ジェラルド・R・フォード級航空母艦
ジェラルド・R・フォード級航空母艦(ジェラルド・R・フォードきゅうこうくうぼかん、英語: Gerald R. Ford-class aircraft carrier)は、アメリカ海軍の原子力空母の艦級[1][2]。先行するニミッツ級と船体規模は同程度だが、新技術を全面的に導入した新設計艦となっている[3]。ネームシップの調達コストは合計130億8,400万ドル[4]。
ジェラルド・R・フォード級航空母艦 | |
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CVN-78 ジェラルド・R・フォード | |
基本情報 | |
艦種 | 航空母艦(原子力空母) |
建造所 | ニューポート・ニューズ造船所 |
運用者 | アメリカ海軍 |
建造費 | 約130億ドル |
建造期間 | 2009年 - 建造中 |
就役期間 | 2017年 - 就役中 |
計画数 | 10隻 |
建造数 | 2隻 |
前級 | ニミッツ級 |
次級 | (最新) |
要目 | |
満載排水量 | 101,600 トン |
全長 | 337 m |
最大幅 | 78 m |
水線幅 | 41 m |
吃水 | 12 m |
原子炉 | A1B加圧水型原子炉×2基 |
主機 | 蒸気タービン×4基 |
推進器 | スクリュープロペラ×4軸 |
速力 | 最大30ノット以上(56+km/h) |
乗員 |
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兵装 |
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搭載機 |
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レーダー | AN/SPY-3 多機能型(3面)×1基 |
ネームシップの艦名は、第38代アメリカ合衆国大統領のジェラルド・R・フォードに由来する。
来歴
編集ニミッツ級の建造
編集アメリカ海軍は、1958年度計画による「エンタープライズ」で、原子力空母の建造に着手した。同艦のコスト高騰を受けて、1961・3年度での建造艦は通常動力型のキティホーク級となったが、1967年度からは、原子力空母の量産型としてニミッツ級の建造が開始された[5][6]。
ニミッツ級の建造費もかなり高かったことから、1970年代には、STOVL運用を想定した小型空母である制海艦(SCS)や、ミッドウェイ級と同規模の中型空母 (CVV) も計画されたものの[7]、ニミッツ級は「空母という艦種は同級で完成した」と称されるほど高く評価されており[8]、ジョン・レーマン海軍長官の600隻艦隊構想もあって、結局は、順次に改訂を加えつつ、同級の建造が継続された[9]。
CVXからCVNX、CVN-21へ
編集1990年代には、これらの小改造や装備機器の追加による排水量の増加と艦内スペースの活用も限界に達していた。このことから、1993年に将来海上航空基地作業部会(Future sea-based air platforms working group)が発足して、ニミッツ級後継艦についての研究が着手された[6]。このニミッツ級後継艦は、原子力空母に拘らずにゼロベースで行われていたことからCVX計画と称されており、2006年から建造を開始して、「エンタープライズ」の後継として2013年には就役させる計画とされた。船体規模としては搭載機45機程度の中型空母からニミッツ級と同様に85機を搭載できる大型空母まで検討されたほか、船型としては先進的なウェーブピアサーやステルス船体も俎上に載せられており、アイランドや飛行甲板レイアウトの改訂まで含めると70通りもの案が比較検討された[5]。
当初はニミッツ級の建造を10隻で終了してCVX計画艦に移行することになっていたが、1998年には、新技術を実現することの困難さや予算的な問題から、この当初計画は実現困難であると考えられるようになった。この時点で、CVX計画は核動力化が決定してCVNX計画と改称しており、ニミッツ級の最終10番艦(CVN-77)に新技術をある程度盛り込んだうえで、CVNX計画艦に移行するように修正されることになった。またCVNX計画艦についても、一気に新技術を全面導入するのではなく、CVNX-1(CVN-78)とCVNX-2(CVN-79)の2段階に分けて導入する、ニミッツ級10番艦(CVN-77)まで含めると3段階を経て導入するという漸進的なアプローチが採択された。しかし2002年には再び計画が修正され、CVN-78をCVN-21計画艦として、一挙に新型空母建造に着手することとなった。新技術の実用化を後押しすべく、2004年度には予算が倍近くまで増額された一方、CVN-77はニミッツ級の小改良型にとどまることになった[6]。
そしてCVN-21計画艦として建造されたのが本級であり、当初2006年から建造に入る予定だったが、2007年に変更され、2004年には、予算上の理由から更に1年先送りして2008年に建造開始された[6]。
設計
編集船体
編集上記のように、CVX計画の段階では従来とは全く異なる設計も検討されていたものの、結局、主要諸元や船舶としての基本的な性能はニミッツ級と同様なものとなった[10]。
船体の基本構造もニミッツ級のものが踏襲されている。主船体は機関区画を含めて11層の甲板で構成されており、格納庫甲板が主甲板(第1甲板)とされている。格納庫は2レベル分の高さが確保されており、その上方の03レベルはギャラリーデッキ、そして04レベルが飛行甲板となっている。なお船首には、ニミッツ級9番艦「レーガン」で導入された大型のバルバス・バウが付されている[10]。
本級では、飛行甲板に新開発の高強度強靭鋼(High Strength Toughness Steel)であるHSLA-115を採用することで、所定の強度を保ちつつ軽量化し、また耐弾性の向上を実現している。また船体は前後に10以上の横隔壁により区分されているが、この隔壁にも、やはり新開発の高強度強靭鋼HSLA-65が採用されている。これらの新素材の導入によって、上部重量の低減や排水量の増加防止、また将来発展余地の確保が実現された[10]。
艦橋構造物(アイランド)も大きく変化した。ニミッツ級よりもかなり艦尾寄りに移動するとともに、レーダー反射断面積(RCS)低減のため外板には傾斜が付され、フェーズドアレイレーダーのアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナが固定装備されている。8層の構成であり、頂部には機器室などに続いて太い塔状のマストが設けられている[10]。
なお本級では、運用コストの低減のため、全面的な省力化が図られているが、これによって捻出されたスペースの余裕を活かして、居住性の向上も図られている[10]。
機関
編集原子力空母である本級は核動力を採用しているが、その原子炉としては、新開発のA1Bが採用された。ニミッツ級では、A4W(熱出力550 MWth)2基が搭載されてきたが、40年の技術進歩を反映して、A1Bでは出力にして25パーセントの増加が達成された[11][12]。
炉心のエネルギー密度が向上することでコンパクト化も進められ、冷却水のポンプはより電力消費の少ないもので賄えるようになった[13]。配管やバルブ、ポンプ、また二次冷却水の蒸気を水に戻すコンデンサーなども、A4Wより50パーセント減少しており[13]、保守・整備の手間やマンパワーの削減が実現し、メンテナンスを30パーセント、原子炉担当の当直の人数も50パーセント削減できるようになった[12]。
また本級では、カタパルトとアレスティング・ギアの両方を電磁式とすることが予定され、レーダーなども新型化され、更に発展余地も求められたことから、発電能力も増強された。ニミッツ級では100メガワットとされていたのに対し、3倍に強化されている[11][12]。
炉心寿命は、ニミッツ級のA4W/A1G炉心と同様に約25年であるため、艦の寿命の中間で一度炉心交換を含む包括的修理(RCOH)を行う必要がある[14]。
なお、推進器はニミッツ級9番艦「レーガン」以降と同様、直径6.4メートルでスキュー付きの5翼式スクリュープロペラとされている[10]。
能力
編集航空運用機能
編集発着艦設備
編集船体の項に記したとおり、本級では04甲板(レベル03の天井)が全通した飛行甲板とされており、長さ332.9メートル×最大幅78.0メートルで[1]、面積にして約20,000平方メートルと、ニミッツ級より約11パーセント増加した。飛行甲板上にはアングルド・デッキが設定されている[10]。
本級では、カタパルトとアレスティング・ギアの両方を電磁式とすることが予定された。アレスティング・ギアとして開発された先進着艦制動装置 (AAG) は、油圧装置にかえて、ウォーター・タービンの抵抗によるパッシブな減速とモーターによるアクティブな制動を組み合わせる方式を採用しており、性能的には従来のMk.7制動装置と同様だが、より細かく機体の速度・重量や強度にあわせた制動を実施できるように設計されている[15]。
一方、カタパルトとして開発されたのがEMALS(Electro-magnetic Aircraft Launch System)で、こちらも出力的には従来のC-13型蒸気式カタパルトと同程度ながら、エネルギー効率に優れているほか、機体の特性にあわせて加速度を調整できることから機体への荷重を軽減でき、小型軽量の無人航空機(UAV)の射出にも対応した。更に小型軽量化および整備性の向上も実現された[16]。またその後方に設置されるジェット・ブラスト・ディフレクターも、内部に特殊な冷却パイプを内蔵したパッシブ・ジェット・ブラスト・ディフレクターが採用された[10]。
ただしEMALSもAAGも信頼性の問題を抱えており、それぞれ4,166MCBCF(Mean Cycles Between Critical Failures)と16,500MCBCFの信頼性を要求されているにもかかわらず、EMALSは747回の射出試験で10回、またAAGもは763回の拘束着艦で10回の重大故障を起こした。EMALSについては、トランプ大統領(当時)により、後期建造艦での非採用が主張されるに至ったが[4]、その場合は設計を大きく改訂しなければいけないこと、また現用の蒸気カタパルトは維持管理コストが高いことを踏まえて、採用が継続されることになった[17]。またAAGについても、2021年4月には制動に使用するウォーターツイスターの改良型が発注され、改良が図られることになっている[17]。
格納・補給
編集アメリカ海軍では、超大型空母の端緒にあたるフォレスタル級以降、デッキサイド式エレベーター4基(右舷側3基、左舷側1基)の構成を踏襲してきたが、本級では右舷側のエレベーターを1基減らし、計3基となった[10]。
搭載される空母航空団はニミッツ級と同様で、以下のような構成が予定されている[2]。
- 戦闘攻撃飛行隊(VFA)- F/A-18E/F×24機+F-35Cライトニング II×20機(各2個飛行隊)
- 電子戦飛行隊(VAQ) - EA-18G×5機(1個飛行隊)
- 早期警戒飛行隊(VAW)- E-2D×4機(1個飛行隊)
- ヘリコプター海洋打撃飛行隊(HSM) - MH-60R×3機(1個飛行隊)
- ヘリコプター海上戦闘飛行隊(HSC) - MH-60S×3機(1個飛行隊)
- 艦隊兵站支援飛行隊(VRC)- C-2A×2機
ただし本級では、上記のような航空艤装の改良によって、ニミッツ級では1日120ソーティとされていたものを3割増の160ソーティ、戦時には更に240ソーティにまで増加させることで、実質的な戦闘能力を向上させている[18]。
ソーティ数の増加に対応して、搭載弾薬量はニミッツ級から倍増した[18]。なお本級では、弾薬移送用エレベーターも電磁式とされており、新開発の先進兵器エレベーター(AWE)が採用された。右舷の2基の機体移送用エレベーターのそれぞれ艦首側と、飛行甲板の右舷張り出しの最前部の計3ヶ所に設置される[4]。またこのほか、弾薬庫と格納庫甲板を結ぶものが7基、汎用のものが1基で、計11基が設置されることになっている[17]。ただし誤動作の問題があり、設置は遅延して、艦自体の就役遅延につながった[4]。2020年11月にはAWEの問題解決を担う150名規模の担当チームが設置され、2021年3月の時点で11基のうち7基の不具合が解消され、認証・領収に至っていた[17]。 その後、2021年12月に全てのAWEが稼働したと発表された[19]。
個艦防御機能
編集「フォード」では、レーダーとして、捜索用のAN/SPY-4(Volume Search Radar, VSR)および多機能型のAN/SPY-3(Multi-Function Radar, MFR)を搭載しており、3面のアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESAアンテナ)は、いずれもアイランドに固定装備される。これらのレーダーはデュアル・バンド・レーダーとして統合されて運用される。SPY-4はSバンドを使用して遠達性に優れており、遠距離での捜索・捕捉を担当する。SPY-3はXバンドを使用して精密走査能力に優れており、SPY-4の情報に基づいて目標を捕捉・追尾し、艦対空ミサイルの誘導までを担当する[20]。
ただしこれらはコストや信頼性の面で問題があり、2番艦以降では機種が変更されることになった。VSRの代替機としては、イージス艦向けのAN/SPY-6(AMDR)を元にしたSPY-6(V)3 EASR(Enterprise Air Surveillance Radar)、またMFRの代替機としては、AN/SPQ-9BとMk.9トラッキング・イルミネーターの組み合わせが導入された[17]。
兵装面ではニミッツ級とほぼ同様で、ESSMの8連装発射機2基、RAMの21連装発射機2基、20mm CIWSが3基とされている[10]。ただし2番艦以降では、ESSMはブロックII(アクティブ・レーダー・ホーミング対応)、RAMもブロックIIA/Bに更新される予定である[17]。また本級では、レーザー兵器システムなどの指向性エネルギー兵器の後日装備も想定されており、そのための電力供給も設計に含まれている[21]。
比較表
編集CVN フォード級 | CVN ニミッツ級 | CVN エンタープライズ (最終状態) |
CV キティホーク級 (最終状態) |
CV フォレスタル級 (最終状態) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
船体 | 満載排水量 | 101,605 t[3] | 91,400 - 102,000 t[8] | 83,350 t[22] | 75,200 t - 83,000 t[23] | 75,900 t - 76,000 t[24] |
全長 | 332.8 m[3] | 332.0 m[8] | 341.3 m[22] | 319.3 m - 326.9 m[23] | 316.7 m - 319.0 m[24] | |
水線幅 / 最大幅 | 41.8 m / 78 m[3] | 40.8 m / 76.8 m[8] | 38.5 m / 78.3 m[22] | 39.6 m / 76.8 m[23] | 38.5 m / 76.8 m[24] | |
機関 | 方式 | 原子炉 + 蒸気タービン[3][8][22] | ボイラー + 蒸気タービン | |||
出力 | 280,000 hp[8][22][23][24][注 1] | |||||
速力 | 30 kt以上[3][8] | 36 kt[22] | 35 kt[23] | 34 kt[注 1][24] | ||
兵装 | 砲熕 | ファランクスCIWS × 2–3基[3][8][22][23][24] | ||||
ミサイル | ESSM 8連装発射機 × 2基[3] | シースパロー 8連装発射機 × 2–3基[8][22][23][24] | ||||
RAM 21連装発射機 × 2基[3] | ― | |||||
航空運用機能 | 形式 | CATOBAR | ||||
発艦装置 | 電磁式カタパルト × 4基 | 蒸気式カタパルト × 4基 | ||||
JBD | 4基 | |||||
着艦帯 | アングルド・デッキ配置 | |||||
制動索 | 3索 | 4索[注 2] | ||||
エレベーター | 3基 | 4基 | ||||
航空用ガソリン | ― | 363 kL[25] | 192 kL[25] | 353 kL[25] | ||
ジェット燃料 | 不明 | 10,220 kL[25] | 9,382 kL[25] | 4,439 kL[25] | 6,955 kL[25] | |
航空機用兵器 | 不明 | 2,970 t[25] | 1,800 t[25] | |||
搭載機数 | 常時70機前後 | 常時70機前後 / 最大90機 | ||||
同型艦数 | 1隻 / 10隻予定 (1隻艤装中、1隻建造中) |
10隻 | 1隻(退役) | 4隻(退役) | 4隻(退役) |
フォード級 | シャルル・ド・ゴール | ニミッツ級 | エンタープライズ (最終状態) | ||
---|---|---|---|---|---|
船体 | 満載排水量 | 101,600 t | 43,182 t | 100,000 t以上 | 93,284 t |
全長 | 337 m | 261.5 m | 330 m - 333 m | 336 m | |
水線幅 / 最大幅 | 41 m / 78 m | 31.5 m / 64.36 m | 41 m / 76.8 m | 40 m / 76 m | |
機関 | 原子炉 | A1B × 2基 | K15 × 2基 | A4W × 2基 | A2W × 8基 |
出力 | 不明 | 83,000 shp | 260,000 shp | 280,000 shp | |
速力 | 30 kt以上 | 27 kt | 30 kt以上 | 33.6 kt | |
兵装 | 砲熕 | ファランクス CIWS × 2基 | 20 mm 単装機関砲 × 8基 | ファランクス CIWS × 2–3基 | |
ミサイル | ESSM 8連装発射機 × 2基 | アスター15 VLS × 32セル | シースパロー 8連装発射機 × 2基 | ||
RAM 21連装発射機 × 2基 | SADRAL 6連装発射機 × 2基 | RAM 21連装発射機 × 2基 | |||
航空運用機能 | 発着艦方式 | CATOBAR | |||
発艦装置 | 電磁式カタパルト × 4基 | 蒸気式カタパルト × 2基 | 蒸気式カタパルト×4基 | ||
JBD | 4基 | 2基 | 4基 | ||
着艦帯 | アングルド・デッキ配置 | ||||
制動索 | 3索 | 4索[注 2] | |||
エレベーター | 3基 | 2基 | 4基 | ||
搭載機数 | 常時70機前後 | 最大40機 | 常時70機前後 / 最大90機 | ||
同型艦数 | 1隻 / 10隻予定 (1隻艤装中、1隻建造中) |
1隻 | 10隻 | 1隻(退役) |
フォード級 | 福建 | 山東 | アドミラル・クズネツォフ | クイーン・エリザベス級 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
船体 | 満載排水量 | 101,600 t | 80,000 t | 67,000 t | 59,100 t | 67,699 t |
全長 | 337 m | 316 m | 315 m | 305 m | 284 m | |
船体幅 / 最大幅 | 41 m / 78 m | 40 m / 76 m | 38 m / 75.5 m | 38 m / 72 m | 39 m / 73 m | |
機関 | 方式 | ギアード・タービン | IFEP | ギアード・タービン | IFEP | |
主機 | 原子炉+蒸気タービン | ボイラー+蒸気タービン | ガスタービン発電機+電動機 | |||
出力 | 不明 | 220,000 hp | 200,000 hp | 108,000 hp | ||
速力 | 30 kt以上 | 29 kt | 26 kt | |||
兵装 | 砲熕 | ファランクスCIWS×3基 | 1130型CIWS×3基 | AK-630 CIWS×6基 | ファランクスCIWS×3基 | |
コールチクCIWS×8基 | 30mm単装機銃×4基 | |||||
― | RBU-6000 発射機×2基 | RBU-12000 発射機×2基 | 12.7mm重機関銃×6基 | |||
ミサイル | ESSM 8連装発射機×2基 | HHQ-10 18連装発射機×4基 | キンジャール VLS×192セル | ― | ||
RAM 21連装発射機×2基 | P-700 VLS×12セル | |||||
航空運用機能 | 発着方式 | CATOBAR | STOBAR | STOVL | ||
発艦装置 | 電磁式カタパルト×4基 | 電磁式カタパルト×3基 | スキージャンプ | |||
JBD | 4基 | 3基 | ― | |||
着艦帯 | アングルド・デッキ配置 | アキシャル・デッキ配置 | ||||
制動索 | 3索 | 4索 | ― | |||
エレベーター | 3基 | 2基 | ||||
搭載機数 | 常時70機前後 | 常用50機 / 最大80機 | 50機 | 50機前後 | 常時40機 / 最大48機 | |
同型艦数 | 1隻/10隻予定 (1隻艤装中、1隻建造中) |
2隻予定 (1隻艤装中、1隻計画中) |
1隻 | 1隻 (準同型1隻) | 2隻 |
同型艦
編集ニミッツ級と同じくアメリカ合衆国において原子力空母の建造および燃料棒交換を唯一行うことのできるニューポート・ニューズ造船所で建造された。
アメリカ海軍は現有のニミッツ級航空母艦10隻に代えて、2030年代末までに本型艦を12隻体制とする方針であり、3番艦エンタープライズと4番艦ドリス・ミラーについて、単艦ごとの発注でなく2艦を一括発注することで建造期間と費用を圧縮させることを検討している[26]。
一方で、アメリカ議会予算局は2013年の連邦支出削減報告書で、本級の建造を2番艦で中止することで、178億ドルが節約できると指摘している[27]。
一覧表
編集艦番号 | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 更新対象 | 現況 | 母港 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CVN-78 | ジェラルド・R・フォード USS Gerald R. Ford |
2009年 11月13日 |
2013年 10月11日 |
2017年 7月22日 |
CVN-65 | 就役 | バージニア州 ノーフォーク海軍基地 |
CVN-79 | ジョン・F・ケネディ USS John F. Kennedy |
2015年 8月22日 |
2019年 10月29日 |
2025年予定 | CVN-68 | 建造中 | |
CVN-80 | エンタープライズ USS Enterprise |
2022年 4月5日 |
2025年予定 | 2028年予定 | CVN-69 | 建造中 | |
CVN-81 | ドリス・ミラー USS Doris Miller |
2026年予定 | 2029年予定 | 2032年予定 | CVN-70 | 計画中 | |
CVN-82 | 艦名未命名 | 2027年予定 | 2032年予定 | 2036年予定 | CVN-71 | 計画中 |
命名
編集キティホーク級航空母艦アメリカの退役軍人協会(乗務経験者で組織される)は、本級の1番艦であるCVN-78をアメリカと命名するよう運動を行ってきたが、最終的にはジェラルド・フォード第38代大統領の名が命名されることとなった。なおアメリカの名は、アメリカ級強襲揚陸艦の1番艦であるLHA-6につけられた。
同様に2番艦であるCVN-79についても、命名について様々な憶測や提案がなされた。2007年12月7日には、ハリー・ミッチェル下院議員が真珠湾攻撃66周年記念式典において、CVN-79を「アリゾナ」と命名することを提案した。また一部では、CVN-65 エンタープライズが本級の一番艦であるCVN-78 ジェラルド・R・フォードに置き換えられる形で退役する予定であることなどから、CVN-79をエンタープライズと命名するよう求める請願署名をネット上で募る動きもあった[28]。しかし2011年5月29日、レイ・メイバス海軍長官は、CVN-79がジョン・F・ケネディと命名される予定であることを発表した[29]。ジョン・F・ケネディの名は2007年に退役したキティホーク級の4番艦CV-67以来2代目となる。
2012年12月1日、CVN-65 エンタープライズの退役式典において、レイ・メイバス海軍長官は、CVN-80がエンタープライズと命名されることを発表した[30]。エンタープライズの名は同艦で9代目となる。
2020年1月20日、アメリカ海軍はフォード級4番艦CVN-81にアフリカ系アメリカ人、ドリス・ミラー三等炊事兵の名前を付与する意向と発表した。ミラーは真珠湾攻撃時戦艦「ウェストバージニア」の一等給仕兵であるにもかかわらず、死亡した水兵の代わりに機銃座に座り日本海軍機相手に勇敢に闘い、その功績によりアフリカ系アメリカ人として初の海軍十字章を受章している。ミラーの名前が使用されるのは1991年に退役したノックス級フリゲート「ミラー(FF-1091)」以来2回目。空母に水兵の名前が使用されるのは初である。
登場作品
編集アニメ・漫画
編集- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
- 予告でSu-34とV-22を搭載した艦艇が登場。本編では艦番号78の艦艇をはじめ数隻がヴィレの艦隊に登場した。
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』
- ヤマト作戦で艦底部にシールドを装備した一隻が新2号機射出時機体保護特化改装型防御専用艦船として使用された。
- 特報では、ヴンダーと共にヤマト作戦に出撃していると思われる艦艇が確認できる。
- 『ガーリー・エアフォース』
- テレビアニメ版第10話及び第11話に「ジェラルド・R・フォード」が登場。
- 上海上陸作戦に参加し、主人公たちの母艦となる。
小説
編集- 『GODZILLA 怪獣黙示録』
- 3番艦「エンタープライズ」が登場。人類に残された3隻の空母のうち1隻となるが、最終的に怪獣ゴジラに撃沈される。
ゲーム
編集- 『コール オブ デューティシリーズ』
-
- 『コール オブ デューティ ゴースト』
- 架空艦「CVN-81 リベレーター」[注 3]が登場。アメリカ海軍に残された唯一の空母となっており、連邦軍への総攻撃作戦に参加する。作戦中に飛行甲板上へ侵入してきた連邦軍と戦闘状態に陥り、最終的に連邦軍の衛星兵器による攻撃で撃沈される。
- 『Modern Warships』
- プレイヤーが操作できる艦艇として「ジェラルド・R・フォード」と「エンタープライズ」が登場。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b Saunders 2015, p. 935.
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参考文献
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外部リンク
編集- Design & Preparations Continue for the USA's New CVN-21 Super-Carrier (updated), Defense Industry Daily. Provides an extensive briefing re: the new ship class, and adds entries for many of the contracts under this program.
- Global Security