オオハンゴンソウ
オオハンゴンソウ(大反魂草、学名:Rudbeckia laciniata)は、キク科オオハンゴンソウ属の多年草[2]。環境省指定特定外来生物[2]。空き地などで群生しているのをよく見かける。筒状花が緑黄色であることとと、花床の鱗片の形に著しい特徴がある[3]。
オオハンゴンソウ | |||||||||||||||||||||||||||
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オオハンゴンソウ(宮城県、2006年8月)
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Rudbeckia laciniata L. (1753)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
オオハンゴンソウ(大反魂草) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Golden Glow Cutleaf Coneflower |
分布
編集北米原産[4][5][2]。日本や中国に帰化植物として移入分布している[6][7]。日本へは明治中期に観賞用として導入され、1955年には野生化した[6][2]。今では北海道から沖縄県まで日本全国に定着している[6]。北海道、栃木県日光市、長野県などには大群落が見られる[3]。
特徴
編集多年生の草本[3]。茎の高さは0.5 - 3メートル (m) になる[3]。茎は無毛で白っぽい[3]。葉は互生し、下部のものは長い柄がついて羽状に5 - 7裂する[3]。上部の葉は柄がなく、3 - 5裂するか分裂しない[3]。葉の表面は無毛で、裏面は短毛があり[3]、触るとざらつく。
花期は夏から秋(7 - 9月頃)で[3]、計10 - 14枚の花弁は黄色で細長く、やや垂れ下がっている[8]。頭花は径5 - 6センチメートル (cm) 、黄色の舌状花と緑黄色の筒状花からなり、花床は半球形、総苞片は葉状で2列に並ぶ[3]。舌状花は10 - 14個で、のちにやや下向きに垂れる[3]。花床の鱗片はへら形で、先はやや円いか直線形、背面上部に短毛を密生する[3]。
果実は長さ5 - 6ミリメートルの痩果で、扁平で4稜あり、冠毛は癒着して環状となった葉状の突起になる[3]。
道端、荒地、畑地、河川敷、湿原などさまざまな環境に生育する。一株当たり1600粒の種子を生産する[9]。
外来種問題
編集現在では外来生物法により特定外来生物(第二次指定種)に指定されており、許可なく栽培・保管・運搬・輸入・譲渡を行うことは禁止されている。特に北日本や中部日本の高地で広く繁殖が確認されており、在来植物の生態系に影響を及ぼす恐れがある。そのため、日光国立公園戦場ヶ原、十和田八幡平国立公園、富士箱根伊豆国立公園、利尻島といった国立公園を始め[4]、全国各地で駆除作業が行われている[10][11]。しかし、オオハンゴンソウは地下茎や埋土種子(土壌シードバンク)で繁殖することができ、単純に刈り取るだけでは根絶は難しく、スコップなどで根ごと引き抜き、抜き取った根は焼却処分する必要がある[12]。
変種
編集画像
編集脚注
編集- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rudbeckia laciniata L. オオハンゴンソウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月4日閲覧。
- ^ a b c d “函館山に外来種「オオハンゴンソウ」増殖 自然保護団体、大規模駆除訴え”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年8月20日)
- ^ a b c d e f g h i j k l m 長田武正 1976, p. 65.
- ^ a b 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7。
- ^ Rudbeckia laciniata at USDA PLANTS Database
- ^ a b c オオハンゴンソウ 国立環境研究所 侵入生物DB
- ^ B. Auld, H. Morita, T. Nishida, M. Ito, P. Michael (2003). “Shared exotica: Plant invasions of Japan and south eastern Australia”. Cunninghamia 8 (1): 147-152.
- ^ 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七『日本帰化植物写真図鑑 Plant invader 600種』全国農村教育協会、2001年7月26日。ISBN 4-88137-085-5。
- ^ Francírková, T. (2001). Brundu, G., Brock, J., Camarda, I., Child, L., Wade, M.. ed. Contribution to the invasive ecology of Rudbeckia laciniata 『Plant invasions: species ecology and ecosystem management』. Backhuys. ISBN 90-5782-080-3
- ^ 永井茂富・古澤良幸・羽田 収「特定外来生物オオハンゴンソウの駆除の効果」『長野県環境保全研究所研究報告』第6巻、2010年、55-60頁。
- ^ 辻本 明「事業報告 箱根地域における、オオハンゴンソウの生育状況調査と駆除活動(3)」『神奈川県自然環境保全センター報告』第6号、2009年、55-62頁。
- ^ 大澤剛士・赤坂宗光「特定外来生物オオハンゴンソウの管理方法 : 引き抜きの有効性の検討」『保全生態学研究』第14巻、2009年、37-43頁。
参考文献
編集- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
関連項目
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