HHQ-10 (ミサイル)
FL-3000N(中国語: 飛竜3000N)は、中国航天科技集団公司が開発した近接防空ミサイル(中: 近防導彈)。中国人民解放軍海軍(PLAN)ではHHQ-10(中: 海红旗-10)として制式化されている。
056型コルベット搭載の8連装発射機 | |
種類 | 近接防空ミサイル |
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製造国 | 中国 |
設計 | 中国航天科技集団公司 |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 0.12m |
ミサイル全長 | 2m |
射程 |
9km(低速目標) 6km(高速目標)[1] |
誘導方式 | PRH+IRH[1] |
設計
編集システム
編集本システムは、HQ-7個艦防空ミサイル(PDMS)と730型CIWSの中間的な射程を有し、これらを補完することを目的に開発された。開発に当たっては、同様のコンセプトのもとでアメリカ合衆国のジェネラル・ダイナミクス社とドイツのディールBGT社が開発したRAMがモデルとされており、外観上も類似している。このような要請に基づき、本システムは3秒未満の間隔での速射および発射後ロックオン(LOAL)が可能で[2][3]、海面から1.5m以上の高度を飛行する目標を迎撃することができる[4]。
ミサイル
編集ミサイルはヘリコプター用に開発された空対空ミサイルであるTY-90の設計に基づいており、TY-90から寸法を拡大し射程距離を延長するなど様々な改良が加えられている。ミサイルの誘導に使用される誘導装置の誘導方式はパッシブレーダー誘導と赤外線画像誘導の複合誘導となっている。[5]
機能や外見の類似したRAMのミサイルと異なる点として、このミサイルは発射時に回転せず、RAMよりも大きなロケットモーターを搭載している事などが挙げられる。[6]
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システムに搭載されるミサイル。赤外線画像誘導に使用されるシーカーとパッシブレーダー誘導に使用される2本のアンテナが確認できる。
運用史
編集本システムは、970型試験艦「華羅庚」での試験を経て、まず2012年9月に就役した航空母艦「遼寧」に搭載された。試験時にはRAMのMk.49 GMLS(21連装)に類似した24連装発射機と18連装発射機が使用されたが、「遼寧」には18連装発射機のみが搭載された。また、その後、2013年3月に就役を開始した056型コルベットには、より小型の8連装発射機が搭載された[7]。
参考文献
編集- ^ a b 環球時報 (2012年11月13日). “辽宁舰配备的飞豹3000近防导弹性能超海拉姆图” (中国語). 2013年5月18日閲覧。
- ^ 新浪航空 (2008年11月5日). “中国拉姆面世:FL-3000N飞豹近防系统公开展示” (中国語). 2013年5月18日閲覧。
- ^ JT (2012年12月4日). “FL-3000N / HHQ-10 Missile CIWS Air Defense System” (英語). 2013年5月18日閲覧。
- ^ “我军三大舰队齐练超低空反导:海红旗10称霸海面”. 2021年3月24日閲覧。
- ^ “Anti-aircraft missile system HHQ-10 (FL-3000N)”. 2024年4月21日閲覧。
- ^ “HHQ-10”. 2024年4月21日閲覧。
- ^ 「現代の中国軍艦」『世界の艦船』第774号、海人社、2013年3月、21-51頁、NAID 40019570917。
外部リンク
編集映像外部リンク | |
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「遼寧」の搭載システムについての解説 |