ダニエル・バード
ダニエル・ポール・バード(Daniel Paul Bard, 1985年6月25日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。MLBのコロラド・ロッキーズ所属。
コロラド・ロッキーズ #52 | |
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コロラド・ロッキーズ時代 (2021年6月23日) | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | テキサス州ヒューストン |
生年月日 | 1985年6月25日(39歳) |
身長 体重 |
6' 4" =約193 cm 215 lb =約97.5 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2006年 MLBドラフト1巡目 |
初出場 | 2009年5月13日 |
年俸 | $9,500,000(2023年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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国際大会 | |
代表チーム | アメリカ合衆国 |
WBC | 2023年 |
この表について
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獲得メダル | ||
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男子 野球 | ||
アメリカ合衆国 | ||
ワールド・ベースボール・クラシック | ||
銀 | 2023 |
経歴
編集プロ入り前
編集5歳で野球を始め、少年時代は遊撃手を守っていた。高校では野球をするために転校して新しいチームでは投手として好記録を残し、打者としても3割を打ち5本塁打。翌年には4割を打って10本塁打を打った。2003年のMLBドラフト20巡目(全体604位)でニューヨーク・ヤンキースから指名を受けたが、学業に励みたいという自身の意思から、地元ノースカロライナ州のノースカロライナ大学チャペルヒル校に進学。2004年のベースボール・アメリカでアメリカの最も優れた新人であると評された。このシーズン16試合に登板し8勝4敗・防御率3.88を記録した。新人の8勝はノースカロライナ大学チャペルヒル校の新記録であった。
2005年は7勝5敗、防御率4.22、2006年も9勝4敗・防御率3.64を記録し、チームメイトのアンドリュー・ミラーと共にドラフト候補に挙がった。
プロ入りとレッドソックス時代
編集2006年のMLBドラフト1巡目(全体28位)でボストン・レッドソックスから指名され、プロ入り。
2007年は傘下のA級グリーンビル・ドライブとA+級ランカスター・ジェットホークスで先発投手として75イニングを投げ、防御率7.05・78四球の成績を残した。この成績から中継ぎに移された。シーズン終了後レベル的にAAA級のハワイ・ウィンターリーグで16試合に投げて防御率1.08と好投し、制球問題に関しても大幅に改善した。
2008年はA級グリーンビルとAA級ポートランド・シードッグスで中継ぎとして投げ、77イニングを投げ、防御率1.51・107奪三振の成績を残し、近年はジョン・レスターやクレイ・バックホルツが選出されていたマイナーリーグのピッチャー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。
2009年はAAA級ポータケット・レッドソックスでシーズンをスタートし、16イニングで打者58人に対し29奪三振。6安打され、うち2本が本塁打であった。5月10日にハビアー・ロペスのマイナー降格に伴ってメジャー昇格し、13日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャーデビューを果たした。5月20日のトロント・ブルージェイズ戦でフェンウェイ・パークで初登板したが、3安打を打たれ失点した。6月12日のフィラデルフィア・フィリーズ戦で延長13回に登板しメジャー初セーブを記録した。8月26日のシカゴ・ホワイトソックス戦でデビッド・オルティーズのサヨナラ本塁打でメジャー初勝利を記録した。
2010年はジョナサン・パペルボンに繋ぐセットアップマンとして定着し、73試合の登板で防御率は1.93だった。32ホールドはリーグ最多だった。
2011年は5月27日から7月31日にかけて、25登板連続無失点の球団新記録を樹立。しかし、9月以降に0勝4敗・防御率10.64と不振に陥り、レッドソックスは歴史的失速によってプレーオフ進出を逃した[2]。
2012年は自ら志願して先発に転向したが、深刻な制球難に陥り、6月5日には3シーズンぶりにマイナー降格の屈辱を味わった。降格後はリリーフに戻ったが、乱れた制球は改善されず、AAA級ポータケットで防御率7点台と苦しんだ。8月30日に再昇格したが、最後まで調子を取り戻すことはなかった。
レッドソックス退団後
編集2013年9月4日にウェイバー公示を経てシカゴ・カブスへ移籍したが、12月2日にFAとなった。
2014年1月31日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び[4]、2月3日に球団が発表した[5]。この年は傘下のA級ヒッコリー・クロウダッズで4試合に登板したが、防御率175.50と大炎上した。
2015年1月18日にカブスとマイナー契約を結ぶが、登板なしに終わった。オフに自由契約となった。
2016年1月14日にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結ぶが、5月13日に自由契約となった。その後、6月22日にセントルイス・カージナルスとマイナー契約を結んだ。
2017年もカージナルス傘下に在籍し、開幕からAA級スプリングフィールド・カージナルスでプレーしていたが、5月15日に自由契約となった[3]。その後、6月11日にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、傘下のA+級セントルーシー・メッツへ配属された[6]。
2018年1月4日に現役引退を表明した。
引退後
編集2018年2月1日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスのメンタルトレーニング部門のスタッフに就任した[7]。
現役復帰
編集2020年2月21日にコロラド・ロッキーズとマイナー契約を結び、現役復帰した。7月17日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[8]。7月25日のレンジャーズ戦、1点をリードした5回途中から先発のジョン・グレイの後を受けて2番手で登板した。これがレッドソックスに在籍していた2013年4月27日のヒューストン・アストロズ戦以来、7年、2646日ぶりのメジャーのマウンドとなった。最速99mph(約159km/h)の速球を軸に、2安打を許したものの、1回1/3を無失点に封じてチームはそのまま勝利して白星を挙げた。メジャーでの勝利となると、2012年5月29日のデトロイト・タイガース戦まで遡ることになり、2979日ぶりの白星だった[9]。
2023年はシーズン開幕前の2月10日に第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のアメリカ合衆国代表に選出された[10]。
投球スタイル
編集球種 | 割合 | 平均球速 | 最高球速 | ||
---|---|---|---|---|---|
% | mph | km/h | mph | km/h | |
スライダー | 46.1 | 87.1 | 140.2 | 92.2 | 148.4 |
フォーシーム | 34.8 | 97.5 | 156.9 | 101.3 | 163 |
シンカー | 13.6 | 97.3 | 156.6 | 99.8 | 160.6 |
チェンジアップ | 5.4 | 89.8 | 144.5 | 91.7 | 147.6 |
6' 4"(約193cm)の長身を活かしたサイドスローから投げ込む速球を武器とし、毎年投球回数に迫るほどの奪三振を残す。球種は、平均97mph(約156.1km/h)を超えるフォーシームのほかスライダーやカーブ、たまにチェンジアップを組み合わせて投げる。最速は、2009年に計測した102mph(約164.2km/h)。
家族
編集5歳年下の弟のルーク・バードもプロ野球選手(投手)である[11]。2012年のMLBドラフト1巡目追補(全体42位)でミネソタ・ツインズから指名されてプロ入り後、2018年にエンゼルスでメジャーデビューを果たしている。
また、従兄弟にも同じくプロ野球選手(外野手)のジョン・アンドレオリがいる。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2009 | BOS | 49 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1 | 13 | .500 | 212 | 49.1 | 41 | 5 | 22 | 3 | 3 | 63 | 1 | 1 | 24 | 20 | 3.65 | 1.28 |
2010 | 73 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | 32 | .333 | 295 | 74.2 | 45 | 6 | 30 | 3 | 2 | 76 | 2 | 0 | 18 | 16 | 1.93 | 1.00 | |
2011 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 1 | 34 | .182 | 288 | 73.0 | 46 | 5 | 24 | 3 | 2 | 74 | 2 | 1 | 29 | 27 | 3.33 | 0.96 | |
2012 | 17 | 10 | 0 | 0 | 0 | 5 | 6 | 0 | 0 | .455 | 277 | 59.1 | 60 | 1 | 43 | 1 | 8 | 38 | 1 | 2 | 42 | 41 | 6.22 | 1.74 | |
2013 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 6 | 1.0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 9.00 | 3.00 | |
2020 | COL | 23 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 6 | 2 | .667 | 106 | 24.2 | 22 | 2 | 10 | 2 | 3 | 27 | 1 | 0 | 10 | 10 | 3.65 | 1.30 |
2021 | 67 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 8 | 20 | 4 | .467 | 304 | 65.2 | 69 | 8 | 36 | 1 | 7 | 80 | 4 | 0 | 41 | 38 | 5.21 | 1.60 | |
2022 | 57 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 4 | 34 | 0 | .600 | 245 | 60.1 | 35 | 3 | 25 | 1 | 3 | 69 | 3 | 0 | 15 | 12 | 1.79 | 0.99 | |
2023 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 1 | 6 | .667 | 232 | 49.1 | 35 | 5 | 49 | 3 | 8 | 47 | 2 | 1 | 30 | 25 | 4.56 | 1.70 | |
MLB:9年 | 408 | 10 | 0 | 0 | 0 | 31 | 35 | 66 | 91 | .470 | 1965 | 457.1 | 354 | 43 | 241 | 17 | 36 | 475 | 16 | 5 | 210 | 190 | 3.74 | 1.30 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
WBCでの投手成績
編集年 度 |
代 表 |
登 板 |
先 発 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ | ブ |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ | ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023[12] | アメリカ合衆国 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 1.2 | 5 | 0 | 4 | 0 | 2 | 3 | 0 | 8 | 8 | 43.20 |
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2009 | BOS | 49 | 4 | 2 | 2 | 1 | .750 |
2010 | 73 | 7 | 7 | 2 | 1 | .875 | |
2011 | 70 | 11 | 5 | 1 | 0 | .941 | |
2012 | 17 | 4 | 8 | 0 | 3 | 1.000 | |
2013 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
2020 | COL | 23 | 1 | 0 | 1 | 0 | .500 |
2021 | 67 | 1 | 2 | 1 | 0 | .750 | |
2022 | 57 | 2 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 50 | 3 | 1 | 1 | 0 | .800 | |
MLB | 408 | 33 | 32 | 8 | 5 | .890 |
- 2023年度シーズン終了時
表彰
編集- カムバック賞 : 1回 (2020年)
- トニー・コニグリアロ賞:1回(2020年)
背番号
編集- 60(2009年)
- 51(2010年 - 2013年)
- 52(2020年 - )
代表歴
編集脚注
編集- ^ “Daniel Bard Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年12月16日閲覧。
- ^ Boston Red Sox ugly September shows by the numbers
- ^ a b MLB公式プロフィール参照。2017年6月13日閲覧。
- ^ T.R. Sullivan (January 31, 2014). “Rangers sign Bard to Minor League deal”. MLB.com. February 1, 2014閲覧。
- ^ “Rangers sign RHP Daniel Bard to minor league contract with invitation to major league spring training”. MLB.com Rangers Press Release (February 3, 2014). February 4, 2014閲覧。
- ^ Anthony DiComo (2017年6月12日). “Mets ink Bard to Minors pact as 'pen option”. MLB.com. 2017年6月13日閲覧。
- ^ Christopher Smith (2018年2月2日). “Daniel Bard, ex-Boston Red Sox RHP, joins Diamondbacks as player mentor; Jonny Gomes to be rookie ball hitting coach” (英語). masslive.com. 2018年8月17日閲覧。
- ^ Thomas Harding (2020年7月17日). “5 takeaways from Rockies' roster moves” (英語). MLB.com. 2020年7月21日閲覧。
- ^ “一度はイップスで引退も… ロ軍右腕が2646日ぶりメジャー登板で2979日ぶり白星”. Full-count (2020年7月26日). 2020年7月30日閲覧。
- ^ “USA Baseball Announces 2023 World Baseball Classic Roster” (英語). USA Baseball: Home (February 10, 2023). June 6, 2023閲覧。
- ^ Ken Sugiura (2012年6月5日). “Georgia Tech's Bard selected 42nd overall” (英語). ajc.com. 2018年8月17日閲覧。
- ^ 2023 WBC Player Pitching StatsMLB.com 2023年4月1日閲覧
関連項目
編集外部リンク
編集
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Daniel Bard stats MiLB.com
- Daniel Bard at soxprospects.com
- UNC profile of Bard