ホンダ・コンチェルト
コンチェルト(CONCERTO)は、本田技研工業がかつて生産・販売していたセダン型の小型乗用車である。
ホンダ・コンチェルト MA1/2/3型 | |
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前期型5ドア フロント(豪州仕様) | |
前期型5ドア リア(豪州仕様) | |
後期型4ドア フロント 日本仕様 | |
概要 | |
製造国 | 日本 イギリス |
販売期間 | 1988年6月 – 1992年11月[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
4ドア ノッチバックセダン 5ドア ハッチバックセダン |
駆動方式 | FF/4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
D15B型:直4 SOHC 16バルブ 1.5L 91PS ZC型:直4 SOHC 16バルブ 1.6L 105PS(キャブレター) 120PS(PGM-FI) ZC型:直4 DOHC 16バルブ 1.6L 130PS |
変速機 | 4速AT/5速MT |
サスペンション | |
前 |
国内仕様:ダブルウィッシュボーン 欧州仕様:ストラット |
後 | ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,550mm |
全長 |
4ドア:4,415mm 5ドア:4,270mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 |
FF:1,395mm 4WD:1,415mm |
車両重量 | 950 - 1,200kg |
その他 | |
販売期間中の新車登録台数の累計 | 6万7,380台[2] |
系譜 | |
先代 |
日本国内クリオ店:ホンダ・シビック(3代目) 海外仕様5ドア:ホンダ・クイント(3年4ヶ月の空白有) |
後継 | 日本国内クリオ店:ホンダ・ドマーニ |
1980年代にホンダが技術提携していたイギリスのオースチン・ローバー・グループ(ARG、後のローバー)と共同開発した車種で、アコードとシビックの中間を担う位置づけのモデルであったが、ヨーロピアンスタイルの性格が色濃く出ているクラスレス車であった。販売はクリオ店。
概要
編集ボディバリエーションは、4ドアノッチバックセダンと5ドアハッチバックセダンの2種で、ともにいわゆる6ライト・ウィンドウの側面窓配置を持ち、プレリュードに代表される巾広で背の低い乗用車を作っていた当時のホンダらしからぬ、車高が高くボンネットの長い、セダンらしいスタイルをしている。
日本仕様を日本国内で生産し、欧州仕様は英国のARGで生産するという、初代レジェンドと同様の生産・販売の体制をとっていた。日本仕様のサスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式であるが、欧州仕様はARGが開発したストラット式のフロントサスペンションを採用していた。
なお、欧州仕様には当時のARG車と同じ「ARR」から始まる車台番号を与えられていた。さらに、ARGでは「ローバー 216/220や416」という3ドアハッチバック、5ドアステーションワゴンや2ドアクーペ・カブリオレなどが存在し、コンチェルトとは姉妹関係にあたる。
搭載されるエンジンは、シビックに積まれていたD15B型及びZC型を採用している。
駆動方式はFF及び4WDであり、上位グレードの4WDには、トルクスプリット型ビスカスカップリングと4wA.L.B.を融合させたINTRACという機構を採用していた。なお最上級グレードの「JX-i」では4輪ともディスクブレーキが採用されていたが、4WD仕様はリヤがドラムブレーキとなる。
上位グレードの装備はフルオート・エアコン、1.6Lクラスでは初となる運転席電動パワーシート&ランバーサポート、4スピーカーオーディオ&オートアンテナ、キーレスエントリーシステムなどが標準である。さらに4ドアセダンには本革シートもオプションで用意された。
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前期型5ドア フロント
欧州仕様 -
前期型5ドア リア
欧州仕様 -
後期型5ドア フロント
豪州仕様 -
後期型5ドア リア
豪州仕様
搭載エンジン
編集- エンジン種類:水冷直4横置き
- 弁機構:SOHCベルト駆動 吸気2 排気2
- 総排気量:1,493cc
- 内径×行程:75.0mm×84.5mm
- 圧縮比:9.2
- 最高出力:91PS/6,000rpm
- 最大トルク:12.1kgf·m/4,000rpm
- 燃料供給装置形式:キャブレター式
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:45L
- ホンダ・ZC型(SOHC キャブレター式)
- エンジン種類:水冷直4横置き
- 弁機構:SOHCベルト駆動 吸気2 排気2
- 総排気量:1,590cc
- 内径×行程:75.0mm×90.0mm
- 圧縮比:9.1
- 最高出力:105PS/6,300rpm
- 最大トルク:13.8kgf·m/4,500rpm
- 燃料供給装置形式:キャブレター式(CV型2連)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:D15B型を参照
- ホンダ・ZC型(SOHC 電子制御燃料噴射式)
- エンジン種類:水冷直4横置き
- 弁機構:SOHCベルト駆動 吸気2 排気2
- 総排気量:1,590cc
- 内径×行程:75.0mm×90.0mm
- 圧縮比:9.1
- 最高出力:120PS/6,300rpm
- 最大トルク:14.5kgf·m/5,500rpm
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:D15B型を参照
- ホンダ・ZC型(DOHC 電子制御燃料噴射式)
- エンジン種類:水冷直4横置き
- 弁機構:DOHCベルト駆動 吸気2 排気2
- 総排気量:1,590cc
- 内径×行程:75.0mm×90.0mm
- 圧縮比:9.5
- 最高出力:130PS/6,800rpm
- 最大トルク:14.7kgf·m/5,700rpm
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:D15B型を参照
初代 MA1/2/3型(1988年-1992年)
編集- 1988年6月15日 - 発表された。
- 1989年10月 - フェイスリフトを行なうとともに、4ドアセダンFFに最廉価版「JE」の装備を充実した「JE-EXTRA」とスポーティバージョンの「JZ-i」の2グレードが追加された。
- 1991年2月14日 - マイナーチェンジが実施され、フロントノーズがやや垂直気味になり、テールランプのデザインが変更された。同時にグレードの追加及び整理が行われた。4ドアセダンのFFでは「JE-EXTRA」/「JG」/「JX-i」が残され、これに最上級グレードとして本革シートを標準装備した「EXCLUSIVE」(ZC型 DOHC 16バルブ PGM-FI仕様 135PS)を加えて4種、同じく4WDは「JG」/「JX-i」にスポーティバージョンの「JZ-Si」(ZC型 DOHC 16バルブ PGM-FI仕様)を加えた3種、5ドアセダンは「JG」及び「JX-i」の2種となる。最上級の4ドア「EXCLUSIVE」の価格は210万円で、当時のバブル景気に相応しいものだった。
- 1992年9月[3]ー生産終了。その後の11月に後継となるドマーニの登場、及びローバージャパンが翌年から姉妹車の400シリーズを国内販売することに伴い販売を終了しモデル廃止。国外向けは1994年まで製造された。
車名の由来
編集脚注
編集- ^ “コンチェルト”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第51号17ページより。
- ^ “コンチェルト(ホンダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。