伊藤有希

日本のスキージャンプ選手

伊藤 有希(いとう ゆうき、1994年5月10日 - )は、北海道下川町出身の女子スキージャンプ選手である。北海道下川商業高等学校卒業、土屋ホーム所属。2014年ソチオリンピック2018年平昌オリンピック2022年北京オリンピック日本代表世界選手権2013年混合団体金メダリスト、2015年2017年個人銀メダリスト。スキージャンプ・ワールドカップ女子9勝(2023/24シーズン第16戦終了時)。

伊藤 有希
基本情報
フルネーム Yuki Ito
誕生日 (1994-05-10) 1994年5月10日(30歳)
出身地 日本の旗 日本
北海道上川郡下川町
身長 161cm
選手情報
クラブ 土屋ホーム
使用メーカー フィッシャー
ワールドカップ
シーズン 2011年 -
優勝回数 9(2023/24シーズン第16戦終了時)
他の表彰台 19
表彰台獲得数 28
獲得メダル
ノルディックスキー世界選手権
2013 バルディフィエメ 混合団体
2015 ファールン 個人ノーマルヒル
2015 ファールン 混合団体
2017 ラハティ 個人ノーマルヒル
2017 ラハティ 混合団体
ノルディックスキージュニア世界選手権
2011 オテパー 個人
2012 エルズルム 団体
2014 バルディフィエメ 団体
スキージャンプ・ワールドカップ
2013 - 2014シーズン 総合成績
2016 - 2017シーズン 総合成績
最終更新日:2024年2月4日
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来歴・人物

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父方に伊藤直人をはじめ全国大会上位に入賞したジャンプ選手を持ち、母方には実母の北嶋真智恵(留萌中-札幌第一-日体大)などアルペンの全国大会上位入賞者を持つスキー一家である。弟の伊藤将充もスキージャンプ選手。4歳の時、父の伊藤克彦がコーチを務める下川ジャンプ少年団でスキージャンプを始めた。2006年夏には日本最年少の小学6年生にして大倉山ジャンプ競技場を飛んで注目を集める。

翌2007年3月に札幌で行われたFISコンチネンタルカップでは日本人最高の4位入賞を果たし、翌日には2本目に最長不倒の95mをマークして3位に浮上し、女子コンチネンタルカップ史上最年少で表彰台に登った[1]。2009年2月にはリベレツ  チェコ)で開催された世界選手権に初出場。2011年3月9日、蔵王ジャンプ競技場でのコンチネンタルカップで国際大会初優勝を果たした[2]

2011年はオテパー  エストニア)で開催されたノルディックスキージュニア世界選手権に出場し3位。

2013年2月にヴァル・ディ・フィエンメ  イタリア)で開催された世界選手権の混合団体に伊東大貴高梨沙羅竹内択とともに出場し、金メダルを獲得。

2013年4月、同郷の葛西紀明が監督を兼務する土屋ホームへ入社。2013-14シーズンのワールドカップでは序盤の2戦を除いて一桁順位の成績を残し続け、2014年1月18日に蔵王で行われたワールドカップで2位に入り、初めて表彰台に登壇した。ソチオリンピック  ロシア)では、1本目で97.5mを飛んで10位につけると、2本目は全選手中2位の101.0mを飛んで順位をあげ7位入賞を果たした。競技後、「2回目は吹っ切れた感じで、納得できるジャンプができた。本当に充実した五輪だった」とコメント。ただ1回目の出来には納得がいかず、「そろえられなかったのが残念」とコメントした[3]。五輪後のW杯でも安定した成績を残し、4度表彰台登壇。最終戦プラニツァ大会(  スロベニア)の結果により逆転で総合3位入賞を達成した。このシーズンは個人戦16戦に出場し、14戦で1桁順位に入った。

2014-15シーズンは開幕よりW杯での表彰台登壇はなく、世界選手権までの最高成績は2月1日のヒンツェンバッハ大会(  オーストリア)での4位。2月20日、ファールン  スウェーデン)で開催された世界選手権個人ノーマルヒルでは1本目89.0mで4位となると、2本目で93.0mを飛んで2位に順位をあげ、銀メダルを獲得した。混合団体でも銅メダルを獲得。世界選手権後の宮様スキー大会では高梨を抑えて4年ぶりにノーマルヒル、ラージヒルの2冠を達成。W杯は3月13日の最終戦オスロ大会(  ノルウェー)でも7位でシーズンを通して表彰台登壇はできなかったが、総合で5位に入った。

2015-16シーズンはワールドカップ第3戦のニジニ・タギル  ロシア)で2位となり2シーズンぶりにワールドカップ表彰台に立った。その後、第7戦の蔵王で5位、第15戦のラハティ  フィンランド)で3位に入り、総合8位となった。

2016-17シーズンはワールドカップ開幕戦・第2戦のリレハンメル  ノルウェー)で連続2位、第5戦オーベルストドルフ  ドイツ)で3位に入り、好位を維持する。そして、第7戦札幌で1本目に95.0mで首位に立ち、2本目はこの日の最長不倒となる96.0mを飛んで、2位の高梨沙羅を12ポイント以上の差をつけて、ワールドカップ初優勝達成すると、翌週蔵王での第9・10戦で連勝、平昌  韓国)での第17戦、オスロでの最終戦で合計5勝を挙げ、自己最高の総合2位に入った。またラハティで開催された世界選手権では2大会連続の個人銀メダルと混合団体銅メダルを獲得した。

2017-18シーズンは海外勢の台頭により、表彰台登壇は第2戦リレハンメル、第8戦蔵王、第13戦オスロのみだったが、15戦中13戦トップ10に入り、総合4位だった。平昌オリンピックは9位と2大会連続の入賞とはならなかった。

2018-19シーズン以降はワールドカップでは表彰台に届かず、2018-19、 2019-20シーズン共に総合12位、2020-21シーズンは総合14位だった。世界選手権も2019年ゼーフェルト大会  オーストリア)は個人15位、混合団体5位で、この大会から採用された女子団体は6位であった。2021年オーベルストドルフ大会  ドイツ)でもノーマルヒル11位、女子団体4位、混合団体5位、ラージヒル13位と、メダル獲得をできなかった。

主な成績

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冬季オリンピック

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世界選手権

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ジュニア世界選手権

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ワールドカップ

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  • 通算 優勝9回 2位10回 3位9回(2023/24シーズン第16戦終了時)
  • 初出場 2012年2月4日   オーストリアヒンツェンバッハ大会
  • 初表彰台 2014年1月18日 蔵王大会(2位)
  • 初優勝 2017年1月14日 札幌大会(宮の森)
個人総合成績
シーズン 総合 優勝 準優勝 3位 備考
2011/12 20位 0回 0回 0回 最高順位8位
2012/13 18位 0回 0回 0回 最高順位10位
2013/14 3位 0回 3回 2回
2014/15 5位 0回 0回 0回 最高順位4位
2015/16 8位 0回 1回 1回
2016/17 2位 5回 4回 2回
2017/18 4位 0回 1回 2回
2018/19 12位 0回 0回 0回 最高順位5位
2019/20 12位 0回 0回 0回 最高順位4位
2020/21 14位 0回 0回 0回 最高順位5位
2021/22 8位 0回 0回 1回
2022/23 8位 2回 0回 0回
2023/24 2回 1回 1回
合計 ---- 9回 10回 9回

表彰台

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ワールドカップ個人表彰台
シーズン 開催日 開催地 HS 成績
2013/14 1月18日   蔵王 100 準優勝
3月1日   ルシュノヴ 100 3位
3月8日   オスロ 134 3位
3月15日   ファルン 100 準優勝
3月22日   プラニツァ 139 準優勝
2015/16 12月13日   ニジニ・タギル 97 準優勝
2月19日   ラハティ 100 3位
2016/17 12月2日   リレハンメル 100 準優勝
12月3日 準優勝
1月7日   オーベルストドルフ 137 3位
1月14日   札幌・宮の森 100 優勝(1)
1月15日 準優勝
1月20日   蔵王 103 優勝(2)
1月21日 優勝(3)
1月28日   ルシュノヴ 100 3位
2月15日   平昌 109 優勝(4)
2月16日 準優勝
3月12日   オスロ 134 優勝(5)
2017/18 12月2日   リレハンメル 98 3位
1月21日   蔵王 102 準優勝
3月11日   オスロ 134 3位
2021/22 3月6日   オスロ 134 3位
2022/23 2月5日   ヴィリンゲン 147 優勝(6)
3月24日   ラハティ 130 優勝(7)
2023/24 12月2日  リレハンメル 98 優勝(8)
1月14日   札幌・大倉山 137 優勝(9)
1月19日   蔵王 102 準優勝
2月4日   ヴィリンゲン 147 3位
混合団体
シーズン 開催日 開催地 HS 成績 メンバー
2012/13 11月23日   リレハンメル 100 準優勝 伊藤有希 渡瀬雄太 髙梨沙羅 竹内択
2013/14 12月6日   リレハンメル 100 優勝 伊藤有希 伊東大貴 髙梨沙羅 竹内択
女子団体
シーズン 開催日 開催地 HS 成績 メンバー
2017/18 12月16日   ヒンターツァルテン 108 優勝(1) 伊藤有希 岩渕香里 勢藤優花 髙梨沙羅
1月20日   蔵王 102 優勝(2) 岩渕香里 勢藤優花 伊藤有希 髙梨沙羅
2018/19 1月19日   蔵王 102 3位 伊藤有希 勢藤優花 岩渕香里 髙梨沙羅
2019/20 1月18日   蔵王 102 3位 伊藤有希 丸山希 髙梨沙羅 勢藤優花

Raw Air Tournament(ローエアートーナメント)・フライングヒル

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サマーグランプリ

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  • 通算 優勝1回 2位5回 3位7回(2019/20シーズン終了時)
シーズン 順位 ポイント
2012 12. 99
2013 16. 100
2014 5. 96
2015 2. 350
2016 4. 137
2017 5. 220
2018 4. 252
2019 27. 17

コンチネンタルカップ

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  • 通算 優勝1回、2位1回、3位3回(2020/21シーズン終了時)
シーズン 順位 ポイント
2006/07 26. 169
2007/08 31. 95
2008/09 25. 134
2009/10 27. 120
2010/11 17. 292
2011/12 40. 29
2019/20 40. 80

国内大会

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脚注

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注釈

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  1. ^ 女子初のフライングヒル公式大会で、ローエアートーナメント第9戦(最終戦、ワールドカップ外)として実施。

出典

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  1. ^ 松原孝臣「世界ジュニアで初メダル、躍進する日本ジャンプ女子」『Sports Graphic Number』2011年2月24日号、文藝春秋、2011年、雑誌26854・2・24、109頁
  2. ^ FIS Continental Cup Ski Jumping Ladies 蔵王大会で伊藤有希が初優勝 日本スキー連盟 競技報告 2011年3月10日[リンク切れ]
  3. ^ 伊藤有希入賞 2回目に「吹っ切れた」 ジャンプ ソチ五輪2014日刊スポーツ2014年2月12日

外部リンク

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