チゴユリ属
チゴユリ属(チゴユリぞく、学名:Disporum、和名漢字表記:稚児百合属)はイヌサフラン科の属の一つ。かつてはユリ科に分類されていた。
チゴユリ属 | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Disporum Salisb. |
特徴
編集多年草。根出葉はなく、茎葉があり、葉は互生する。茎が1本立ちするか、または多少分枝する。花は茎または枝の先端に1-数個、横向きまたは下向きにつく。花被片は6個あり、離生し、基部にふくらみがある種がある。雄蕊は6個、葯は長楕円形で、なかば外側を向く。子房は上位で3室あり、ふつう各室に2個の胚珠がある。果実は液果で球状になり、黒色に熟す[1]。
ヒマラヤ、インド、東アジアに約20種[2]あり、日本には4種あるほか、自然交雑種がある。従来、この属に分類されていた北アメリカに分布する5-6種は、プロサルテス属 Prosartes として分離された[3]。
種
編集日本の種
編集- キバナチゴユリ Disporum lutescens (Maxim.) Koidz. -和歌山県、四国、九州の一部に分布
- ホウチャクソウ Disporum sessile D.Don ex Schult. et Schult.f. -日本のほか、朝鮮、中国、樺太に分布
- チゴユリ Disporum smilacinum A.Gray -日本のほか、朝鮮、中国に分布
- オオチゴユリ Disporum viridescens (Maxim.) Nakai -日本の北海道、本州の北部・関東地方・中部地方のほか、朝鮮、中国東北部、ウスリーに分布
- ホウチャクチゴユリ Disporum × hishiyamanum K.Suzuki -ホウチャクソウとチゴユリの自然交雑種
外国の種
編集- Disporum acuminatissimum W.L.Sha - 中国江西省に分布
- Disporum acuminatum C.H.Wright - ミャンマー北部に分布
- Disporum bodinieri (H.Lév. & Vaniot) F.T.Wang & Tang - チベットから中国南部、海南省に分布
- Disporum calcaratum D.Don - ネパールから中国雲南省南部に分布
- Disporum cantoniense (Lour.) Merr. トウチクラン - ヒマラヤから中国南部、マレーシアに分布
- Disporum hainanense Merr. - 中国広東省南部、海南省に分布
- Disporum jinfoshanense X.Z.Li, D.M.Zhang & D.Y.Hong - 中国重慶に分布
- Disporum kawakamii Hayata - 台湾に分布
- Disporum leucanthum H.Hara - ヒマラヤ東部から中国南部に分布
- Disporum longistylum (H.Lév. & Vaniot) H.Hara - 中国中央部からチベットに分布
- Disporum megalanthum F.T.Wang & Tang - 中国中央部に分布
- Disporum nantouense S.S.Ying - 台湾中央部に分布
- Disporum shimadae Hayata - 台湾北部に分布
- Disporum tonkinense Koyama - ベトナム北部に分布
- Disporum trabeculatum Gagnep. - 中国南部からベトナムに分布
- Disporum uniflorum Baker キバナホウチャクソウ - 中国から朝鮮に分布
ギャラリー
編集脚注
編集- ^ 『日本の野生植物 草本I単子葉類』p.48
- ^ Disporum -The Plant List
- ^ Prosartes -Flora of North America
参考文献
編集- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本I単子葉類』、1982年、平凡社
- 門田裕一監修、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- Disporum -The Plant List