サン宝石
株式会社サン宝石(サンほうせき、英: SUNHOSEKI Co.,Ltd.)は、山梨県中央市山之神流通団地[1]に本社を置いていた装身具販売業者[6]。通称「サンホ」[7][8]。2023年(令和5年)4月1日に株式会社聖和趣味の会に吸収合併されて解散した[9]。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 |
設立 | 1979年10月1日(創業1965年[2]) |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 2090001003099 |
代表者 | 渡邊洋(代表取締役社長) |
資本金 | 2000万円 |
売上高 | 約4億9100万円(2020年9月期[2][3]) |
純利益 |
12億6370万円 (2022年9月期)[4] |
総資産 |
9682万3000円 (2022年9月期)[4] |
従業員数 | 44名(2021年12月現在)[5] |
決算期 | 9月 |
外部リンク | SUNHOSEKI |
特記事項:2023年4月1日に聖和趣味の会に吸収合併されて解散。 |
本項では、事業を継承した株式会社玉光堂 サン宝石事業部に関しても記述する。
概要
編集現社長の父により「大洋商会」として1965年(昭和40年)に創業[2][3]。当初は山梨県西八代郡下部町(現・南巨摩郡身延町)にて印章業を営んでいた[10]。後に山梨県の地場産業である貴金属製品の小売業に転身し、女性向け雑誌に広告を出稿、通信販売を開始[10]。1979年(昭和54年)には、「大洋」と「太陽」をかけて「サン宝石」に社名を変更した[10]。女性誌の広告は激戦区であったことから、後に対象を集客力のある子供向け商品に注力していった[10]。
現在は女子小中学生[1][11]ないし高校生[7][12]向けの低価格帯アクセサリー・雑貨の企画販売、通信販売[1][12]、催事販売[8]を主力とし、2013年時点で日本国内に直営店を30店以上運営する[10]。取り扱う商品の価格帯は5円から500円台[10]、ないし200円から300円台[11]が中心である。
2013年9月期には年間売上高は約42億6400万円を計上したものの、「ほっぺちゃん」人気の低迷や同業他社との競争により2016年9月期には約21億円に減少、2019年9月期には約8億1600万円にまで落ち込み、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、2020年9月期の年売上高は約4億9100万円にとどまった[3]。 売上低下による資金繰りの悪化を受け2021年8月30日、甲府地裁に民事再生法の適用を申請した[2][3][13]。
2021年9月26日、最後の直営店であった「ファンシーポケット」原宿店が閉店した[14][15]。
2021年10月6日、事業継続に向けての資金調達のためクラウドファンディングを実施することを発表、開始当日に目標金額の300万円を達成し[16]、最終的には1200万円以上の支援金が集まった[17]。
2021年11月8日、玉光堂の子会社である聖和趣味の会とスポンサー契約を締結。聖和趣味の会の支援を受けながら、物流機能の統合などで経営再建を図り[18][19]、2023年4月1日付で株式会社聖和趣味の会へ吸収合併され、サン宝石は解散し[9]、サン宝石が手掛けていた事業は聖和趣味の会直轄で手掛ける事になった。
2023年10月1日、株式会社聖和趣味の会と株式会社玉光堂が合併。今後は「株式会社玉光堂 サン宝石事業部」として運営を続ける[20]。
ほっぺちゃん
編集2010年(平成22年)、当時パート社員であった従業員の思いつきによりオリジナルキャラクター「ほっぺちゃん」が創作され[21]、試験的に販売を行ったところ[11]2013年(平成25年)までの3年間で1000万個を売り上げ、販売商品は1000種類を超えたと報じられた[21]。「ほっぺちゃん」は元々複数の雑貨をまとめたパック製品の中に含まれるキャラクターの一つに過ぎなかったが、「ほっぺちゃん」が含まれるパックが突出して売れていくことから単体での販売に踏み切ったという[21][22]。このブームは同社によって仕掛けられたものではなく、小中学生の間で「口コミ」で流行したと報じられた[11][22]。直営店や催事における売上のうち、約半分が「ほっぺちゃん」関連であるという[22]。
出版社からのオファーがあり幼児向け雑誌で漫画が連載[22][23]、および児童書レーベルから小説化が行われた[24]ほか、ゲームメーカーから全年齢向けにコンシューマーゲームが発売された[25]。ただし、同社に拠れば「今後ライセンス使用を大々的に広げていく方針は無い」としている[10]。
沿革
編集- 1968年(昭和43年) - アクセサリー貴金属の通信販売を開始。
- 1970年(昭和45年) - ジュニア向け通信販売に切りかえる。
- 1979年(昭和54年)- 法人組織を整え、株式会社サン宝石を設立する。
- 1989年(平成元年) - 一部商品の自社加工を始める。
- 1993年(平成5年) - 山梨県西八代郡下部町に本社社屋竣工。有限会社アトリエマーキュリー、有限会社ビーナスアドプランニング設立。
- 1994年(平成6年)10月 - 山梨県中央市に企画室のための社屋竣工。
- 1996年(平成8年)6月 - 中巨摩郡昭和町に本社を移転。
- 1997年(平成9年) - 資本金を2000万円に増資。
- 2000年(平成12年)3月 - 中央市流通団地に本社を移転。
- 2021年(令和3年)8月 - 民事再生法適用を申請し、保全命令を受ける[2][3][13]。
- 2023年(令和5年)
- 4月 - 聖和趣味の会へ吸収合併され解散。
- 10月 - 玉光堂と聖和趣味の会が合併。「株式会社玉光堂 サン宝石事業部」として運営は継続。
関連項目
編集- ファンシーポケット - 2002年に発売されたゲームボーイアドバンス用経営シミュレーションゲーム。
- ファンシーショップ
脚注
編集- ^ a b c d 藤原弘明 (2007年12月19日). “山梨発、サン宝石―少女向けアクセサリー製造・販売(キラ星企業)” (日本語). 日経産業新聞: p. 17 - 日経テレコンにて2014年4月26日閲覧。
- ^ a b c d e (株)サン宝石TSR速報 ー 東京商工リサーチ 令和3年(2021年)8月31日(火)閲覧[リンク切れ]
- ^ a b c d e 株式会社サン宝石 倒産・動向速報記事 ー 帝国データバンク 令和3年(2021年)8月30日(月)閲覧
- ^ a b 株式会社サン宝石 最終貸借対照表
- ^ (2ページ目)「これはまずいのではないか…」従業員たちも感じた「サン宝石」の“経営難” 再建に向けクラウドファンディングも | 文春オンライン(2021年10月15日). 2021年10月25日閲覧
- ^ “通販で年商一億円目標 ターゲット男の子 昭和町の装身具業者/山梨” (日本語). 朝日新聞(朝刊、山梨): p. ページ数不明. (1998年5月8日) - 聞蔵IIビジュアルにて2014年4月26日閲覧。
- ^ a b 岩崎賢一 (2009年6月16日). “明日への挑戦:上 サン宝石 市場見直しでV字回復/山梨県(真相追跡)” (日本語). 朝日新聞(山梨全県、1地方): p. 29 - 聞蔵IIビジュアルにて2014年4月26日閲覧。
- ^ a b “小中学生向けアクセサリー店、サン宝石、来期も10店出店、地方は催事販売強化” (日本語). 日本経済新聞(地方経済面、山梨): p. 25. (2010年6月8日) - 日経テレコンにて2014年4月26日閲覧。
- ^ a b 株式会社サン宝石国税庁法人番号公表サイト
- ^ a b c d e f g 松本千聖 (2013年4月11日). “アクセサリー小売り「サン宝石」(元気です!企業探訪)” (日本語). 朝日新聞(山梨). オリジナルの2013年6月21日時点におけるアーカイブ。 2014年11月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d “サン宝石、小中学生向け装飾品に初のキャラクター商品” (日本語). 日本経済新聞. (2011年5月7日) 2014年11月18日閲覧。
- ^ a b “未成年向けアクセサリー通販 サン宝石(ここが自慢)/山梨” (日本語). 朝日新聞(朝刊、山梨2): p. 34. (2000年9月2日) - 聞蔵IIビジュアルにて2014年4月26日閲覧。
- ^ a b 「ほっぺちゃん」のサン宝石が民事再生法申請 産経ニュース 令和3年(2021年)8月30日(月)閲覧
- ^ サン宝石の苦境に動いた「かつての少女たち」 購入ページ大混雑、公式も嬉しい悲鳴「感謝いたします」: J-CAST ニュース【全文表示】. 2021年10月7日閲覧
- ^ サン宝石、事業再建に向けてクラウドファンディング開始 「大人になった我々に任せろ!」「恩返しする」と支援の輪広がる(1/2ページ) - イザ!. 2021年10月7日閲覧
- ^ 「ほっぺちゃん」のサン宝石、クラウドファンディングで再建へ 民事再生法の適用申請 - 産経ニュース. 2021年10月7日閲覧
- ^ かつての少女たちが立ち上がったーー再建目指す「サン宝石」の敗因と、『りぼん』&『nicola』元編集長が語る魅力(Yahoo!ニュース オリジナル 特集). 2021年11月1日記事. 2021年11月2日閲覧
- ^ 株式会社サン宝石 倒産・動向速報記事 ー 帝国データバンク 令和3年(2021年)11月10日(水)閲覧
- ^ 民事再生手続き中の「サン宝石」 大阪のカタログ通販会社とスポンサー契約締結 - 山梨 テレビ山梨 令和3年(2021年)11月10日(水)閲覧[リンク切れ]
- ^ サン宝石 X 2023年10月2日
- ^ a b c 笹本貴子 (2013年10月29日). “サン宝石 手作りほっぺちゃん 人気=山梨(職場百景)” (日本語). 読売新聞 - 読売プレミアムにて2014年4月14日閲覧。
- ^ a b c d 【通販ヒット商品最前線】 サン宝石 『ほっぺちゃん』が女子小中学生に大ヒット - ウェイバックマシン(2014年11月29日アーカイブ分)[リンク切れ]
- ^ “ほっぺちゃん” (日本語). キャラぱふぇ. KADOKAWA. 2014年11月18日閲覧。
- ^ “ほっぺちゃん よろしく☆ネコ耳ちゃん” (日本語). 角川つばさ文庫. KADOKAWA (2013年6月15日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “サン宝石のマスコットキャラ“ほっぺちゃん”がニンテンドー3DSでゲーム化” (日本語). ファミ通.com. カドカワ. 2015年10月21日閲覧。
外部リンク
編集- SUNHOSEKI公式ウェブサイト
- sunhoseki (@sunhoseki) - X(旧Twitter)
- sunhoseki (@sunhoseki) - Instagram
- sunhoseki - YouTubeチャンネル
- 会社概要[リンク切れ]