町駅、徳山駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | ねずみ色1号 |
専用種別 | LPガス |
化成品分類番号 | 燃(G)23 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 17,880 mm |
全幅 | 2,500 mm |
全高 | 3,817 mm |
タンク材質 | 高張力鋼 |
荷重 | 20 t |
実容積 | 47.3 m3 |
自重 | 26.1 t - 27.3 t |
換算両数 積車 | 4.5 |
換算両数 空車 | 2.6 |
台車 | TR41C、TR41D |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 13,700 mm |
最高速度 | 75 km/h |
本形式と同一の専用種別であるタム9000形についても本項目で解説する。
タサ5700形
編集タサ5700形は、LPガス専用の20t積タンク車として1963年(昭和38年)7月8日から1967年(昭和42年)7月21日にかけて348両(オタサ5700 - オタサ5799、オタサ15700 - オタサ15799、オタサ25700 - オタサ25760、オタサ35700 - オタサ35786)が日本車輌製造、三菱重工業、富士重工業、飯野重工業、日立製作所、川崎車輛、富士車輌の7社にて製作された。この際何故かオタサ25761 - オタサ25799は欠番であった。記号番号表記は特殊標記符号「オ」(全長 16 m 以上)を前置し「オタサ」と標記する。
本形式の他にLPガスを専用種別とする形式には、タム7100形(104両)、タム7200形(8両)、タム7300形(1両)、タム9000形(1両、後述)、タサ5400形(356両)、タサ5500形(18両)、タキ25000形(310両)の7形式が存在した。
落成時の所有者は鈴与、出光興産、日本石油輸送、三角石油瓦斯、セントラル石油瓦斯、ゼネラル瓦斯、三愛石油、大洋プロパン瓦斯、三井化学工業、丸紅飯田、亜細亜石油、三菱液化瓦斯、日本酸素、日本石油瓦斯、東邦アセチレン、宇部サイコン、日商、北海酸素、帝国石油、昭和石油瓦斯、伊藤忠燃料、シェル石油、岩谷産業、大成物産、熊本石油、丸善海運、石油荷役、伊丹産業、丸善石油化学、菱三商事、共同石油であった。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃(G)23」(燃焼性の物質、高圧ガス、高圧ガス、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「LPガス」と化成品分類番号の「燃」は赤色で標記されている。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。
ドームレス直円筒型のタンク体は、高張力鋼(HT55、HT60)製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。
塗色はねずみ色1号であり、全長は17,880 mm、全幅は2,500 mm、全高は3,817 mm、台車中心間距離は13,700 mm、実容積は47.3 m3、自重は26.1 t - 27.3 t、換算両数は積車4.5、空車2.6、最高運転速度は75 km/h、ベッテンドルフ式のTR41C、TR41Dである。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には2両(オタサ25755・オタサ25759)の車籍がJR貨物に継承したが、1990年(平成2年)1月に2両揃って廃車となり、同時に形式消滅となった。
タム9000形
編集国鉄タム9000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 石油荷役 |
製造所 | 日本車輌製造 |
製造年 | 1966年(昭和41年) |
製造数 | 1両 |
消滅 | 1981年(昭和56年) |
常備駅 | 塩釜埠頭駅 |
主要諸元 | |
車体色 | ねずみ色1号 |
専用種別 | LPガス |
化成品分類番号 | 燃(G)23 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,900 mm |
全幅 | 2,500 mm |
全高 | 3,817 mm |
タンク材質 | 高張力鋼 |
荷重 | 15 t |
実容積 | 35.5 m3 |
自重 | 23.3 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 2.2 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 9,600 mm |
最高速度 | 75 km/h |
タム9000形は、LPガス専用の15 t積タンク車として1966年(昭和41年)12月12日に1両(タム9000)のみが日本車輌製造にて製作された。
所有者は石油荷役であり、常備駅は塩釜線の塩釜埠頭駅であった。
ドームレス直円筒型のタンク体は、高張力鋼(HT60、HT55)製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。
塗色はねずみ色1号であり、全長は13,900 mm、全幅は2,500 mm、全高は3,817 mm、台車中心間距離は9,600 mm、実容積は35.5 m3、自重は23.3 t、換算両数は積車4.0、空車2.2、最高運転速度は75 km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1981年(昭和56年)8月18日に廃車となり、同時に形式消滅となった。
参考文献
編集- 『Rail Magazine』 2002年9月号 Vol.228 ネコ・パブリッシング刊
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)