中範囲の理論
中範囲の理論(ちゅうはんいのりろん)または 中範囲理論(ちゅうはんいりろん)(英: Middle-range theory)とは、ロバート・K・マートンによって提唱された、理論と実証研究とを統合することを目的とする社会学理論へのアプローチである。現在、特にアメリカにおいて、社会学の理論構築において、事実上の支配的アプローチとなっている[1] 。
中範囲理論は(社会システムのような広範な抽象的な存在ではなく)経験的な現象から始まり、データによって検証可能な一般的な記述を作成するためにそれを抽象化する[2]。このアプローチは機能主義や多くの紛争理論のような以前の社会理論の「壮大な」理論化とは対照的なものであった。レイモン・ブードンは「中範囲」理論は他のほとんどの科学が単に「理論」と呼んでいるのと同じ概念であると主張している[3]。
分析社会学は、このような理論をより抽象度の高い首尾一貫したパラダイムに統一することを目的としている。
脚注
編集参考文献
編集- Bailey, Kenneth D. (1991). “Alternative Procedures for Macrosociological Theorizing”. Quality and Quantity 25 (1): 37–55. doi:10.1007/BF00138755. ISSN 1573-7845.
- Boudon, Raymond (1991). “What Middle-Range Theories Are”. Contemporary Sociology 20 (4): 519–522. doi:10.2307/2071781. ISSN 1939-8638. JSTOR 2071781.
- Cookson, Peter W., Jr.; Sadovnik, Alan R. (2002). “Functionalist Theories of Education”. In Levinson, David L.; Cookson, Peter W., Jr.; Sadovnik, Alan R.. Education and Sociology: An Encyclopedia. Abingdon, England: Routledge. 2014. pp. 267–271. doi:10.4324/9781315049250. ISBN 978-1-135-57078-1
- Hedström, Peter; Udehn, Lars (2009). “Analytical Sociology and Theories of the Middle Range”. In Hedström, Peter; Bearman, Peter. The Oxford Handbook of Analytical Sociology. Oxford: Oxford University Press. pp. 25–47. doi:10.1093/oxfordhb/9780199215362.013.2. ISBN 978-0-19-921536-2
- Merton, Robert C.; Bodie, Zvi (2005). “Design of Financial Systems: Toward A Synthesis of Function and Structure”. Journal of Investment Management 3 (1): 1–23 2019年2月13日閲覧。.
- Merton, Robert K. (1968). Social Theory and Social Structure (1968 enlarged ed.). New York: Free Press. ISBN 978-0-02-921130-4
- Spedding, Vanessa (2006). “Scholarly Approach Brings Sweeping Change”. Quantitative Finance 2 (2): 84–85. doi:10.1088/1469-7688/2/2/601. ISSN 1469-7696 2019年2月13日閲覧。.