ド・ロンシャン点
ド・ロンシャン点(ド・ロンシャンてん、英語: de Longchamps Point)は、幾何学用語のひとつ。三角形の外心に対して、垂心と対称な点のこと[1][2][3]。また、反中点三角形の垂心と定義することもできる[4]。フランスの数学者、Gaston Albert Gohierre de Longchamps(英語版)に因み名づけられた。
性質
編集- 外心に対して垂心と対称の位置にある。即ち、この点はオイラー線上にある。
- 中心をBC,CA,ABの中点とし、それぞれA,B,Cを通る円の根円(ド・ロンシャン円)の中心(根心)である[4]。ド・ロンシャンの論文では、これを定義としている。
- それぞれA,B,Cを通るBC,CA,ABの平行線と外接円の交点を通る、BC,CA,ABの垂線はド・ロンシャン点で交わる[5]。
- 内心とジェルゴンヌ点を結ぶ直線(ソディ線)上にある[6]。
- GEOS円上にある。
- 4面が合同な四面体において、1つの頂点から対面に下ろした垂線はド・ロンシャン点を通る。
- AL2-BC2=BL2-CA2=CL2-AB2が成り立つ。
- 九点円と同心で、外接円半径の3/2の半径を持つ円をシュタイナー円(Steiner circle)という。外接円とシュタイナー円の相似中心の一つはド・ロンシャン点である。
- クラーク・キンバリングの「Encyclopedia of Triangle Centers」ではX20として登録されており、重心座標は以下の式で表される[7]。
- ダルブ―三次曲線の「Pivot Point」である。
脚注
編集- ^ Altshiller-Court, Nathan (1926). “On the De Longchamps Circle of the Triangle”. The American Mathematical Monthly 33 (7): 368–375. doi:10.2307/2298644. ISSN 0002-9890 .
- ^ (French) Journal de mathématiques élémentaires [et spéciales.]. University of Michigan. C. Delagrave. (1886)
- ^ Coxeter, H. S. M. (1995-09-01). “Some applications of trilinear coordinates”. Linear Algebra and its Applications 226-228: 375–388. doi:10.1016/0024-3795(95)00169-R. ISSN 0024-3795 .
- ^ a b Weisstein, Eric W.. “de Longchamps Point” (英語). mathworld.wolfram.com. 2024年3月30日閲覧。
- ^ 一松信,畔柳和生『重心座標による幾何学』現代数学社、9/12、86頁。
- ^ Vandeghen, A. (1964). “Soddy's Circles and the De Longchamps Point of a Triangle”. The American Mathematical Monthly 71 (2): 176–179. doi:10.2307/2311750. ISSN 0002-9890 .
- ^ “ENCYCLOPEDIA OF TRIANGLE CENTERS X(20)”. faculty.evansville.edu. 2024年3月30日閲覧。
関連項目
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