ザック・ランドルフ

アメリカのバスケットボール選手 (1981-)

ザッカリー・マッケンリー・ランドルフZachary McKenley Randolph, 1981年7月16日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州マリオン出身の元プロバスケットボール選手。NBAメンフィス・グリズリーズなどで活躍した。ポジションはパワーフォワード。愛称は「Z-Bo」や「ザック神」。

ザック・ランドルフ
Zach Randolph
メンフィス・グリズリーズでのランドルフ
(2013年)
引退
愛称 Z-Bo
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1981-07-16) 1981年7月16日(43歳)
出身地 インディアナ州の旗 インディアナ州マリオン
身長(現役時) 206cm (6 ft 9 in)
体重(現役時) 113kg (249 lb)
キャリア情報
高校 マリオン高等学校英語版
大学 ミシガン州立大学
NBAドラフト 2001年 / 1巡目 / 全体19位[1]
プロ選手期間 2001年–2019年
ポジション PF
シュート
背番号歴 50
永久欠番 グリズリーズ  50 
経歴
2001-2007ポートランド・トレイルブレイザーズ
2007-2008ニューヨーク・ニックス
2008–2009ロサンゼルス・クリッパーズ
2009-2017メンフィス・グリズリーズ
20172019サクラメント・キングス
受賞歴
通算成績
得点 18,578 (16.6 ppg)
リバウンド 10,208 (9.1 rpg)
アシスト 2,049 (1.8 apg)
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten

学生時代

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マリオン高校では2度州チャンピオンに導き、2000年USAトゥデイ紙、パレード誌のオールアメリカンファーストチームに名を連ねた。高校オールスターゲームであるマクドナルドオールアメリカンゲームでは、23得点15リバウンドを記録し、MVPに選ばれた。

大学はミシガン州立大学スパルタンズに進学。2001年NCAAトーナメントではファイナル4まで進出した。大学では1年だけプレイし、2001年のNBAドラフトにアーリーエントリーした。大学でのチームメイトにはジェイソン・リチャードソンチャーリー・ベルらが居る。

NBAキャリア

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ドラフトではポートランド・トレイルブレイザーズから全体の19位指名を受けた。デビュー後2年間はベンチを暖める存在だったが、2003年プレーオフ・ファーストラウンドのダラス・マーベリックス戦で大ブレイク。3戦3敗で迎えた第4戦から平均20得点10リバウンドの "20-10" を量産し、シリーズを3勝3敗に持ち込む原動力となった (結果は3勝4敗で敗退) 。3年目の2003-04シーズン、再建を図るチームはランドルフをスターターに起用した。期待に応え20.1得点、10.5リバウンドというスタークラスの数字を残し、見事MIP(最も成長した選手に贈られる賞)を受賞した。一方でこの頃から素行の悪さが目立つようになり、この年にチームメイトのルーベン・パターソンと暴力沙汰を起こしたのを皮切りに、マリファナ所持や飲酒運転、婦女暴行事件に関連した訴訟など、多くの問題を抱えるようになり、チーム内の風紀の乱れから「ジェイル(監獄)・ブレイザーズ」と揶揄されるチームの象徴として見られるようになった。

続く2004-05シーズンは怪我の影響もあり不本意な成績(46試合の出場のみ)に終わった。2005-06シーズンは弱体化したチームの中で力を発揮できずにいたが71試合に出場。12月にはキャリアハイの37得点を記録した。また、この年は3ポイントシュートにも積極的にトライした。続く2006-2007シーズンも68試合に出場し、23.6得点10.1リバウンドの好成績を残した。

2007年6月28日、NBAドラフト当日のトレードによりニューヨーク・ニックスへ移籍した。ニックスではエディ・カリーとのコンビが注目されたが、ボールを共有できずディフェンスをしない2人がうまく共存できるわけもなく、チームも自身も芳しくない成績で終わった。

2008年11月21日、カッティノ・モブリーティム・トーマスとのトレードでロサンゼルス・クリッパーズへ移籍した。

その後2009年オフシーズンに、クエンティン・リチャードソンとのトレードでメンフィス・グリズリーズへ移籍。プレースタイルに変化が見られるようなり、チームプレーヤーにと変貌を遂げた。若いチームの中でベテランとして上手くチームを支え、周囲の評価を飛躍的に上げたランドルフは、自身初のNBAオールスターゲームに選出された。その後2013年のオールスターにも選出されるなど、マーク・ガソルマイク・コンリーらとともにグリズリーズの中心選手として君臨。2016年3月19日のロサンゼルス・クリッパーズ戦では、28得点 11リバウンド10アシストを記録し、自身初のトリプル・ダブルを達成した[1]

2016-17シーズンからはデビッド・フィッツデールHCの方針でPFのスターターをジャマイカル・グリーンに譲った。ここでもまたチームの為と承諾し、シックスマンとしてチームを支えた。

2017年7月4日、サクラメント・キングスと2年2400万ドルで契約[2]。尚、ランドルフの古巣メンフィス・グリズリーズは同月7日、長年グリズリーズの中心選手として牽引したランドルフに敬意を表し、現役選手としては異例となる、チーム史上初の永久欠番50」を授与することを発表した[3]

2019年12月31日、引退を表明した[4]

2021年12月11日、メンフィス・グリズリーズ時代に着用していた背番号「50」の永久欠番授与式が執り行われた[5]

プレースタイル

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屈強な体格で、柔らかいシュートタッチでミドルレンジからのジャンプショットなどで多くの得点を決めただけでなく、体格を活かしてリバウンドでも強さを発輝した[6]マルク・ガソルとの優れたコンビは、NBA最強のフロントコートデュオとも評価されていた[6]

ポートランド・トレイルブレイザーズニューヨーク・ニックスに所属していた頃までは自分本位なプレイが多くかっただけでなく、度々問題を起こして、問題児扱いをされていたが、グリズリーズ移籍後、人間が変わったかのようにチームプレーヤーに徹するようになり、そのため個人成績は移籍前殆ど変わっていないにもかかわらず、周囲の評価が好転し、オールスターに選出されるまでになった[7]

個人成績

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略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ

NBAレギュラーシーズン

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シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2001–02 POR 41 0 5.8 .449 .000 .667 1.7 .3 .2 .1 2.8
2002–03 POR 77 11 16.9 .513 .000 .758 4.5 .5 .5 .2 8.4
2003–04 POR 81 80 37.9 .485 .200 .761 10.5 2.0 .8 .5 20.1
2004–05 POR 46 37 34.8 .448 .000 .815 9.6 1.9 .7 .4 18.9
2005–06 POR 74 71 34.4 .436 .291 .714 8.0 1.9 .8 .2 18.0
2006–07 POR 68 67 35.7 .467 .292 .819 10.1 2.2 .8 .2 23.6
2007–08 NYK 69 68 32.5 .459 .275 .772 10.3 2.0 .9 .2 17.6
2008–09 NYK 11 11 35.3 .434 .292 .821 12.5 1.4 1.2 .3 20.5
2008–09 LAC 39 34 35.1 .487 .342 .701 9.4 2.3 .8 .3 20.9
2009–10 MEM 81 81 37.7 .488 .288 .778 11.7 1.8 1.0 .4 20.8
2010–11 MEM 75 74 36.3 .503 .186 .758 12.2 2.2 .8 .3 20.1
2011–12 MEM 28 8 26.3 .463 .250 .659 8.0 1.7 .8 .1 11.6
2012–13 MEM 76 75 34.3 .460 .087 .750 11.2 1.4 .8 .4 15.4
2013–14 MEM 79 79 34.2 .467 .100 .742 10.1 2.5 .7 .3 17.4
2014–15 MEM 71 71 32.5 .487 .350 .765 10.5 2.2 1.0 .2 16.1
2015–16 MEM 68 53 29.6 .475 .231 .796 7.8 2.1 .6 .2 15.3
2016–17 MEM 73 5 24.5 .449 .223 .731 8.2 1.7 .5 .1 14.1
2017–18 SAC 59 57 25.6 .473 .347 .785 6.7 2.2 .7 .2 14.5
通算 1,116 882 31.0 .471 .273 .764 9.1 1.8 .7 .3 16.6
オールスター 2 0 16.0 .438 .000 .000 5.5 1.0 1.0 .0 7.0

NBAプレーオフ

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シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2002 POR 1 0 1.0 .000 .000 .000 .0 .0 .0 .0 .0
2003 POR 7 4 29.3 .525 .000 .892 8.7 1.6 .4 .3 13.9
2011 MEM 13 13 39.6 .446 .250 .821 10.8 2.4 1.1 .8 22.2
2012 MEM 7 7 35.4 .420 .000 .629 9.9 .9 1.0 .6 13.7
2013 MEM 15 15 36.9 .460 .000 .670 10.0 1.6 .7 .5 17.4
2014 MEM 6 6 39.0 .404 .000 .610 8.7 2.3 .8 .2 18.2
2015 MEM 11 11 34.7 .423 .200 .879 8.5 2.1 .5 .0 15.6
2016 MEM 4 4 30.0 .371 .000 .857 8.8 1.8 .3 .0 13.0
2017 MEM 6 4 31.8 .422 .143 .727 8.2 .7 .8 .3 13.2
通算 70 64 35.0 .437 .154 .750 9.3 1.7 .7 .4 16.5

カレッジ

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シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2000-01 ミシガンステート 33 8 19.8 .587 .000 .635 6.7 1.0 .7 .7 10.8

タイトル・受賞

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NBA
ハイスクール

脚注

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  1. ^ Randolph's 1st triple-double leads Grizzlies past
  2. ^ Zach Randolph to sign a two-year $24 mln deal with the Sacramento Kings
  3. ^ Grizzlies will retire Zach Randolph's No.50
  4. ^ ランドルフがNBA引退”. NBA FAN'S PAGE! (2019年12月31日). 2020年1月1日閲覧。
  5. ^ Memphis Grizzlies to retire Zach Randolph and Tony Allen jerseys” (英語). NBA.com (2021年9月2日). 2022年1月21日閲覧。
  6. ^ a b NBAキャリアに幕を下ろしたザック・ランドルフ「バスケットは今後もずっと僕の一部」”. バスケットボールキング (December 19, 2019). May 7, 2024閲覧。
  7. ^ “[httとps://number.bunshun.jp/premier/articles/10094 過去を捨て勝者となった ランドルフの新境地。 ~開花したNBAの元「問題児」~]”. NUMBER (February 10, 2010). May 7, 2024閲覧。

外部リンク

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