アンドロメダ座タウ星

アンドロメダ座の恒星

アンドロメダ座τ星(アンドロメダざタウせい、τ Andromedae、τ And)は、アンドロメダ座恒星である。見かけの等級は4.95で、郊外の空以上の暗い夜空では、肉眼でみることができる[1]ヒッパルコス衛星が測定した年周視差を基に計算した太陽からの距離は、およそ710光年である[2]

アンドロメダ座τ星
τ Andromedae
星座 アンドロメダ座
見かけの等級 (mv) 4.95[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  01h 40m 34.8164511s[2]
赤緯 (Dec, δ) +40° 34′ 37.374230″[2]
視線速度 (Rv) -13.9 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 15.99 ミリ秒/[2]
赤緯: -23.76 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 4.58 ± 0.25ミリ秒[2]
(誤差5.5%)
距離 710 ± 40 光年[注 1]
(220 ± 10 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -1.7[注 2]
アンドロメダ座τ星の位置(丸印)
物理的性質
半径 6.5 R[3][注 3]
質量 4.8 M[4]
表面重力 2.3 G[4][注 4]
自転速度 74 km/s[4]
スペクトル分類 B8 III[1]
光度 851 L[3]
表面温度 12,680 K[4]
色指数 (B-V) -0.10[1]
色指数 (U-B) -0.40[1]
他のカタログでの名称
アンドロメダ座53番星, BD+39 378, HD 10205, HIP 7818, HR 477, NSV 584, SAO 37418[2]
Template (ノート 解説) ■Project

特徴

編集

アンドロメダ座τ星は、スペクトル型がB8 IIIのB型巨星とみられる[1]質量太陽の4.8倍、表面温度は1万3000K程度、光度太陽のおよそ850倍と推定される[4][3]

アンドロメダ座τ星は、1918年に変光していると報告されたことがあるが、変光星であることは確かめられておらず、変光星総合カタログでも新しい変光星候補としての記載にとどまっている[5][6]

名称

編集

中国では、アンドロメダ座τ星は天大將軍拼音: Tiān Dà Jiāng Jūn)という星官を、アンドロメダ座γ星ペルセウス座φ星英語版アンドロメダ座51番星アンドロメダ座49番星英語版アンドロメダ座χ星アンドロメダ座υ星アンドロメダ座56番星英語版さんかく座β星さんかく座γ星さんかく座δ星と共に形成する。アンドロメダ座τ星自身は、天大將軍七拼音: Tiān Dà Jiāng Jūn qī)つまり天大将軍の7番星と呼ばれる[7]

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ 視直径0.277ミリ秒、距離218パーセクから計算。
  4. ^ 出典での表記は、 

出典

編集
  1. ^ a b c d e f Cowley, Anne (1972-11), “Spectral classification of the bright B8 stars”, Astronomical Journal 77: 750-755, Bibcode1972AJ.....77..750C, doi:10.1086/111348 
  2. ^ a b c d e f g h tau And -- Variable Star”. SIMBAD. CDS. 2019年3月30日閲覧。
  3. ^ a b c van Belle, G. T.; et al. (2008-05), “The Palomar Testbed Interferometer Calibrator Catalog”, Astrophysical Journal Supplement Series 176 (1): 276-292, Bibcode2008ApJS..176..276V, doi:10.1086/526548 
  4. ^ a b c d e Huang, Wenjin; Gies, D. R.; McSwain, M. V. (2010-10), “A Stellar Rotation Census of B Stars: From ZAMS to TAMS”, Astrophysical Journal 722: 605-619, Bibcode2010ApJ...722..605H, doi:10.1088/0004-637X/722/1/605 
  5. ^ Lau, H. E. (1918-08), “Veränderlichkeit von τ Andromedae”, Astronomische Nachrichten 208: 117-118, Bibcode1918AN....207..117L 
  6. ^ Samus, N. N.; et al. (2009-01), “General Catalogue of Variable Stars”, VizieR On-line Data Catalog:B/gcvs, Bibcode2009yCat....102025S 
  7. ^ 中國古代的星象系統 (71): 婁宿天區” (中国語). AEEA 天文教育資訊網. 國立自然科學博物館 (2006年7月10日). 2019年4月2日閲覧。

外部リンク

編集

座標:   01h 40m 34.8164511s, +40° 34′ 37.374230″