テルビナフィン(terbinafine)は、抗真菌薬として用いられる有機化合物の一種。においはない。酢酸メタノールに溶けやすくジエチルエーテルに溶けにくい。商品名ラミシール。従来の抗真菌薬と比較して1日1回の塗布で済む。

テルビナフィン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Lamisil, Terbin, others
Drugs.com monograph
MedlinePlus a699061
ライセンス US Daily Med:リンク
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能Readily absorbed: 70–90%
血漿タンパク結合>99%
代謝肝臓
半減期Highly variable
データベースID
CAS番号
91161-71-6 チェック 78628-80-5
ATCコード D01AE15 (WHO) D01BA02 (WHO)
PubChem CID: 1549008
DrugBank DB00857 チェック
ChemSpider 1266005 チェック
UNII G7RIW8S0XP チェック
KEGG D02375  チェック
ChEBI CHEBI:9448 ×
ChEMBL CHEMBL822 チェック
化学的データ
化学式C21H25N
分子量291.44 g·mol−1
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ラミシール 125mg錠

歴史

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スイスのサンド(現ノバルティス)によって開発された。

日本国内では1993年7月にアリルアミン系抗真菌薬としてはじめてラミシールという商品名でクリーム剤が承認され、1997年7月には錠剤が承認された。さらに2004年には一般用医薬品として第一三共ヘルスケア(当時の三共)から「ラミシールAT」として発売され、大ヒットした。しかし、2007年1月からは製造元のノバルティスファーマに商標を返還、ノバルティスのOTC部門日本進出における旗頭となった(2015年3月にグラクソ・スミスクラインのコンシューマー・ヘルスケア事業との統合によりグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(現在のHaleonジャパン)へ移行し、2024年11月からは日本での製造販売承認が全薬工業へ承継される)。また、同年には小林製薬が「タムシール」(製造終了済)、ロート製薬の「メンソレータムエクシブ」などに同成分を配合、2008年からは大正製薬が「ダマリングランデ」を発売している。

医療用医薬品についても2016年にノバルティスファーマからサンファーマへ製造販売承認が承継されている。

適応

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皮膚糸状菌カンジダ属、スポロトリックス属、ホンセカエア属による皮膚真菌症スポロトリコーシス爪白癬など)に用いられる。

ただし、錠剤は外用抗真菌剤で治療が困難な場合にのみ経口投与する。薬物相互作用としてCYP2D6を阻害する。

警告表示に重篤な肝障害について記載され定期的な肝機能検査、血液検査が必要となる。投与中に肝障害肝不全肝炎黄疸など)や血液障害(汎血球減少・無顆粒球症など)が現れ死亡に至った例もあることから、投与前と投与中には肝機能検査や血液検査が必要とされる。

用量・用法

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外用薬は、1日1回患部に塗布する。

錠剤は、通常1日 125mg を初期用量として、1日1回 食後に経口投与する。年齢や症状に応じて適宜減量する。

種類

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  • 錠剤:125mg
  • クリーム:1%
  • スプレー:1%
  • 外用液:1%

出典

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