マット・スミス
マット・スミス(Matt Smith, 本名: マシュー・ロバート・スミス、Matthew Robert Smith[1], 1982年10月28日 - )は、イングランド出身のイギリスの俳優。イギリスのTVシリーズ『ドクター・フー』の11代目ドクター役として知られる。
マット・スミス Matt Smith | |
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2013年7月のマット・スミス | |
本名 |
マシュー・ロバート・スミス Matthew Robert Smith |
生年月日 | 1982年10月28日(42歳) |
出生地 |
イングランド ノーザンプトン |
国籍 | イギリス |
ジャンル | 俳優 |
活動期間 | 2003年 - |
活動内容 | ドラマ、映画 |
主な作品 | |
映画 『ターミネーター:新起動/ジェニシス』 『オフィシャル・シークレット』 『ラストナイト・イン・ソーホー』 『モービウス』 テレビドラマ 『Party Animals』 『Secret Diary of a Call Girl』 『ドクター・フー』 『ザ・クラウン』 『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』 |
来歴
編集少年時代はサッカー選手に憧れており、ノーサンプトン・タウンFC、ノッティンガム・フォレストFC、レスター・シティFCのユースでプレイしていた。しかし頚椎症を患いプロになることを諦めざるを得なかった[注 1]。
その後学校の演劇の講師により演技の道を紹介され、講師により密かに『十二人の怒れる男』の舞台の陪審員10番役として登録させられる。演技には興味を示したが結局舞台には上がらず、しかし演劇の講師は熱心に薦め続け、説得の末ナショナル・ユース・シアターに所属することとなった。
イースト・アングリア大学で演技と脚本を学んだ後、2003年に俳優活動を開始。様々な舞台を経験し、活動をウエスト・エンドに広げ、クリスチャン・スレーターとも共演した[2]。同年批評家に絶賛された舞台"That Face"にヘンリー役で出演[3]。
2006年には、BBCで放送されたフィリップ・プルマン原作の『サリー・ロックハートの冒険』のドラマ化で、初めてテレビドラマに出演した。スミスは、"The Ruby in the Smoke" (en) (原作『マハラジャのルビー』)と"The Shadow in the North" (en) (原作『仮面の大富豪』)の2作品でジム・テイラー (Jim Taylor) 役を演じた。主演のサリーを演じたビリー・パイパーとは『Secret Diary of a Call Girl』で3度目の共演をしている。
2007年には『Party Animals』シリーズで初めてメインキャラクターを演じた。
ドクター・フー
編集2009年1月、10代目ドクターを演じたデイヴィッド・テナントが番組を離れることを明かして[4]から3ヶ月後に、11代目ドクターに選ばれた[5]ことが発表された。当初予想されていた俳優陣の中ではない人選で、また最も知名度のない俳優であった[6][7][8][9]。番組のファンの中には、スミスはドクターを演じるには若すぎるのではないかと考える人もいた[10]。26歳のドクターはこれまでで最も若く、イギリスのTVシリーズで最も若い主演俳優となった[11]。
スミスは最も早くにドクター役のオーディションを受けていた俳優の一人であった。また同時にプロデューサーのスティーヴン・モファットが手掛ける別のドラマである『SHERLOCK(シャーロック)』のジョン・ワトソン役も受けていた。モファットはシャーロック・ホームズ役のほうが合っていると考えたが、既にベネディクト・カンバーバッチがシャーロック役に決まっていたため落選し、三週間のオーディションの結果ドクター役を得ることとなった[12]。
2010年6月、オービタルのグラストンベリー・フェスティバルでのパフォーマンスの際にステージに上がり、共にドクター・フーのテーマを演奏した[13]。2010年7月24日から25日にかけては、ロイヤル・アルバート・ホールで行われたBBCプロムスのドクター・フー版である『Doctor Who Prom』のホストを務めた[14]。
2012年5月26日の早朝、カーディフから始まる聖火リレーのランナーを務めた。これは2006年放送の『ドクター・フー』のエピソード「危険なお絵描き」でドクターが聖火ランナーを務めていたことがきっかけとなったものである[15][注 2]。
2013年6月1日、スミスがドクター役を降板し、同年12月に放送されるクリスマススペシャルにて11代目ドクターが再生することが発表された[16]。後任はピーター・カパルディである。ただし、スミスは2014年のシリーズ8「深呼吸」でも11代目ドクター役としてカメオ出演した[17]。クリスマススペシャル「ドクターの時」の収録後、マットは4シーズンに亘ってドクター役を演じた記念にソニック・スクリュードライバーを持ち帰った[18]。
私生活
編集イギリスのファッション・モデルのデイジー・ローと交際していたが、仕事の忙しさが理由で2011年に破局[19]。レディオヘッドのファン。無神論者である[20]。ブラックバーン・ローヴァーズFCのサポーター。
2014年、映画『高慢と偏見とゾンビ』で共演したのをきっかけにリリー・ジェームズと交際していたが、2019年に破局した。
フィルモグラフィ
編集映画
編集年 | 題名 | 役名 | 備考 | 吹替 |
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2006 | The Ruby in the Smoke (en) | ジム・テイラー (Jim Taylor) | テレビ映画、原作『マハラジャのルビー』 | |
2007 | ヒットマンズ・レクイエム In Bruges |
若い頃のハリー | 出演シーンは削除されており、DVD特典でのみ見られる。 | |
The Shadow in the North (en) | ジム・テイラー | 原作『仮面の大富豪』 | ||
2009 | トゥギャザー Together |
ロブ | ショートフィルム。第62回カンヌ国際映画祭で初公開された。 | |
2010 | 愛を複製する女 Womb |
トーマス[21] | ||
2011 | Christopher and His Kind (en) | クリストファー・イシャーウッド | ||
2012 | バート・アンド・ディッキー Bert and Dickie |
バート・ブシュネル[22] | ||
2014 | ロスト・リバー Lost River |
ブリー | ||
2015 | ターミネーター:新起動/ジェニシス Terminator Genisys |
T-5000 / スカイネット[23] | 福田賢二 | |
2016 | 高慢と偏見とゾンビ Pride and Prejudice and Zombies |
コリンズ牧師[24] | 佐々木義人 | |
2018 | インフェクテッドZ Patient Zero |
モーガン[25] | 川島得愛 | |
チャーリー・セズ/マンソンの女たち Charlie Says |
チャールズ・マンソン | (吹き替え版なし) | ||
2019 | オフィシャル・シークレット Official Secrets |
マーティン・ブライト | ||
2020 | 獣の棲む家 His House |
マーク | 佐々木啓夫 | |
2021 | ラストナイト・イン・ソーホー Last Night in Soho |
ジャック | 森宮隆 | |
The Forgiven | Richard Galloway | |||
2022 | モービウス Morbius |
マイロ | 杉田智和 | |
TBA | Caught Stealing |
TBA |
テレビドラマ
編集年 | 題名 | 役名 | 備考 | 吹替 |
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2007 | Party Animals | ダニー・フォスター | ||
Secret Diary of a Call Girl | ティム | シリーズ1・エピソード6にゲスト出演。 | ||
The Street | イアン・ハンレイ | "Demolition"と"Taxi"に出演。 | ||
2009 | Moses Jones | ダン・トゥウェンティマン科学博士 | ||
2010-2014 | ドクター・フー Doctor Who |
11代目ドクター[26][27][28] | 2010年のスペシャル「時の終わり」パート2で再生し、11代目ドクターとして初出演。以降第5シリーズから第7シリーズに出演。第8シリーズ「深呼吸」にもカメオ出演。 | 川島得愛 |
2010 | サラ・ジェーン・アドベンチャーズ The Sarah Jane Adventures |
シリーズ4・エピソード5と6の"Death of the Doctor" (en) に出演。 | ||
2016-2017 | ザ・クラウン The Crown |
エディンバラ公フィリップ殿下[29] | メイン・キャスト | 川島得愛 |
2022- | ハウス・オブ・ザ・ドラゴン House of the Dragon |
デイモン・ターガリエン[30] | HBOドラマシリーズ | 津田健次郎 |
舞台
編集年 | 題名 | 役名 | 劇場名 / 備考 |
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2003 | 寺院の殺人 Murder in the Cathedral |
トマス・ベケット | 原作:T・S・エリオット作『寺院の殺人』 |
2004 | 巨匠とマルガリータ The Master and Margarita |
バスーン | リリック・シアター、ロンドン |
Fresh Kills | アーノルド | ロイヤル・コート・シアター、ロンドン | |
2005 | On the Shore of the Wide World On the Shore of the Wide World |
ポール・ダンジガー | ロイヤル・エクスチェンジ、マンチェスター ロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドン |
2005-2006 | ヒストリーボーイズ[注 3] The History Boys |
ロックウッド | ロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドン |
2006 | Burn/Chatroom/Citizenship | トム / ウィリアム / ゲイリー | |
2007 | That Face That Face |
ヘンリー | ロイヤル・コート・シアター、ロンドン |
2007-2008 | Swimming with Sharks Swimming with Sharks |
男 | ヴォードヴィル・シアター、ロンドン 1994年の映画『ザ・プロデューサー』(原題:Swimming with Sharks)[31]の舞台版。 |
2008 | That Face | ヘンリー | デューク・オブ・ヨーク・シアター、ロンドン |
2013-2014 | アメリカン・サイコ American Psycho |
パトリック・ベイトマン[32] | アルメイダ・シアター、ロンドン 小説『アメリカン・サイコ』を原案としたミュージカル。 |
ビデオ・ゲーム
編集発売年 | 題名 | 役名 | 備考 |
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2010 | Doctor Who: The Adventure Games Doctor Who: The Adventure Games |
11代目ドクター (Eleventh Doctor) | 声優とキャラクター外見 |
Doctor Who: Return to Earth Doctor Who: Return to Earth | |||
Doctor Who: Evacuation Earth Doctor Who: Evacuation Earth | |||
2012 | Doctor Who: The Eternity Clock Doctor Who: The Eternity Clock |
監督
編集公開年 | 原題 | 備考 |
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2013 | Cargese | Sky Arts 1で放送されたショートムービー |
注釈
編集参照
編集- ^ Northampton School for Boys
- ^ “Entertainment | Who on earth is Matt Smith?”. BBC News. (2009年1月3日) 2009年3月16日閲覧。
- ^ “That face to watch| Theatre”. This is London. 2009年3月16日閲覧。
- ^ “David Tennant quits as Doctor Who”. BBC News. (29 October 2008) 3 January 2009閲覧。
- ^ "The Eleventh Doctor". Doctor Who Confidential. 第4シリーズ. Episode 15. 3 January 2009. BBC. BBC One。
- ^ “Doctor Who: The runners and the riders”. BBC News. (3 January 2009) 3 January 2009閲覧。
- ^ Goldsmith, Belinda (4 January 2009). “Dr Who? BBC chooses newcomer”. Reuters 4 January 2009閲覧。
- ^ Moreton, Cole (4 January 2009). “Doctor Who? Unknown is latest incarnation of Time Lord”. London: The Independent 5 January 2009閲覧。
- ^ “The new Doctor is Matt... Who?”. The Sun. (4 January 2009) 5 January 2009閲覧。
- ^ Moss, Lyndsay (5 January 2009). “Doctor who? Newcomer divides programme's fans”. スコッツマン 5 January 2009閲覧。
- ^ “Press Office — Network TV Programme Information BBC Weeks 51/52 BBC ONE”. BBC. 30 April 2010閲覧。
- ^ French, Dan (4 February 2010). “Matt Smith rejected for BBC's 'Sherlock'”. Digital Spy 4 February 2010閲覧。
- ^ Doctor Who's Matt Smith performs with Orbital at Glastonbury | Metro.co.uk
- ^ “Doctor Who's day at the Proms”. BBC News. (25 July 2010) 25 July 2010閲覧。
- ^ “Doctor Who's Matt Smith on Olympic torch run”. BBC News Online. (26 May 2012) 26 May 2012閲覧。
- ^ “Matt Smith to leave Doctor Who at the end of year”. BBC News. (1 June 2013) 8 October 2013閲覧。
- ^ Jones, Paul (23 August 2014). “Doctor Who fans treated to surprise cameo in new series opener Deep Breath”. ラジオ・タイムズ. 26 August 2014閲覧。
- ^ 海外ドラマNAVI編集部 (2021年5月9日). “『ドクター・フー』11代目ドクターのマット・スミスが番組から記念に持ち帰った物とは!?”. 海外ドラマNAVI. ナノ・アソシエーション. 2021年5月9日閲覧。
- ^ “Doctor Who star Matt Smith 'dumps girlfriend Daisy Lowe'”. The Mirror. (24 November 2011) 26 May 2012閲覧。
- ^ “Matt Smith interview: lord of misrule”. The Guardian. (3 December 2011). オリジナルの3 December 2019時点におけるアーカイブ。 3 December 2011閲覧。
- ^ Meza, Ed (9 February 2009). “Eva Green to star in "Womb"”. Variety 2009年3月12日閲覧。
- ^ Bamigboye, Baz (1 July 2011). “Doctor Who's Olympic past: Matt Smith to star as gold-winning rower from 1948”. Daily Mail 8 September 2011閲覧。
- ^ “MATT SMITH SET TO STAR IN PARAMOUNT PICTURES AND SKYDANCE PRODUCTIONS’ “TERMINATOR” REBOOT”. Paramount Pictures. (2 May 2014) 6 May 2014閲覧。
- ^ “Pride and Prejudice and Zombies (2016) Full Cast & Crew”. IMDb. 2016年2月26日閲覧。
- ^ Hall, Gina (2014年11月20日). “‘Doctor Who’s’ Matt Smith to Star in ‘Patient Zero’”. thewrap.com 2016年2月26日閲覧。
- ^ “Matt Smith to return for new Doctor Who series”. BBC News. (8 July 2011) 8 September 2011閲覧。
- ^ “The Doctor and Jo Grant join CBBC's The Sarah Jane Adventures in special episodes written by Russell T Davies”. BBC Press Office (2010年4月19日). 2010年4月19日閲覧。
- ^ “Doctor Who star Matt Smith to appear in Sarah Jane Adventures”. The Daily Telegraph (London). (19 April 2010)
- ^ Julie Miller (2016年1月6日). “See Doctor Who's Matt Smith Marry Queen Elizabeth in Netflix's The Crown”. Vanity Fair Hollywood. 2016年2月26日閲覧。
- ^ 海外ドラマNAVI編集部 (2020年12月14日). “『ザ・クラウン』『ドクター・フー』マット・スミス、『GOT』前日譚で再びプリンスに!”. 海外ドラマNAVI. ナノ・アソシエーション. 2021年5月9日閲覧。
- ^ “ザ・プロデューサー(1995)”. allcinema. 2016年2月26日閲覧。
- ^ “From Doctor Who to a Psycho: Matt Smith begins rehearsals for musical that transports him back to the Eighties”. Daily Mail. (7 October 2013) 8 October 2013閲覧。
参考文献
編集- Smith, Oli (2010). Doctor Who: The Eleventh Doctor: Matt Smith. London: BBC Children's Books. ISBN 978-1-4059-0687-6