勝山海百合
勝山 海百合(かつやま うみゆり、1967年1月 - )は、日本の小説家。ローマ字表記は「Umiyuri KATSUYAMA」。
勝山 海百合 (かつやま うみゆり) | |
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誕生 |
1967年1月??日 岩手県江刺市(現・奥州市) |
職業 | 小説家 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 清泉女子大学 |
活動期間 | 1995年 - |
主な受賞歴 |
第4回ビーケーワン怪談大賞 第2回『幽』怪談文学賞 第23回日本ファンタジーノベル大賞 第1回かぐやSFコンテスト |
デビュー作 | 「草原」 |
ウィキポータル 文学 |
略歴
編集岩手県江刺市(現・奥州市)出身。岩手県立岩谷堂高等学校、宮城学院女子短期大学、会社員を経て清泉女子大学を卒業[1]。大学在学中の1995年、「草原」で岩手日報社発行の文芸誌「北の文学」優秀作を受賞。SF同人誌『ボレアス』にて作品を発表しつづける。
2006年、「軍馬の帰還」で第4回ビーケーワン怪談大賞を受賞[2]。2007年、「竜岩石」で第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞を受賞[2]。2011年、『さざなみの国』で第23回日本ファンタジーノベル大賞を受賞[2]。
2020年、「あれは真珠というものかしら」で第1回かぐやSFコンテストの大賞を受賞[3]。
2022年、掌編「喫茶アイボリー」の英訳(Toshiya Kamei訳)を寄せたアンソロジーProfessor Charlatan Bardot’s Travel Anthology to the Most (Fictional) Haunted Buildings in the Weird, Wild World(Eric J. Guignard編)がシャーリイ・ジャクスン賞アンソロジー部門を受賞[4]。
中国やインドなどアジア全域をモチーフにした作品が多いことから、文芸評論家の東雅夫は『竜岩石とただならぬ娘』解説で、作者を「アジアの海百合」と呼んでいる。
著作
編集- 『竜岩石とただならぬ娘』MF文庫ダ・ヴィンチ、2008年(短編集)
- 『十七歳の湯夫人』MF文庫ダ・ヴィンチ、2009年(短編集)
- 『玉工乙女』早川書房、2010年11月
- 『さざなみの国』新潮社、2011年
- 『月ノ森の真弓子』イースト・プレス、2014年4月
- 『狂書伝』新潮社、2014年5月
- 『只野真葛の奥州ばなし 勝山海百合現代語訳』叢書東北の声、2017年3月
- 『厨師、怪しい鍋と旅をする』東京創元社、2018年11月
アンソロジーへの寄稿
編集- 『てのひら怪談』(2007年2月 ポプラ社 / 2008年6月 ポプラ文庫)ISBN 4591096998 「軍馬の帰還」「魚怪」「呪いと毒」
- 『てのひら怪談 2』(2007年12月 ポプラ社 / 2009年6月 ポプラ文庫【てのひら怪談 己丑】)ISBN 4591100103 「古井戸」
- 『怪談列島ニッポン 書き下ろし諸国奇談競作集』(2009年2月 MF文庫ダ・ヴィンチ)ISBN 978-4-8401-2674-8 「熊のほうがおっかない」
- 『てのひら怪談 百怪繚乱篇』(2008年6月 ポプラ社)ISBN 4591103870
- 『てのひら怪談 庚寅』(2010年6月 ポプラ文庫)ISBN 978-4-591-11859-7 「NOU―能生―」「うざね」
- 『てのひら怪談 辛卯』(2011年5月 ポプラ文庫)ISBN 978-4-591-12480-2 「原隊に復帰せず」
- 『てのひら怪談 壬辰』(2012年6月 ポプラ文庫)ISBN 978-4-591-12967-8 「雄勝石」
- 『kaze no tanbun 特別ではない一日』(2019年10月 柏書房)ISBN 978-4-760-15087-8 「リモナイア」
- 『kaze no tanbun 移動図書館の子供たち』(2020年12月 柏書房)ISBN 978-4-760-15282-7 「チョコラテ・ベルガ」
- 『ベストSF2021』(2021年11月 竹書房文庫)ISBN 978-4-801-92754-4 「あれは真珠というものかしら」
- 『NOVA 2023年夏号』(2023年4月 河出文庫)ISBN 978-4-309-41958-9 「ビスケット・エフェクト」
- 『幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル』(2024年6月 新紀元社)ISBN 978-4775321515 「石の花は枯れず」
翻訳された作品
編集- 「羅浮之怪」
- "A Strange Incident at Mount Luofu" Antipodean SF 262(2020年7月)- 英語(Toshiya Kamei訳)
- 「白桃村」
- "White Peach Village" Antipodean SF 265(2020年10月)[5] - 英語(Toshiya Kamei訳)
- 「あれは真珠というものかしら」
- "Dewdrops and Pearls" VirtualGorilla+(2020年10月)[6] - 英語(イーライ・K・P・ウィリアム訳)
- "那是珍珠吗" VirtualGorilla+(2020年10月)[6] - 簡体字(田田訳)
- "那是珍珠嗎" VirtualGorilla+(2020年10月)[6] - 繁体字(田田訳)
- "¿Es acaso una perla?" Nagari Magazine(2020年10月)[7]、Axxón 299(2021年4月)[8] - スペイン語(Toshiya Kamei訳)
- 「魚怪」
- "One Last Splash" Insignia Stories(2020年10月)[9] - 英語(Toshiya Kamei訳)
- 「軍馬の帰還」
- "Return of a Warhorse" Fudoki Magazine(2020年10月) - 英語(Toshiya Kamei訳)
- "Caii se întorc de la război" Galaxia 42(2020年12月)[10] - ルーマニア語(Miloș Dumbraci訳、Osamu Kaikouによる英訳からの重訳)
- 「とりひき」
- "Schimbul" Galaxia 42(2020年12月)[10] - ルーマニア語(Miloș Dumbraci訳、Osamu Kaikouによる英訳からの重訳)
- 「朝の庭」「魚怪」「人参採り」
- "Three Stories" The Cafe Irreal 76(2020年12月)[10] - 英語(Toshiya Kamei訳)
翻訳した作品
編集- D・A・シャオリン・スパイアーズ「虹色恐竜」"Caihong Juji" by D. A. Xiaolin Spires、VirtualGorilla+、2021年4月[11]
- トシヤ・カメイ「ピーチ・ガール」"Peach Girl" by Toshiya Kamei、VirtualGorillaPlus.com、2021年4月[12]
- S・チョウイー・ルウ「稲妻マリー」"The Shapeshifter Unraveled" by S. Qiouyi Lu、『幻想と怪奇7』、新紀元社、2021年8月
- S・チョウイー・ルウ「年々有魚」"An Abundance of Fish" by S. Qiouyi Lu、『S-Fマガジン』2021年10月号、早川書房[13]
- トシヤ・カメイ「黎明の龍」"Dragon in Flight" by Toshiya Kamei、『小説すばる』2021年10月号、集英社[14]
- シェリィ・カメイ「鶴の女たち」"Blood in the Thread" by Cheri Kamei、『すばる』2021年12月号、集英社[15]
- S・チョウイー・ルウ「沈黙のねうち」"Mother Tongues" by S. Qiouyi Lu、『紙魚の手帖』vol.02、東京創元社、2021年12月[16]
- L・D・ルイス「シグナル」"Signal" by L. D. Lewis、VirtualGorilla+、2022年2月[17]
- S・チョウイー・ルウ「海を繕う」"Spilling Salt Into the Sea" by S. Qiouyi Lu、『幻想と怪奇12』、新紀元社、2022年12月[18]
脚注
編集- ^ 勝山さん、ファンタジーノベル大賞 奥州・江刺出身
- ^ a b c “勝山海百合 | 著者プロフィール”. www.shinchosha.co.jp. 新潮社. 2024年2月12日閲覧。
- ^ “第一回かぐやSFコンテスト結果発表 最終候補全作品の選評も公開 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月9日閲覧。
- ^ locusmag (2022年10月31日). “2021 Shirley Jackson Awards Winners” (英語). Locus Online. 2022年12月2日閲覧。
- ^ “勝山海百合「白桃村」が豪SF誌のAntipodeanSFに掲載 Toshiya Kameiによる翻訳 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月9日閲覧。
- ^ a b c “【英中訳公開】第1回かぐやSFコンテスト大賞 勝山海百合「あれは真珠というものかしら」イーライ・K・P・ウィリアム、田田による翻訳を公開 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月12日閲覧。
- ^ “勝山海百合「あれは真珠というものかしら」スペイン語版がキューバ誌に掲載 Toshiya Kameiによる翻訳 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月9日閲覧。
- ^ “勝山海百合「あれは真珠というものかしら」アルゼンチン誌に掲載 Toshiya Kameiによるスペイン語訳 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月9日閲覧。
- ^ “勝山海百合「魚怪」が英訳で“HORROR MATSURI”に登場 Toshiya Kameiによる翻訳 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月9日閲覧。
- ^ a b c “勝山海百合の「てのひら怪談」作品がチェコ、スコットランド、ルーマニア誌に登場 | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年4月9日閲覧。
- ^ “D・A・シャオリン・スパイアーズ「虹色恐竜」(勝山海百合訳) | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年11月26日閲覧。
- ^ “トシヤ・カメイ「ピーチ・ガール」(勝山海百合 訳) | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2021年11月26日閲覧。
- ^ “S-Fマガジン2021年10月号”. ハヤカワ・オンライン. 2021年11月26日閲覧。
- ^ “2021年10月号 小説すばる | 小説すばる - 集英社”. 2021年11月30日閲覧。
- ^ “すばる - 集英社”. subaru.shueisha.co.jp. 2021年12月9日閲覧。
- ^ 『紙魚の手帖 vol.02 DECEMBER 2021 - |東京創元社』 。
- ^ “L.D.ルイス「シグナル」(勝山海百合訳) | VG+ (バゴプラ)”. virtualgorillaplus.com. 2023年5月1日閲覧。
- ^ “幻想と怪奇12 イギリス女性作家怪談集 メアリー・シェリーにはじまる - Shinkigensha Web” (2022年10月19日). 2022年12月2日閲覧。