エイドリアン・シャーウッド
エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood、1958年1月20日 - )は、イギリスの音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア。
エイドリアン・シャーウッド Adrian Sherwood | |
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出生名 | Adrian Maxwell Sherwood |
別名 |
Barmy Army Crocodile Eddie Echo |
生誕 | 1958年1月20日(66歳) |
出身地 | イングランド ロンドン |
ジャンル |
ダブ レゲエ インダストリアル ニュー・ウェイヴ |
職業 |
音楽プロデューサー レコーディング・エンジニア |
レーベル |
On-Uサウンド Green Tea Pressure Sounds Sound Boy カリブ・ジェムズ ヒット・ラン 4Dリズム |
共同作業者 |
ゲイリー・クレイル タックヘッド プライマル・スクリーム リー・ペリー |
公式サイト |
www www |
略歴
編集1975年、17歳でレゲエ・レコードの卸売業「クリエイション・レベル」を開業し、のちにレコード・レーベル「カリブ・ジェムズ」を設立。プリンス・ファーライのアルバムや、レヴォリューショナリーズの7インチ・シングルをリリースした[1][2] 。
1978年、「カリブ・ジェムズ」レーベルを離れ、ドクター・パブロと共にレコード・レーベル「ヒット・ラン」を設立し、レゲエ・グループのクリエイション・レベルのアルバム『ダブ・フロム・クリエイション』をプロデュースした[1][3]。その後、新たに設立したレコード・レーベル「4Dリズム」からクリエイション・レベルのアルバム『スターシップ・アフリカ』をリリースし、プロデューサーとしての手腕を高く評価された[2]。「4Dリズム」は、シンプリー・レッドの前身のグループ、モスメンを輩出している[4]。
1979年、レコード・レーベル「On-Uサウンド」を設立[5]。1970年代後半頃から、スタイル・スコットとのコラボレーションによるダブ・シンジケートを始動している[6]。
1980年、「On-Uサウンド」の初リリース作品としてニュー・エイジ・ステッパーズとロンドン・アンダーグラウンドのカップリング・シングル「Fade Away / Learn A Language」を7インチ・レコードで発表した[7]。シングル盤のリリースに続き、1981年には、レーベル初のアルバムとしてニュー・エイジ・ステッパーズの『ニュー・エイジ・ステッパーズ』をリリースした[8]。
1984年、全英シングルチャート4位(ミュージック・ウィーク)[9]、全米チャート13位(Billboard Hot 100)[10]を記録したデペッシュ・モードのシングル「ピープル・アー・ピープル」の12インチ・バージョン[11]ではリミックスを担当した。 同年、シュガーヒル・レコードの専属バンドであるシュガーヒル・ギャング・バンド[12]で活動していたキース・ルブラン、スキップ・マクドナルド、ダグ・ウィンビッシュらとタックヘッドを結成する。[4][13]
1980年代の後半にかけアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンの12インチ盤『ユー・グン (Yü-Gung)』[14]、キャバレー・ヴォルテールのアルバム『Code』[15]、マーク・スチュワートのアルバム『マーク・スチュワート』[16]、ミニストリーのアルバム『トゥイッチ』[17]、KMFDMのアルバム『ドント・ブロウ・ユア・トップ』[18]等、インダストリアル・ミュージックのプロデュースを手掛けるようになる。その後、ナイン・インチ・ネイルズのデビュー・アルバム『プリティ・ヘイト・マシーン』に収録された楽曲もプロデュースしている[19]。
1990年、リー・ペリーのアルバム『フロム・ザ・シークレット・ラボラトリー 』にプロデューサーとして起用される[20]。
1991年、ゲイリー・クレイル & On-U サウンド・システムのシングル「Human Nature」をプロデュースし、全英シングルチャート10位[21]のヒットを記録した。
1994年、日本のアーティスト、オーディオ・アクティブのシングル「Free The Marijuana」のプロデュースを手掛け、イギリスにてDJチャート1位(NME)を記録した[22]。
1996年、全英シングルチャート17位[23]を記録したプライマル・スクリームらとのコラボレーション・シングル「ザ・ビッグ・マン&ザ・スクリーム・チーム・ミート・ザ・バーミー・アーミー・アップタウン」に続き、1997年には、プライマル・スクリームのアルバム『エコー・デック』でプロデュースを担当した。
2003年、自身初のソロ・アルバム『ネヴァー・トラスト・ア・ヒッピー』をリリースした。スライ&ロビーやダンスホール・レゲエのリディム"Diwali"で知られるレンキーを迎えてリズム・トラックを制作している[24]。
2006年にリリースしたセカンド・アルバム『ビカミング・ア・クリシェ』は、リー・ペリー、デニス・ボーヴェルをゲストに迎えて制作された[25]。同年、映画『Johnny Was』の音楽を担当した[26]。また、リー・ペリー、マッド・プロフェッサーらと共にダブを題材にしたドキュメンタリー映画『ダブ・ストーリーズ』[27]に出演。
2008年にも、ドキュメンタリー映画『Dub Echoes』に出演した[28]。
2010年、リー・ペリーと共にアルバム『ダブセッター』をリリースした[29]。
2012年、アルバム『サバイバル&レジスタンス』をリリースした[30]。
音楽性とその背景
編集1960年代から1970年代に、ファッツ・ドミノの「Walking To New Orleans」、T・レックスやソウル・ミュージック、レゲエを聴き始め、12歳になると「スキンヘッド・ミュージック」と呼ばれていたシマリップの「Skinhead Moonstomp」やジョー・ギブスの「Hijacked」、ルピー・エドワーズの「Census Taker」を聴くようになる[33]。 また、影響を受けた作品に、ウィンストン・エドワーズがプロデュースを手掛けたキング・タビー・ミーツ・アップセッターズの「At The Grass Roots Of Dub」、「Surrounded By The Dreads At The National Arena」やオーガスタス・パブロの「King Tubbys Meets Rockers Uptown」、「Ital Dub」を挙げている[34]。
自身の作品を「デザイナー・ダブ」と呼ぶことに関し「最初からダブ・ミックスとして作られた音楽である。ジャマイカのダブは、元々ある曲のヴァージョンとして始まったから、生まれた形が違う」と説明する[34]。
ディスコグラフィ
編集アルバム
編集- 『ネヴァー・トラスト・ア・ヒッピー』 - Never Trust A Hippy (2003年、リアルワールド/EMIミュージック・ジャパン)
- 『ビカミング・ア・クリシェ』 - Becoming A Cliché (2006年、リアルワールド/Beat Records)
- 『ダブセッター』 - Dub Setter (2010年) ※リー・ペリーと共作
- 『サバイバル&レジスタンス』 - Survival & Resistance (2012年)
- 『マン Vs. ソファー』 - Man Vs. Sofa (2017年)
参考文献・出典
編集- ^ a b c アルバム『ダブ・フロム・クリエイション』日本盤ライナーノーツ(2004年 Hitrun/On-U Sound/Beat Records)
- ^ a b アルバム『ビカミング・ア・クリシェ』日本盤ライナーノーツ (2006年 リアルワールド/Beat Records)
- ^ a b 『remix』誌 #12 1992年4月号 On-Uサウンドの歴史とその意味~キシ・ヤマモト インタビュー (アウトバーン)
- ^ a b 『On-U Sound/Science Fiction Dance hall』解説 (1991年 Spin/アルファレコード)
- ^ 『remix』誌 #185 2006年11月号 Adrian Sherwood インタビュー (アウトバーン)
- ^ On-U Sound | Disturbing The Comfortable, Comforting The Disturbed - Dub Syndicate
- ^ [1]Discogs New Age Steppers / London Underground – Fade Away / Learn A Language
- ^ [2]Discogs New Age Steppers - The New Age Steppers(ON-U LP 01)
- ^ [3]Music Week Depeche Mode - People Are People
- ^ [4]Billboard Database Depeche Mode - People Are People
- ^ [5]Discogs Depeche Mode - People Are People (Special Edition ON-U Sound Remix By Adrian Sherwood)
- ^ [6]Discogs Sugarhill Gang Band
- ^ 『ミュージック・マガジン』 1991年12月号 エイドリアン・シャーウッド インタビュー
- ^ [7]Discogs Einstürzende Neubauten – Yü-Gung
- ^ [8]Discogs Cabaret Voltaire – Code
- ^ [9]Discogs Mark Stewart – Mark Stewart
- ^ [10]Discogs Ministry – Twitch
- ^ [11]Discogs KMFDM – Don't Blow Your Top
- ^ [12]Discogs Nine Inch Nails – Pretty Hate Machine
- ^ [13]Discogs Lee "Scratch" Perry – From The Secret Laboratory
- ^ [14]Music Week Gary Clail & On-U Sound System – Human Nature
- ^ [15]Beatink オーディオ・アクティブ・バイオグラフィー
- ^ [16]Music Week Primal Scream, Irvine Welsh And On-U-Sound - The Big Man And The Scream Team Meet The Barmy Army Uptown
- ^ [17]Discogs Adrian Sherwood – Never Trust A Hippy
- ^ [18]Discogs Adrian Sherwood – Becoming A Cliché
- ^ [19]Imdb Adrian Sherwood
- ^ DVD『ダブ・ストーリーズ』ナウオンメディア
- ^ [20]Imdb Dub Echoes
- ^ [21]Adrian Sherwood – Survival & Resistance
- ^ [22]Lee 'Scratch' Perry and Adrian Sherwood – Dub Setter
- ^ [23]Sherwood & Pinch – Man Vs. Sofa
- ^ [24]Discogs Kishi Yamamoto
- ^ [25]Inter FM897 エイドリアン・シャーウッド インタビュー
- ^ a b 『DUB論』P293 サンクチュアリ出版