ハクホークイン
ハクホークインは日本の競走馬である。1986年から1992年にかけて、おもに浦和競馬場を中心に出走していた。南関東公営競馬の4競馬場で通算161戦したが、引退するまでついに1勝もすることができなかった(2着8回、3着13回、4着17回、5着20回)。この161連敗は長らく地方競馬の最多連敗記録であった。
ハクホークイン | |
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品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 栗毛 |
生誕 | 1984年5月28日 |
死没 | 不明(1994年12月用途変更) |
父 | ハクホオショウ |
母 | ランダムクイン |
生国 | 日本(北海道浦河町) |
生産者 | 針生平吉 |
馬主 |
岩崎僖澄 →桃井正男 →栗原清子 |
調教師 |
佐藤忠一(船橋) →金澤秀行(船橋) →川崎金蔵(浦和) →冨田藤男(浦和) |
競走成績 | |
生涯成績 | 161戦0勝 |
獲得賞金 | 1725万8000円 |
161連敗の背景
編集1986年10月に船橋競馬場の佐藤忠一厩舎でデビューしたハクホークインは、その後2つの厩舎を経て浦和の冨田藤男厩舎に移籍し、1988年3月頃から1992年の引退まで在籍した。
冨田厩舎は頑健な馬を集め、多くの出走によって出走手当を確実に稼ぐという経営方針をとっていた[1]ため、概して所属馬の成績を見れば、まずとにかく出走回数が非常に多いという傾向があった。また、南関東公営競馬では出走レースを決める格付け制度の基準は総賞金と馬齢の組み合わせであり、勝ちきれないハクホークインでも入着賞金を積み重ねて通算で1725万の総賞金を稼ぎ、最終的な格付けも最下級のC3級ではなくC1級であった。
161連敗はこの様なことが要因となって作り出された記録であり、単なる最弱馬ではなく、頑健な馬が多出走の傾向の厩舎で約4年にわたり無事に走り続けた結果といえる。
その他
編集ハクホークインは勝つことなく引退したが、冨田の意向で[2]繁殖牝馬となり、2頭の牡馬を産んだ。長男のハクホーウインは未勝利に終わった[3]が、次男のハクホーキングが1997年2月24日に浦和競馬場で勝利[3]し、親の無念を晴らす形になった。
2003年に高知競馬場でハルウララが連敗記録で注目されると、当時の連敗記録1位だったハクホークインが再注目された[1]。
2008年6月16日、同じく161連敗中であったエリザベスクィーンが姫路競馬にて出走、2着となり連敗記録を162にし、中央・地方競馬を通じた最多連敗記録を16年ぶりに更新することとなった[4]。同馬の記録は同年7月29日に初勝利したことで165で止まった[5]が、2010年2月25日に園田競馬に出走したカンムリホルダーが連敗記録を166としたことで更新されている[6]。カンムリホルダーは179連敗まで記録を伸ばして引退した[6][7]。最長連敗記録はその後、マイネアトリーチェ(通算192連敗[8])、ダンスセイバー(2020年10月時点で200連敗[9]、最終的には通算229連敗で引退[10])に更新されている。
血統表
編集ハクホークインの血統(ボワルセル系 / Nearco 5×4=9.38%, Harina、Primero 5×4=9.38%、Asterus 5×5=6.25%、Pharos 5×5=6.25%、Blandford 5×5=6.25% | (血統表の出典) | |||
父 ハクホオショウ 1969年 鹿毛 |
父の父 * Hindostan1946 黒鹿毛 |
Bois Roussel | Vatout | |
Plucky Liege | ||||
Sonibai | Solario | |||
Udaipur | ||||
父の母 * Stella Paradalis1957 栗毛 |
Pardal | Pharis | ||
Adargatis | ||||
Andromeda | Stardust | |||
Neocracy | ||||
母 ランダムクイン 1977 鹿毛 |
* Fidalgo 1956 鹿毛 |
Arctic Star | Nearco | |
Jock | ||||
Miss France | Nafah | |||
第四バツカナムビユーチー | ||||
母の母 レデイキャサリン1972 鹿毛 |
ハクリョウ | * Primero | ||
第四バツカナムビユーチー | ||||
ローヤルダッシュ | トキノチカラ | |||
第弐フライアースメードン F-No.3-m |
脚注
編集- ^ a b 田中哲実 (2003年12月16日). “161戦0勝、ハクホークイン”. 生産地便り. netkeiba.com. 2017年7月5日閲覧。
- ^ a b 中川純 (1996年3月8日). “連載 競馬ナウ(33) 161戦未勝利のハクホークイン 初子がデビューへ” (日本語). 日刊スポーツ: p. 18
- ^ a b c “【浦和競馬】4世代目の初白星 ハクホーキング” (日本語). スポーツニッポン: p. 18. (1997年2月25日)
- ^ “エリザベスクィーンやったぞ?!162連敗”. 日刊スポーツ (2008年6月17日). 2015年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月12日閲覧。
- ^ “エリザベスクィーン(兵庫)が初勝利”. keiba.go.jp. 地方競馬全国協会 (2008年7月29日). 2016年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月25日閲覧。
- ^ a b “最多179連敗目で引退…乗馬用として余生”. YOMIURI ONLINE. 読売新聞 (2010年10月12日). 2010年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月25日閲覧。
- ^ “カンムリホルダー”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2017年7月5日閲覧。
- ^ 島田明宏 (2017年6月10日). “連敗記録”. 熱視線. netkeiba.com. 2017年7月5日閲覧。
- ^ “【地方競馬】北海道のダンスセイバーが200連敗”. netkeiba.com (2020年10月20日). 2021年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月25日閲覧。
- ^ “ダンスセイバー”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年4月15日閲覧。