ザリスキー接空間
代数幾何学において,ザリスキー接空間は代数多様体 V(あるいはより一般の対象)上の点 P における接空間を定義する構成である.微分法は用いず,抽象代数学に直接基づいており,最も具体的な場合は単に線型方程式系の理論である.
定義
編集局所環 の余接空間は
と定義される.これは剰余体 上のベクトル空間である.その双対線型空間は R の接空間と呼ばれる[1].
スキーム X の点 P における接空間 と余接空間 は の(余)接空間である.Spec の関手性により,自然な商写像 は準同型 を誘導する.ただし X = Spec(R) であり,P は Y = Spec(R/I) の点である.これは を に埋め込むのに用いられる[2].体の間の射は単射だから,g から誘導される剰余体の全射は同型である.すると余接空間の間の射 k が g から誘導され,次で与えられる:
これは全射だから,転置 は単射である.
関連項目
編集参考文献
編集- ^ Eisenbud 1998, I.2.2, pg. 26
- ^ Smoothness and the Zariski Tangent Space, James McKernan, 18.726 Spring 2011 Lecture 5
本
編集- Hartshorne, Robin (1977), Algebraic Geometry, Graduate Texts in Mathematics, 52, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-0-387-90244-9, MR0463157
- David Eisenbud; Joe Harris (1998). The Geometry of Schemes. Springer-Verlag. ISBN 0-387-98637-5
外部リンク
編集- Zariski tangent space. V.I. Danilov (originator), Encyclopedia of Mathematics.