中島 (洞爺湖)
中島(なかじま)は、北海道・壮瞥町と洞爺湖町に属する洞爺湖の湖中島である大島、弁天島、観音島、饅頭島の4島の総称である[1]。洞爺カルデラ内での約5万年前の火山噴火にともなって形成された溶岩ドームが水面に姿を現したもので[2]、湖底にあるものを含め周辺には11の火山体があることが確認されている[2]。最も大きい大島は、島の周長が9.6 kmであり[1][3]、最高点のトーノシケヌプリは標高455m、全体を広葉樹林に覆われている。
中島 | |
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所在地 | 日本 北海道壮瞥町・洞爺湖町 |
所在海域 | 洞爺湖 |
座標 | 北緯42度36分02秒 東経140度51分22秒 / 北緯42.60056度 東経140.85611度 |
面積 | 4.84 km² |
最高標高 | 455 m |
最高峰 | トーノシケヌプリ |
プロジェクト 地形 |
観光利用
編集大島には洞爺湖温泉からの遊覧船が発着する船着場があり、洞爺湖温泉から30分弱で行くことが可能[1]。
島内には売店やハイキングコースが整備されており[1][4]、洞爺湖の森林資源や生物に関する資料を展示する洞爺湖森林博物館が所在する[1][5]。
エゾシカと植生への影響
編集中島には、1957年にオス1頭、1958年にメス1頭、1965年に妊娠したメス1頭の合計3頭のエゾシカが観光資源としてヒトにより導入された[6][7]。エゾシカの数はその後急激な増加と減少を繰り返しており[7]、1983年には299頭まで増加した[7]後、自然死と森林保護のための間引きが行われたことにより減少したが、2000年には推定456頭と再度のピークを迎え[7]、2004年には100頭以上の大量死が発生している[7]。
中島の植生はエゾシカの増加に伴う強い採食圧によって大きな影響を受けている。1977年に460種類確認された植物は、2004年時点で150種類までに減少していた[7]。特にエゾシカの採食範囲にある低木や草本が著しい影響を受けており、ササ類は島内からほぼ消失している他、高木についてもエゾシカが届く約2mの高さまでの枝が採食により失われる「ディアーライン」の形成や、エゾシカの嗜好性の高いオヒョウ、ハルニレといった種については樹皮はぎの影響により激減するといった影響がある一方で、エゾシカの不嗜好性の高い植物の増加が見られるといった植生の大きな変化が発生している[7][6]。
大島の中央には樹齢350年以上であるアカエゾマツの巨木があり、林野庁の「森の巨人たち百選」にも認定されたが[1][3]、平成16年台風第21号の影響で倒木となった[1]。
参考画像
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洞爺湖と中島(2014年8月)
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洞爺湖の大島(中島)に所在するモニュメント(2022年6月)
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博物館前桟橋(2022年6月)
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中島・湖の森博物館(2022年6月)
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中島に祀られる大黒天
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菅原道真を祀る末社
脚注
編集- ^ a b c d e f g “中島・洞爺湖森林博物館”. 奥洞爺温泉郷. 壮瞥町商工会. 2020年4月29日閲覧。
- ^ a b “みどころ・あそびどころ”. 洞爺湖有珠山ジオパーク. 洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会. 2020年11月14日閲覧。
- ^ a b “中島”. 壮瞥町観光情報サイト〜北海道の奥座敷〜. そうべつ観光協会. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “中島1周探検ルート”. 洞爺湖有珠山ジオパーク. 洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会. 2020年11月14日閲覧。
- ^ “洞爺湖に浮かぶ島の紹介”. 洞爺湖汽船. 2020年11月14日閲覧。
- ^ a b “中島でみるエゾシカ問題” (PDF). 北海道における実践的な自然環境教育と評価 洞爺湖フィールド教科書. 酪農学園大学. 2016年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g 助野実樹郎, 宮木雅美「エゾシカの増加が洞爺湖中島の維管束植物相に与えた影響」『野生生物保護』第11巻第1号、「野生生物と社会」学会、2007年、43-66頁、doi:10.20798/wildlifeconsjp.11.1_43、ISSN 1341-8777、NAID 110006533434、2020年10月27日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 中島 - そうべつ観光協会
- 中島・洞爺湖森林博物館 - 壮瞥町商工会