佐久平駅
佐久平駅(さくだいらえき)は、長野県佐久市佐久平駅東にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
佐久平駅 | |
---|---|
蓼科口(2021年10月) | |
さくだいら Sakudaira | |
所在地 | 長野県佐久市佐久平駅東1-1 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
電報略号 | サク |
駅構造 |
地上駅(橋上駅)(新幹線) 高架駅(在来線) |
ホーム |
|
乗車人員 -統計年度- |
(新幹線)-2023年- 2,702人/日(降車客含まず) (合計)-2023年- 3,144人/日(降車客含まず) |
開業年月日 | 1997年(平成9年)10月1日[1] |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■北陸新幹線 |
キロ程 |
59.4 km(高崎起点) 東京から164.4 km |
◄軽井沢 (17.6 km) (24.8 km) 上田► | |
所属路線 | ■小海線 |
キロ程 | 71.5 km(小淵沢起点) |
◄岩村田 (0.9 km) (0.9 km) 中佐都► | |
備考 |
歴史
編集- 1997年(平成9年)10月1日:北陸新幹線高崎駅 - 長野駅間開業に伴い[1][2]、小海線岩村田駅 - 中佐都駅間に新設開業[4]。
- 1999年(平成11年)5月19日:北陸新幹線改札口に自動改札機を設置し、供用開始[5]。
- 2016年(平成28年)3月26日:北陸新幹線でSuica FREX/FREXパルが利用出来るようになる[6]。
- 2020年(令和2年)3月14日:新幹線eチケットサービス開始[7]。
- 2021年(令和3年)3月13日:タッチでGo!新幹線のサービスを開始[8][9]。
駅名の由来
編集当駅設置に当たっては、佐久市と小諸市の間で、駅名についての論争が発生し[10]、佐久市側が「佐久駅」[2]を、小諸市側が「小諸佐久駅」[2]または「佐久小諸駅」[2]を、それぞれ主張し譲らなかった。
最終的に当時の長野県知事・吉村午良に調停を依頼し、「佐久平」という名称とすることで1996年(平成8年)11月26日に決着した[10]。「佐久平」は小諸市を含む佐久盆地一帯を指し、かつ県歌『信濃の国』に登場するなど親しまれている名称であったことから、両市共に受諾した。
その後、佐久市と小諸市は2011年(平成23年)に供用開始された佐久小諸JCTの名称検討の際にも対立している。
駅構造
編集新幹線は当駅前後のトンネルと道路との間の土被りの関係から縦曲線及び勾配の基準を考慮して、当駅は地平に設置することが最も合理的と判断されたため、当駅の開業に際して、地上にあった小海線の線路を高架に持ち上げ、地平の新幹線ホームの上に在来線高架ホームを設置している[2][11]。当初の計画では小海線の駅は開設しない計画であったため、請願駅としてホーム建設費を地元自治体で負担した[11]。
駅舎
編集新幹線ホーム上に橋上駅舎を有する。駅舎には、近くの旧中込学校をモチーフに重厚感ある白壁やステンドグラス風のガラスが使用されている他[2]、周囲の山並みを表現するとして三角屋根が取付けられている。出入り口は2ヶ所あり、南口は蓼科口、北口は浅間口と呼ばれる。蓼科口と浅間口との間は自由通路で結ばれている。駅舎の蓼科口側には佐久市の施設「プラザ佐久」が併設され[12]、施設内には、からくり時計、土産品店、レストラン、観光案内所、コミュニティ放送の「エフエム佐久平」などがある[13]。
乗車券・新幹線特急券・当駅への入場券等はみどりの窓口、指定席券売機、みどりの窓口横のタッチパネル式自動券売機で購入することが出来る。小海線や、しなの鉄道乗り継ぎの乗車券は、みどりの窓口の他小海線のりば寄りのタッチパネル式自動券売機でも購入することが可能。
また、駅前には佐久市出身の漫画家・武論尊[12]の代表作『北斗の拳』のケンシロウなどのキャラクターが描かれたマンホールの蓋が2019年から設置されている[14][15][16]。
北陸新幹線
編集相対式ホーム (310m) 2面2線[17]を有する地上駅である[13]。待避線が無いため開業当初から可動式安全柵(ホームドア)が設置されている[注釈 1]。この可動式安全柵は設置当初は8両編成分だったが、のちに12両編成分に拡張された。駅の東側(高崎方)には保守用車(確認車)用の留置線(2線)と専用の片渡り線がある。
小海線
編集小諸方面に向かって右側(駅舎側)にある単式ホーム1面1線を有する高架駅[2][11]。線路とホームは、北陸新幹線ホームの上田寄りの真上にある。ホームには待合室がないため、ホームと通路はドアで締切るようになっている。また、新幹線と小海線の改札口は別で、自由通路から長い通路を通ることとなり、新幹線は自動改札機であるのに対し、小海線は改札が無く無人駅扱いである[11]。但し、日中は列車到着時に駅員(または車掌)が集札をすることが多い。乗換改札口がないため、新幹線と小海線の乗換の際は、一旦改札口から出ることになるが[2]、途中下車不可のきっぷであっても特例で改札口から出ることが可能[注釈 2]。
のりば
編集番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
新幹線ホーム | |||
1 | 北陸新幹線 | 上り | 高崎・大宮・東京方面 |
2 | 下り | 長野・富山・金沢・敦賀方面 | |
在来線ホーム | |||
小海線 のりば |
■小海線 | 上り | 中込・小海方面[18] |
下り | 小諸方面[18] |
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 小海線が発着するホームは単に「小海線のりば」と表記されているのみで、番線表示は無い。
-
新幹線改札口(2021年10月)
-
新幹線ホーム(2021年10月)
-
小海線ホーム出入口(2021年10月)
-
小海線ホーム(2021年10月)
利用状況
編集JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は3,144人である[利用客数 1]。また、新幹線の1日平均乗車人員は2,702人である[新幹線 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下の通り。
1日平均乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 計 | 新幹線 |
2000年(平成12年) | 2,309[利用客数 2] | |
2001年(平成13年) | 2,463[利用客数 3] | |
2002年(平成14年) | 2,597[利用客数 4] | |
2003年(平成15年) | 2,676[利用客数 5] | |
2004年(平成16年) | 2,708[利用客数 6] | |
2005年(平成17年) | 2,698[利用客数 7] | |
2006年(平成18年) | 2,769[利用客数 8] | |
2007年(平成19年) | 2,815[利用客数 9] | |
2008年(平成20年) | 2,827[利用客数 10] | |
2009年(平成21年) | 2,661[利用客数 11] | |
2010年(平成22年) | 2,664[利用客数 12] | |
2011年(平成23年) | 2,682[利用客数 13] | |
2012年(平成24年) | 2,770[利用客数 14] | 2,454[新幹線 2] |
2013年(平成25年) | 2,843[利用客数 15] | 2,498[新幹線 3] |
2014年(平成26年) | 2,832[利用客数 16] | 2,458[新幹線 4] |
2015年(平成27年) | 2,937[利用客数 17] | 2,530[新幹線 5] |
2016年(平成28年) | 3,006[利用客数 18] | 2,552[新幹線 6] |
2017年(平成29年) | 3,042[利用客数 19] | 2,603[新幹線 7] |
2018年(平成30年) | 3,113[利用客数 20] | 2,674[新幹線 8] |
2019年(令和元年) | 3,086[利用客数 21] | 2,691[新幹線 9][19] |
2020年(令和 | 2年)1,814[利用客数 22] | 1,543[新幹線 10] |
2021年(令和 | 3年)2,105[利用客数 23] | 1,777[新幹線 11] |
2022年(令和 | 4年)2,641[利用客数 24] | 2,270[新幹線 12] |
2023年(令和 | 5年)3,144[利用客数 1] | 2,702[新幹線 1] |
駅周辺
編集パークアンドライド用の大型駐車場が存在する。当駅の西側では中部横断自動車道が新幹線をくぐる形で交差している(車高制限あり)。駅開業当初、周辺には商店や住居などがほとんどなかったが、開業後はマンションや商業施設の建設が相次いでいる[20]。また、首都圏への新幹線通勤で当駅を利用するサラリーマンもおり[20]、佐久市は移住促進策として、市内在住者で新幹線での通勤者を対象に年間最大30万円の補助を実施している(支給期間は期限あり)[21][22]。
- イオンモール佐久平
- ヤマダデンキテックランドNew佐久店
- 佐久市佐久平交流センター(旧・長野県佐久勤労者福祉センター)
- 国道141号長土呂バイパス
- 佐久平プラザ21
- 長野県信用組合岩村田支店
- 佐久長聖中学校・高等学校
- 佐久ホテル(旭湯温泉)
- 東横INN佐久平駅浅間口
- 長野県岩村田高等学校
- 長野県佐久平総合技術高等学校浅間キャンパス
- 長野県佐久市立佐久平浅間小学校
バス路線
編集佐久平駅には、JRバス関東、千曲バスの高速バス、路線バスが乗り入れている。
- JRバス関東
- 高速バス 「佐久・小諸号」:バスタ新宿(新宿駅)行
- 夜行高速バス「青春ドリーム信州号」:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン行(西日本JRバスと共同運行)
- 路線バス 「高峰高原線」:高峰マウンテンリゾート行
- 千曲バス
駅弁
編集ひしや弁当店による駅弁の販売は2006年ごろまでに終了している。
主な駅弁として下記を販売していた[25]。
- 信州の舞(大人の休日)
- おこわと山菜すしの道中べんとう
- すきやき弁当
- ソースかつ弁当
- 藤村の一膳めし
- お好み弁当
- 栗おこわ
- 佐久平物語
- 佐久鯉の押しすし(恋そめし)
その他
編集隣の駅
編集※臨時快速「HIGH RAIL 1375」の隣の停車駅については、列車記事を参照のこと。
脚注
編集記事本文
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 双葉社 2022, p. 138.
- ^ a b c d e f g h i j マイナビ 2015, p. 36.
- ^ 双葉社 2022, p. 130.
- ^ a b “信濃路に新風、一番列車 響く万歳、歓迎太鼓” 信濃毎日新聞 (信濃毎日新聞社). (1997年10月1日)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '00年版』ジェー・アール・アール、2000年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-121-X。
- ^ 『Suica FREX 定期券をご利用いただける駅が増えます』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2015年12月21日。オリジナルの2019年7月15日時点におけるアーカイブ 。2020年5月25日閲覧。
- ^ 『「新幹線eチケットサービス」が始まります!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、北海道旅客鉄道、西日本旅客鉄道、2020年2月4日。オリジナルの2020年5月24日時点におけるアーカイブ 。2020年5月24日閲覧。
- ^ 『タッチでGo!新幹線 サービスエリア拡大について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年11月12日。オリジナルの2020年11月13日時点におけるアーカイブ 。2020年11月13日閲覧。
- ^ “JR東日本「タッチでGo! 新幹線」エリア拡大、新幹線回数券は廃止”. マイナビニュース (2020年11月15日). 2022年2月16日閲覧。
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- ^ a b c d 信濃毎日新聞社出版部『長野県鉄道全駅 増補改訂版』信濃毎日新聞社、2011年7月24日、138頁。ISBN 9784784071647。
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- ^ “北斗の拳「ジャギ」 マンホールカード 無料配布開始 長野 佐久”. NHK NEWS WEB (2021年10月5日). 2022年2月16日閲覧。
- ^ “「北斗の拳」信州で街おこし…武論尊さんの出身地、続々と新事業”. 読売新聞オンライン. (2021年10月22日). オリジナルの2021年10月22日時点におけるアーカイブ。 2022年2月16日閲覧。
- ^ 双葉社 2022, p. 129.
- ^ a b “時刻表 佐久平駅”. 東日本旅客鉄道. 2019年8月11日閲覧。
- ^ 双葉社 2022, p. 132.
- ^ a b “手厚い支援、テレワーク設備… 地方「若者呼び込む好機」”. 毎日新聞. (2022年1月28日). オリジナルの2022年1月28日時点におけるアーカイブ。 2022年2月16日閲覧。
- ^ “新幹線通勤、補助する自治体が増えているワケ 移住や定住促進 その先は…?”. 乗りものニュース (2017年9月25日). 2022年2月16日閲覧。
- ^ “移住経験者がアドバイス!子供の教育や進学を踏まえた住まい選び3つのポイント”. @DIME (2021年2月21日). 2022年2月16日閲覧。
- ^ 72年間 佐久・上田線ご利用ありがとうございました
- ^ 佐久市循環バス北循環線:令和3年10月1日運行廃止
- ^ 『JTB時刻表 2006年2月号』JTBパブリッシング、2006年、89,90頁。
- ^ “長野県小諸市がおもな舞台、アニメ『あの夏で待ってる』記念入場券を発売”. マイナビニュース (2012年11月1日). 2022年2月16日閲覧。
- ^ 「あの夏で待ってる記念入場券(硬券)」好評発売中(pdf)(インターネットアーカイブのキャッシュ)
- ^ “「北斗の拳」原作者の出身地に「ジャギ」の胸像完成 長野 佐久”. NHK (2023年9月16日). 2023年9月16日閲覧。
利用状況
編集- ^ a b “各駅の乗車人員(2023年度)”. 東日本旅客鉄道. 2024年7月21日閲覧。
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新幹線
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- ^ “新幹線駅別乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月11日閲覧。
参考文献
編集- 武者忠彦「新幹線建設と近代都市「佐久平」の形成 ―都市計画をめぐる3つの分析軸―」『地学雑誌』第125巻第4号、東京地学学会、2016年、545-566頁、doi:10.5026/jgeography.125.545。
- 『徹底ガイド! 北陸新幹線まるわかりBOOK』マイナビ、2015年2月8日。ISBN 978-4-8399-5292-1。
- 『全国新幹線完全ガイド』双葉社、2022年1月14日。ISBN 978-4-575-45900-5。
関連項目
編集外部リンク
編集- 駅の情報(佐久平駅):JR東日本
- 【公式】プラザ佐久 - 佐久市振興公社