タマラニッケイ
タマラニッケイ(学名: Cinnamomum tamala)は、インド、バングラデシュ、ネパール、ブータン、中国原産のクスノキ科樹木である[3]。カンナダ語でತಮಾಲ (Tamaala)、タミル語でமரப்பட்டை இலை (Pattai Illai)、ネパール語でtejpat[3]、ヒンディー語でtejapatta、英語でインディアンベイリーフ、マラバールリーフ、インディアンバーク、インディアンカシア[3]、とも呼ばれる。高さ最大20 mまで成長する[4]。タマラニッケイの葉はチョウジ様の芳香とかすかなピリッとした味を持ち、料理や医療目的のために使われる。古代および中世にマラバトゥルム(malabathrum、またはmalobathrum)と呼ばれた薬用植物葉の主要な源の一つと考えられている[5]。
タマラニッケイ | |||||||||||||||||||||
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半乾きのタマラニッケイの葉
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Cinnamomum tamala (Buch.-Ham.) T.Nees & C.H.Eberm. | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
タマラニッケイ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Indian bay leaf |
特徴
編集タマラニッケイの葉はヒンディー語でtējapattāまたはtejpatta(तेजपत्ता)、ネパール語、マイティリー語、アッサム語でtejpat (तेजपात)、ベンガル語でtejpata (তেজপাতা)、マラヤーラム語でvazhanayila (വഴനയില)、マラーティー語と元々のサンスクリット語でtamalpatra (तमालपत्र) と呼ばれる。インド、ネパール、ブータンの料理で広く使われ、特に北インドとネパールのムガル料理とブータンのハーブティーツェリンマで使われる。テルグ語ではbiryani aakuまたは'bagharakkuと呼ばれる。
シッキム州のレプチャ人はnaap saor koongと呼ぶ[6]。
ケーララ州の甘い食べ物クンビラッパム(またはチャッカ・アダ)でダンプリングに香りを付けるためにしばしば使われる。タマラニッケイの葉はしばしば「インディアンベイリーフ」または単に「ベイリーフ」と表示されているため、地中海原産の異なる属のゲッケイジュの葉(ローリエ)と混同される。これら2種の見た目と芳香は全く異っている。ゲッケイジュの葉はより短く、薄緑色から緑色で、葉の真ん中に縦に1本の太い葉脈がある。それに対して、タマラニッケイの葉はゲッケイジュの2倍ほどの長さと幅があり、色は大抵オリーブ色で、縦に3本の葉脈を持つ。タマラニッケイの葉には5種類が存在し[7]、それらはカシアあるいはシナモン様の香りを料理に付けるのに対して、ローリエの香りは松やレモンをより連想させる。
芳香成分
編集利用
編集樹皮は料理に使われることもあるが、セイロンニッケイ(セイロンシナモン)またはカシアには劣ると見なされる[要出典] 。また、ブータンではツェリンマ茶というハーブティーが飲まれているが、ツェリンマ茶はタマラニッケイの根皮とベニバナの花弁を主たる材料とする。
語源
編集マラバール(Malabar)は、今日のケーララ州と隣接地域を形成する南インドの西海岸を表わすために伝統的に使われてきた。単語malaまたはmalayaはタミル語、マラヤーラム語、サンスクリット語で「山」を意味する。単語「malabathrum」は、字義的に「暗い木の葉」を意味するサンスクリット語のtamālapattram (तमालपत्त्रम्) に由来すると考えられている。
近縁種
編集出典
編集- ^ “Cinnamomum tamala (Buch.-Ham.) T.Nees & Eberm.”. The Plant List: A Working List of all Plant Species. 2019年8月26日閲覧。
- ^ Glossary of Indian Medicinal Plants
- ^ a b c "Cinnamomum tamala". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2017年12月12日閲覧。
- ^ Xi-wen Li, Jie Li & Henk van der Werff. “Cinnamomum tamala”. Flora of China. Missouri Botanical Garden, St. Louis, MO & Harvard University Herbaria, Cambridge, MA. 29 March 2013閲覧。
- ^ Umberto Quattrocchi (2016). CRC World Dictionary of Medicinal and Poisonous Plants: Common Names, Scientific Names, Eponyms, Synonyms, and Etymology (5 Volume Set). CRC Press. pp. 959+. ISBN 978-1-4822-5064-0
- ^ Tamsang, K.P. (1980). The Lepcha-English Encyclopaedic Dictionary. Kalimpong: Mrs. Mayel Clymit Tamsang. p. 509. ISBN 9632535979
- ^ P. N. Ravindran; K Nirmal-Babu; M Shylaja (29 December 2003). Cinnamon and Cassia: The Genus Cinnamomum. CRC Press. pp. 199+. ISBN 978-0-203-59087-4
- ^ a b Ahmed, Aftab; Choudhary, M. Iqbal; Farooq, Afgan; Demirci, Betül; Demirci, Fatih; Can Başer, K. Hüsnü (2000). “Essential oil constituents of the spice Cinnamomum tamala (Ham.) Nees & Eberm.”. Flavour and Fragrance Journal 15 (6): 388–390. doi:10.1002/1099-1026(200011/12)15:6<388::AID-FFJ928>3.0.CO;2-F.
- ^ Dighe, V. V.; Gursale, A. A.; Sane, R. T.; Menon, S.; Patel, P. H. (2005). “Quantitative Determination of Eugenol from Cinnamomum tamala Nees and Eberm. Leaf Powder and Polyherbal Formulation Using Reverse Phase Liquid Chromatography”. Chromatographia 61 (9–10): 443–446. doi:10.1365/s10337-005-0527-6.
- ^ Rao, Chandana Venkateswara; Vijayakumar, M; Sairam, K; Kumar, V (2008). “Antidiarrhoeal activity of the standardised extract of Cinnamomum tamala in experimental rats”. Journal of Natural Medicines 62 (4): 396–402. doi:10.1007/s11418-008-0258-8. PMID 18493839.