ピュー文字(ピューもじ)は、ピュー語の表記に用いられたブラーフミー系文字。左から右へ書かれるアブギダである。

ピュー文字
ハリンジー出土の碑文
類型: アブギダ
言語: ピュー語
時期: 5世紀-12世紀
親の文字体系:
ブラーフミー文字
  • カダンバ文字
    • ピュー文字
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概要

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ピュー文字は5世紀からミャンマー北部で発達した[1]

ピュー文字の刻文は、ピューの遺跡であるタイェーキッタヤー英語版(シュリークシェートラ)、ハリンジー英語版、マインモー、チャイカター附近などから発見されている。文字は南インドのカダンバ文字(カダンバ朝英語版時代の古いカンナダ文字)に似ている。一部は縁起法頌などが書かれていることは判明しているが、ピュー語自体について不明な点が多いため、大部分は解読されていない[2]

ピューは9世紀には衰退したが、12世紀はじめのミャゼディ碑文パーリ語ビルマ語モン語とともにピュー語で記されており、衰退後もピュー語が重要な言語であったことがわかる。1911年にこの碑文をもとにピュー語の最初の解読が行われた[3]

Unicode

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ピュー文字はUnicodeには含まれていないが、追加多言語面に追加する予定がある[1][4]

脚注

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  1. ^ a b Anshuman Pandey (2010-08-05), Preliminary Code Chart and Names List for the Pyu Script, Unicode Inc., https://www.unicode.org/L2/L2010/10295-pyu-chart.pdf 
  2. ^ 伊東利勝 著「イラワジ川の世界」、石井米雄; 桜井由躬 編『東南アジア史 I 大陸部』山川出版社、1999年、116頁。ISBN 4634413507 
  3. ^ PYU, Fact and Details, http://factsanddetails.com/southeast-asia/Myanmar/sub5_5a/entry-2996.html 
  4. ^ Roadmap to the SMP, Unicode Inc., https://www.unicode.org/roadmaps/smp/ 

外部リンク

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