セキテイリュウオー
この記事は「旧馬齢表記」が採用されており、国際的な表記法や2001年以降の日本国内の表記とは異なっています。 |
セキテイリュウオー(欧字名:Sekitei Ryu O、1989年4月30日 - 2011年4月13日)は、日本の競走馬、種牡馬[1]。主な勝ち鞍に1993年の日刊スポーツ賞金杯 、1994年の東京新聞杯。
セキテイリュウオー | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
欧字表記 | Sekitei Ryu O[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牡[1] | ||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 1989年4月30日[1] | ||||||||
死没 | 2011年4月13日(22歳没) | ||||||||
父 | トウショウボーイ[1] | ||||||||
母 | レインボーローズ[1] | ||||||||
母の父 | ファーストファミリー[1] | ||||||||
生国 | 日本(北海道門別町)[1] | ||||||||
生産者 | 千葉飯田牧場[1] | ||||||||
馬主 | (株)新元観光[1] | ||||||||
調教師 | 藤原敏文(美浦)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 26戦5勝[1] | ||||||||
獲得賞金 | 3億4029.4万円[1] | ||||||||
|
現役時代
編集1991年12月1日、中山競馬場での新馬戦で蛯沢誠治の騎乗でデビューし2着、2戦目の折り返しの新馬戦で初勝利を挙げる[2]。年明けて500万クラスの条件戦で6着、3着、2着としたのち皐月賞指定オープンの若葉ステークスに駒を進め、エアジョーダン[馬 1]、マヤノペトリュース[馬 2]の重賞勝ち馬2頭などを抑えて制した[2][3]。クラシック第一冠の皐月賞は3番人気もミホノブルボンの6着、大一番の東京優駿も二冠達成のミホノブルボンの9着に終わり、レース後骨膜炎が判明し休養[2]。休み明けで出走した菊花賞は13番人気もライスシャワーの6着、古馬との初対戦のディセンバーステークスでフジヤマケンザンの2着とした[2]。
1993年は日刊スポーツ賞金杯から始動してカリブソングをアタマ差押さえて優勝するが、その後の重賞戦線では勝ちきれない競馬が続き、宝塚記念でメジロマックイーンの4着としたあと脚部不安で放牧に出される[2]。秋は毎日王冠から使い出してシンコウラブリイの2着、続く天皇賞(秋)では6番人気ながらヤマニンゼファーと「息詰まる」とも評される大接戦を演じた末にハナ差の2着とした[2][4]。この接戦のさなか、残り20メートルで鞍上の田中勝春が鞭を落とすハプニングもあり、のちに田中は最も悔しい敗戦にこのレースを挙げている[4]。天皇賞の後、確勝を期してディセンバーステークスに出走して勝利したが、続く有馬記念ではトウカイテイオーの7着に終わった[2]。
1994年は東京新聞杯から始動し、有馬記念でパトロールタワーの影を飛び越えたという事象の対策としてシャドーロールを着用[2]。レースでは59キロの斤量を背負いつつ勝利をおさめ、安田記念を春の最大目標に定めて調整を進めていた矢先、橈骨に骨膜炎を発症して休養を余儀なくされる[5]。秋に毎日王冠から復帰してネーハイシーザーの8着ののち、続く天皇賞(秋)ではネーハイシーザーの2着に入ったが、その後は満足にレースに使えず、1995年は高松宮杯7着の1走のみ、1996年は東京新聞杯と中山記念の2走のみの出走に終わり、サクラローレルの9着に終わった中山記念が最後の競走となった[6]。現役時の活躍内容等から天馬最後の傑作と呼ばれた[7]。
競走成績
編集以下の内容は、netkeiba.com[8]およびJBISサーチ[6]に基づく。
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ(人気) | 着順 | タイム (上り3F/4F) |
着差 | 騎手 | 斤量 (kg) |
勝ち馬/(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1991.12. | 1中山 | 3歳新馬 | 芝1800m(良) | 16 | 4 | 7 | 11.1(3人) | 2着 | 1:50.0 (36.5) | 0.1 | 蛯沢誠治 | 54 | シービーゲイル | |
12.22 | 中山 | 3歳新馬 | 芝1600m(良) | 9 | 6 | 6 | 1.8(1人) | 1着 | 1:36.0 (36.5) | -0.3 | 蛯沢誠治 | 54 | (レオサリュート) | |
1992. | 1.11中山 | 若竹賞 | 500 | 芝2000m(稍) | 16 | 6 | 12 | 5.6(2人) | 6着 | 2:03.5 (36.9) | 0.3 | 蛯沢誠治 | 55 | ハヤノビトン |
2. 3 | 東京 | セントポーリア賞 | 500 | 芝1800m(稍) | 15 | 4 | 7 | 13.5(9人) | 3着 | 1:49.0 (36.8) | 0.5 | 蛯沢誠治 | 55 | サクラセカイオー |
2.23 | 東京 | 春菜賞 | 500 | 芝1600m(良) | 16 | 5 | 10 | 5.2(3人) | 2着 | 1:35.2 (35.6) | 0.1 | 田中勝春 | 53 | タイガーエース |
3.22 | 中山 | 若葉S | OP | 芝2000m(重) | 9 | 3 | 3 | 15.1(4人) | 1着 | 2:05.1 (38.2) | -0.7 | 田中勝春 | 56 | (サウスオー) |
4.19 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 17 | 6 | 12 | 13.3(3人) | 6着 | 2:02.3 (37.6) | 0.9 | 田中勝春 | 57 | ミホノブルボン |
5.31 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 6 | 12 | 18.1(7人) | 9着 | 2:30.3 (38.8) | 2.5 | 田中勝春 | 57 | ミホノブルボン |
11. 8 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 7 | 15 | 63.3(13人) | 6着 | 3:06.8 (47.9) | 1.8 | 田中勝春 | 57 | ライスシャワー |
12. 6 | 中山 | ディセンバーS | OP | 芝2000m(良) | 8 | 7 | 7 | 4.3(3人) | 2着 | 2:00.8 (35.4) | 0.3 | 田中勝春 | 53 | フジヤマケンザン |
1993. | 1. 5中山 | 金杯(東) | GIII | 芝2000m(良) | 13 | 4 | 5 | 6.6(2人) | 1着 | 2:00.5 (36.2) | 0.0 | 田中勝春 | 53 | (カリブソング) |
2.21 | 東京 | 目黒記念 | GII | 芝2500m(良) | 12 | 8 | 11 | 6.4(3人) | 4着 | 2:32.9 (36.2) | 0.5 | 田中勝春 | 55 | マチカネタンホイザ |
3.14 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(良) | 14 | 7 | 12 | 8.8(4人) | 5着 | 1:47.4 (35.4) | 0.4 | 田中勝春 | 56 | ムービースター |
4.11 | 中山 | エイプリルS | OP | 芝2000m(良) | 11 | 5 | 5 | 2.9(2人) | 2着 | 2:00.0 (34.7) | 0.1 | 田中勝春 | 56 | サクラセカイオー |
5.16 | 新潟 | 新潟大賞典 | GIII | 芝2200m(良) | 14 | 3 | 3 | 2.1(1人) | 4着 | 2:14.2 (37.0) | 0.7 | 田中勝春 | 56 | ハシノケンシロウ |
6.13 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m(良) | 11 | 7 | 9 | 42.4(9人) | 4着 | 2:18.4 (38.3) | 0.7 | 南井克巳 | 56 | メジロマックイーン |
10.10 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 芝1800m(良) | 13 | 2 | 2 | 38.3(8人) | 2着 | 1:45.8 (34.8) | 0.3 | 田中勝春 | 57 | シンコウラブリイ |
10.31 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 17 | 1 | 2 | 12.7(6人) | 2着 | 1:58.9 (35.9) | 0.0 | 田中勝春 | 58 | ヤマニンゼファー |
12. 5 | 中山 | ディセンバーS | OP | 芝2000m(良) | 6 | 1 | 1 | 1.6(1人) | 1着 | 2:00.3 (34.7) | -0.1 | 田中勝春 | 59 | (マキノトウショウ) |
12.26 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 14 | 2 | 2 | 14.7(7人) | 7着 | 2:32.1 (35.7) | 1.2 | 田中勝春 | 57 | トウカイテイオー |
1994. | 2. 6東京 | 東京新聞杯 | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 2 | 3 | 3.7(2人) | 1着 | 1:33.6 (34.8) | -0.1 | 田中勝春 | 59 | (ケントニーオー) |
10. 9 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 芝1800m(良) | 11 | 6 | 6 | 7.0(5人) | 8着 | 1:45.2 (34.9) | 0.6 | 田中勝春 | 57 | ネーハイシーザー |
10.30 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 13 | 1 | 1 | 33.8(8人) | 2着 | 1:58.8 (34.4) | 0.2 | 田中勝春 | 58 | ネーハイシーザー |
1995. | 7. 9中京 | 高松宮杯 | GII | 芝2000m(良) | 12 | 7 | 10 | 11.9(5人) | 7着 | 2:03.3 (37.2) | 0.7 | 田中勝春 | 57 | マチカネタンホイザ |
1996. | 2. 4東京 | 東京新聞杯 | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 4 | 8 | 22.4(7人) | 6着 | 1:35.0 (34.3) | 0.6 | 田中勝春 | 60 | トロットサンダー |
3.10 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(良) | 15 | 3 | 4 | 7.3(4人) | 9着 | 1:48.1 (35.7) | 0.9 | 田中勝春 | 58 | サクラローレル |
引退後
編集引退後は種牡馬となったが、12年の種牡馬生活で血統登録されたのは65頭[9]、そのうちJRAで勝利を挙げた馬は初年度産駒のカワキタアラシただ1頭[10][11]に終わるなど不振に終わった。
2009年に種牡馬を引退し、その後は北海道日高郡新ひだか町の荒木育成牧場にて功労馬として繋養されていたが、2011年4月13日、病気のため死亡した[12]。
血統表
編集セキテイリュウオーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | テスコボーイ系 |
[§ 2] | ||
父 トウショウボーイ 1973 鹿毛 |
父の父 *テスコボーイTesco Boy 1963 黒鹿毛 |
Princely Gift | Nasrullah | |
Blue Gem | ||||
Suncourt | Hyperion | |||
Inquisition | ||||
父の母 *ソシアルバターフライSocial Butterfly 1957 鹿毛 |
Your Host | Alibhai | ||
Boudoir | ||||
Wisteria | Easton | |||
Blue Cyprus | ||||
母 レインボーローズ 1979 栗毛 |
*ファーストファミリー First Family 1962 栗毛 |
First Landing | Turn-to | |
Hildene | ||||
Somethingroyal | Princequillo | |||
Imperatrice | ||||
母の母 *プティットアミPetite Amie 1961 黒鹿毛 |
Prince Taj | Prince Bio | ||
Malindi | ||||
Turkhan Law | Turkhan | |||
Road Law F-No.19 | ||||
母系(F-No.) | プティットアミ系(FN:19) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Nearco5×5、Mumtaz Begum5×5、Jury5×5、Hyperion 4・5(父内)、Prince Rose 5・5(母内) | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
編集馬
編集- ^ 共同通信杯4歳ステークス優勝(“エアジョーダン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。)
- ^ シンザン記念優勝(“マヤノペトリュース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。)
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “セキテイリュウオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h #関西競馬四季報94年春 1286頁
- ^ “若葉ステークス【1992年3月22日中山10R】出馬表、予想”. 競馬ラボ. 2024年5月3日閲覧。
- ^ a b 「天寿全うしたヤマニンゼファーの馬生…2人の名手の原点となった名馬」『スポーツニッポン』2017年5月16日。2019年10月29日閲覧。
- ^ #関西競馬四季報94年秋 1275頁
- ^ a b “セキテイリュウオー 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
- ^ 『週刊100名馬 43』産業経済新聞社。
- ^ “セキテイリュウオーの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “セキテイリュウオー 種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “セキテイリュウオーの産駒成績(中央)”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “カワキタアラシ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
- ^ “セキテイリュウオー”. 引退名馬詳細情報. 軽種馬育成調教センター. 2011年4月15日閲覧。
- ^ a b c “セキテイリュウオー 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
- ^ a b “セキテイリュウオーの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月29日閲覧。
- ^ 『優駿』1993年3月号、日本中央競馬会、139頁
- ^ “レーゲンボーゲンの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月29日閲覧。
参考文献
編集- 「関西競馬四季報 1994春季号」『競馬ブック』第15巻第1号、ケイバブック。
- 「関西競馬四季報 1994秋季号」『競馬ブック』第15巻第3号、ケイバブック。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビJBISサーチ
- セキテイリュウオー - 競走馬のふるさと案内所