タハリール・アル=シャーム
タハリール・アル=シャーム(ハイアト・タハリール・アッ=シャーム(HTS)アラビア語: هيئة تحرير الشام、翻字: Hayʼat Taḥrīr al-Shām、シャーム解放委員会、シャーム解放機構)は、シリア内戦で活動するサラフィー・ジハード主義の反政府武装組織。2017年1月28日、反政府武装勢力のアル=ヌスラ戦線、アンサール・アッ=ディーン、ジャイシュ・アッ=スンナ、リワ・アル=ハック、ヌールッディーン・ザンキー運動(2017年7月20日離脱)が統合して結成された。統合前の名称である「ヌスラ戦線」と呼ばれることも多い。イドリブに本部がある。
タハリール・アル=シャーム | |
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シリア内戦に参加 | |
活動期間 | 2017年1月28日–現在 |
活動目的 | サラフィー主義,ジハード主義 |
構成団体 | アラブ人 |
指導者 |
アブ・モハメド・アル・ジャウラニ アブ・ジェイバー・シェイク アブ・アル・ハイル・アル・マスリ |
本部 | シリアイドリブ県 |
活動地域 | シリア |
前身 | アル=ヌスラ戦線 |
関連勢力 | |
敵対勢力 |
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概要
編集前身のアル=ヌスラ戦線と同様に、アルカイダのシリア支部であるとみなされている[1]。しかしながら、公式にはアルカーイダの一部であることを否定しており、「独立組織で、以前の組織や派閥の延長ではない」としている[2]。ロシアもHTSはシリアをイスラム帝国に変えるというヌスラ戦線の目標を引き継いでいると主張している[3]。 シリア軍や支援するロシア連邦軍と戦闘を続ける一方で、アメリカ軍からの攻撃も度々受けている。また、ISIL、シリア解放戦線(シャーム自由人イスラム運動)など他の反政府武装勢力とも支配地域をめぐり度々衝突している。
2017年7月20日にはヌールッディーン・ザンキー運動が離反し、その後幾度も衝突が起きた。
2018年に入ると、攻勢を強めるシリア軍に対し、シリア解放戦線とも連携して抵抗する動きも出てきた[4]。しかし、引き続きシリア解放戦線との衝突も起きている。
2019年1月、イドリブ県全域を完全掌握。同年5月にかけてシリア政府軍とロシア軍からの激しい爆撃を受けることとなった[5]。
2019年10月、HTS支配地域のイドリブ県北部バーリーシャー村にISIL指導者バグダーディーが潜伏している事が発覚。HTSは付近一体を封鎖し、カイラ・ミューラー作戦によってバグダーディー暗殺を目指す米軍に協力した[6]。
2022年現在もイドリブ近郊を掌握しており、訓練キャンプなどの拠点を置いている[7]。
出典
編集- ^ “Tahrir al-Sham: Al-Qaeda's latest incarnation in Syria”. BBC News. (12 February 2017) 24 April 2018閲覧。
- ^ THOMAS JOSCELYN (10 February 2017). “Hay’at Tahrir al Sham leader calls for ‘unity’ in Syrian insurgency”. Long War Journal. 2018年4月24日閲覧。
- ^ Desk, News (22 February 2017). “Russia finds new jihadist coalition in Syria 'worrisome': Foreign Ministry”. Al-Masdar News. 2018年4月24日閲覧。
- ^ 青山弘之. “混濁続く「反体制派のスペクトラ」/シリア情勢2017:「終わらない人道危機」のその後(13)”. Yahoo!ニュース. 2018年4月24日閲覧。
- ^ “シリア北西部、1週間で15万人超が避難 政権側が攻勢強化”. AFP. 2019年5月7日閲覧。
- ^ “米主導の有志連合とシリアのアル=カーイダが「テロとの戦い」で見せる奇妙なシンクロ(青山弘之) - 個人”. Yahoo!ニュース. 2022年2月22日閲覧。
- ^ “イスラム過激派、新戦闘員の「卒業式」 シリア”. AFP (2022年9月18日). 2022年9月19日閲覧。