ジンジャーエール
ジンジャーエール (ginger ale) は、ショウガが入ったノンアルコールの炭酸飲料。カラメルで着色されており、ショウガ独特の辛みがある。シャンパン等の食前酒代わりとして食前にそのまま飲まれるほか、カクテルの材料としても使われる。
歴史
編集ジンジャーエールには、2つの種類がある。「ゴールデンスタイル」と呼ばれるものは、アメリカ人医師トーマス・カントレル (Thomas Cantrell) の発明とされる[誰によって?]。より淡い色をして、ショウガがマイルドな「ドライスタイル」dry style(あるいは「ペールスタイル」 pale style)は、カナダ人のジョン・J・マクローリンの発明に帰される。
アメリカ人の薬屋・外科医トーマス・カントレルは、北アイルランドのベルファストでジンジャーエールを発明し、地元の飲料メーカーであるグラッタン社 (Grattan and Company) にて販売したと伝えられる。グラッタン社はボトルに "The Original Makers of Ginger Ale" のスローガンを浮き彫りにした[1]。これは古いスタイルの「ゴールデン・ジンジャーエール」、すなわち濃い色をして、一般的には味の甘い、強いジンジャースパイス風味であった。ジンジャーエールは透明であるのに対し、ジンジャービールは醸造残留物のためにしばしば濁っており、より強いショウガの味を有する。
「ドライ・ジンジャーエール」は、化学者・薬剤師であるジョン・マクローリン (John McLaughlin) によって作られた、カナダの発明として認識されている[2]。1890年に炭酸水の瓶詰工場を設立したマクローリンは、1904年に水に添加するフレーバーエキスを開発し始めた。その年、彼は「ペール・ドライ・ジンジャーエール」を開発し、1907年には「カナダドライ・ジンジャーエール」として特許取得された。カナダドライはたちまち成功を収め、カナダ総督官邸に納入された。ドライスタイルはまた、禁酒法時代のアメリカにおいて、アルコール飲料のミキサーとして使用されて人気となった。
ドライ・ジンジャーエールは、人気の面でゴールデン・ジンジャーエールをすぐに上回った。ゴールデン・ジンジャーエールは、最近では珍しい、地域的に限られた飲み物となっている。対照的にドライ・ジンジャーエールは、国際的に大規模に生産されており、スーパーマーケットやバー、航空会社では欠かせない物となっている。
日本国内の状況
編集日本国内では日本コカ・コーラやアサヒ飲料など数社から発売されているが、カナダドライ(コカ・コーラ)とウィルキンソン(アサヒ飲料)が有名なブランドである。各ブランドが用いている商標は、カナダドライが「ジンジャーエール」[3]で、ウィルキンソンが「ジンジャエール」[4]である。
日本でも、大正時代に既に兵庫県にあったウヰルキンソン・タンサン社(後にウィルキンソン表記に変更)がジンジャーエールの製造を行っており、1966年には朝日麦酒(現・アサヒビール)によりウヰルキンソンブランドのジンジャーエール(同ブランドではジンジャエールと表記)が全国で売り出された。1970年代には、東京カナダドライ社(現・カルピス2代目法人)が米国カナダドライ社からライセンスを取得したのを皮切りに、海外ブランドの販売も始まった。コカ・コーラ社からも1982年頃、サンティバ (SANTIBA) という名のジンジャエールが発売された事がある。
カナダドライのジンジャーエールは甘みが強い飲み物で、ショウガ特有の辛味は薄く、ビールのような風味がする[独自研究?]。また最近では、ペリーラ、ライム、オレンジフィズ、クラシックといった期間限定のものなども発売されている。
ウィルキンソンのジンジャエールは辛味が強く、ジンジャービアのようなショウガの風味を強く残している。ウィルキンソンブランドには、辛みが少ないドライも存在する(“ドライ”という言葉の響きで間違える人も多いが、「ジンジャエール=(英国風の)ハードな辛口」「ドライジンジャエール=(北米風の)ソフトな甘口」となっている)。
ジンジャーエールを用いるカクテル
編集ジンジャービア
編集カナダでジンジャーエールが発明される以前からイギリスで作られてきた飲料で、ジンジャーエールのルーツ、原型とも言える。ジンジャーと糖分を発酵させて作られる。ウィルキンソンのジンジャーエールをさらに甘辛く濃厚にしたような味で、ジンジャーの刺激が強くクセのある味が特徴。市販もされているが、イギリスなどでは各家庭で自家製のものを作るのが一般的である。
関連項目
編集脚注
編集- ^ “Federation of Historical Bottle Collectors”. FOHBC. 2013年10月3日閲覧。
- ^ “Canadian food firsts”. Canadian Geographic. (January–February 2002). オリジナルの2013年6月24日時点におけるアーカイブ。 October 31, 2012閲覧。
- ^ “CANADA DRY (カナダドライ)”. 日本コカ・コーラ. 2017年6月19日閲覧。[出典無効]
- ^ “ウィルキンソン ジンジャエール PET500ml|炭酸飲料|商品情報”. アサヒ飲料. 2017年6月19日閲覧。[出典無効]
外部リンク
編集- CANADA DRY (カナダドライ) - 日本コカ・コーラ
- The Archive of Softdrinks - All About のライターによる清涼飲料の歴史情報サイト。