パオロ・ヴィルズィ(Paolo Virzì, 1964年3月4日 - )はイタリア映画監督脚本家プロデューサー

パオロ・ヴィルズィ
Paolo Virzì
Paolo Virzì
生年月日 (1964-03-04) 1964年3月4日(60歳)
出生地 イタリアの旗 イタリア リヴォルノ
職業 映画監督脚本家プロデューサー
ジャンル 映画
受賞
ヴェネツィア国際映画祭
審査員特別賞
1997年Ovosodo
パシネッティ賞
2022年乾いたローマ
その他の賞
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略歴

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リヴォルノ生まれ[1]

イタリア国立映画実験センターの脚本コースで学び、1987年に卒業する[2][3]

1994年、『La bella vita』を発表し、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞ナストロ・ダルジェント賞、チャック・ドーロ賞で新人監督賞を受賞する。

1996年ティレニア海に浮かぶヴェントテーネ島の別荘を舞台にインテリ集団と成金集団が巻き起こす騒動を描いた『Ferie d'agosto』を発表し、第41回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞にて作品賞を受賞する。

1997年、故郷リヴォルノを舞台とした自伝的長編『Ovosodo』を発表し、第54回ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞を獲得する。

2003年、田舎暮らしに嫌気がさしたインテリの父親の思いつきでローマに引っ越してきた13歳の少女の学校生活を描く『カテリーナ、都会へ行く』を発表。主演のアリーチェ・テギルがイタリア・ゴールデングローブ賞で新人俳優に贈られるグリエルモ・ビラーギ賞を受賞したほか、マルゲリータ・ブイ第49回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演女優賞を獲得した。

2006年ストレーガ賞受賞作であるエルネスト・フェッレーロの小説『N.』を原作とする歴史劇コメディ『ナポレオンの愛人』を発表する。

2008年、ミケーラ・ムルジアの小説『Il mondo deve sapere』を原作とするブラックコメディ『見わたすかぎり人生』を発表し、ナストロ・ダルジェント賞、イタリア・ゴールデングローブ賞、チャック・ドーロ賞で作品賞を受賞するなど、高く評価される。

2010年、再び故郷リヴォルノを舞台とした自伝的作品『はじめての大切なもの』が第55回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多18のノミネートを獲得し、脚本賞主演女優賞ミカエラ・ラマッツォッティ)、主演男優賞ヴァレリオ・マスタンドレア)を受賞する。同作は第83回アカデミー賞国際長編映画賞部門にイタリア代表作品として出品されたが、ノミネートには至らなかった。

2012年、シモーネ・レンツィの小説『La generazione』を原作とし、ルカ・マリネッリとシンガーソングライターのトニーを主演に起用した『来る日も来る日も』を発表。また、リッチ・ムーア監督によるディズニー製作アニメ『シュガー・ラッシュ』のイタリア語吹替版でサワー・ビルの吹替を担当した[4]

2013年トリノ映画祭の芸術監督に就任する[5]

2014年アメリカの小説家スティーヴン・アミドンの小説『Human Capital』を原作とするミステリー『人間の値打ち』を発表。同作は第59回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞にて最多19のノミネートを獲得し、作品賞を含む7部門で受賞した。また、第87回アカデミー賞国際長編映画賞部門にイタリア代表作品として出品されたが、ノミネートには至らなかった。

2016年、精神疾患を抱える二人の女性の診療施設からの脱走劇を描いた『歓びのトスカーナ』を発表。同作は第69回カンヌ国際映画祭監督週間にて上映されたほか、第62回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞作品賞監督賞主演女優賞ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)を受賞した。また、同年、ドナルド・サザーランドヘレン・ミレンを主演に迎えた初の英語作品『ロング,ロングバケーション』が第74回ヴェネツィア国際映画祭でコンペティション部門に選出された。

私生活

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1989年、俳優のパオラ・ティツィアーナ・クルチャーニとの間に一子をもうける。

2009年、俳優のミカエラ・ラマッツォッティと結婚。その後、二子をもうける[6]

フィルモグラフィー

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公開年 邦題

原題

クレジット 備考
監督 脚本 原案
1989 Tempo di uccidere Yes
1990 Turné Yes
1991 Condominio Yes
1992 Donne sottotetto (Centro storico) Yes
1994 CSOA - Massimo rispetto Yes ドキュメンタリー
La bella vita Yes Yes
1996 Ferie d'agosto Yes Yes Yes
Roma Ovest 143 Yes オムニバス映画『Intolerance』に収録
Cuba libre - Velocipedi ai tropici Yes
1997 Ovosodo Yes Yes Yes
1999 キス&ハグ
Baci e abbracci
Yes Yes Yes
Provino d'ammissione Yes 短編
2001 La strana coppia. Incontro con Age e Scarpelli Yes ドキュメンタリー
2002 My Name Is Tanino Yes Yes Yes
Nemmeno in un sogno Yes
2003 カテリーナ、都会へ行く
Caterina va in città
Yes Yes Yes イタリア映画祭2004にて上映[7]
2004 Professionismo Yes オムニバス映画『Giovani talenti italiani』に収録
2006 ナポレオンの愛人
N - Io e Napoleone
Yes Yes
4-4-2 - Il gioco più bello del mondo Yes
L'estate del mio primo bacio Yes
2008 見わたすかぎり人生
Tutta la vita davanti
Yes Yes Yes
2009 L'uomo che aveva picchiato la testa Yes ドキュメンタリー
2010 はじめての大切なもの
La prima cosa bella
Yes Yes イタリア映画祭2011にて上映[8]
2012 来る日も来る日も
Tutti i santi giorni
Yes Yes イタリア映画祭2013にて上映[9]
シュガー・ラッシュ
Wreck-It Ralph
声の出演(イタリア語吹替)
2014 人間の値打ち
Il capitale umano
Yes Yes
2016 歓びのトスカーナ
La pazza gioia
Yes Yes Yes
2017 ロング,ロングバケーション
Ella & John - The Leisure Seeker
Yes Yes
2018 Notti magiche Yes Yes Yes
2019 Vivere Yes
2020 Tolo Tolo Yes
2022 乾いたローマ
Siccità
Yes Yes Yes イタリア映画祭2023にて上映[10]


主な受賞とノミネート

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  • チャック・ドーロ賞
    • 1995年 - 新人監督賞(『La bella vita』)
    • 1998年 - 脚本賞(『Ovosodo』)
    • 2004年 - 脚本賞(『カテリーナ、都会へ行く』)
    • 2008年 - 監督賞(『見わたすかぎり人生』)
    • 2010年 - 脚本賞(『はじめての大切なもの』)
    • 2014年 - 監督賞(『人間の値打ち』)
    • 2014年 - 脚本賞(『人間の値打ち』)
    • 2022年 - ノミネート:監督賞(『乾いたローマ』)
  • イタリア・ゴールデングローブ賞
    • 2008年 - 作品賞(『見わたすかぎり人生』)
    • 2014年 - 作品賞(『人間の値打ち』)
    • 2017年 - 脚本賞(『歓びのトスカーナ』)

脚注

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  1. ^ Paolo Virzì” (英語). IMDb. 2023年5月31日閲覧。
  2. ^ Tarquini, Silvia (2023年2月14日). “Masterclass di Paolo Virzì per gli allievi della Scuola Nazionale di Cinema” (イタリア語). Centro Sperimentale di Cinematografia. 2023年5月31日閲覧。
  3. ^ 映画『ロング,ロングバケーション』公式サイト”. 映画『ロング,ロングバケーション』公式サイト. 2023年5月31日閲覧。
  4. ^ Paolo virzÌ: voce d’eccezione in ralph spaccatutto”. Film4Life. 2023年6月1日閲覧。
  5. ^ Lyman, Eric (2013年12月12日). “Turin Film Festival: Paolo Virzi to Return as Artistic Director” (英語). The Hollywood Reporter. 2023年5月31日閲覧。
  6. ^ Paolo Virzì” (英語). IMDb. 2023年5月31日閲覧。
  7. ^ イタリア映画祭2004~作品紹介”. www.asahi.com. 2023年5月31日閲覧。
  8. ^ asahi.com : 朝日新聞社 - 「イタリア映画祭2011」 - 作品情報”. www.asahi.com. 2023年5月31日閲覧。
  9. ^ イタリア映画祭2013”. 朝日新聞社. 2023年5月31日閲覧。
  10. ^ イタリア映画祭2023”. 朝日新聞デジタル. 2023年5月31日閲覧。

外部リンク

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