マーク・トランボ
マーク・ダニエル・トランボ(Mark Daniel Trumbo, 1986年1月16日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイム出身の元プロ野球選手(指名打者、外野手、一塁手)。右投右打。
ボルチモア・オリオールズ時代 (2016年5月3日) | |
基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | カリフォルニア州アナハイム |
生年月日 | 1986年1月16日(38歳) |
身長 体重 |
6' 4" =約193 cm 235 lb =約106.6 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 指名打者、外野手、一塁手 |
プロ入り | 2004年 MLBドラフト18巡目 |
初出場 | 2010年9月11日 |
最終出場 | 2019年9月29日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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経歴
編集生い立ち
編集実家はエンゼル・スタジアムから10分のところにあり、子供の頃に数え切れないほどスタジアムで観戦した[1]。
プロ入りとエンゼルス時代
編集2004年のMLBドラフト18巡目(全体533位)でアナハイム・エンゼルスから指名され、プロ入り。
2010年9月11日のシアトル・マリナーズ戦でメジャーデビューを果たした。
2011年は一塁手のレギュラーとしてメジャーに定着。打率こそ.254だったものの、29本塁打と長打力を見せ付けた。新人王の投票ではジェレミー・ヘリクソンに次いで2位であった。
2012年はアルバート・プホルスの加入に伴い、外野にコンバートされた。シーズン前半は3割を維持し、同時に高い長打率を残し、初めてオールスターにも選出された。オールスターゲームでは2打席連続三振に終わったものの、前日のホームランダービーではラウンド1とラウンド2の合計で13本もの本塁打を打った。オールスターゲーム以降は成績を落としたが、本塁打は30本を超え、最終的に打率.268・32本塁打・95打点・OPS.808の成績でシーズンを終えた。
2013年、前年から打率を大きく落とし.234となったが、2年連続での30本塁打以上となるチーム最多の34本塁打を放った。また、チーム159試合目に1打点を記録し、これで自身初の100打点を記録した。三振は前年より31個増加した。184個の三振は、2000年にモー・ボーンが記録した181個を抜いて球団新記録となってしまった。
ダイヤモンドバックス時代
編集2013年12月10日にエンゼルス、シカゴ・ホワイトソックス、アリゾナ・ダイヤモンドバックス間の三角トレードで、ダイヤモンドバックスに移籍[2]。
2014年2月6日にダイヤモンドバックスと480万ドルの1年契約で契約更新に合意した[3]。
2015年2月に年俸調停で球団と争って勝利した結果、年俸690万ドルの1年契約を結んだ。この年は、移籍までの46試合の出場で9本塁打を含む長打22本と量産した。長打率は.506だった。
マリナーズ時代
編集2015年6月3日にウェリントン・カスティーヨ、ドミニク・レオン、ガブリエル・ゲレーロ、ジャック・ラインハイマーとのトレードで、ビダル・ヌーニョと共にマリナーズへ移籍した。マリナーズでは一塁・外野の両翼・指名打者と、位置こそ違えど常時出場機会を得て、93試合でプレーした。アーチの量産ペースは低下したが、打率は移籍前より上昇した。2チームトータルの打撃成績は、打率.262・22本塁打・64打点・OPS.759・132三振という内容だった。移籍後、右翼手を守ったのが34試合で最多だったが、1失策を犯して守備率.977・DRS-3という成績で安定していたとは言えなかった。次いで指名打者としての30試合が多く、一塁を守ったのは22試合で1失策・守備率.994・DRS0と、外野よりも安定していた。左翼手の13試合では2失策・守備率.895・DRS-1だった。
オリオールズ時代
編集2015年12月2日にスティーブ・クレベンジャーとのトレードで、C.J.リーフェンハウザーと共にボルチモア・オリオールズへ移籍した[4]。
2016年は右翼手及び指名打者のレギュラーとして常時出場機会を得て、前半戦の87試合にフル出場[5]。打率.288・28本塁打・68打点・OPS.923という好成績を残し[5]、オールスターに選出された。また、同試合の前夜祭でもあるホームラン・ダービーにも出場。後半戦は打率こそ下がったものの、依然としてハイペースで本塁打を量産し、最終的にはMLB最多の47本塁打を放って本塁打王に輝いた。また、108打点とOPS.850でも自己最高の成績を記録した。一方で三振の多さも屈指のレベルになり、喫した170三振はワースト6位だった。守備面では95試合で守った右翼では5失策・守備率.972・DRS-9という内容だった。オフの11月3日にFAとなった[6]。自身初めてシルバースラッガー賞を受賞した[7]。また、スポーティングニュースのカムバック賞とプレイヤーズ・チョイス・アワーズのカムバック賞も受賞した。オフの老舗スポーツ・イラストレイテッド誌のウェブサイトの記事には、ホームラン一辺倒の「1ツールプレイヤー」として高給取りにのし上がった旨が書き綴られていた。このような選手がMLBに目立つのは、そのようなパワーヒッターのみがMLBにドラフト指名されるというアメリカ球界の風潮があり、そのためにアマチュア選手は打率を犠牲にしてでもパワーを重視し、子供の頃から技術練習よりもウエイトトレーニングを重点的に行うのである[8]。
2017年1月20日にオリオールズと3年総額3700万ドルで契約を結んだ[9]。ブルージェイズとの開幕戦では延長11回にサヨナラ本塁打を打つ[10]。またその試合での2安打は二塁打と本塁打で2打点を挙げた。これでサヨナラ本塁打を打ったのは6回目となった[11]。9月5日にCC・サバシアから通算200本塁打を達成した。結果559打数で打率.234・出塁率.289・長打率.397だった[12]。また、シーズンで4本サヨナラ安打を打ち、2017年のMLB最高だった[13]。
2018年はシーズン最初から故障者リストに入っており、メジャーの試合に出たのは5月1日が最初だった。8月には膝の手術を受けることになった。358打席で打率.261・17本塁打・44打点でシーズンを終えた。怪我もあって90試合の出場に留まった。
2019年オフの10月31日にフリーエージェント(FA)となった[14]。
現役引退後
編集2020年以降は正式な引退発表こそないものの無所属の状態となったが、2022年のオリオールズのスプリングトレーニングで特別インストラクターを務めた[15]。
詳細情報
編集年度別打撃成績
編集年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
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2010 | LAA | 8 | 16 | 15 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 8 | 0 | .067 | .125 | .067 | .192 |
2011 | 149 | 573 | 539 | 65 | 137 | 31 | 1 | 29 | 257 | 87 | 9 | 4 | 0 | 4 | 25 | 6 | 5 | 120 | 17 | .254 | .291 | .477 | .768 | |
2012 | 144 | 586 | 544 | 66 | 147 | 19 | 3 | 32 | 267 | 95 | 4 | 5 | 0 | 2 | 36 | 3 | 4 | 153 | 12 | .268 | .317 | .491 | .808 | |
2013 | 159 | 678 | 620 | 85 | 145 | 30 | 2 | 34 | 281 | 100 | 5 | 2 | 0 | 4 | 54 | 6 | 0 | 184 | 18 | .234 | .294 | .453 | .747 | |
2014 | ARI | 88 | 362 | 328 | 37 | 77 | 15 | 1 | 14 | 136 | 61 | 2 | 3 | 0 | 5 | 28 | 3 | 1 | 89 | 8 | .235 | .293 | .415 | .707 |
2015 | 46 | 184 | 174 | 23 | 45 | 10 | 3 | 9 | 88 | 23 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 0 | 39 | 4 | .259 | .299 | .506 | .805 | |
SEA | 96 | 361 | 334 | 39 | 88 | 13 | 0 | 13 | 140 | 41 | 0 | 0 | 0 | 1 | 26 | 1 | 0 | 93 | 8 | .263 | .316 | .419 | .735 | |
'15計 | 142 | 545 | 508 | 62 | 133 | 23 | 3 | 22 | 228 | 64 | 0 | 0 | 0 | 1 | 36 | 1 | 0 | 132 | 12 | .262 | .310 | .449 | .759 | |
2016 | BAL | 159 | 667 | 613 | 94 | 157 | 27 | 1 | 47 | 327 | 108 | 2 | 0 | 0 | 0 | 51 | 1 | 3 | 170 | 14 | .256 | .316 | .533 | .850 |
2017 | 146 | 603 | 559 | 79 | 131 | 22 | 0 | 23 | 222 | 65 | 1 | 0 | 0 | 1 | 42 | 0 | 1 | 149 | 13 | .234 | .289 | .397 | .686 | |
2018 | 90 | 358 | 330 | 41 | 86 | 12 | 0 | 17 | 149 | 44 | 0 | 0 | 0 | 2 | 24 | 0 | 2 | 87 | 10 | .261 | .313 | .452 | .764 | |
2019 | 12 | 31 | 29 | 1 | 5 | 3 | 0 | 0 | 8 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 5 | 2 | .172 | .226 | .276 | .502 | |
MLB:10年 | 1097 | 4419 | 4085 | 532 | 1018 | 182 | 11 | 218 | 1876 | 629 | 23 | 14 | 0 | 19 | 299 | 20 | 16 | 1097 | 106 | .249 | .302 | .459 | .761 |
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
一塁(1B) | 三塁(3B) | 左翼(LF) | 右翼(RF) | ||||||||||||||||||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2010 | LAA | 6 | 38 | 4 | 0 | 5 | 1.000 | - | - | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | .667 | ||||||||||
2011 | 149 | 1281 | 93 | 10 | 117 | .993 | - | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 10 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | ||||||
2012 | 21 | 145 | 5 | 0 | 8 | 1.000 | 8 | 5 | 5 | 4 | 0 | .714 | 66 | 102 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | 35 | 42 | 0 | 3 | 0 | .933 | |
2013 | 123 | 915 | 79 | 8 | 87 | .992 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 8 | 19 | 0 | 1 | 0 | .950 | 19 | 31 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
2014 | ARI | 43 | 363 | 18 | 3 | 42 | .992 | - | 41 | 65 | 5 | 0 | 0 | 1.000 | - | ||||||||||
2015 | 1 | 5 | 1 | 0 | 1 | 1.000 | - | - | 42 | 67 | 2 | 1 | 0 | .986 | |||||||||||
SEA | 22 | 150 | 7 | 1 | 12 | .994 | - | 13 | 17 | 0 | 2 | 0 | .895 | 34 | 40 | 2 | 1 | 0 | .977 | ||||||
'15計 | 23 | 155 | 8 | 1 | 13 | .994 | - | 13 | 17 | 0 | 2 | 0 | .895 | 76 | 107 | 4 | 2 | 0 | .982 | ||||||
2016 | BAL | 6 | 30 | 2 | 0 | 4 | 1.000 | - | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | .750 | 95 | 163 | 10 | 5 | 1 | .972 | |||||
2017 | 2 | 8 | 2 | 1 | 3 | .909 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | - | 31 | 46 | 3 | 1 | 0 | .980 | ||||||
2018 | 3 | 17 | 2 | 0 | 3 | 1.000 | - | - | 19 | 26 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |||||||||||
MLB | 376 | 2952 | 213 | 23 | 282 | .993 | 11 | 5 | 5 | 4 | 0 | .714 | 130 | 206 | 9 | 4 | 0 | .982 | 286 | 419 | 20 | 12 | 1 | .973 |
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
編集- 本塁打王:1回(2016年)
表彰
編集- シルバースラッガー賞(外野手部門):1回(2016年)[16]
- スポーティングニュース・カムバック・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー・アワード:1回(2016年)
- プレイヤーズ・チョイス・アワーズ
- カムバック賞:1回(2016年)
記録
編集- MLBオールスターゲーム選出:2回(2012年、2016年)
背番号
編集- 44(2010年 - 2013年)
- 15(2014年 - 2015年途中)
- 35(2015年途中 - 同年終了)
- 45(2016年 - 2019年)
脚注
編集- ^ 『メジャーリーグ 2011記録集計号』ベースボール・マガジン社、2011年、73頁。ASIN B005QBZRW4。
- ^ "D-backs acquire Mark Trumbo and two players to be named later as part of three-team trade" (Press release) (英語). MLB.com (Arizona Diamondbacks). 10 December 2013. 2015年12月4日閲覧。
- ^ Steve Gilbert (2014年2月6日). “D-backs reach one-year deal with Trumbo” (英語). MLB.com. 2015年12月4日閲覧。
- ^ Greg Johns (2015年12月2日). “Mariners add Clevenger in deal with O's” (英語). MLB.com. 2015年12月4日閲覧。
- ^ a b Mark Trumbo 2016 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月8日閲覧。
- ^ MLB公式プロフィール参照。2017年1月20日閲覧。
- ^ “メジャーリーグ シルバースラッガー賞発表 引退オルティスの名も”. スポニチアネックス. (2016年11月11日) 2016年11月11日閲覧。
- ^ MLBから学ぶパワーヒッターの作り方!メジャー流の筋トレや考え方に迫る!(1/2ページ) 高校野球ドットコム 2016.12.21 (2022年5月27日閲覧)
- ^ Brittany Ghiroli (2017年1月20日). “Orioles re-sign Trumbo to 3-year deal” (英語). MLB.com. 2017年1月21日閲覧。
- ^ Wagner, Laura (2017年3月4日). “Mark Trumbo Does His Thing, Crushes Extra-Inning Walk-Off Homer” (英語). Deadspin 2017年4月6日閲覧。
- ^ Chisholm, Gregor (2017年4月3日). “O's walk off vs. Blue Jays on Trumbo's homer” (英語). Baltimore Orioles. 2017年4月6日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “Team Batting Event Finder: 2017, All Teams, Hits, Walk-off”. Baseball Reference. July 20, 2018閲覧。
- ^ “160 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (October 31, 2019). November 30, 2021閲覧。
- ^ Zachary Silver (2022年3月22日). “Trumbo reunites with O's as special instructor”. MLB.com. 2023年6月16日閲覧。
- ^ “Silver Slugger” (英語). MLB.com. November 30, 2021閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Mark Trumbo stats MiLB.com
- Mark Trumbo (@Mtrumbo44) - X(旧Twitter)