プロスタノイド
プロスタグランジンとトロンボキサンの総称
プロスタノイド(Prostanoid)はエイコサノイドの一種であり、プロスタグランジン(炎症やアナフィラキシー反応のメディエーター)、トロンボキサン(血管収縮のメディエーター)、プロスタサイクリン(炎症の収束期に作用する)からなる。
生合成
編集シクロオキシゲナーゼ(COX)は、遊離した必須脂肪酸を2段階のプロセスでプロスタノイドに変換することを触媒する。第1段階では、2分子のO2が2つの過酸化物結合として付加され、脂肪酸鎖の中央付近に5員の炭素環が形成される。これにより、短命で不安定な中間体であるプロスタグランジンG(PGG)が形成される。過酸化物結合の1つが1つの酸素を脱離し、PGHを形成する。他の全てのプロスタノイドはPGH(PGH1、PGH2、PGH3)から生成される。
アラキドン酸から合成されたPGH2は、
- PGE合成酵素によりPGE2となる。(更にPGF2へと変換される。)
- PGD合成酵素によりPGD2となる。
- プロスタサイクリン合成酵素によりプロスタサイクリン(PGI2)となる。
- トロンボキサン合成酵素によりトロンボキサンとなる。
3種類のプロスタノイドは、分子の中心に特徴的な環を持つ。また、その構造も異なっている。PGH(他の全ての化合物の元物質)は、2つの酸素原子(過酸化物)によって結合された5つの炭素環を持っている。プロスタサイクリンでは、この環はもう一つの酸素を含む環と結合している。トロンボキサンでは、この環は1つの酸素を含む六員環になる。
細菌やウイルスに感染した際のPGE2の産生は、インターロイキン-1等の特定のサイトカインによって刺激されると思われる[1]。.
関連項目
編集参考資料
編集- ^ University of Kansas Medical Center (2004年). “Eicosanoids and Inflammation” (PDF). 2005年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年1月5日閲覧。