フィールドルージュ (Field Rouge) は日本競走馬である。馬名冠名と父のクロコルージュの馬名の一部「ルージュ」が由来となっている。曾祖母メジロラモーヌである。

フィールドルージュ
2008年11月3日 園田競馬場
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2002年4月27日(22歳)
抹消日 2011年11月9日
クロコルージュ
メジロレーマー
母の父 リンドシェーバー
生国 日本の旗 日本北海道三石町
生産者 中田英樹
馬主 地田勝三
調教師 西園正都栗東
厩務員 中西繁夫[1]
競走成績
生涯成績 30戦9勝
24戦7勝(中央競馬
6戦2勝(地方競馬
獲得賞金 3億7001万円(通算)
2億5801万円(中央競馬)
1億1200万円(地方競馬)
勝ち鞍
JpnI 川崎記念 2008年
JpnII 名古屋グランプリ 2007年
テンプレートを表示

経歴

編集

2003年のセレクションセールに上場され、750万円(税別)で地田勝三に落札される[2]

2004年(2歳)、デビュー戦は9月12日札幌競馬場で行われた芝の2歳新馬戦で5番人気で3着となった。なおこのレースの1番人気はシンボリグランで5着となっていた。続く10月10日の未勝利戦は11着で、レース後は休養に入ることになった。

2005年(3歳)、実戦復帰は4月23日のダートの3歳未勝利戦で10番人気で5着となり、次の5月15日の未勝利戦を制し、デビュー4戦目で初勝利を挙げた。続く昇級初戦の3歳上500万下レースも制し、1000万下クラスに昇級した。昇級初戦の竜飛崎特別(1000万下)で4着となり休養に入った。

2006年(4歳)、1月15日に実戦復帰し、9番人気で2着となった。次も2着となり、昇級4戦目でビッググラスを相手に勝利し準オープン馬となった。この時騎乗していた松永幹夫にとっては騎手として最後の騎乗で最後の勝利を挙げた。続く韓国馬事会杯(1600万下)も制し、オープン馬となった。オープン初戦は初の重賞となったアンタレスステークスで7番人気で4着に入った。続く大沼ステークスを制し、オープン競走初勝利を挙げた。その後マリーンステークスでは1番人気に支持されたが2着だったものの武蔵野ステークスで8番人気で3着、GI初挑戦となったジャパンカップダートでも8番人気で3着と安定した走りを見せたが、2006ファイナルステークスでは単勝1.8倍の1番人気に支持されたが4着だった。

上述の、2月25日の阪神競馬場での第12レース4歳上1000万下のレースは、松永の騎手引退レースで、さらに松永が第11レースの阪急杯を制したことにより中央通算1400勝まであと1勝だった。さらに、前走2着の実力を評価する票が重なり、単勝1.5倍の圧倒的な1番人気となった。記録達成への貢献により当時条件馬ながら注目を浴びた。松永は競走後、関係者に「この馬は将来、大きいところを獲りますよ」と語る。

2007年(5歳)、この年初戦の平安ステークスでは1番人気に支持されたがまたも人気を裏切り7着、続くフェブラリーステークスは6番人気で5着だった。レース後は放牧に出され、帰厩後は前年と同じローテーションを使うことになり、連覇を目指す大沼ステークスからの始動となった。レースではトップハンデとなる57.5kgを背負わされたが見事連覇を達成した。続く前年2着だったマリーンステークスも制し、武蔵野ステークスは3番人気で4着、第8回ジャパンカップダートでは6番人気ながら2着となった。次走は前年の2007ファイナルステークスと違う名古屋グランプリに出走し、単勝1.6倍の圧倒的1番人気に応え重賞及びダートグレード競走初勝利を挙げた。父にとっても産駒の日本の重賞及びダートグレード競走初勝利となった。

2008年(6歳)、初戦は川崎記念に出走。人気を集めると思われたヴァーミリアンサンライズバッカスが取り消したこともあったが、4コーナーで先頭を行くフリオーソを捕らえにかかり、直線半ばで先頭に立つとそのまま突き放して初のJpnI競走勝利をあげた。その後、ヴァーミリアンとの父親世代からの因縁の対決となったフェブラリーステークスに出走し、2番人気の支持を集めるもスタート直後につまづき、自身の左後肢で左前脚をぶつけて落鉄。異変を察知した鞍上の横山典弘が3コーナー手前で競走を中止。レース後、左肩跛行と診断された。半年間の休養後、11月3日のJBCクラシックに出走したが、5着に終わった。その後、陣営はジャパンカップダートを回避し、彩の国浦和記念への出走を決めたが、同競走では2番人気に支持されるも、勝ったスマートファルコンから大きく突き放された4着に敗退した。レース後に屈腱炎が判明したため、長期休養することになり、2009年(7歳)、2010年(8歳)は1回も出走することはなかった。

2011年(9歳)、復帰戦となったアンタレスステークスではスタート直後に落馬し競走を中止。その後、東海ステークスに出走予定だったが右肩跛行で出走取消となった。帝王賞では中団から追走するが直線で伸び切れず5着に敗れた。休養後、11月3日のJBCクラシックに出走したが、スマートファルコンの6着に終わった。11月9日付けで競走馬登録を抹消し、函館競馬場誘導馬となる[3]。その後馬事公苑立命館大学馬術部を経て[4]、2014年12月からは功労馬繋養展示事業の助成を受け、高知県土佐黒潮牧場で過ごしている[5]

競走成績

編集
年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手
距離(馬場) タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2004 9. 12 札幌 2歳新馬 5 1 1 26.0 (5人) 3着 酒井学 54 芝1800m(良) 1:55.7 (36.1) 0.6 ヒードザコール
10. 10 京都 2歳未勝利 15 6 11 125.9 (11人) 11着 酒井学 55 芝1800m(良) 1:50.3 (36.9) 2.5 テイエムヒットベ
2005 4. 23 京都 3歳未勝利 14 7 11 98.4 (10人) 5着 松永幹夫 56 ダ1800m(良) 1:54.9 (37.6) 0.6 コスモアブソルート
5. 15 京都 3歳未勝利 14 5 8 8.3 (4人) 1着 松永幹夫 56 ダ1800m(良) 1:54.2 (36.8) -0.3 (ソウルサバイヴァー)
6. 18 函館 3歳上500万下 13 4 4 23.4 (7人) 1着 松永幹夫 54 ダ1700m(良) 1:45.8 (38.8) -0.7 (アサクサムスタング)
7. 10 函館 竜飛崎特別 1000万下 13 1 1 4.5 (3人) 4着 松永幹夫 54 ダ1700m(不) 1:44.7 (38.0) 0.3 マウントフォンテン
2006 1. 15 京都 4歳上1000万下 16 8 15 42.1 (9人) 2着 松永幹夫 56 ダ1800m(重) 1:50.4 (36.5) 0.2 ラッキーブレイク
2. 5 京都 4歳上1000万下 14 1 1 3.1 (1人) 2着 松永幹夫 56 ダ1800m(良) 1:51.7 (36.6) 0.2 アイファーフクオー
2. 26 阪神 4歳上1000万下 12 8 13 1.5 (1人) 1着 松永幹夫 56 ダ1800m(不) 1:52.5 (36.5) -0.6 ビッググラス
4. 1 中山 韓国馬事会杯 1600万下 14 5 7 3.9 (2人) 1着 柴田善臣 57 ダ1800m(良) 1:52.2 (37.0) -0.3 (ダンスウイザード)
4. 23 京都 アンタレスS GIII 16 7 14 15.1 (7人) 4着 柴田善臣 56 ダ1800m(良) 1:49.5 (35.3) 0.5 フィフティーワナー
6. 24 函館 大沼S OP 7 1 1 3.1 (2人) 1着 柴山雄一 56 ダ1700m(良) 1:44.5 (36.9) -0.5 (メテオバースト)
7. 16 函館 マリーンS OP 13 7 10 2.3 (1人) 2着 柴山雄一 56 ダ1700m(良) 1:45.5 (38.1) 0.5 トーセンブライト
10. 28 東京 武蔵野S GIII 16 5 9 14.9 (8人) 3着 吉田豊 56 ダ1600m(良) 1:35.6 (35.4) 0.3 シーキングザベスト
11. 25 東京 ジャパンCダート GI 15 8 15 15.4 (8人) 3着 吉田豊 57 ダ2100m(良) 2:08.9 (36.0) 0.4 アロンダイト
12. 24 阪神 ファイナルS OP 16 1 2 1.8 (1人) 4着 C.ルメール 56 ダ1800m(良) 1:51.8 (36.6) 0.1 エンシェントヒル
2007 1. 21 京都 平安S GIII 16 3 6 3.2 (1人) 6着 C.ルメール 56 ダ1800m(良) 1:51.3 (35.6) 0.3 メイショウトウコン
2. 18 東京 フェブラリーS GI 16 4 8 13.3 (6人) 5着 C.ルメール 57 ダ1600m(不) 1:35.6 (35.4) 0.8 サンライズバッカス
6. 23 函館 大沼S OP 11 8 10 3.5 (1人) 1着 横山典弘 57.5 ダ1700m(良) 1:45.3 (37.3) -0.2 (タガノサイクロン)
7. 15 函館 マリーンS OP 9 8 9 2.0 (1人) 1着 横山典弘 57 ダ1700m(良) 1:44.9 (36.5) -0.1 タガノゲルニカ
10. 27 東京 武蔵野S GIII 14 4 5 8.3 (3人) 4着 横山典弘 56 ダ1600m(不) 1:35.8 (34.8) 0.3 エイシンロンバード
11. 24 東京 ジャパンCダート GI 16 6 11 16.4 (6人) 2着 横山典弘 57 ダ2100m(良) 2:06.9 (36.5) 0.2 ヴァーミリアン
12. 24 名古屋 名古屋GP JpnII 12 7 10 1.6 (1人) 1着 横山典弘 56 ダ2500m(良) 2:41.0 (36.8) -0.3 ロングプライド
2008 1. 30 川崎 川崎記念 JpnI 10 1 1 1.8 (1人) 1着 横山典弘 57 ダ2100m(稍) 2:13.1 (36.4) -0.5 フリオーソ
2. 24 東京 フェブラリーS GI 16 2 4 5.0 (2人) - 横山典弘 57 ダ1600m(良) 競走中止 ヴァーミリアン
11. 3 園田 JBCクラシック JpnI 12 5 5 14.9 (5人) 5着 岩田康誠 57 ダ1870m(良) 1:58.3 (36.3) 1.7 ヴァーミリアン
11. 26 浦和 彩の国浦和記念 JpnII 11 4 4 2.6 (2人) 4着 横山典弘 58 ダ2000m(良) 2:06.3 (38.6) 1.5 スマートファルコン
2011 4. 24 京都 アンタレスS GIII 13 1 1 133.0 (12人) - 秋山真一郎 57 ダ1800m(重) 競走中止 ゴルトブリッツ
5. 22 京都 東海S GII 14 4 7 小林徹弥 58 ダ1900m(不) 出走取消 ワンダーアキュート
6. 29 大井 帝王賞 JpnI 11 2 2 127.4 (8人) 5着 酒井学 57 ダ2000m(良) 2:04.3 (37.0) 3.2 スマートファルコン
11. 3 大井 JBCクラシック JpnI 12 3 3 298.5 (9人) 6着 酒井学 57 ダ2000m(良) 2:05.7 (37.1) 3.6 スマートファルコン

血統表

編集
フィールドルージュ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ブラッシンググルーム系

*クロコルージュ
Croco Rouge 1995
鹿毛 アイルランド
父の父
Rainbow Quest 1981
鹿毛 アメリカ合衆国
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
I Will Follow Herbager
Where You Lead
父の母
Alligatrix 1980
鹿毛 アメリカ合衆国
Alleged Hoist the Flag
Princess Pout
Shore Round Table
Delta

メジロレーマー 1995
黒鹿毛 北海道伊達市
*リンドシェーバー
Lindo Shaver 1988
鹿毛 アメリカ合衆国
Alydar Raise a Native
Sweet Tooth
*ベーシイド
Bersid
Cool Moon
Polondra
母の母
メジロリベーラ 1990
黒鹿毛 北海道伊達市
シンボリルドルフ *パーソロン
スイートルナ
メジロラモーヌ *モガミ
メジロヒリュウ F-No.
母系(F-No.) アマゾンウォリアー系(FN:9-f) [§ 2]
5代内の近親交配 Raise a Native5×4、Nasrullah5・5(父内) [§ 3]
出典
  1. ^ [6]
  2. ^ [6]
  3. ^ [6]


脚注

編集
  1. ^ やっぱり萌えるわ!シゲルスダチ”. netkeiba.com. 2023年1月15日閲覧。
  2. ^ セレクションS出身馬「フィールドルージュ」が川崎記念(G1)制覇!”. 馬市.com (2008年1月31日). 2019年1月2日閲覧。
  3. ^ フィールドルージュの競走馬登録抹消について”. ラジオNIKKEI. 2022年4月23日閲覧。
  4. ^ 応援していた馬、携わった馬に会える喜び ―引退名馬繋養展示事業”. netkeiba.com. 2023年1月15日閲覧。
  5. ^ 引退名馬 - フィールドルージュ2015年2月27日閲覧
  6. ^ a b c 血統情報: 5代血統表|フィールドルージュ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年1月2日閲覧。

外部リンク

編集