ショウジョウソウ
ショウジョウソウ(猩猩草[7]、学名:Euphorbia cyathophora)は、トウダイグサ科トウダイグサ属の一年草[8]。花期に頂部の苞葉が赤く色付き、園芸用に栽培されるが、世界中の熱帯を中心に帰化植物としても分布を広げている。
ショウジョウソウ | ||||||||||||||||||||||||
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ショウジョウソウ
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Euphorbia cyathophora Murray[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ショウジョウソウ(猩猩草、猩々草) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
fire-on-the-mountain[4] Mexican fire plant wild poinsettia painted spurge[5] various-leaved spurge[6] |
特徴
編集形態
編集草丈は50cm[9]-1m前後[10]。原産地をはじめとした熱帯地域では多年草であるが、日本では一般に春播きの一年草として扱われる[8]。茎は直立する。下部の茎葉は互生し、卵形で長さ3-10cm、幅1-5cm[4]。茎の先端に杯状花序を集散状につけ、花序に近い苞葉は対生し、独特のヴァイオリン状の形をしており、基部が赤く色付く[11]。花は小さく目立たないが、この赤い葉を楽しむために花壇用に栽培されたり、切り花に用いたりする[6][10]。
総苞腺体は通常1-2個で、横長楕円形[11]。花の後に蒴果を結び、裂開して卵型の種子を飛散させて繁殖する[11]。花期・果期は5月-11月頃[4]。
分布
編集アメリカ合衆国中部-アルゼンチン原産[11]であるが、古くから世界の熱帯-亜熱帯各地に広がり、野生化している[10]。日本には19世紀後半の明治年間に渡来し[9]、園芸用に栽培されたが、逸出の結果、現在では奄美群島・大東諸島・琉球諸島では畑地や原野に広く自生し[10][12]、小笠原諸島にも帰化している[10]。
名称
編集和名のショウジョウは、赤い苞を中国由来の想像上の動物である猩猩の赤い顔に喩えたものである[7]。茎は草質で基部のみ木質化するが、その度合いは近縁種のポインセチアほどではなく[10]、この違いがショウジョウソウとショウジョウボク(ポインセチアの和名)の名称の由来である。英名ではファイア・オン・ザ・マウンテンの呼称があり[4]、同じトウダイグサ属のハツユキソウがスノー・オン・ザ・マウンテンと呼ばれるのと対をなしている。
サマーポインセチアの名で販売されることがある。
近縁種
編集- ショウジョウボク(Euphorbia pulcherrima[13])
- 英名のポインセチアの名称で観葉植物として栽培され、特に日本ではクリスマスに合わせて販売される。苞葉の基部のみが赤くなるショウジョウソウに対し、ショウジョウボクは苞葉全体が赤く色付くほか、茎が強く木化する違いがある[10]。
- ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla[14])
- 日本では太平洋戦争後に沖縄県に帰化[15]。ショウジョウソウとよく混同されるが[12]、こちらは苞葉が長卵形-長楕円形で、総苞腺体が円形、頂部の色付きが白-赤紫色であるなどの違いがある[11][15]。また、Euphorbia heterophylla の学名は誤ってショウジョウソウに対して用いられる場合があり、注意が必要である[5]。
- コバノショウジョウソウ(Euphorbia dentata[16])
- 葉は卵型で長さ2-7cm、幅5-20mmとショウジョウソウより小さく、葉の縁は全縁が浅裂-波状歯裂を構成する[17]。
脚注
編集- ^ “米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2012年5月12日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ “米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2012年5月12日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ “米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2012年4月21日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b c d 侵略的外来植物図鑑、104-105頁。
- ^ a b 清水、132頁。
- ^ a b 日本帰化植物写真図鑑、167頁。
- ^ a b 木村、226頁。
- ^ a b 山溪カラー名鑑、195頁。
- ^ a b 牧野、76頁。
- ^ a b c d e f g 日本の野生植物、229頁。
- ^ a b c d e 改訂新版日本の野生植物、157頁。
- ^ a b Flora of Japan、30頁。
- ^ “米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2012年5月12日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ “米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2012年5月12日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b 日本帰化植物写真図鑑、169頁。
- ^ “米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」”. YList (2012年5月12日). 2018年1月24日閲覧。
- ^ 侵略的外来植物図鑑、106-107頁。
参考文献
編集- 『改訂新版 日本の野生植物 3』平凡社、2016年。ISBN 978-4-582-53533-4。
- 『日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類』平凡社、1982年。
- 『Flora of Japan Ⅱc』講談社、1999年。ISBN 4-06-154606-6。
- 『山溪カラー名鑑 園芸植物』山と溪谷社、1998年。ISBN 4-635-09028-0。
- 清水建美『日本の帰化植物』平凡社、2003年。ISBN 4-582-53508-9。
- 清水矩宏、森田弘彦、廣田伸七『日本帰化植物写真図鑑 ―Plant invader 600種―』全国農村教育協会、2001年。ISBN 978-4-88137-085-8。
- 牧野富太郎『原色牧野植物大図鑑 離弁花・単子葉植物編』北隆館、1997年。ISBN 4-8326-0401-5。
- 万方浩、劉全儒、謝明(著)、林蘇娟(監修・翻訳)、林元寧(翻訳)『侵略的外来植物図鑑 ―中国における代表的142種―』科学出版社東京、2016年。ISBN 978-4-907051-41-9。
- 木村陽二郎『図説 花と樹の大事典』柏書房、1996年。ISBN 4-7601-1231-6。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)