チャンドラー (ウルトラ怪獣)
チャンドラーは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する架空の怪獣。別名は有翼怪獣。
チャンドラー | |
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ウルトラシリーズのキャラクター | |
初登場 | 『ウルトラマン』第8話 |
作者 | 高山良策(デザイン・造形) |
『ウルトラマン』に登場するチャンドラー
編集チャンドラー CHANDLAR[出典 1] | |
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別名 | 有翼怪獣 |
身長 | 36 m[出典 2] |
体重 | 1万5,000 t[出典 2] |
出身地 | 太平洋・多々良島[出典 3] |
『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」に登場。
レッドキングやマグラー、ピグモンなど他の怪獣とともに多々良島に棲息しており、島の火山活動と地震によって復活した太古の生物と設定されている。両腕の翼で空は飛べないものの、風速60メートルの強風を起こせる[出典 4]。また、鋭く長い牙や手の爪も武器であり、レッドキングとの戦いでは肩に噛みついて負傷させるが、右側の翼を引き裂かれて戦意を喪失して敗走する。その後の消息は不明[出典 5][注釈 1]。
- デザイン、造形:高山良策
- スーツアクター:清野幸弘[出典 6]、鈴木邦夫(前夜祭)[14]
- 着ぐるみは、前作『ウルトラQ』に登場したペギラの頭部に耳状の突起や牙、角を追加し、瞳を赤くして全身を乳白色から褐色に塗り替えたもの[出典 7]。この経緯により、学年誌などではペギラとチャンドラーが「兄弟怪獣」と設定されている資料[17]や、「他人の空似」と解説されている資料も存在する[18][19]。こういった兄弟説や亜種説は他の書籍にも散見されており、以下に一例を挙げる。
- 『ウルトラマン ベストブック』では、イデの言葉としてペギラの変異体または個体差であるとの推測を記述している[2]。
- 『ウルトラマン大怪獣図鑑』では、突然変異型や同種の進化系と記述している[12]。
- 『ウルトラ怪獣列伝』では、後年の特撮テレビドラマ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』での言及から亜種と推測している[7]。
- 本編に先立ち、1966年7月9日に杉並公会堂にて開催されたイベント「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」(放送は翌10日)でも舞台で暴れている。
- 放送当時に連載されていた一峰大二の漫画版『ウルトラマン』では、レッドキングやマグラーと共闘し、翼で強風を起こす能力を中心に描かれている。詳細はレッドキング#漫画作品に登場するレッドキングを参照。
『ウルトラマンパワード』に登場するチャンドラー
編集チャンドラー (パワードチャンドラー) | |
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身長 | 50 m[出典 8] |
体重 | 1万8千 t[出典 8] |
出身地 | 南米ギアナ高地[出典 9] |
『ウルトラマンパワード』第3話「怪獣魔境へ飛べ!」(米国版サブタイトル:A QUARTET OF CREATURE)に登場。玩具などではパワードチャンドラーと称される。
体色はグリーン。「ロストワールド」とも呼ばれるギアナ高地にドキュメンタリー撮影に訪れたテレビ局クルーたちの前に現れ、レッドキング(雌)との縄張り争いを行う。レッドキングの尾の攻撃に噛みつくなど立ち回り、カウンターのパンチで一度は撃退するが、その後はレッドキングの復讐戦で崖に叩きつけられ、頭を強打して死亡する。
劇中では有史以前の巨大生命体の生き残りとされ、存在は確認されていたものの人畜無害であったため、処分されることはなかったようである。本来はおとなしい性格らしく、冒頭のシーンではクルーに近距離から観察されている。とはいえ肉食らしく、空腹時にはクルーを襲っていた。
2枚の巨大な翼を持ち、風速80メートルの突風を巻き起こすが、空中飛行は不可能である[21]。鋭い牙と、約3分で巨大生物を殺す猛毒を持つ爪が武器[22][21]。
『ウルトラマンデッカー』に登場するチャンドラー
編集チャンドラー | |
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別名 | 有翼怪獣 |
身長 | 36 m[出典 10] |
体重 | 1万5,000 t[出典 10] |
『ウルトラマンデッカー』第22話「衰亡のバズド」に登場。
バズド星人アガムスが、自身のアジトを包囲したGUTS-SELECTの隊員たちへ向けて差し向けた怪獣。その脳には脳波コントロールシステムが埋め込まれており、シゲナガマキ博士が使用していたものと同様のペンダント型の脳波制御装置を介してアガムスの脳波によって使役されている。鋭い牙や爪、翼を羽ばたかせて起こす突風が武器[出典 10]。
GUTS-SELECTの隊員たちと交戦するが、最後はGUTSグリフォンのグリフォンタロンビームを受けて爆散した[28]。
ライブステージに登場するチャンドラー
編集2003年開催の『ウルトラマンフェスティバル』のライブステージでは、怪獣動物園に生息する怪獣として登場。マグマ星人の策略により、暴れ出して同じく怪獣動物園に住むレッドキングと闘って勝利するが、最後はウルトラマンコスモスのコズミューム光線で静まる。また、同時に出現したマグラー、ババルウ星人(ウルトラマンレオに化けている)、ウルトラマンジャスティス、グインジェも、コスモス、レオ兄弟、ウルトラマンゼアス、ウルトラセブンに敗北する。
第2部「伝説の勇者達〜新たなる光〜」では、ゴドラ星人によってペギラと共に召喚され、コスモスを苦しめる。
過去の映像を流用しての登場
編集映像は初登場作品の流用。
- 『長篇怪獣映画ウルトラマン』、『ウルトラマン怪獣大決戦』
- 初代登場エピソードの映画化。
- 『ウルトラマンタロウ』
- 第40話の35大怪獣、宇宙人の1体として回想シーンに登場している。
- 『ウルトラマンボーイのウルころ』
- 第75話「怪獣島は大騒ぎの巻」というコーナーで紹介された。
その他に登場するチャンドラー
編集- 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第1話では、オキの作っていた骨格標本として登場する。クマノはペギラと見間違えるが、これはチャンドラーのスーツがペギラの改造であることにちなんでいる。
- 『ウルトラマンサーガ』の企画段階では、バット星人に怪獣墓場から連れ出され、ゴメス(S)やグビラと共にウルトラマンゼロやウルトラマンコスモスと戦い、ルナモードのフルムーンレクトでおとなしくなるが、最後はバット星人に処刑されるという役回りで登場が予定されていた[32]。
- 『ウルトラマンアーク』第15話では、物語開始の16年前に世界各地にて怪獣が同時出現した日「K-DAY」に、イタリアのピサの斜塔付近に出現していた[33]。
- 漫画作品
- 『ウルトラマン超闘士激伝』では、ブラック指令配下でチャンドラーをモチーフにした「メタルモンス」が登場する。それ以前にも、普通のチャンドラーが第2回大会にレッドキングの後方支援として、スフランやピグモン2匹と共に登場する。
- 『ウルトラマン THE FIRST』では、多々良島での戦いの冒頭に登場するが、レッドキングに倒される。
- 『ウルトラマンSTORY 0』第39話・第40話では、ジェロニモンの蘇生させた再生怪獣の1体として登場する。
- 『酩酊!怪獣酒場』では、怪獣酒場の客として登場する。サラリーマンとして働いており、要領よく上司に取り入って出世している。
- テレビアニメ『SSSS.GRIDMAN』第2話では、新条アカネの部屋の棚にパワードチャンドラーのフィギュアが飾られている[34][35]。
脚注
編集注釈
編集- ^ 同話のラストでは、生き残って科学特捜隊の面々に保護された気象観測所職員の松井が、「恐ろしい怪獣たちも怪奇植物も、皆この人たちが退治してくれた」と死んだ同僚たちの墓前に言う場面がある。
出典
編集- ^ a b c d 白書 1982, p. 50, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
- ^ a b c d e f ベストブック 1993, p. 83
- ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 37
- ^ a b c 画報 下巻 2003, p. 67
- ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 13
- ^ a b c d 大辞典 2001, p. 213
- ^ a b c d 怪獣列伝 2008, pp. 40–41, 「レッドキングに大ダメージを与えた二本の牙 有翼怪獣チャンドラー」
- ^ a b c d e 全調査報告 2012, pp. 46–49, 「CASE FILE 8 怪獣無法地帯」
- ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 14
- ^ a b c 研究読本 2014, p. 217, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
- ^ a b UPM vol.02 2020, p. 20, 「怪獣、侵略宇宙人、宇宙怪獣、怪人、怪生物」
- ^ a b c d 大怪獣図鑑 2022, pp. 40–41, 「チャンドラー」
- ^ a b 研究読本 2014, pp. 66–67, 「エピソードガイド第8話」
- ^ 大ウルトラマン図鑑 1996, p. 107.
- ^ マガジンVOL.2 2021, p. 72, 「ウルトラQ ウルトラマン55周年記念 ヒーロー、怪獣の世界」
- ^ フィギュア王291 2022, p. 29, 「『シン・ウルトラマン』鑑賞前にチェックしておくべき10EPISODES」
- ^ 秋山哲茂 編「なぜなにウルトラマンじてん(「小学二年生」昭和46年8月号)」『学年別学習雑誌で見る昭和子どもクロニクル1 ウルトラ博物館』小学館、2003年12月20日、22頁。ISBN 4-09-387482-4。
- ^ 『ウルトラ怪獣入門』(大伴昌司・小学館・1971年)132頁。
- ^ 画報 上巻 2002, p. 85, 「COLUMN13 怪獣因果関係」.
- ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 217
- ^ a b c UPM vol.18 2021, p. 24, 「侵略宇宙人、有害巨大生物(怪獣)、怪人」
- ^ 新大全集 1994, pp. 24–25.
- ^ a b c 「ウルトラマンパワード20周年記念特集 パワード怪獣完全図鑑」『語れ!ウルトラ怪獣【永久保存版】』KKベストセラーズ〈ベストムックシリーズ44〉、2014年4月23日、91-101頁。ISBN 978-4-584-20544-0。
- ^ 新大全集 1994, p. 53.
- ^ a b 新大全集 1994, p. 115.
- ^ “怪獣・星人”. ウルトラマンデッカー公式サイト. 円谷プロダクション. 2022年12月17日閲覧。
- ^ 宇宙船179 2022, p. 80, 「ウルトラマンデッカー」
- ^ a b 宇宙船YB2023 2023, p. 24, 「ウルトラマンデッカー」
- ^ @takatsujimoの2022年12月17日午前9:39のツイート、2022年12月18日閲覧。
- ^ @takatsujimoの2022年12月17日午後8:58のツイート、2022年12月18日閲覧。
- ^ a b c フィギュア王300 2023, p. 71, 「〈伝説~人気怪獣たちの狂宴~〉の項でフォローできなかったレジェンド怪獣や宇宙人をはみだし紹介!」
- ^ 『ウルトラマンサーガ』DVD付属 画コンテ集
- ^ “【ウルトラマンアーク】時空を移動する! 究極のギャラクシーアーマー登場!”. TELEMAGA.net. 講談社. p. 2 (2024年10月19日). 2024年11月2日閲覧。
- ^ 「アカネの屋敷」『宇宙船別冊SSSS.GRIDMAN』構成・取材・執筆 谷崎あきら 取材・執筆:島田康治、ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK〉、2019年2月1日、57頁。ISBN 978-4-7986-1859-3。
- ^ 「アカネの怪獣コレクション」『SSSS.GRIDMAN超全集』構成:間宮尚彦 執筆:大石真司、吉澤範人、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2019年4月23日、47頁。ISBN 978-4-09-105163-9。
出典(リンク)
編集参考文献
編集- 『不滅のヒーローウルトラマン白書』(初版)朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日。雑誌コード:67897-80。
- 『ウルトラ怪獣大全集』小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984年9月10日。ISBN 4-09-101411-9。
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- 『テレビマガジン特別編集 新・ウルトラマン大全集』監修:円谷プロダクション、講談社、1994年10月1日。ISBN 4-06-178418-8。
- ヤマダ・マサミ『大ウルトラマン図鑑』ホビージャパン、1996年。ISBN 978-4-89425-109-0。
- 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8。
- 画報シリーズ(竹書房)
- 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 上巻、竹書房、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9。
- 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 下巻、竹書房、2003年5月9日。ISBN 4-8124-0999-3。
- ブレインナビ 編『ウルトラ怪獣列伝 ウルトラマン・ウルトラセブン編』PHP研究所〈PHP文庫〉、2008年8月18日。ISBN 978-4-569-67071-3。
- 講談社 編『ウルトラマン 全調査報告』講談社〈キャラクター大全〉、2012年12月20日。ISBN 978-4-06-218128-0。
- 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』小学館、2013年3月11日。ISBN 978-4-09-682074-2。
- 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年1月2日。ISBN 978-4-8003-0262-5。
- 講談社シリーズMOOK ウルトラ特撮 PERFECT MOOK(講談社)
- 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.02《ウルトラマン》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2020年7月28日。ISBN 978-4-06-519603-8。
- 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.18《ウルトラマンG/ウルトラマンパワード》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2021年3月24日。ISBN 978-4-06-520941-7。
- 『テレビマガジン特別編集 ウルトラ特撮マガジン VOL.2』講談社〈講談社MOOK〉、2021年5月24日。ISBN 978-4-06-523014-5。
- 『ウルトラマン大怪獣図鑑』双葉社、2022年6月22日。ISBN 978-4-575-31723-7。
- 雑誌
- 『フィギュア王』No.291、ワールドフォトプレス、2022年5月30日、ISBN 978-4-8465-3269-7。
- 『フィギュア王』No.300、ワールドフォトプレス、2023年2月28日、ISBN 978-4-8465-3289-5。
- 『宇宙船』vol.179(WINTER 2022.冬)、ホビージャパン、2022年12月28日、ISBN 978-4-7986-3037-3。
- 「宇宙船vol.180特別付録 宇宙船YEARBOOK 2023」『宇宙船』vol.180(SPRING 2023.春)、ホビージャパン、2023年4月1日、ISBN 978-4-7986-3133-2。