大阪府立上方演芸資料館
大阪府立上方演芸資料館(おおさかふりつかみがたえんげいしりょうかん、通称:ワッハ上方)は、大阪市中央区難波千日前にある、上方演芸に関する資料の収集保存施設。1996年開館。
大阪府立上方演芸資料館 | |
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施設情報 | |
愛称 | ワッハ上方 |
専門分野 | 演芸、芸能 |
事業主体 | 大阪府 |
年運営費 | 49,604,000円(令和3年度)[1] |
開館 | 1996年11月15日 |
所在地 |
〒542-0075 大阪市中央区難波千日前12-7 YES・NAMBAビル |
位置 | 北緯34度39分52.6秒 東経135度30分11秒 / 北緯34.664611度 東経135.50306度座標: 北緯34度39分52.6秒 東経135度30分11秒 / 北緯34.664611度 東経135.50306度 |
プロジェクト:GLAM |
概要
編集1996年、上方お笑い芸人であった横山ノックが大阪府知事であった時期に設立[2][3][4][5][6][7][8][9]。吉本興業所有のYES・NAMBAビルの7階にあり、なんばグランド花月の真向かいに位置する。下階にはドン・キホーテ千日前店が入居している。
毎年「上方演芸の殿堂入り」を選考しており、第1回選考の初代桂春団治を筆頭に、落語、漫才、漫談、浪曲などの分野で明治期以降活躍した上方芸人より数組ずつを選び、「殿堂入り名人」としている。
2013年3月、YES・NAMBAビル4階・6階を閉鎖し規模が縮小された。
現在は7階、「演芸ライブラリー」のみの施設となっており入場は無料。テレビ・ラジオなど過去の演芸番組や上方演芸、上方喜劇に関する書籍のほか、ダウンタウン・千原兄弟・千鳥らのコンビや、R-1ぐらんぷり・キングオブコントなどのお笑いコンクールや、吉本印天然素材らのDVDなども視聴、閲覧できる[10]。
かつて4階にあった展示室では、「上方演芸の殿堂ギャラリー」として、殿堂入りした名人を紹介していたほか、上方演芸の歴史を紹介する展示品が数多く陳列されていた。 5階にあった300人収容のホール「ワッハホール」(現:よしもと漫才劇場)は、上方落語協会の定席「島之内寄席」の会場となったほか、劇団の公演等にも利用されていた。このほか4階には50人収容の小演芸場「上方亭」、7階に「レッスンルーム」もあり、演芸の公演が定期的に行われていた。
2015年度から吉本興業への運営委託をやめ、大阪府の直営施設となる。一般公開は続け、資料の蓄積に重点を置く方針である。
橋下知事による移転提案と撤回
編集橋下徹大阪府知事(当時)は、年間5,000万円の収入に対し年間経費4億3,000万円(内吉本興業に支払う賃貸料・管理費2億8,000万円、管理会社ニューウエーブ大阪に1億2,000万円)かかった当施設に対して、府の財政建て直しのために設置された改革プロジェクトチームに当施設についても検討を行うよう指示した。改革プロジェクトチームは、素案として、当施設ホールの閉鎖・資料等の別施設での展示など、当施設の移転を提言した。2009年7月23日、橋下知事は、年間経費が節約できるとして通天閣への移転を検討中であると発表したが、同年12月28日に通天閣観光の西上雅章社長と面会し、通天閣への移転は撤回し、現地存続する方針を表明した[11]。
しかし、運営開始時から巨額の赤字が続き、これまで建設費を含めると100億近くの税金が投入されていること、周辺の賃料1坪当たり平均6,000円程度の物件に25,000円近くの賃料を支払っていたこと、歴代館長の前職が在阪準キー局のプロデューサーであることなどから、吉本興業が府の財政を使い準キー局との関係を強化し便宜をはかる癒着の温床になっていた嫌疑がかけられている。吉本興業は、「ワッハ上方は大阪府の強い要請により、恒久使用を前提として大阪府の要求仕様に従いビル建設を行った。内装工事費用も本来府が負担すべきところ、特別な要請により賃料に付加して支払うことの同意に基づき、吉本が負担した」旨の反論を発表している[12]。
ワッハホールについては、2011年1月1日より吉本興業直営となり[13]、2010年12月3日に閉館したbaseよしもと(現:NMB48劇場)を引き継ぐ新劇場「5upよしもと」としてリニューアルオープンした[14]。なお、吉本興業は2011年・2012年度のワッハ上方指定管理者であった。同劇場は2014年11月24日の公演を最後に一旦閉鎖され、再リニューアル期間を経て同年12月1日によしもと漫才劇場に改称された。
歴代館長
編集所在地
編集交通
編集出版物
編集- 上方演芸大全(創元社、ISBN 4422700723 2008年11月)
脚注
編集- ^ 大阪府予算編成過程公表 ) 上方演芸資料館管理運営費:宿泊税(一部)
- ^ 新都市開発社(編)「大阪「南」に賑わい・情報発信基地――(仮称)よしもとSBビルの概要」『新都市開発』第34巻第10号、新都市開発社、1996年10月15日、59 - 64頁、NDLJP:2377713/35。
- ^ 「大阪ウォッチング(ワッハ上方)」『きんきquarterly』第31号、近畿銀行審査部、1997年、30 - 31頁、NDLJP:2206046/17。
- ^ 大阪府総務部市町村課(編)「上方演芸の保存・振興の拠点 ワッハ上方開館 / ワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館)」『自治大阪』第48巻第1号、大阪府市町村振興協会、1997年1月15日、10 - 13頁、NDLJP:2712513/7。
- ^ 「ある日の知事 / 山田勇」『都道府県展望』第460号、全国知事会、1997年1月1日、28 - 29頁、NDLJP:2786280/16。
- ^ 「東西南北」『再開発コーディネーター』第66号、再開発コーディネーター協会、1997年3月15日、70頁、NDLJP:3312092/37。
- ^ 「トピックス――大阪府立上方演芸資料館「ワッハ上方」」『経済月報』第350号、紀陽銀行調査部、1997年4月30日、18 - 20頁、NDLJP:2843918/11。
- ^ 「社会の眼 温故知新 上方文化を育てる / 松本薫」『建築と社会 = Architecture and society』第79巻第912号、日本建築協会、1998年3月、9頁、NDLJP:6056818/11。
- ^ 文化庁(編)「文化会館最前線(7)大阪府立上方演芸資料館」『文化庁月報』第361号、ぎょうせい、1998年10月25日、30 - 32頁、NDLJP:2803217/16。
- ^ 【新着入架のお知らせ!】映像資料 - 大阪府立上方演芸資料館 ワッハ上方
- ^ 「ワッハ上方 移転撤回 橋下知事「通天閣」社長に謝罪」 『産経新聞』 2009年12月28日付夕刊、大阪本社発行4版、1面
- ^ 大阪府によるワッハ上方移転の発表について 2009年7月27日
- ^ baseよしもとが移転 1月からワッハホールで 神戸新聞 2010年11月25日
- ^ 千鳥も原点、ワッハ上方がリニューアル 「エルマガ」京阪神エルマガジン社 2019年4月24日