トヨタ・キャバリエ
キャバリエ(英:Cavalier)は、トヨタ自動車で1996年から2000年にかけて販売された、Dセグメント[注釈 1]に属していた4ドアセダン、および2ドアクーペである。
トヨタ・キャバリエ TJG00型 | |
---|---|
1996年発売型 セダン | |
1996年発売型 クーペ | |
概要 | |
別名 | シボレー・キャバリエ |
製造国 | アメリカ合衆国 |
販売期間 | 1996年1月 - 2000年12月[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ |
4ドアセダン 2ドアクーペ |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | T2型 2,392 cc 直列4気筒DOHC |
最高出力 | 110 kW (150 PS) / 6000 rpm |
最大トルク | 216 N・m (22.1 kg・m) / 4400 rpm |
変速機 | 4速AT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後:トレーリングアーム |
後 |
前:マクファーソンストラット 後:トレーリングアーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,645 mm |
全長 |
4,600 mm(クーペ) 4,595 mm(セダン) |
全幅 |
1,740 mm(クーペ) 1,735 mm(セダン) |
全高 |
1,355 mm(クーペ) 1,395 mm(セダン) |
車両重量 |
1,290 - 1,310 kg(クーペ) 1,300 kg(セダン) |
その他 | |
トレッド |
前:1,460 mm 後:1,440 mm |
最小回転半径 | 5.5 m |
系譜 | |
先代 | (なし) |
後継 | (なし) |
概要
編集1996年1月から販売が開始された。キャバリエは、当時日本とアメリカ合衆国の間で課題とされていた自動車の輸出過多による貿易摩擦の緩和を図るべく、すでに1995年に販売されていたシボレー・キャバリエをベースに、ステアリングやウインカーレバーの右側移設化といった仕様変更を施したバッジエンジニアリングモデルで、ゼネラルモーターズから輸入する形でOEM供給を受けていた[2]。
仕様変更を施すにあたってはトヨタ自動車の技術協力がなされており、Dセグメントの輸入車としては異例の低価格戦略や当時同車のCMキャラクターを務めていた所ジョージプロデュースによる特別仕様車の設定などで一時話題となった[2]。なお所は愛犬のインディと共演していた。
純正AM/FMカセットステレオはシボレー・キャバリエのものをそのまま採用したため、トヨタ車として見れば異例の時計表示機能付きステレオであり、オプションで蛍光管式デジタルクロックを選ぶことも出来ない。したがって、社外品のオーディオやナビを取り付ける場合、トヨタ車用のオーディオ変換コードは使えない。
年間販売目標台数の2万台に対し、1996年以降の累計販売台数は3万6228台にとどまるなど販売は思うように振るわず、2000年には当初予定していた5年間の販売計画を前倒しして、同年4月12日を以って日本への輸入そのものが終了した[3]。販売期間中の新車登録台数の累計は3万7310台[4]。
当時のトヨタ店セダンラインアップを考えると、Cセグメント/Dセグメントセダンはすでに飽和状態[注釈 2]で、クーペ[注釈 3]ともども元から居場所がなかったと言える。価格、ローカライズ、販売力、整備体制、広報とこれだけの環境を揃えても、「良くできた平凡」「優れた中庸」という控え目ながら優れた日本車に馴れた消費者には全く受け入れられなかったといえる。
なお、同車の日本国への輸入打ち切り後も、アメリカ合衆国では2005年まで販売が続けられていた。
KRAFTによって1998~1999年のJGTC(全日本GT選手権)のGT300クラスにも参戦。エンジンは自然吸気の2リッター直4である3S-GE(最大295馬力)で、駆動形式はFFのまま耐久でどこまで戦えるか、という挑戦であった[5]。結果、1998年第5戦富士の4位が最高位となった。
-
1999年改良型 クーペ フロント
-
1999年改良型 クーペ リア
ラインナップ
編集グレード名称 | 生産年度 | 車両型式 | 排気量 | 新車価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2.4Z (4AT) | 1996年1月-1996年11月 | E-TJG00 | 2.392L | 205.0万円 | |
2.4Z (4AT) | 1996年11月-1997年10月 | 205.0万円 | サイドドアビームやボディ補強材の追加。ボディカラーの意図変更。 | ||
2.4S (4AT) | 1997年10月-1998年12月 | 178.0万円 | トラクションコントロールを全車標準装備化。新グレード「2.4S」を追加。 | ||
2.4Z (4AT) | 205.0万円 | ||||
2.4レザーパッケージ (4AT) | 1998年2月-1998年12月 | 209.8万円 | 本革シートを装備した特別仕様車。 | ||
2.4S (4AT) | 1998年12月-1999年11月 | 153.0万円 | 装備の見直しに伴う価格変更。 | ||
2.4Z | 176.0万円 | ||||
2.4S | 1999年11月-2000年9月 | 149.9万円 | マイナーチェンジを実施。装備の見直しに伴う価格変更。 | ||
2.4Z | 179.9万円 |
グレード名称 | 生産年度 | 車両型式 | 排気量 | 新車価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2.4 (4AT) | 1996年1月-1996年11月 | E-TJG00 | 2.392L | 181.0万円 | |
2.4G (4AT) | 192.0万円 | ||||
2.4 (4AT) | 1996年11月-1997年10月 | 181.0万円 | サイドドアビームやボディ補強材の追加。ボディカラーの意図変更。 | ||
2.4G (4AT) | 192.0万円 | ||||
2.4 (4AT) | 1997年10月-1998年12月 | 181.0万円 | トラクションコントロールを全車標準装備化。ボディカラーの意図変更。 | ||
2.4G (4AT) | 192.0万円 | ||||
2.4レザーパッケージ (4AT) | 1998年2月-1998年12月 | 199.8万円 | 本革シートを装備した特別仕様車。 | ||
2.4 (4AT) | 1998年12月-1999年11月 | 156.0万円 | 装備の見直しに伴う価格変更。 | ||
2.4G | 167.0万円 | ||||
2.4 | 1999年11月-2000年9月 | 159.9万円 | マイナーチェンジを実施。装備の見直しに伴う価格変更。 | ||
2.4G | 169.9万円 |
販売
編集取り扱いディーラーはトヨタ店、東京地区では東京トヨペット(当時)でも販売。大阪地区では大阪トヨペット(当時)にて販売された。
車名の由来
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “キャバリエ(トヨタ)のカタログ”. 株式会社リクルート (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
- ^ a b “トヨタ・キャバリエ…一代限りとなったクルマ”. GAZOO (2016年2月3日). 2020年6月25日閲覧。
- ^ “トヨタ、「キャバリエ」の販売を終了”. webCG (2000年4月12日). 2020年6月25日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第73号13ページより。
- ^ 1997 GT INSIDE RACING REPORT NETWORK EDITIONJGTC公式サイト 2021年9月18日閲覧
- ^ “キャバリエの車名の由来は何ですか?”. トヨタ自動車. 2020年6月25日閲覧。
関連項目
編集- トヨタ自動車
- ゼネラルモーターズ
- シボレー・キャバリエ
- スバル・ビッグホーン - いすゞ・ビッグホーンのOEMモデル。トヨタ・キャバリエが発売されるまで、同一車名で他社からOEM供給を受けて販売された製品だった。
- フォルクスワーゲン・サンタナ - 本車種とは逆に、日本国内(日産自動車座間工場)で製造されたものの、「日産・サンタナ」を名乗らなかった。