フサザクラ科
フサザクラ科(ふさざくらか、学名: Eupteleaceae)は双子葉植物の科。
フサザクラ科 | ||||||||||||||||||
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フサザクラ Euptelea polyandra
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||
属および種
編集フサザクラ属 (Euptelea) 1属からなる落葉高木で、日本(本州から九州)に自生するフサザクラ(房桜、Euptelea polyandra)と、中国南部からアッサムに自生するEuptelea pleiosperma の、2種(および両者の人工的雑種)からなる。
特徴
編集花は両性で、花被はなく、多数の雌蕊と雄蕊からなる。フサザクラは3-4月頃、葉が出る前に開花し、紅色の雄蕊のやくが房状に垂れ下がって美しい。雌蕊はゴルフのクラブ状で雄蕊より短い。果実は偏平で周囲が翼状になり、風で飛ぶ。 葉の形は先端のとがった円形で不揃いな鋸歯があり、葉柄は長く互生する[3]。
稚樹の耐陰性が弱い陽樹であり、他の樹木と競合の少ない急傾斜地に適応した特徴を持つ[3]。その一つとして、主幹が土砂の移動などによって倒れても根が残りやすく、根元に生えている多くの萌芽枝に栄養を振り替えることで、萌芽枝が次代の主幹となって成長する萌芽再生の能力がある[3]。また、重力によって主幹が水平方向に寝てしまうと、垂直方向に生えていた枝が主幹のように太くなり、垂直方向への成長を維持する。主幹の交代が終わると、それまで主幹だった幹は枯れて腐り落ちる[3]。
フサザクラ
編集フザザクラ(房桜[4]・総桜[5]、学名: Euptelea polyandra)は、フサザクラ科フサザクラ属の落葉高木。別名、タニザワともよばれる[4]。和名フサザクラの由来は、短枝に花が房状につくのでこの名がついたと言われるが、サクラとは別のなかまである[4]。
日本の本州、四国、九州に分布し、山地の谷沿いなどの湿気の多い落葉樹林に自生する[4][5]。落葉広葉樹の高木で、樹高は大きなもので15メートルほどになる[4][5]。樹皮は灰色から褐色で滑らかだが、点状の皮目が多く、成木ではそれらがつながって横長となる[5]。枝は茶褐色でやや細く、毛はない[5]。新枝は赤みを帯びる[5]。
花期は早春(3 - 4月)。葉より先に暗紅色の花をつける。花の形は独特で、花弁も萼もなく、多数の雄蕊と雌蕊からなり垂れ下がる[4]。雄蕊の葯は長さ6 - 7ミリメートルで、暗紅色でよく目立つ[4][5]。
葉は互生し、長さ6 - 12センチメートルの広卵形で先端が尖り、葉縁に鋸歯がある[4]。果期は9 - 11月。果実は翼果で、偏平な翼状で多数つき、風で飛ばされて飛散する[4]。初冬まで長い柄のある翼果がついていることが多い[5]。
冬芽は互生し、暗紫色で光沢がある芽鱗9 - 12枚に包まれる[5]。花芽は丸みのある卵形で、葉芽は長卵形で花芽よりも小さい[5]。葉痕は冬芽の周りを取り囲み、維管束痕は一列に並ぶ[5]。
脚注
編集- ^ "(属名) Euptelea". Germplasm Resources Information Network (GRIN) online database (英語). 2012年8月20日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euptelea polyandra Siebold et Zucc. フサザクラ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月31日閲覧。
- ^ a b c d 渡辺一夫 『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか:樹木の個性と生き残り戦略』 築地書館 2009 ISBN 9784806713937 pp.118-124.
- ^ a b c d e f g h i 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 28.
- ^ a b c d e f g h i j k 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 226
参考文献
編集- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、226頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、28頁。ISBN 978-4-05-403844-8。