ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ
ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ(Rafael Advanced Defense Systems Ltd、(ヘブライ語: רפאל - מערכות לחימה מתקדמות בע"מ, )は、イスラエルの軍事・防衛関連企業である。ラファエル社などと表記される事も多い。
種類 | 国有企業 |
---|---|
業種 | 軍需産業, 航空宇宙 |
前身 |
HEMED,EMET, ラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティー |
設立 | 1948年 |
本社 | 、 |
製品 |
ミサイル その他各種兵器、電子機器など |
売上高 | $1.851 billion 米ドル (2010) |
利益 | 588,000,000 新シェケル (2023年) |
従業員数 | 約6,000人 |
子会社 | RDC (RAFAEL Development Corporation) |
ウェブサイト | rafael.co.il |
ラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティー(RAFAEL Armament Development Authority Ltd)の名称でも知られる。
"ラファエル"の名称は、ヘブライ語の"Authority for the Development of Armaments" - רשות לפיתוח אמצעי לחימה の頭文字を繋げた語になっている。
元々イスラエル軍、イスラエル政府に従属する兵器開発部門であったが、2002年に株式会社化された[1]。その後もイスラエルの国有企業として国防省と協力し、各種兵器の開発を行っている。
概要
編集ラファエル社の起源は1948年、第一次中東戦争時に編成されたイスラエル国防軍の技術部門(Science Corps, ヘブライ語の頭文字をとってHEMEDと呼ばれた)である。1952年にダヴィド・ベン=グリオン首相はScience Corps(HEMED)を二つのグループに分割する事とし、純粋な科学技術研究を行う部門をHEMEDとして継続させ、兵器開発を行う部門をResearch and Design Directorate(ヘブライ語の頭文字をとってEMETと呼ばれた)として分離した[2]。
その後1954年に再度ベン=グリオン首相により、Research and Design Directorate(EMET)から Authority for the Development of Armaments(RAFAEL)に改名され[3]、1958年にはRafaelと表記されるようになった[4]。
1990年代前半、ラファエル部門は損失を計上しており、このことから株式会社化して業務内容を改善させる事となった。2002年にラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティー(RAFAEL Armament Development Authority Ltd)として株式会社化されたが、同時に国有企業でもあるという状態となっている。
2007年に、ラファエルの社名はラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティーからラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ(Rafael Advanced Defense Systems Ltd)に変更された。
製品
編集対空ミサイル
編集- シャフリル - 空対空ミサイル。
- パイソン - 空対空ミサイル。
- ダービー - 空対空ミサイル。
- バラク - 艦対空ミサイル。イスラエル・エアロスペース・インダストリーズとの共同開発。
- SPYDER 地対空ミサイルシステム - パイソン、ダービーの地上発射システム。
- アイアンドーム - カッサームロケット弾迎撃用 防空ミサイルシステム。
- ダビデ・スリング - 対弾道ミサイル用迎撃ミサイルシステム。2015年に実戦配備。デービッドスリング、ダヴィズスリング等とも表記される。別名"スタナー"、"マジックワンド"とも呼ばれる。
対地/対戦車ミサイル
編集- ラズ - イスラエル初の国産対地・対艦ミサイル。後にIAI製ガブリエル対艦ミサイルに発展した。
- ポップアイ - 空対地ミサイル。アメリカ軍ではAGM-142として採用。
- スパイス - 空対地式、誘導爆弾システム。
- スパイク - 地対地、対戦車ミサイル。
その他
編集- SIMON ライフルグレネード - ドア破砕用ライフルグレネード(小銃擲弾)。
- MATADOR - 個人携帯式の対戦車ロケットランチャー。
- ブレイザー ERA - 戦車、装甲戦闘車両用の爆発反応装甲。イスラエル・ミリタリー・インダストリーズとの共同開発。
- Armor-Shield-R - ブレイザーの改良型ERA。アメリカ陸軍のM2/M3ブラッドレイに装備されている。
- Armor-Shield-P - 車両用パッシブ式増加装甲。アメリカ海兵隊のAAV7に装着される増加装甲キット(EAAK)として採用されている。
- トロフィー APS - 戦車、装甲戦闘車両用のアクティブ防護システム
- ライトニング - 航空機搭載用の照準ポッド。アメリカ軍ではAN/AAQ-28として採用。
- AN/ASW-55 - ポップアイ (AGM-142) 制御用の航空機搭載ポッド。
- スカイシールド - 航空機搭載用ジャミング/ECMポッド。
- ラファエル・オーバーヘッド・ウェポン・ステーション - 装甲戦闘車両用のRWS(遠隔操作式兵装ステーション)
- サムソン RCWS - 装甲戦闘車両用のRWS(遠隔操作式兵装ステーション)
- タイフーン - 艦艇搭載用のRWS(遠隔操作式兵装ステーション)
- トール - サムソン RCWSと共通の架台にレーザー照射装置を搭載したレーザー兵器。IEDの無力化に使用される。
- ゼーブ装輪装甲車 - Hatehof社との共同開発。フォード F-550 ピックアップトラックの車台をベースに装甲車体を搭載した装甲兵員輸送車。
- ゴラン装輪装甲車 - プロテクテッド・ヴィークルズ社との共同開発。アメリカ海兵隊のMRAPプログラム カテゴリーIIの車種の一つに選定された。
- プロテクター USV - 無人水上艇(USV, Unmanned Surface Vehicle)。ミニ・タイフーンRWSを装備する。
- C-PEARL - 艦艇または航空機搭載用の電波探知装置。
- アイアンビーム - 高出力レーザーにより航空機やミサイルの迎撃を行う防空兵器。
- カルメル - 開発中の装軌式小型装甲戦闘車両。2019年に技術デモンストレーター車両を製作したが、IAIが開発事業者に選定された。
脚注・出典
編集- The bomb in the basement, Michael Karpin, Ed Simon & Schuster. ISBN 978-0-7432-6595-9
- ラファエル社 公式サイト
関連項目
編集- イスラエル国防軍
- イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ - 略称IMI。
- イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ - 略称IAI。
外部リンク
編集ウィキメディア・コモンズには、ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズに関するカテゴリがあります。