ケアシノスリ(毛足鵟[1]、学名:Buteo lagopus)は、タカ目タカ科ノスリ属に分類される鳥類の一種である。種小名 lagopus はギリシア語の lagopous をラテン語化したもので「クロライチョウ」を意味する[1]

ケアシノスリ
ケアシノスリ Buteo lagopus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: タカ目 Accipitriformes
: タカ科 Accipitridae
: ノスリ属 Buteo
: ケアシノスリ B. lagopus
学名
Buteo lagopus (Pontoppidan1763)
和名
ケアシノスリ
英名
Rough-legged buzzard
Buteo lagopus

分布

編集

ユーラシア大陸と北アメリカの寒帯地域で繁殖し、冬季は亜寒帯から温帯地域へ渡る。

日本では冬鳥として、主に北日本を中心に飛来するが個体数は少ない。記録は北海道から南西諸島まで全国である[2]

形態

編集

体長は雄が約53-57cm、雌が約57.5-60.5cm。翼開長は雄が約129~137.5cm、雌が約124-143cm。[1]

体は全体的に白っぽく、淡い褐色の斑がある。頭部、胸部、下尾筒(かびとう; 尾羽つけ根の下側)は白味がかったバフ色。羽を広げた時、翼下面の先部、翼後縁部、翼角、尾羽の先部に黒褐色の斑があるのが確認できる[2]

ノスリButeo japonicus よりやや大型で、オオノスリButeo hemilasius より小型[2]

生態

編集

越冬地では、干拓地や農地、草原などの開けた場所に生息する。

主にハタネズミトガリネズミレミングといった齧歯類等の小哺乳類[2]や小型鳥類や、昆虫も捕食する。餌の80%以上が小型齧歯類だが、ジリスノウサギイタチテンなども食べる[1]。ネズミをホバリングしながら狙っている姿がよく見られる。

繁殖形態は卵生。ツンドラ泥炭地の岩の上に営巣する。一腹卵数は約3-4個。[3]

亜種

編集
  • B. l. lagopus
  • B. l. menzbieri
  • B. l. sanctijohannis クロケアシノスリ
  • B. l. kamtchatkensis カムチャッカケアシノスリ

参考文献

編集
  • 真木広造他 『日本の野鳥590』 平凡社
  • 柴田佳秀 著、樋口広芳 編『街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑』日本文芸社、2019年5月、85頁。ISBN 978-4537216851 

出典

編集
  1. ^ a b c d 森岡照明 ほか 著『図鑑 日本のワシタカ類』文一総合出版、1995年、136-147頁 ISBN 4-8299-2125-0
  2. ^ a b c d 五百沢日丸 著 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』 文一総合出版、2004年、p.156-157、ISBN 9784829901656
  3. ^ マイケル・ウォルターズ著・山岸哲監修『世界「鳥の卵」図鑑』新樹社,2006,9,1, ISBN 4-7875-8553-3

関連項目

編集

外部リンク

編集