オオヒナノウスツボ

ゴマノハグサ科の種

オオヒナノウスツボ(大雛の臼壺、学名:Scrophularia kakudensis )は、ゴマノハグサ科ゴマノハグサ属多年草[4][5][6]

オオヒナノウスツボ
福島県浜通り地方 2017年9月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: シソ目 Lamiales
: ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae
: ゴマノハグサ属 Scrophularia
: オオヒナノウスツボ
S. kakudensis
学名
Scrophularia kakudensis Franch.[1]
シノニム
和名
オオヒナノウスツボ(大雛の臼壺)[4]

特徴

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地下に紡錘形の肥大したが数個ある。は角ばった稜が4つあって四角になり、直立して高さ1mになり、ふつう上部には軟毛が生える。は対生してやや厚く、葉柄があり、葉身は長卵形または卵形で、長さ6-10cm、幅3-5cmになる。葉の先端はとがり、縁にはとがった鋸歯が多数ある[4][5][6]

花期は8-9月。茎先によく分枝する円錐花序を作り、多くのをつける。花柄は太く、長さ7-11mmになり腺毛が生える。は鐘形で、萼裂片は5つに深く裂け、裂片は三角状卵形で先はとがる。花冠は暗紅紫色で長さ8-9mmになり、ふくらんだ壺形で、先は唇形になり、上唇は2裂、下唇は3裂し、下唇の中央裂片は反り返る。雄蕊は4個あって花冠下唇側につき、横に広い楕円形の葯の縁が裂けて花粉を出す。仮雄蕊が1個あり、花冠上唇の中央基部につき、扇状に横に広がる。雌蕊は1個で花柱は花外に伸び出す。果実は、長さ6-9mmの卵形の蒴果になり、胞間裂開する。種子は楕円形でごく小さい[4][5][6][7]

雌蕊先熟

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雌蕊先熟で、花が開くと花柱が花の外に伸び、受粉して下垂する。この時、自花の葯から花粉は出ていない。その後雄蕊が伸びて葯の縁が裂け、花粉を出す。これによって同一の花からの受粉が避けられる[5][8]

分布と生育環境

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日本では、北海道南部、本州、四国、九州に分布し、低山の日当たりのよい草地や林縁などに生育する[4][5][6]。国外では、朝鮮半島に分布する[5]

名前の由来

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和名のオオヒナノウスツボは「大雛の臼壺」の意で、小さな壺形の花をに見立てたもの[4]同属に、似た花をつけるヒナノウスツボ(雛の臼壺、学名:Scrophularia duplicatoserrata[9] )などがある[5]

また、種小名 kakudensis は、「新潟県角田山の」のこと[6]で、新潟県角田山で採集されたものがタイプ標本となっている[1]

下位分類

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  • ツシマヒナノウスツボ Scrophularia kakudensis Franch. var. toyamae (Hatus. ex T.Yamaz.) T.Yamaz.[10]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b オオヒナノウスツボ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ オオヒナノウスツボ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ オオヒナノウスツボ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花)』p.144
  5. ^ a b c d e f g 『日本の野生植物 草本III合弁花類』pp.99-100
  6. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.671, p.1332
  7. ^ 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.95
  8. ^ 『写真で見る植物用語』p.110
  9. ^ ヒナノウスツボ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  10. ^ ツシマヒナノウスツボ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

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