吉川英治文庫賞
吉川英治文庫賞(よしかわえいじぶんこしょう)は、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主宰し、講談社が後援する文学賞。シリーズ大衆小説が対象。
2016年、吉川英治文学賞・吉川英治文化賞が第50回の節目を迎えるのを機に創設[1]。
5巻以上続くシリーズ大衆小説のうち、12月1日から翌年11月30日までに5巻目以降が一次文庫で刊行されたものが対象となる。選考は、講談社を含む出版社の代表各社1名、識者、出版流通関係者など約50人で構成される選考委員の投票によって決定される。最終選考の開票には、選考委員に加えて前回受賞者(第1回は森村誠一)と逢坂剛が立会人(第1回は吉川英治国民文化振興会理事長の吉川英明)として立ち会う[2]。
受賞作
編集回(年) | 最終候補作 | |
---|---|---|
第1回(2016年)[3] | 受賞 | 畠中恵 「しゃばけ」シリーズ(新潮文庫) |
候補 | 赤川次郎 「三毛猫ホームズ」シリーズ(光文社文庫) | |
綾辻行人 「館」シリーズ(講談社文庫) | ||
上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫) | ||
内田康夫 「浅見光彦」シリーズ(各社) | ||
今野敏 「東京湾臨海署安積班」シリーズ(ハルキ文庫) | ||
佐藤賢一 「小説フランス革命」シリーズ(集英社文庫) | ||
堂場瞬一 「アナザーフェイス」シリーズ(文春文庫) | ||
西村京太郎 「十津川警部」シリーズ(各社) | ||
誉田哲也 「姫川玲子」シリーズ(光文社文庫) | ||
三上延 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(メディアワークス文庫) | ||
和田はつ子 「料理人季蔵捕物控」シリーズ(ハルキ時代小説文庫) | ||
第2回(2017年)[4] | 受賞 | 今野敏 「隠蔽捜査」シリーズ(新潮文庫) |
候補 | 碧野圭 「書店ガール」シリーズ(PHP文芸文庫) | |
有栖川有栖 「火村英生」シリーズ(文春文庫) | ||
石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ(文春文庫) | ||
上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
島田荘司 「名探偵・御手洗潔」シリーズ(講談社文庫・新潮文庫) | ||
小路幸也 「東京バンドワゴン」シリーズ(集英社文庫) | ||
堂場瞬一 「アナザーフェイス」シリーズ(文春文庫) | ||
西村京太郎 「十津川警部」シリーズ(各社) | ||
松岡圭祐 「万能鑑定士Q」シリーズ(講談社文庫) | ||
若竹七海 「葉村晶」シリーズ (文春文庫) | ||
第3回(2018年)[5] | 受賞 | 有栖川有栖 「火村英生」シリーズ(角川文庫・幻冬舎文庫) |
候補 | 上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫) | |
上橋菜穂子 「守り人」シリーズ(新潮文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
北村薫 「円紫さんと私」シリーズ(創元推理文庫) | ||
堂場瞬一 「アナザーフェイス」シリーズ(文春文庫) | ||
西村京太郎 「十津川警部」シリーズ(各社) | ||
初野晴 「ハルチカ」シリーズ(角川文庫) | ||
誉田哲也 「姫川玲子」シリーズ(光文社文庫) | ||
三上延 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(メディアワークス文庫) | ||
第4回(2019年) | 受賞 | 西村京太郎 「十津川警部」シリーズ(各社) |
候補 | 石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ(文春文庫) | |
今村翔吾 「羽州ぼろ鳶組」シリーズ(祥伝社文庫) | ||
上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
田中芳樹 「アルスラーン戦記」シリーズ(光文社文庫) | ||
堂場瞬一 「アナザーフェイス」シリーズ(文春文庫) | ||
誉田哲也 「姫川玲子」シリーズ(光文社文庫) | ||
三上延 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(メディアワークス文庫) | ||
若竹七海 「葉村晶」シリーズ(文春文庫) | ||
第5回(2020年) | 受賞 | 小野不由美 「十二国記」シリーズ(新潮文庫) |
候補 | 麻見和史 「警視庁殺人分析班」シリーズ(講談社文庫) | |
石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ(文春文庫) | ||
今村翔吾 「羽州ぼろ鳶組」シリーズ(祥伝社文庫) | ||
上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫) | ||
小川一水 「天冥の標」シリーズ(ハヤカワ文庫JA) | ||
川瀬七緒 「法医昆虫学捜査官」シリーズ(講談社文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
京極夏彦 「百鬼夜行」シリーズ(各社) | ||
黒川博行 「疫病神」シリーズ(角川文庫) | ||
佐々木譲 「道警」シリーズ(ハルキ文庫) | ||
小路幸也 「東京バンドワゴン」シリーズ(集英社文庫) | ||
矢崎存美 「ぶたぶた」シリーズ(光文社文庫) | ||
山口恵以子 「食堂のおばちゃん」シリーズ(ハルキ文庫) | ||
米澤穂信 「古典部」シリーズ(角川文庫) | ||
第6回(2021年) | 受賞 | 今村翔吾 「羽州ぼろ鳶組」シリーズ(祥伝社文庫) |
候補 | 上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ(角川文庫) | |
上橋菜穂子 「鹿の王」シリーズ(文春文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
貴志祐介 「防犯探偵・榎本」シリーズ(角川文庫) | ||
小路幸也 「東京バンドワゴン」シリーズ (集英社文庫) | ||
田中芳樹 「アルスラーン戦記」シリーズ(光文社文庫) | ||
堂場瞬一 「警視庁追跡捜査係」シリーズ(ハルキ文庫) | ||
誉田哲也 「姫川玲子」シリーズ(光文社文庫) | ||
三上延 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(メディアワークス文庫) | ||
若竹七海 「女探偵・葉村晶」シリーズ(文春文庫) | ||
第7回(2022年) | 受賞 | 上田秀人 「百万石の留守居役」シリーズ (講談社文庫) |
候補 | あさのあつこ 「弥勒」シリーズ (光文社文庫) | |
麻見和史 「警視庁殺人分析班」シリーズ (講談社文庫) | ||
石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ (文春文庫) | ||
井原忠政 「三河雑兵心得」シリーズ (双葉文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ (朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
黒川博行 「疫病神」シリーズ (文春文庫) | ||
知念実希人 「天久鷹央」シリーズ (新潮文庫nex) | ||
堂場瞬一 「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ (講談社文庫) | ||
誉田哲也 「〈ジウ〉サーガ」シリーズ (中公文庫) | ||
三津田信三 「刀城言耶」シリーズ (講談社文庫) | ||
第8回(2023年) | 受賞 | 上橋菜穂子 「守り人」シリーズ (新潮文庫) |
候補 | 麻見和史 「警視庁公安分析班」シリーズ (講談社文庫) | |
石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ (文春文庫) | ||
井原忠政 「三河雑兵心得」シリーズ (双葉文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ (朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
三上延 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ (メディアワークス文庫) | ||
第9回(2024年) | 受賞 | 阿部智里 「八咫烏」シリーズ (文春文庫) |
候補 | 麻見和史 「警視庁殺人分析班」シリーズ (講談社文庫) | |
石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ (文春文庫) | ||
井原忠政 「三河雑兵心得」シリーズ (双葉文庫) | ||
菊地秀行 「吸血鬼ハンター」シリーズ (朝日文庫ソノラマセレクション) | ||
知念実希人 「天久鷹央」シリーズ (実業之日本社文庫) |
選考委員
編集- 出版社選考委員(各1名)
- 書評家選考委員(22名)
- 書店選考委員(各1名)
- 第3回:大垣書店、啓文社、精文館書店、田村書店、なにわ書房、平惣、福岡金文堂、ブックエース、ブックファースト、豊川堂、未来屋書店、谷島屋、ヤマト屋書店、有隣堂
- 第4回:笠原書店、啓文社、精文館書店、東京堂、戸田書店、八文字屋、久美堂、福岡金文堂、ブックエース、ブックスキヨスク、ブックファースト、未来屋書店、ヤマト屋書店、リラィアブル
- 第5回:うさぎや、うつのみや、笠原書店、東京堂、戸田書店、八文字屋、久美堂、ブックスキヨスク、ブックスミスミ、丸善ジュンク堂書店、水嶋書房、宮脇書店、リラィアブル、朗月堂
- 第6回: うさぎや、うつのみや、喜久屋書店、紀伊國屋書店、正文館書店、ふたば書房、ブックスミスミ、文苑堂、丸善ジュンク堂書店、水嶋書房、みどり書房、宮脇書店、メトロ書店、朗月堂
脚注
編集- ^ 「吉川英治文庫賞」とは
- ^ “吉川英治文庫賞:創設 シリーズ化作品対象”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2015年7月6日) 2016年3月13日閲覧。
- ^ “第1回「吉川英治文庫賞」、畠中恵「しゃばけ」シリーズ(新潮文庫)に”. 新文化 (新文化通信社). (2016年3月4日) 2016年3月13日閲覧。
- ^ “吉川文学3賞決まる”. 新文化 (新文化通信社). (2017年3月6日) 2018年2月28日閲覧。
- ^ “講談社、本年度吉川英治賞を発表”. 新文化 (新文化通信社). (2018年3月2日) 2018年3月22日閲覧。