レオン・ベネット (Léon Benett1839年3月2日 - 1916年12月7日) はフランス画家製図工イラストレーター

レオン・ベネット
Léon Benett
撮影者・年代不明
生誕 Hippolyte Léon Benett
(1839-03-02) 1839年3月2日
フランスの旗 フランス王国オランジュ
死没 1916年12月7日(1916-12-07)(77歳没)
フランスの旗 フランス共和国トゥーロン
国籍 フランスの旗 フランス
著名な実績 イラスト絵画
代表作八十日間世界一周
十五少年漂流記
後援者 P-J・エッツェル
影響を与えた
芸術家
カレル・ゼマン

挿絵画家として、エドゥアール・リウーアルフォンス・ド・ヌヴィルジュール・フェラジョルジュ・ルーなどとともに、ジュール・ヴェルヌの小説を数多く手がけた。署名は L.Benett を用いた。

略歴

編集

レオン・ベネット(本名:Hippolyte Léon Benett)は1839年3月2日にヴォクリューズ県オランジュで生まれた。ベネットの家族は法学者と登録総局代理人であり、彼自身も破産管財人であったが、1869年に官吏となり、1871年までドラギニャンル・マンに赴任する。その後アルジェリアの最初の駐在員としてスーク・アフラース、ボーヌ(現在のアンナバ)に勤める。

そんな折、彼は出版者のピエール=ジュール・エッツェルの知遇を得る。エッツェルは彼のドローイングに興味を持ち、リュシアン・ビアルト(:fr) の作品の挿絵を依頼する。

1867年10月22日、彼はアルジェリア滞在中に知り合ったボーヌ出身の弁護士の娘、マルグリット・マリー・オリヴィエとパリで結婚。1869年8月にスノンシュ(:fr) にて第4級資格者となり、以後1879年まで同職にあった。

1870年の普仏戦争勃発後はウール=エ=ロワール県の志願兵団に加わり、大尉に任命された。彼はシャルトルで負傷し、同年11月30日に勲章を授与される。暮れには監査人に昇格し、コーチシナの部門長となる。彼は同地に2年半滞在するが、このころ、公務と区別するために、イラストレーターとしての自身の名義を「Benett」(ベネット) とする。

彼は1873年から1874年までマルティニークに赴任し、その後ニューカレドニアで録音部門の責任者となり、1878年にフランスに帰国する。以後1904年に退職するまで、彼は譲与抵当付き債権の管理者として、エタンプからヴァランシエンヌブールジュベジエソワソンリヨン、そして最後にパリを経由してフランスを旅する。引退後はヴァール県トゥーロンに住み、1916年12月7日に死去した。享年77歳。

イラストレーターとして

編集

ベネットは、フランス政府の役人としてのキャリアとこの機会に行った多くの旅行を通して、さまざまな国のエキゾチックな風景を写生することができた。これらの旅行から持ち帰ったスケッチブックは、イラストレーターとしての彼の仕事の糧になった。

彼はピエール=ジュール・エッツェルが出版したジュール・ヴェルヌの小説の挿絵を最も多く描いたことで知られる。彼が1873年から1910年までに、ヴェルヌの25の「驚異の旅」シリーズに描いたイラストの枚数は延べ1600点以上になる[1]

また、ヴィクトル・ユーゴーレフ・トルストイ、トーマス・メイン・リード、パスカル・グルーセ、カミーユ・フラマリオンエリゼ・ルクリュ、ジェイムズ・フェニモア・クーパー、エルクマン=シャトリアンなどの著書のイラストも描いている。

チェコの映画監督、カレル・ゼマンは、ジュール・ヴェルヌの小説「悪魔の発明」を映画化する際、エドゥアール・リウーとレオン・ベネットのオリジナルのイラストからインスピレーションを得ている。

1991年には、3月から6月にかけて、アミアンの文化センターでベネットの回顧展が開かれた[1]

挿絵を担当した作品

編集

ギャラリー

編集

脚注

編集
  1. ^ a b 大友徳明、ジュール・ヴェルヌ『二年間の休暇』偕成社文庫版解説より
  2. ^ ただし、序盤の挿絵はアルフォンス・ド・ヌヴィルが担当している。

関連項目

編集

参考文献

編集
  • Fr. Benet, M.-A. Benet, P. Benet, P. Martin, R. Pesle, V. Sper Benet, Léon Benett illustrateur: Lettres et dessins inédits, A la frontière, 2011, ISBN 978-2-918665-01-4, www.leonbenett.fr
  • Federico Ferretti, 2012 Elisée Reclus, lettres de prison et d'exil, Lardy, A la frontière.

外部リンク

編集