カワイ・レナード

アメリカのバスケットボール選手 (1991 - )

カワイ・アンソニー・レナード(Kawhi Anthony Leonard([kəˈw]), 1991年6月29日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州リバーサイド出身のプロバスケットボール選手。NBAロサンゼルス・クリッパーズに所属している。ポジションはスモールフォワード。紙面などでクワイ・レナードと表記される場合もある。手が大きいことからクロウ(The Claw)の愛称を持つ。

カワイ・レナード
Kawhi Leonard
2022年のレナード
ロサンゼルス・クリッパーズ  No.2
ポジション SF/PF
所属リーグ NBA
基本情報
愛称 The Claw[1]
Sugar-k Leonard[2][3]
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1991-06-29) 1991年6月29日(33歳)
出身地 カリフォルニア州リバーサイド
身長 201cm (6 ft 7 in)
体重 102kg (225 lb)
ウィングスパン 221cm  (7 ft 3 in)[4]
キャリア情報
高校 キャニオン・スプリングス英語版
マーティン・ルーサー・キング英語版
大学 サンディエゴ州立大学
NBAドラフト 2011年 / 1巡目 / 全体15位[1]
NBADraft.net  /  DraftExpress
プロ選手期間 2011年–現在
経歴
20112018 SAS サンアントニオ・スパーズ
2018–2019 TOR トロント・ラプターズ
2019 LAC ロサンゼルス・クリッパーズ
受賞歴

NBA


カレッジ

  • オールアメリカン・コンセンサスセカンドチーム (2011)
  • 2× オールMWCファーストチーム (2010–2011)
  • 2× オールMWCトーナメントチーム (2010–2011)
  • オールMWCディフェンシブチーム (2011)
  • MWC最優秀選手 (2010)
  • MWC新人賞 (2010)
キャリアハイ
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten

ハイスクール

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キャニオンスプリング高校に入学し、2年次にマーチン・ルーサー・キング高校に転校した。同期生であったトニー・スネルと共に、3年次には、30勝3敗の戦績を残した。レナードは1試合平均22.6得点、13.1リバウンド、3.9アシスト、3.0ブロックの成績を残し カリフォルニア Mr.バスケットボール賞を受賞した[6]

全米のハイスクールフットボール、バスケットボール選手格付けサイトであるRivals.comで、2009年、カレッジリクルートにおいてレナードはスモールフォワードでNo.8、全プレーヤーでNo.48に位置づけられた[7]

カレッジ

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新入シーズン(2009–2010)

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サンディエゴ州立大学での初年次シーズンは、平均12.7得点、9.9リバウンドの成績を残し[8]、25勝9敗の戦績でマウンテン・ウェスト・カンファレンス(MWC)のカンファレンストーナメントを制し、NCAAトーナメントの出場権を獲得した[9]。しかしながら、1stラウンドでテネシー大学に 62–59 で敗戦した。レナードは 12得点、10リバウンドの成績であった[10]。レナードはMWCで、リバウンド王となり、新人賞と、トーナメントMVPを獲得した[11]。この段階でNBAドラフトにアーリーエントリーすることもできたが、ヘッドコーチのスティーブ・フィッシャーは、1巡目指名を受けられないと判断し、もう1年プレーすることを勧め、レナードも従った[12]

2年次シーズン(2010–2011)

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2年次シーズンは、平均15.7得点、10.4リバウンドの成績を残し[13]、 34勝3敗の戦績で、カンファレンス・トーナメントで連続優勝を果たした[14]サンディエゴ州立大学は 再びNCAAトーナメント出場を果たした[15]。この時はベスト16まで進んだが、コネチカット大学に敗れた[16]。レナードはオールアメリカン・セカンドチームに選ばれ、2011年のNBAドラフトにアーリーエントリーした。

受賞および名誉

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  • NCAA オールアメリカンセカンドチーム(2011)
  • 2×オールMWCファーストチーム(2010 - 2011)
  • 2× オールMWCトーナメントチーム(2010 - 2011)
  • オールMWCディフェンシブチーム(2011)
  • MWC MVP(2010)
  • MWC 新人賞(2010)
 
サンディエゴ州立大学時代

スタッツ

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シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2009–10 サンディエゴ州立 34 33 31.3 .455 .205 .726 9.9 1.9 1.4 .7 12.7
2010–11 サンディエゴ州立 36 36 32.6 .444 .291 .759 10.6 2.5 1.4 .7 15.5
キャリア 70 69 31.9 .449 .250 .744 10.2 2.2 1.4 .7 14.1
ドラフト前測定
ドラフト年 2011
データソース[17] NBA Draft Combine
身長シューズ無し 6ft6in(198cm)
身長シューズ有り 6ft7in(201cm)
体重 227lb(104kg)
ウィングスパン 7ft3in(221cm)
スタンディングリーチ 8ft10in(269cm)
体脂肪 5.4%
ノーステップ垂直跳び 25.5in(65cm)
最高垂直跳び 32in(81cm)

サンアントニオ・スパーズ

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マーチン・ルーサー・キング高校、サンディエゴ州立大学を経て、2011年のNBAドラフトで1巡目15位で、インディアナ・ペイサーズに指名を受けたが、学生時代からレナードに注目していたというサンアントニオ・スパーズR・C・ビュフォードGMが主導し、ペイサーズにトレードを申し入れ、グレッグ・ポポヴィッチHCのお気に入り選手の一人であったジョージ・ヒルと交換で、ダービス・バータンエラゼン・ローベックの交渉権とともに、スパーズに交渉権が譲渡された[18]。2011年7月1日から12月8日まで161日間続いたロックアウトの終結に伴い、12月10日、スパーズと複数年契約を結び[19]、NBAプレーヤーとなった[20]

2011-12シーズン

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ルーキー・シーズン2011–12シーズンは、控えのスモールフォワードとして始まったが、スターターのリチャード・ジェファーソンゴールデンステート・ウォリアーズに放出したことにより、レナードはスターターとなり、バックアップはトレードで加入したスティーブン・ジャクソンが務めた。2012年NBAオールスターウィークエンドの ライジング・スターズ・チャレンジティアゴ・スプリッターと共にチーム・ チャックメンバーに選ばれたが、脹脛の故障により出場しなかった[21]。レギュラーシーズンは64試合(先発39試合)に出場し、1試合平均、7.9得点、5.1リバウンド、1.1アシスト、1.3スティールの成績を残し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票で4位となり[22]、スパーズからは前年のゲイリー・ニールに続いて、オールルーキーファーストチームに選出された[23]

「彼はスター選手になるだろう。そして時を経て、スパーズの看板選手(face)になるだろう。コートの両エンドで本当に特別なプレーヤーであると思う。そして、彼に関してそのように確信する理由は、彼自身がそうなりたくてしかたがないと思っているからだ。彼は良いプレーヤーになりたいと思っており、つまり、それは偉大なプレーヤーを意味している。彼は早く現れ、遅くまで残っている。まるでスポンジのように吸収力があり、教え甲斐のある(coachableな)選手である。彼がカレッジでの経験が2年しかなく、トレーニングキャンプにも参加していなくとも、彼がすごい選手(something els)であることは判るはずだ。」
レナードに関してグレッグ・ポポヴィッチヘッドコーチ談(2012-08-31)[24]

2012-13シーズン

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2012年10月26日、スパーズはレナードに対しチームオプションを行使し、2013-14シーズンまで契約延長を行った[25]

2012–13シーズンは故障で、58試合と出場試合数を減らしたが、57試合をスターターとして出場し、成績も1試合平均11.7得点、6リバウンド、1.6アシスト、1.7スティールと着実に成長した。2年目のライジング・スターズ・チャレンジにもチーム・ チャックメンバーに選ばれ[26]、20得点、7リバウンドを記録し、163–135でチームシャックに勝利した[27]

プレーオフでは更に成績を伸ばし、初のNBAファイナル出場し、14.6得点、11.1リバウンドを記録し、大舞台での勝負強さを見せたが、レブロン・ジェームズとのマッチアップでは未だ力及ばず、チームも3勝4敗で敗退した。

2013-14シーズン

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ホワイトハウスバラク・オバマ大統領に2014 NBAチャンピオン記念のサインボールを手渡すレナード

2013–14シーズンは、2014年1月オクラホマシティ・サンダー戦で、利き手の第4中手骨を骨折し[28]、16試合を欠場したが、65試合に先発し、スパーズのスターターとしての地位を確立し、成績も1試合平均12.8得点、6.2リバウンド、2アシスト、1.7スティールと前年より伸ばしている。このポストシーズン中に、スティールからコースト・ツー・コーストのダンクを見せたことなどから、シャキール・オニールによって、“シュガー・K・レナード”というニックネームを授けられた[29]。スパーズは久々のNBAチャンピオンに輝き、レナードは、レブロン・ジェームズとのマッチアップで、攻守ともに非凡さを見せ、22歳という若さで、NBAファイナルMVPを獲得した[30][31] 。この若さはマジック・ジョンソンの1980年ファイナルの20歳278日、1982年の22歳298日に次ぐ記録である[32][33]。またNBAオールスター経験のない選手では6人目で、2004年ファイナルMVPのチャウンシー・ビラップス以来である[34][35]

2014-15シーズン

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2014–15シーズンは、プレシーズン・ゲームの終盤6試合と開幕戦のダラス・マーベリックス戦を右目のウイルス性結膜炎により欠場し、10月31日のフェニックス・サンズ戦で視力が完全に戻っていない中で復帰を果たした[36]。その後は好調を維持し、前シーズンを上回る成績を残していたが、12月9日のユタ・ジャズ戦で利き手の靱帯を損傷した [37]。スパーズはレナードの欠場中、9勝10敗と不振に喘いだが、1月16日の対ポートランド・トレイルブレイザーズ戦で復帰し、20得点、4リバウンド、5アシスト、3スティールと活躍し、勝利に貢献した。そのまま好調を維持し、続く30試合を20勝10敗とチームを支えた。3月24日時点で試合平均2.3スティールはリーグトップの成績である。4月5日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦では、キャリアハイの7スティールを記録した[38]。レギュラーシーズン終了時点で自己最高の平均2.31スティール、5.9ディフェンスリバウンドの成績を残し、シーズンスティール王となり、2015年4月23日、スパーズでは1992年のデビッド・ロビンソン以来となるNBA最優秀守備選手賞を受賞[39][40][41][42]。更に5月21日には、NBAオールディフェンシブチームのファーストチームに選出された[43]

2015-16シーズン

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2015–16シーズンは、10月28日の開幕戦となったオクラホマシティ・サンダー戦でゲームは落としたが、ケビン・デュラントをフィールドゴール成功率を32%以下に抑える一方で、キャリアハイとなる32得点(成功率59%)を記録し、8リバウンド、3スティール、2ブロックを記録した[44]。シーズン序盤、ディフェンス、オフェンス共に安定したプレーを維持し、12月21日、自身初めてとなる、プレーヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞した[45]。12月3日のメンフィス・グリズリーズ戦では、キャリアハイとなる7本の3ポイントを成功させ、27得点を記録した[46]。1月21日、NBAより2016年NBAオールスターゲームのファン投票結果が発表され、ウェスタン・カンファレンスのフロントコートで、コービー・ブライアントケビン・デュラントに次ぐ3位の782,339票を獲得し[47]、自身初となるオールスターゲームは、スターターを務め[48] 17得点、6リバウンド、3アシスト、2スティールの記録を残した[49]。4月2日、開幕からホーム39連勝となったトロント・ラプターズ戦でキャリアハイとなる33得点を記録[50]。4月18日、前年に続きNBA最優秀守備選手賞を受賞した[51][52]。MVPのステフィン・カリーに次ぐ得票で[53]、自身初のオールNBAファーストチームに選出された[54]

2016-17シーズン

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2017年のスパーズでのレナード

ティム・ダンカンが引退し、新生スパーズの新たな顔となったレナードは、シーズン開幕戦のゴールデンステート・ウォリアーズ戦で自己最高の35得点を記録し、129-100での開幕戦勝利をもたらした[55][56]。続く10月27日のサクラメント・キングスの新アリーナゴールデン1センターでの開幕戦となったこの一戦でも、レナードは30得点に加え5スティールを決め、2002年のエディー・ジョーンズ以来の "2試合連続30得点・5スティール" を記録した[57][58]。以降もエース級の活躍を見せ、2017年1月19日にはNBAオールスターゲームにファン、プレーヤー、メディによる投票で、ウェスタン・カンファレンスのフロントコートでケビン・デュラントに次ぐ2位を獲得し、2年連続先発選手としての出場が決定した[59][60]。1月21日、アウェイのクリーブランド・キャバリアーズ戦でキャリアハイの41得点を上げ、オーバータイムの末、勝利を掴んだ[61]。1月28日のニューオーリンズ・ペリカンズ戦で26得点を記録し、2005年、ティム・ダンカンの(試合中の負傷で途切れた)75連続試合2桁得点のスパーズフランチャイズ記録を76試合連続に書き換えた[62]。このシーズンから、対戦チームがレナードの鉄壁ディフェンスを崩すための戦術を練り始め、カワイがガードするトップオフェンスプレーヤーを敢えて攻撃に参加させず逆のアイソレーションを行い、他のディフェンダーに対して攻撃を展開するスキームを使い、レナードがオンコートの方が、ディフェンス・スタッツが落ちるという結果も生じ、カワイソレーション(Kawhisolation)と言う造語も生まれた[63]。チームは61勝21敗、全体第2シードでプレーオフに進み、ファーストラウンド1回戦のメンフィス・グリズリーズ戦で、プレーオフ・キャリアハイに並ぶ32得点を記録し勝利すると、第2戦では更にキャリアハイを更新する37得点に加え、11リバウンドを記録し、スパーズでは2008年のティム・ダンカン以来となる35得点・10リバウンド以上を達成した[64]

2017年4月15日、プレーオフ1stラウンド第1戦のメンフィス・グリズリーズ戦で、プレーオフ・キャリアハイとなる32得点を記録し111-82で勝利した[65]。2日後の第2戦で、37得点を記録し、プレーオフ・キャリアハイ更新し、11リバウンドを加え、96-82でメンフィスを下した[66]。更に第4戦では、43得点を記録し、たて続けにキャリアハイを更新した[67]。ゲーム6で29得点を記録し、スパーズはシリーズを4-2としてウェスタンカンファレンス準決勝に進んだ[68]。スパーズは2ndラウンドでヒューストン・ロケッツを4-2で下してウェスタンカンファレンスファイナルへ進出したが、レナードは第5戦で左足首を負傷し、第6戦を欠場した[69]。ウェスタンカンファレンスファイナルのゴールデンステート・ウォリアーズ第1戦、第3クォーターに、フィールドゴールを試みた後、ザザ・パチュリアの足に着地し、足首の負傷を悪化させ26得点を記録していたが、これ以降の出場はできず、スパーズはウォリアーズにスウィープされシーズンを終えた。レナードは、レギュラーシーズン、平均25.5得点、5.8リバウンド、3.5アシスト、1.8スティール、プレーオフ、12試合出場で27.7点、7.8リバウンド、4.6アシスト、1.7スティールを記録した。キャリアで2度目のオールNBAファーストチームに選ばれ[70]、3年連続で、3度目のオール・ディフェンス・ファースト・チームの栄誉を獲得した[71]

2017–18シーズン

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大腿四頭筋の故障により、プレシーズンゲームを全休し[72]、レギュラーシーズンも開幕から27試合欠場していたが、12月12日に行われたダラス・マーベリックス戦で復帰した。復帰戦ではまだ出場制限が課せられており16分の出場にとどまったが、13得点を記録した。チームは89-95で敗れた[73]。その後も出場と欠場を繰り返しながら徐々に出場時間を増やしていったが、2018年1月5日に行われたフェニックス・サンズ戦で今度は肩を負傷、1月8日には、今後数試合に欠場すると報じられた。1月13日に行われたデンバー・ナゲッツ戦で復帰、19得点を記録したが[74][75]、1月17日、スパーズはレナードが無期限で欠場すると発表した[76]

トロント・ラプターズ

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2018年6月、レナードはスパーズにトレードを要求し、その理由が怪我のリハビリ方法を巡ってチームとの関係が悪化したためだと報じられた[77]。その後、2018年7月18日にダニー・グリーンと共にデマー・デローザンヤコブ・ポエートル、2019年のドラフト1巡目指名権との交換でトロント・ラプターズに放出された[78]

2018-19シーズン

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2019年のNBAファイナルの第2戦でフリースローを放つレナード

10月17日に開幕戦でラプターズがデビューした時、レナードはクリーブランド・キャバリアーズに116-104で勝利して24得点、12リバウンドを記録した。 2日後、ボストン・セルティックスに 113-101で勝利して31得点、10リバウンドを記録した。 10月24日、ミネソタ・ティンバーウルブズに 112-105で勝利して35得点を記録し、ラプターズは開幕5連勝を挙げた。 11月16日、彼はセルティックスに123-116で敗北したものの、31得点、シーズン最多の15リバウンドを記録した。 11月25日、レナードは彼のNBAのキャリアで初となるレギュラーシーズンでのテクニカルファウルを受けながら、 マイアミ・ヒートに125-115で勝利し、29得点、12リバウンドを記録した。

11月29日のゴールデンステート・ウォリアーズに131-128で勝利し、シーズンハイとなる37得点を記録した。 12月21日、キャバリアーズに126-110で勝利し、37得点を記録した。 1月1日、ユタ・ジャズに122-116で勝利してキャリアハイとなる45得点を記録した。

2019年1月3日、古巣サンアントニオ・スパーズの本拠地AT&Tセンターでの試合では激しいブーイングを浴びた[79]

1月13日、ワシントン・ウィザーズに140-138で勝利し、シーズンハイとなる出場時間45分の間に41得点、11リバウンドを記録した。3月1日、38得点を記録し、ポートランド・トレイルブレイザーズに119-117で勝利した。

イースタン・カンファレンス準決勝での対フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦の第1戦では、レナードは23本中16本のフィールド・ゴール(FG:69.6%)を決め、プレーオフでのキャリアハイとなる45得点を記録し、108-95で勝利した。 これによってラプターズ史上、2001年に50得点を記録したヴィンス・カーター以来となる、プレーオフで40得点以上を記録した2番目のプレーヤーとなった。76ersとの第4戦では、ラプターズは101-96で勝利し、レナードは39得点、14リバウンドを記録した。第7戦では、レナードがコーナーからリムに4回跳ね返るブザービーターを決め、92-90で勝利し、ラプターズはイースタン・カンファレンス決勝に進出した。この試合で39本中16本のフィールド・ゴールを決め、41得点を記録した。これはNBA史上初の第7戦でのブザー・ビーターであり、普段は物静かで冷静沈着なレナードが感情を爆発させ、勝利の雄叫びを上げた。レナードは最後のブザー・ビーターについて「素晴らしかった。第7戦でのウイニング・ショットは今まで経験したことのないものだった。あのシュートを放ち、決めることができたのは嬉しかった。私のキャリアの中でも省みることのできる、特別な場面だった。」と述べている。

ラプターズはイースタン・カンファレンス決勝に進み、第1シードのミルウォーキー・バックスと対戦した。 イースタン・カンファレンス決勝の第3戦では、レナードが36点を記録し、ラプターズがバックスに118-112で勝利し、バックスとのシリーズを2-1に持ち直した。 第5戦では、彼は5つの3ポイント・シュートを含む35得点、7リバウンド、9アシストを記録し、バックスに3勝2敗でリードした。 第6戦では、100-94でラプターズが勝利し、レナードは27得点、17リバウンドを記録し、ラプターズ史上初となるNBAファイナル進出へと導いた。

レナードは2019年NBAファイナルでのゴールデンステート・ウォリアーズ戦でも大活躍した。 第2戦では、ラプターズはウォーリアーズに109-104で敗れたものの、レナードは34得点、14リバウンドを記録した。第4戦では、ラプターズが105–92で勝利し、レナードも36得点、12リバウンドと活躍した。 第6戦では、彼は22得点を記録し、ラプターズが114-110で勝利し、自身2回目となるNBAチャンピオン、ラプターズ史上初となるNBA優勝をもたらした。彼はその後2度目となるNBAファイナルMVPを受賞し、レブロン・ジェームズカリーム・アブドゥル・ジャバーに続き、2つのチームでNBAファイナルMVPを受賞した3番目の選手になった。レナードは2019年のプレーオフで計732得点を記録し、アレン・アイバーソン(計723得点)とアキーム・オラジュワン(計725得点)の記録を上回り、リーグ史上NBAポストシーズンで3番目に高い合計得点を記録した。これを超える記録を持っているのはレブロン・ジェームズ(計748得点、2018年)とマイケル・ジョーダン(759得点、1992年)のみ。

ロサンゼルス・クリッパーズ

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2019-20シーズン:オールスターゲームMVP

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プレーオフ後、フリーエージェントとなり、ロサンゼルス・レイカーズへの移籍か残留の2択と思われていたが、オクラホマシティ・サンダーポール・ジョージをトレードで獲得したロサンゼルス・クリッパーズに3年1億300万ドルの契約で電撃移籍した[80][81]

2019年10月22日、ロサンゼルス・レイカーズとのシーズン開幕戦でクリッパーズの選手としてデビューする。30得点、6リバウンド、5アシストを記録し、チームは112-102で勝利した[82]。10月24日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦にて、21得点とキャリアハイの9アシストを記録した[83]。12月11日には古巣のラプターズ戦でラプターズファンからスタンディングオベーションで迎えられ、レナードは23得点と6アシストを記録し、112-92で勝利した[84]。2日後のミネソタ・ティンバーウルブズ戦では、シーズン・ハイの42得点、11リバウンドを記録した。また、チームメイトのポール・ジョージは46得点を記録しており、2人の選手が40得点以上を記録するのは、クリッパーズのフランチャイズ史上初となった[85]。2020年1月14日の、クリーブランド・キャバリアーズ戦では、29分という短い出場ながら43得点を記録した[86]。また、1月13日から19日までの期間でウェスタン・カンファレンス週間MVPに選ばれた[87]。1月24日のマイアミ・ヒート戦で、33得点・10リバウンド・10アシストを記録し、キャリア初のトリプル・ダブルを達成した[88]。2月16日に行われた2020年のNBAオールスターゲームでは先発で選出され、キャリア初のオールスターゲームMVPを受賞した[89][90]

2019-20シーズン新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、3月11日に中断されたが、7月30日にフロリダ州ベイ・レイク英語版にある、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで選手と関係者だけを隔離した状態(通称:バブル)としてシーズンは再開した[91]。シーズン再開後、レナードは6試合プレーし、平均28.8得点、4.8リバウンド、4.3アシストを記録して、オールバブルセカンドチームに選ばれた。プレーオフでは1回戦のダラス・マーベリックスに、クリッパーズは6試合でシリーズ勝利を収め、レナードは5試合連続で30得点以上を記録し、シリーズ平均32.8得点、10.2リバウンド、5.2アシストを記録した[92]。しかし、クリッパーズはウェスタン・カンファレンス・セミファイナルで、デンバー・ナゲッツにシリーズ3勝1敗とリードしていたものの、そこから3連敗で敗退となった。第7戦では、クリッパーズのダブルエースのパフォーマンスが悪く、レナードはフィールドゴール22本中6本成功で、14得点しか決めることができなかった[93]

2020-21シーズン

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2020年12月22日のロサンゼルス・レイカーズとのシーズン開幕戦で、26得点、2スティールを記録し、クリッパーズは116-109で勝利した[94][95]。12月25日のデンバー・ナゲッツ戦で、第4クウォーターにチームメイトのサージ・イバーカの肘が当たり、顎顔面外傷を負った[96]。結果として、口を8針縫う大怪我となった[96]。故障で2試合欠場した後、12月30日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦で復帰、透明なフェイスマスクを着用しながら出場し、28得点、7アシストを記録した[97]。レナードは、レギュラーシーズンを72試合中(コロナウイルスの関係で短縮)52試合出場し、クリッパーズを47勝25敗で、ウェスタン・カンファレンス4位に導いた。シーズン平均24.8得点、6.5リバウンド、キャリアハイの5.2アシストを記録した[97]

攻守ともに活躍し、自身7回目のNBAオールディフェンシブチームと5回目のオールNBAチームに選出された。プレーオフ1回戦の相手は前年度と同じくダラス・マーベリックスとなった。クリッパーズは最初のホーム・ゲームで2試合を落としたが、アウェイではレナードがそれぞれ36得点と29得点を記録し、2連勝してシリーズを2勝2敗のタイに戻した。5戦目を落とした後、レナードは6戦目で、プレーオフのキャリア・ハイの45得点を記録し勝利した。7戦目では、28得点、10リバウンド、9アシスト、4スティールを記録し、2年連続でマーベリックスを破り、カンファレンス・セミファイナルに進出した[98]

セミファイナルは、レギュラーシーズンリーグ1位の勝率を記録したユタジャズと対戦。序盤の2試合は再び敗北したが、ホーム・ゲームの3戦目と4戦目でレナードは、それぞれ34得点と31得点を記録し、シリーズタイに追い上げた。しかし、4戦目の終盤にジョー・イングルスにファウルされた後、負傷した[99]。クリッパーズは5戦目と6戦目を勝利し、フランチャイズ史上初のカンファレンス・ファイナルに進んだが、レナードは膝の捻挫で残りの試合を欠場することとなった[100]。カンファレンス・ファイナルのフェニックス・サンズ戦では、レナードは1試合も出場できず、シリーズ2勝4敗でクリッパーズは敗退した[101]。7月13日、レナードは右膝の前十字靭帯損傷の手術を受けた[102]

個人成績

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略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ
  優勝シーズン      リーグリーダー

レギュラーシーズン

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シーズン チーム GP GS 勝率 MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2011–12 SAS 64 39 49 15 .766 24.0 .493 .376 .773 5.1 1.1 1.3 .4 0.7 7.9
2012–13 58 57 43 15 .741 31.2 .494 .374 .825 6.0 1.6 1.7 .6 1.1 11.9
2013–14 66 65 54 12 .831 29.1 .522 .379 .802 6.2 2.0 1.7 .8 1.2 12.8
2014–15 64 64 46 18 .719 29.0 .479 .349 .802 7.2 2.5 2.3* .8 1.5 16.5
2015–16 72 72 60 12 .833 33.1 .506 .443 .874 6.8 2.6 1.8 1.0 1.5 21.2
2016–17 74 74 54 20 .730 33.4 .485 .381 '.880 5.8 3.5 1.8 .7 2.1 25.5
2017–18 9 9 5 4 .556 23.3 .468 .314 .816 4.7 2.3 2.0 1.0 1.8 16.2
SAS Career 407 380 311 96 .764 30.4 .495 .386 .846 6.2 2.3 1.8 .7 1.7 16.3
2018–19 TOR 60 60 41 21 .683 34.0 .496 .371 .854 7.3 3.3 1.8 .4 2.0 26.6
2019–20 LAC 57 57 41 16 .719 32.4 .470 .378 .886 7.1 4.9 1.8 .6 2.6 27.1
2020–21 52 52 36 16 .692 34.1 .512 .398 .885 6.5 5.2 1.6 .4 2.0 24.8
2021–22
  負傷により全休
2022–23 52 50 44 38 .537 33.6 .512 .416 .871 6.5 3.9 1.4 .5 1.7 23.8
2023–24 68 68 51 31 .622 34.3 .525 .417 .885 6.1 3.6 1.6 .9 1.8 23.7
通算 696 667 478 218 .687 31.8 .499 .391 .862 6.4 3.0 1.7 .7 1.6 20.0
オールスター 6 5 5 1 .833 18.2 .524 .395 --- 5.2 3.3 1.0 .2 1.0 13.8

プレーオフ

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シーズン チーム GP GS 勝率 MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2012 SAS 14 14 10 4 .714 27.1 .500 .450 .813 5.9 .6 1.2 .4 .9 8.6
2013 21 21 15 6 .714 36.9 .545 .390 .633 9.0 1.0 1.8 .5 1.1 13.5
2014 23 23 16 7 .695 32.0 .510 .419 .736 6.7 1.7 1.7 .6 1.3 14.3
2015 7 7 3 4 .429 35.7 .477 .423 .771 7.4 2.6 1.1 .6 2.1 20.3
2016 10 10 6 4 .600 33.9 .500 .436 .824 6.3 2.8 2.6 1.4 1.6 22.5
2017 12 12 7 5 .583 35.8 .525 .455 .931 7.8 4.6 1.7 .8 2.2 27.7
SAS Career 87 87 57 30 .655 33.4 .514 .427 .803 7.3 1.9 1.7 .6 1.4 16.5
2019 TOR 24 24 16 8 .667 39.1 .490 .379 .884 9.1 3.9 1.7 .7 3.1 30.5
2020 LAC 13 13 7 6 .538 39.3 .489 .329 .862 9.3 5.5 2.3 .8 2.5 28.2
2021 11 11 6 5 .545 39.3 .573 .393 .880 7.7 4.4 2.1 .8 2.2 30.4
2023 2 2 1 1 .500 40.0 .545 .600 .882 6.5 6.0 2.0 .5 3.0 34.5
2024 2 2 0 2 .000 29.5 .458 .000 .667 8.0 2.0 2.0 .5 2.0 12.0
通算 139 139 87 52 .626 35.5 .511 .399 .844 7.8 2.9 1.8 .7 1.9 21.3

プレースタイル

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NBAプレーヤーの平均的な体格(1985年 - 2008年の平均:身長201cm、体重101.4kg[103])とほぼ同じであるが、221cmと非常に長いウイングスパン[104](両手を水平に広げた際の長さ)と手の大きさ、運動能力、判断力から、リバウンド、スティールに能力を発揮している。スタンディングリーチは2m69cm[105]。オフェンスでは、新人時代はコーナーからの3ポイントシュートペネトレイションの役割とトランジッションオフェンスを主に担っていたが、アイソレーションプレーやポストプレーもでき、ショットセレクションも含めフィールドゴール成功率の良いプレーヤーであり、3ポイントシュートの精度も年々向上している。オフェンス、デフェンス共に貢献できることから出場時の得失点差である+/-スタッツも良く、出場試合での勝率はリーグでもトップクラスの高さである。そのプレイの堅実さ、正確さから 「バスケサイボーグ」とも称されることがある。

タイトル・受賞

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NBAキャリアハイ

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  • 得点:45(2019年2月1日)[106]
  • リバウンド:16(2014年4月10日)[107]
  • アシスト:10(2回:2019年10月26日、2021年2月5日)[108][109]
  • スティール:7(2015年4月5日)[110]
  • 3ポイント成功数:7(2015年12月3日)[111]

パーソナル

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脚注

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外部リンク

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