ファイサラーバード

パキスタンの都市

ファイサラーバードパンジャーブ語ウルドゥー語: فیصل آباد‎; パンジャーブ語発音: [fɛːsə̆ləˌbäːd] フェーサラバード; ウルドゥー語発音: [fɛːsˈlɑˌbɑːd] フェースラバード; Faisalabad)は、パキスタンパンジャーブ州の都市。都市的地域人口は約400万人(2022年現在)で、同国の第3の都市となっている。[1][2]

ファイサラーバード
Faisalabad
فیصل آباد
パキスタンの旗
ファイサラーバードの市章
市章
位置
ファイサラーバードの位置(パキスタン内)
ファイサラーバード
ファイサラーバード
ファイサラーバード (パキスタン)
ファイサラーバードの位置(パンジャーブ州内)
ファイサラーバード
ファイサラーバード
ファイサラーバード (パンジャーブ州)
ファイサラーバードの位置(西南アジア内)
ファイサラーバード
ファイサラーバード
ファイサラーバード (西南アジア)
地図
座標 : 北緯31度24分38秒 東経73度5分19秒 / 北緯31.41056度 東経73.08861度 / 31.41056; 73.08861
行政
パキスタンの旗 パキスタン
  パンジャーブ州
 県 ファイサラーバード県
 市 ファイサラーバード
City Nazim Rana Zahid Tauseef
地理
面積  
  市域 906.5 km2
人口
人口 (2017年現在)
  市域 3,203,846人
    人口密度   2,500人/km2(6,500人/mi2
  都市圏 7,873,910人
その他
等時帯 パキスタン標準時 (UTC+5)
ナンバープレート 041
公式ウェブサイト : http://www.faisalabad.gov.pk/

概要

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植民地期の英国人官吏"Sir Charles James Lyall"の名前にちなみ、1979年まではライオールプル(Lyallpur)と呼ばれた。ファイサラバード、ハイサラーバードとも表記される場合もある。英領インドで最初に計画された都市の1つである。[3][4][5]:8 [6]

地名の由来

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英領インド時代、旧称のライオールプルはパンジャーブ州知事のen:James Broadwood Lyall中尉に因んで付けられた。彼はシェナブ川下流を植民地にした。 [7] [8] 「プル」は古代サンスクリット語で「都市」を表す。 [9] 1970年代後半、パキスタン政府はライオールプルから「ファイサラーバード」(ファイサルの都市)に改名した。パキスタンに経済援助を行ったサウジアラビアファイサル王に因んでいる。 [10]

地理

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地形

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河川

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主な川

気候

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Faisalabadの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 19.4
(66.9)
22.4
(72.3)
27.3
(81.1)
33.8
(92.8)
38.9
(102)
40.7
(105.3)
37.3
(99.1)
36.3
(97.3)
36
(97)
33.6
(92.5)
27.5
(81.5)
21.8
(71.2)
31.25
(88.25)
日平均気温 °C°F 11.9
(53.4)
14.9
(58.8)
19.9
(67.8)
25.9
(78.6)
31.1
(88)
34
(93)
32.3
(90.1)
31.6
(88.9)
30.1
(86.2)
25.6
(78.1)
18.9
(66)
13.7
(56.7)
24.16
(75.47)
平均最低気温 °C°F 4.4
(39.9)
7.4
(45.3)
12.6
(54.7)
18.1
(64.6)
23.3
(73.9)
27.4
(81.3)
27.4
(81.3)
26.9
(80.4)
24.2
(75.6)
17.6
(63.7)
10.4
(50.7)
5.7
(42.3)
17.12
(62.81)
降水量 mm (inch) 14
(0.55)
15
(0.59)
21
(0.83)
14
(0.55)
13
(0.51)
26
(1.02)
102
(4.02)
91
(3.58)
33
(1.3)
6
(0.24)
3
(0.12)
8
(0.31)
346
(13.62)
出典:Climate-Data.org, altitude: 188m[11]

歴史

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英領インド政府が最初の大学を建てた。パンジャーブ州知事のLouis Dane中尉が礎石を設置した。(1906年) [12]
ムハンマド・アリー・ジンナーの歴史的スピーチ。(1943年頃)
現在も続く農業大学の産業展示。(1949年頃)

植民地時代以前

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18世紀、当時森だったファイサラーバードには部族が住んでいた。ジャングサンダルバル周辺から入植が始まったと農業大学は考えている。 [13]

英領インド時代

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パンジャーブ州の地図(1909年頃)

1858年ムガル帝国が崩壊した。地域単位での独立運動も起きたが、1858年インド政府法によって英領インドが直接支配するようになった。 [14]

1880年、イギリス植民地司令官のPoham Youngが現在のファイサラーバード周辺に新しい都市を造る事を提案した。ライオール州知事が賛同し、ライオールプルの建設が始まった。

ヤングはユニオンジャックを模して、中心の時計塔から8本の道路が延びる構造を計画した。 [15] [16] 8本の道路はそれぞれ異なる市場通りを、パンジャーブ州の他の地域に伸びる。 [17] [18]

1892年、ライオールプルに鉄道が通った。 [19]

1895年ワズィーラーバードと鉄道で繋がった。 [15]

1896年グジュラーンワーラージャングサヒワル・ライオールプルはジャング地区に組み込まれた。 [8] [20]

1906年、農業大学が設置された。 [21]

1909年、町から市に昇格した。ライオールプルは小麦粉の集積地に成長した。 [22]

1930年代、繊維と食料加工、粒子破砕、化学産業が発達した。 [7]

独立

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1947年8月、30年に渡る民族主義闘争を経て、インドとパキスタンは独立した。イギリスインド・パキスタン分離独立を認めた事で、ムスリムが多数派のパキスタンとヒンドゥー教徒が多数派のインドに分かれた。しかし実際は、政府が把握していた以上のムスリムがインドに残った。 [23] 分離によって、人類史最大の推定1000万人の大量移住が行われた。 [23] ベンガル地方東パキスタン西ベンガル州に分かれた。また、パンジャーブ地方は西部のパンジャーブ州 (パキスタン)と東部のパンジャーブ州 (インド)に分かれた。英印軍インド高等文官を始めとする様々な行政組織、財産、鉄道が分割された。 [24] イギリス軍の撤退に伴って暴動が頻発し、約100万人の市民が殺害された。特にパンジャーブ地方西部に集中していた。 [23] ライオールプルのヒンドゥー教徒シク教徒はインドに移住し、代わりにインドからムスリムが入植して来た。 [24]

1977年、ファイサラーバードに改名された。 [25]

1980年代、海外投資が増加した。 [26] [27]

1985年、ファイサラーバード地区に昇格した。 [13]

対外関係

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姉妹都市・提携都市

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経済

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パキスタンのGDPに20%以上を生産する事から、「パキスタンのマンチェスター」と呼ばれる。[28][29][30] 市のGDPの21%は農業から来ている。[5]:41 重過リン酸石灰(3Ca(H2PO4)2)、綿・絹繊維、靴下染料化学工業、飲料、衣服、製紙業、印刷業、農業機械、ギーが盛んである。[31]

第一次産業

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農業

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郊外にはシェナブ川が創った低地が広がる。綿小麦砂糖黍野菜果物が生産されている。

第二次産業

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工業

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産業団地には鉄道修理工場や砂糖小麦粉植物油の工場が有る。

第三次産業

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貿易

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大規模な陸上港[5]:25ファイサラーバード国際空港を持つ。[5]:26

教育・研究機関

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大学

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地域学校

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研究所

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  • アユブ農業研究機関[5]:13

文化・名物

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スポーツ

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en:Iqbal Stadiumを拠点とするクリケットチームのen:Faisalabad Wolvesも存在する。 [32] ホッケースヌーカーでは世界水準のチームも存在する。 [33] [34]

関連項目

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脚注

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  1. ^ Demographia World Urban Areas 18th annul”. 2022年10月23日閲覧。
  2. ^ The Faisalabad Serena Hotel”. Serena Hotels. 2014年8月22日閲覧。
  3. ^ gcuf.edu.pk/about/the-city-faisalabad/ The City Faisalabad
  4. ^ Urban Management Initiatives in Pakistan (PDF). Pakistan Research Repository, Influence of the Development Plan on City Growth (Report). Pakistan Higher Education Commission. pp. 84–85. 2016年1月19日閲覧
  5. ^ a b c d e Ghulam Mustafa (2009). Regional Profile, Faisalabad (PDF) (Report). University of Agriculture, Faisalabad.
  6. ^ The City Pakistan, Profile by Government College University
  7. ^ a b Integrated Slums Development Programme (ISDP) (March 2001). Faisalabad CITY PROFILE and SELECTION OF WARDS. http://www.asb.org.pk/faisalabadprofile.doc 2015年7月8日閲覧。. 
  8. ^ a b History of Faisalabad”. Punjab Portal. 2015年12月3日閲覧。
  9. ^ http://spokensanskrit.de/index.php?tinput=pur&script=&direction=SE&link=yes Translation of the word, Pur
  10. ^ A HISTROTY OF FAISALABAD CITY (sic)”. The Faisalabad Chamber of Commerce & Industry. 2015年7月8日閲覧。
  11. ^ Climate: Faisalabad - Climate graph, Temperature graph, Climate table”. Climate-Data.org. 2014年5月6日閲覧。
  12. ^ http://uaf.edu.pk/faculties/agri/agri_history.html Faculty of Agriculture – History
  13. ^ a b City of Faisalabad”. The University of Faisalabad. 2015年12月4日閲覧。
  14. ^ An Advanced History of Modern India By Sailendra Nath Sen, p. Introduction 14
  15. ^ a b Brief History of Faisalabad”. District Court Faisalabad. 2015年12月3日閲覧。
  16. ^ Nicolls, Bruce. “The Union Jack or The Union Flag?”. The Flag Institute. 2015年12月3日閲覧。
  17. ^ Integrated Slums Development Programme (ISDP): Faisaabad
  18. ^ City of Faisalabad”. The University of Faisalabad. 2015年12月3日閲覧。
  19. ^ Dan Bogart, Latika Chaudhry (August 2011). “Railways in Colonial India: An Economic Achievement?”. Social Sciences. University of California-Irvine. p. 2. 2015年12月3日閲覧。
  20. ^ Imperial Gazetteer of India. 2. Superintendent of Government Printing. (1908). pp. 220–223. https://books.google.com/books?id=sTS2AAAAIAAJ&lpg=PA220&ots=uP3iMrWWND&dq=1906%20the%20new%20district%20of%20Lyallpur&pg=PA220#v=onepage&q=1906%20the%20new%20district%20of%20Lyallpur&f=false. 
  21. ^ http://www.uaf.edu.pk/ The University of Agriculture
  22. ^ Nausheen Anwar (2014). Infrastructure Redux: Crisis, Progress in Industrial Pakistan & Beyond. Pakistan: Palgrave Macmillan. p. 119. ISBN 9781137448187. https://books.google.com/books?id=fNUaBgAAQBAJ&pg=PT119&lpg=PT119&dq=1930s+in+Faisalabad&source=bl&ots=7hSJQy74oF&sig=8tjnDwWFLEehobh2AXw5_9V6fkc&hl=en&sa=X&ved=0ahUKEwi3zqrNxMDJAhVrzIMKHYTBAGAQ6AEIKTAC#v=onepage&q=1930s%20in%20Faisalabad&f=false 
  23. ^ a b c Crispin Bates, Phd (2011年3月3日). “The Hidden Story of Partition and its Legacies”. British History. BBC. 2015年12月4日閲覧。
  24. ^ a b Yasmin Khan (2007). The Great Partition: The Making of India and Pakistan. Yale University Press. ISBN 9780300120783. http://yalepress.yale.edu/book.asp?isbn=9780300120783 
  25. ^ Shahid Javed Burki (2015). Historical Dictionary of Pakistan. Rowman & Littlefield. pp. 196. ISBN 9781442241480. https://books.google.com/books?id=rk-sBwAAQBAJ&pg=PA196&lpg=PA196&dq=faisalabad+named+after&source=bl&ots=-JcvyhItEl&sig=SwLeb6aagslZMSBQZc006MDxJEs&hl=en&sa=X&ved=0ahUKEwjMuvPev8LJAhUHYiYKHT3QBrw4ChDoAQgsMAM#v=onepage&q=faisalabad%20named%20after&f=false 
  26. ^ Business ties: Faisalabad encourages Turkish investment
  27. ^ The History of Faisalabad
  28. ^ http://uaf.edu.pk/downloads/2nd_path/Brochure_SSFS_2015.pdf 2015 International Year of Soils
  29. ^ Jaffrelot, Christophe (2002). Pakistan: Nationalism Without A Nation. Zed Books. p. 57. ISBN 9781842771174. https://books.google.com/books?id=I2avL3aZzSEC&pg=PA57 
  30. ^ Lloyd's City Risk Index”. 2015–2025 Risk Index Research by Loyd's and the Cambridge Centre for Risk Studies. University of Cambridge Judge Business School. 2015年11月29日閲覧。
  31. ^ http://www.fcci.com.pk/the-faisalabad-chamber-of-commerce-industry.html History of the FCCI
  32. ^ http://www.espncricinfo.com/pakistan/content/ground/58927.html Iqbal Stadium stats
  33. ^ http://www.thenewstribe.com/2015/04/30/pakistani-cueist-hamza-akbar-wins-asian-snooker-championship/ Pakistani cueist Hamza Akbar wins Asian Snooker Championship
  34. ^ http://www.pakistantoday.com.pk/2012/11/08/sports/punjab-international-sports-festival-begins/

外部リンク

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座標: 北緯31度24分38秒 東経73度5分19秒 / 北緯31.41056度 東経73.08861度 / 31.41056; 73.08861