プラユキ・ナラテボー
タイ上座部仏教の日本人僧侶
プラユキ・ナラテボー(Phra Yuki Naradevo)は、タイ上座部仏教の日本人僧侶、開発僧[1]。出家前の俗名[2]は坂本秀幸[3][4]。
経歴
編集上智大学文学部哲学科に在学中、「解放の神学」を実践するカトリック司祭ルベン・アビト教授に師事し、障害者支援やNGOであるRASA(アジアの農村と連帯する会)の活動に携わる[6]。
上智大学卒業後、タイのチュラロンコン大学大学院に留学し、「農村開発におけるタイ僧侶の役割」を研究[7]。その傍ら、NGOで他者のためを思って活動していたが、自分の心の開発を疎かにしていたために、やればやるほど疲弊する状況にあった[7]。そんな折に出会ったタイの開発僧たちの姿に魅かれ、出家を決意する[7]。
1988年7月、ルアンポー・カムキアン師の下で出家[6]。スカトー寺副住職を務める[6]。6年間、頭陀行を行いながら開発僧として活動する一方、チャルーン・サティ(気づきの瞑想)など各種の瞑想を学ぶ[6]。
1994年、ルアンポー・カムキアン師の渡米に通訳兼アシスタントとして同行、中国系寺院に半年間滞在して瞑想指導を行う[8]。
1995年、出家後初めて日本に帰国し、在日タイ人の支援活動や、日本人に向けた瞑想指導を開始[8]。1999年頃にかけて毎年日本を訪れ、各地のタイ人コミュニティを徒歩で巡る[8]。
近年、ブッダの教えをベースにした心理療法的なアプローチにも取り組み、自身が副住職をつとめるスカトー寺で定期的に開催されている医師や看護師、理学療法士など医療従事者のためのリトリート(瞑想合宿)でも指導を担当する[8]。たびたび日本にも招かれて帰国し、各地の大学や寺院、カルチャーセンターでの講演や、有志による瞑想会などで活動している[8]。
著作
編集単著
編集- 『「気づきの瞑想」を生きる』 佼成出版社、2009年
- 『苦しまなくて、いいんだよ。』 PHP研究所、2011年 のちEvolvingより電子書籍化、2015年
- 『自由に生きる』 サンガ、2015年12月、ISBN 978-4865640410
- 『仕事に効く!仏教マネジメント』 Evolving、2016年6月
共著
編集- 『脳と瞑想』 篠浦伸禎との共著、サンガ、2014年 のち同社より新書化、2016年
- 『自由になるトレーニング』 イケダハヤトらとの共著、Evolving、2016年3月
- 『悟らなくたって、いいじゃないか』 魚川祐司との共著、幻冬舎、2016年10月
- 『僧侶が語る死の正体』 ネルケ無方らとの共著、サンガ、2017年1月
- 『実践! ! 瞑想の学校』 ネルケ無方らとの共著、サンガ、2017年6月
- 『仏教サイコロジー (魂を癒すセラピューティックなアプローチ)』 藤田一照との共著、サンガ、2018年10月 ISBN 978-4865641332
監訳
編集- 『「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方』 カンポン・トーンブンヌム著、浦崎雅代訳、上田紀行監修・序、佼成出版社、2007年
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ プラユキ・ナラテボー 『自由に生きる』 サンガ、2016年1月、著者紹介。
- ^ 俗名とは 大辞林・日本国語大辞典・コトバンク
- ^ サンガ 2014, p. 330.
- ^ “【新連載】ほほえみの国タイから 第1回 悩む人、悩まない人”. PHPオンライン衆知. PHP研究所 (2013年9月6日). 2018年10月29日閲覧。
- ^ “プラユキ・ナラテボー|人名事典|お楽しみ|PHP研究所”. PHP研究所. 2016年10月4日閲覧。
- ^ a b c d サンガ 2014, p. 349.
- ^ a b c サンガ 2014, pp. 351–352.
- ^ a b c d e サンガ 2014, p. 350.
参考文献
編集- 『別冊サンガジャパン1 実践! 仏教瞑想ガイドブック』蓑輪顕量監修、サンガ、2014年8月。ISBN 978-4-905425-82-3。
関連項目
編集外部リンク
編集- よき縁ネット - 公式サポートブログ
- プラユキ・ナラテボー (@phrayuki) - X(旧Twitter)
- プラユキ・ナラテボー師との対話@スカトー寺(魚川祐司との対話)