シクロブタン (cyclobutane) は、分子式 C4H8分子量 56.11 のシクロアルカンである。別名、テトラメチレン (tetramethylene)。融点 −80℃、沸点 13℃、CAS登録番号は 287-23-9。常温で無色の可燃性気体で、エタノールアセトンに可溶、に不溶である。

シクロブタン
識別情報
CAS登録番号 287-23-0 チェック[EBI]
PubChem 9250
ChemSpider 8894 チェック
UNII 5X619RB2CY ×
EC番号 206-014-5
国連/北米番号 2601
ChEBI
バイルシュタイン 1900183
Gmelin参照 81684
特性
化学式 C4H8
モル質量 56.107 g/mol
外観 無色の気体
密度 0.720 g/cm3
融点

-91 °C, 182 K, -132 °F

沸点

12.5 °C, 286 K, 55 °F

危険性
GHSピクトグラム 可燃性高圧ガス
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H220, H280
Pフレーズ P210, P377, P381, P403, P410+403
NFPA 704
4
1
0
関連する物質
関連するアルカン ブタン
関連物質 シクロブテン; シクロブタジエン; シクロプロパン; シクロペンタン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

構造

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構造式では正方形で書かれるシクロブタンであるが、実際には4つの炭素原子は同一平面上に無く、約25°の角度で折れ曲がった構造を取る。そのため炭素骨格の配置はほぼ 80° である。しかし、シクロブタンは曲がった結合[1]を形成することで結合角はほぼ 109°となり、通常のシクロアルカンの結合と同様である。そのためにシクロプロパンとは異なり無置換のシクロブタンは環開裂反応を起こしにくい[2]

前述のように 1,3-ジブロモプロパンとマロン酸ジエステルとの環化反応をもちいて合成することができる。あるいはシクロプロパン誘導体が光条件下、[2+2] 環状付加反応によって合成される場合もある。

出典

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  1. ^ Bent Bonds in Organic Compounds Kenneth B. Wiberg Acc. Chem. Res.; 1996; 29(5) pp 229 - 234; (Article) doi:10.1021/ar950207a
  2. ^ 小川 桂一郎、「シクロブタン」、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社、1999年

関連項目

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