ナイティア(学名:Knightia)は、ニシン目ニシン科に属する絶滅した硬骨魚類の一つである。始新世に北アメリカやアジアの河川や淡水湖に生息した。1907年にデイビッド・スター・ジョーダンによって記載され、属名は「ロッキー山脈の古生物学における不撓不屈の学者」と呼ばれるワイオミング大学教授ウィルバー・クリントン・ナイトへの献名である[1]。ワイオミング州の州の化石に指定されており[2]、世界で最も一般的に発掘される化石魚類である[3]

ナイティア
生息年代: ヤプレシアン
Knightia alta の標本
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ニシン目 Clupeiformes
: ニシン科 Clupeidae
亜科 : Pellonulinae
: ナイティア Knightia Jordan1907
シノニム
  • Clupea alta
    (Leidy, 1873)
  • Clupea eocaena Jordan, 1907
  • K. alta
    (Leidy, 1873)
  • "K. bohaiensis"
  • K. branneri
  • K. eocaena Jordan 1907
  • K. humulus
  • K. irregularis Longstaff, 1933
  • K. vetusta Grande, 1982
  • "?K. yuyanga"

ニシンなどと同じ科に属する。Knightia altaKnightia eocaena は元々ニシン属として記載されていた。

現在のニシン科の魚類と同様に、藻類珪藻、昆虫、ときには小型の魚類を摂食していた可能性が高い[4]

形態

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背腹双方の正中線上に稜鱗の列を持つ、"double-armored herring"と呼ばれる形態的特徴を有する。多くの鱗と小型の円錐形の歯が備わっていた。体の大きさは種によって様々である。Knightia eocaena は最大の種であり、大半の標本は全長15センチメートル以下であるものの、25センチメートルに達する個体もいた[5]Knightia alta は幅広で全長が短く、標本は平均6 - 10センチメートルである[5]

捕食者

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群れを作る小型魚類であり、より大型の始新世の捕食者の主要な餌となっていた。グリーンリバー累層からは顎や腹部にナイティアを含んだ、ディプロミストゥスレピソステウスアンフィプラガミオプロススファレオドゥスアミアなどの大型魚類の化石が豊富に発見されている[4]

ギャラリー

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ワイオミング州グリーンリバー層から産出した Knightia eocaena
Fossil Butte National Monument から産出した、化石化した Knightia eocaena を含む岩盤
Knightia sp. のイラスト
ワイオミング州グリーンリバー層から産出した化石

出典

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  1. ^ Jordan, D. S. 1907. "The fossil fishes of California; with supplementary notes on other species of extinct fishes". Bulletin Department of Geology, University of California 5:136
  2. ^ Archived copy”. 2011年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月22日閲覧。
  3. ^ Kelley, Patricia H.; Kowalewski, Michał; Hansen, Thor A. (2003). Predator-prey interactions in the fossil record. ISBN 0-306-47489-1 
  4. ^ a b Grande, L. 1980. The paleontology of the Green River Formation, with a review of the fish fauna. Wyoming Geol. Surv., Bull. 63, pp. 85.
  5. ^ a b Grande, Lance (June 7, 1982). “A Revision of the Fossil Genus †Knightia, With a Description of a New Genus From the Green River Formation (Teleostei, Clupeidae)”. American Museum Novitates. ISSN 0003-0082. OCLC 47720325. https://hdl.handle.net/2246/5307 2022年5月18日閲覧。.