大洋州諸語
(メラネシア語から転送)
大洋州諸語(たいようしゅうしょご、またはオセアニア諸語、Oceanic languages)とは、オーストロネシア語族マレー・ポリネシア語派に属す言語集団であり、おそらく1つの祖語に由来する系統(語派)をなすと考えられている。およそ450言語からなる。
大洋州諸語 | |
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オセアニア諸語 | |
話される地域 | オセアニア |
言語系統 | オーストロネシア語族 |
下位言語 |
概要
編集話者はオセアニア島嶼部の非常に広い範囲、すなわちポリネシア全域、メラネシア(ニューギニア島は北岸・東岸部のみ)とミクロネシア(西部を除く)に住み、人口は200万人を超える。
最も多いのはサモア語(80万人以上)で、次いでフィジー語(50万人以上)が多い。他に10万人またはそれ以上の話者がいる言語としては、キリバス語、トンガ語、タヒチ語、マオリ語、クアヌア語(Kuanua、またはトライ語Tolai:ニューブリテン島東部)がある。
かつてメラネシア地域の言語がメラネシア諸語としてまとめられたこともある。メラネシア諸語は音韻論的に比較的複雑で、文法的には被所有物が類別されるといった共通点があるが、現在ではミクロネシア諸語(インドネシア・フィリピン諸言語に近いチャモロ語・パラオ語は除く)やポリネシア諸語を含めて共通祖語に由来すると考えられている。メラネシア東端部のフィジー語などはポリネシア諸語に近い。ポリネシア諸語は典型的な開音節語で音韻論的にも非常に単純になっている。人称代名詞は3つの人称が区別され、数は単数・双数・複数のほか、三数を区別する言語もある。1人称双数以上では除外形と包括形を区別する。
分類
編集分類については諸説あるが、普通次のように分類され[1]、語彙統計学的研究[2] もほぼこれを支持する。
- 西大洋州諸語 (Western Oceanic) - ニューギニア島北岸からニューブリテン島西部
- 中部メラネシア諸語 (Meso-Melanesian) - ビスマルク諸島、ソロモン諸島 ※西大洋州諸語に含める場合もある
- クアヌア語(トライ語) - パプアニューギニア東ニューブリテン州
- セント・マタイアス諸語 - パプアニューギニア セント・マタイアス諸島
- 北西ソロモン諸語
- 南東ソロモン諸語 ※中部メラネシア諸語に含まない場合もある
- アドミラルティ諸島諸語 (Admiralty Islands) - パプアニューギニアアドミラルティ諸島(ヤップ語はこれに近いとの説もあるが明確でない)
- ヤップ語 - ミクロネシア連邦ヤップ島
- テモツ諸語 - ソロモン諸島テモツ州
- 南大洋州諸語 (Southern Oceanic) - フランス領ニューカレドニア、バヌアツ
- モタ語 - バヌアツ モタ島(シュガーローフ島)
- グナ語 - バヌアツ エファテ島
- レナケル語 - バヌアツ タンナ島
- ンドゥベア語 - フランス領ニューカレドニア
- クニェ語 - フランス領ニューカレドニア
- チェムヒン語 - フランス領ニューカレドニア
- パーチン語 - フランス領ニューカレドニア
- ハヴェケ語 - フランス領ニューカレドニア
- ムアヴェケ語 - フランス領ニューカレドニア
- アンジエ語 - フランス領ニューカレドニア
- ネンゴネ語 - フランス領ニューカレドニア ロイヤルティ諸島
- デフ語 - フランス領ニューカレドニア ロイヤルティ諸島
- イアイ語 - フランス領ニューカレドニア ロイヤルティ諸島
- ミクロネシア諸語 - ミクロネシア
- 中央太平洋諸語(フィジー・ポリネシア諸語)- フィジー、ポリネシア
脚注
編集外部リンク
編集- Glottolog - Oceanic (マックス・プランク進化人類学研究所によるデータベース)